見えてきた概要と見えない内面 Gのレコンギスタ 第3話『モンテーロの圧力』:感想

2014年10月11日

【ストーリー】

■見えてきた概要
・今回は世界の状況や今動いている思惑を説明する回だったように感じました。
地理的状況にアメリアとキャピタルの軍事力の差。各組織の思惑やつながり。どんな舞台なのか全体像が掴めた気がします。
ストーリーのほうも「道具は使いよう」を実践したアイーダとベルリに対し、戦争の道具なのにMSが大好きなクリムニック、何を道具としているのか見えないクンパ大佐と一つの方向性が見えた気がしました。

・アイーダたちの脱出が簡単すぎて疑問に思ったのですが、あれもクンパ大佐たちの計画のうちなのでしょうね。前回の海賊関連の警備の薄さも、ある程度は計画のうちということでしょうか。
だいたい捕まっていても寝てしまうような、ぽんこつ娘のアイーダがあんなに落ち着き払って脱走できるとは思えません。事前に大佐から何かしらの情報を得ていたと考えるほうが妥当でしょう。

・クンパ大佐から法皇への電話から察すると、計画全体を指導しているのは法皇で、大佐は少なくともGセルフを今逃がす(かもしれない)ことには懐疑的のようですね。法皇が何を企んでいるのかはわかりませんが、そこでGセルフ=ガンダム=歴史を代表する象徴的存在、とつながっていくのでしょうかね。
海賊とも通じている節のある法皇に、大佐が裏で手を回して作ったキャピタルアーミー。なんだか一気にきな臭くなってきました。

■見えない内面
・脱出劇が上手くいった理由は見えてきましたが、それについていったベルリたちの考えが全然わかりませんでした。ベルリは惚れた弱みとして押しきれなくもないですが、ノレドは見当もつきません。アイーダの好きにさせて、挙句に海賊のところに行くなんて絶対嫌がると思うのですが。
明らかに不自然なように見えるのですが、この不自然さも脚本のうちなんでしょうかね?
ノレドが誰かの指示を受けて従っているとするなら、なぜか面識のある法皇が一番怪しいでしょうね。

■食事の意味
・あと個人的にわからなかったのが、ベルリが大佐の元に向かう直前の食事の意味するところです。あれは何を表してたんでしょうか?
早朝で誰も目覚めていないが皿は三人分有って、かつ空っぽ=あれは寝る前に出された食事の残り。置かれていた位置から考えて、ベルリが食べていたのは母親の残したもの、状況はたぶん合っていると思うのですが、問題はベルリの行動の意味です。
ラストのトレイのシーン(あのサンドイッチでお腹を壊した)につなげるためだけとは私には思えません。

・単純に「残したのなら食べてしまってもいいだろう」というしたたかさなのか。
母親が疲れているようだったから「食事を残すと配膳係の部下に心配されるから自分が片付けておこう」という親思いの表れなのか。
何ともいえない表現に見えました。あれが何だったのか気になっています。

■目線の意味
・ベルリとアイーダの会話での目線の動きが興味深かったです。
カーヒル大尉の話を出されて目を逸らすベルリからはアイーダのヒステリー地味た感情論を受け入れるつもりがないことが伝わってきました。アイーダもそれに対してエネルギー問題の話という大義を持ちだして一般論にしようとするも、結局はまた「カーヒル大尉は!」と根拠の薄い感情論に逆戻りになってしまうのがアイーダらしかったです。

・それに神の話を持ちだしてこの話を終わらせたのが、裏で糸を引いているであろう大佐というのが何とも意味深でした。大佐の目指すものは科学技術や軍隊の復活を元にしたレコンキスタなんでしょうかね。

「ジャベリンありがとうネ」
・今回はこの台詞が印象的でした。
あれはクリムニックの性格描写と必殺兵器のジャベリンの強調のため以外に、「ジャベリンはモンテーロの通常武器ではない」→「だから次回でGセルフが使いもする!」って前振りも兼ねていたのかなと思いました。
この辺りのコンパクトで無駄のない台詞の使い方が好きです。


【アクション】

■モンテーロ
・飛ぶ姿は飛行機のようで、正面から見るとMSなフォルムがかっこいいですね。
自信家のクリムニックはあまり好きになれませんが、機体はかっこいいと思います。
海賊ご自慢?のビームワイヤーって、前回の海賊の丸い機体のビームライフルの下から出たかっこいいのもビームワイヤーだったんでしょうかね?
ビームライフルよりも躍動感があって、ビームサーベルよりもトリッキーな動きができそうで個人的には楽しみにしています。発展装備とか出ると嬉しいです。

■デレンセン大尉
・飛べない量産機で自由落下中に単独引こう可能なカスタム機を圧倒するとかすごすぎです。
「モンテーロの圧力」じゃなくて「デレンセン大尉の圧力」に今回のタイトルを変えたほうが良いと思いました。

・しかしそんな頼れる大尉が次回からベルリの敵にまわっちゃうんですよね。
「味方が圧倒してる、やった!」っていう爽快感と「こんな強い敵にどう戦えばいいんだ?!」というピンチ感を同時にやっていて驚くばかりです。
富野監督のこういう無駄のないスマートさには感心するばかりです。

・個人的にはケルベス教官も敵にまわるのが少し不安です。
共感しやすい性格で、けっこう有能なので私が気に入っているキャラの一人です。
人数的にも立場的にも危ういので次回以降の行末が心配です。



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