『仮面ライダービルド』 第46話「誓いのビー・ザ・ワン」:感想

2018年7月29日

【ストーリー】

■内容が薄い
エボルトと決着を付けるぞ!(もうずっとやってる)
一海の何度めかの死ぬ死ぬ詐欺、の前振り。本番は次回。
と今回は一段と内容が薄くて語ることがあまりありません。段取り臭すぎて5分で終わらせてほしい内容でした。
しかも死ぬ死ぬ詐欺と平行して「世界を作り変えれば死んだ人も生き返るんじゃない?」という感じの話を匂わせていて余計に鼻につきました。個人的には無いと思いたいです。人の生き死にを扱う作品で最後に生き返ったら台無しだと思います。

・個人的には「10分ごとに1エリアずつ消す」というスケールの小ささに呆れました。
いや、そこはどうせなら「一大陸ずつ消す」くらい言いましょうよ。日本を少しずつ消していって、消し終わったら今度は世界中をちまちま消していくとでも言うのでしょうか。「地球を消滅させる」の縮小版が「日本をエリアで区切って消していく」になるのは発想が残念過ぎると思いました。

・ドラマ面では戦兎が「三羽烏」とひと纏めにしたことに愕然としました。
あれだけ一人を殺したことにこだわっていたのに、今では三人のうちの一人でしかないんですね。個人的にはそこは「青羽たち」、もしくは一人ずつ名前を呼ぶべきシーンだったのではないかと思いました。もう殺した設定も無くなったんでしょうかね。


■今週の新設定
・ブリザードナックルは一海のために作ったものだった
あのツインブレイカーとはいったい…? 龍我が勝手にやったことだからノーカンですか、そうですか。

・ブリザードナックルで変身すると「人間の限界を越えて消滅する」という話も何だかなぁという印象でした。私の記憶に間違いがなければ、そんなものは戦兎がとっくに越えてましたよね?
そもそも地球が消滅するという話をしているときに消滅するかもしれないからやだーとか言っている場合じゃないと思います。それともまさか「ライダーは宇宙空間でも生きていけるから」とか本気で考えているのでしょうか? この前のエボルト宇宙ツアーはそのための前振りだったというのでしょうか。

もっとそもそもで言うと、変身する必要性が見当たらないところがもっとヤバいです。無くても優勢だったのにどうして使うんでしょう… 本当に平和のために戦う気があるのか 疑わしく思えてきます。死んだらもう世界を救うために戦えないんですがわかってるんでしょうか。

・平行世界の説明も個人的には謎でした
「Aの世界+Bの世界=新しいCの世界が生まれる」
とのことでしたが、これだと今いる戦兎たちは救われないですよね? 自分たちのいるAの世界を上書きしないと意味がないし、上書きしたらBの世界に影響が出ると思うのですが何がどうなっているのでしょう?
「Aの世界をベースにBから都合の良い部分をコピーして継ぎ接ぎする」という話ならそれは平行世界じゃなくて世界の改変や再創造で済むと思います。いろいろ意味がわかりません。”遺伝子”と同じくビルドスタッフのオリジナリティ溢れる言語センスが発揮されてしまったのでしょうか?

■生きてたんだ
・今回の本編とは関係ありませんが、劇場版の宣伝映像で美空が目の色を変えてベルナージュの力っぽいのを使っているシーンがあって驚きました。
生きてるのか死んでるのか玉虫色でしたけどまだベルナージュは生きてたみたいですね。今度こそまともに退場できると良いですね。


【アクション】

■グリスブリザード
・第一印象は「ガイバー1みたい」でした。
ただのCGによる色替えや武器など小道具追加でなかったことは意外でした。下半身以外はクリアパーツだった部分をしっかり塗っただけで基本は同じみたいですがだいぶ印象が変わりました。
手間がかかっていそうですけど、劇場版も既にあるのに使いみちあるんでしょうかね? グリスのVシネを出すつもりなのかなと思いました。

・今回はブリザードナックルを持ったグリスのアクションは派手でそれなりに良かったんですが、やっぱり残念な印象が強かったです。
ブリザードナックルのエフェクトは派手派手にやってるのに、飛びかかって殴るシーンなのにグリス固有のエフェクトである油みたいものを撒き散らしながら飛ぶエフェクトは無かったからです。 グリスと言えばあれじゃないんですか? 戦ってるのはブリザードナックルじゃなくて”ブリザードナックルを持ったグリス”なのだから両方やらないと片手落ちだと思います。これだからライダーのスタッフは…と暗い気持ちになりました。

・決め台詞が「心火を燃やして」なのにそれと反するイメージのブリザードへの変身が釣り合っていないように感じたことも残念でした。特にドラマがないんですよね。
一海の心境に大きく変化したところがあるなら逆転もいいのですが全然変わったところは見当たりません。本当に道具を変えたから変わったというだけで無味乾燥としています。たとえば「これまで3人の復讐のために戦ってきた一海が世界の平和のために戦うことにした」とか落差の付けられるところはいくらでもあったと思います。玩具の登場のタイミングがご都合主義的になりがちな販促番組では避けたほうが良いことだと思います。


来週はお休みで再来週の次回はグリスが三羽烏を倒して無駄に消滅して、次の内海か再生ブロス兄弟の途中で終わりそうです。エボルトを倒す大目標があるので小競り合いを続けられても面白くないんですよね… これなら前回の黒パネル排出役をグリスやローグにやらせて退場させておいたほうがマシだったと思います。
 

コメント

6 件のコメント :

  1. この時期に団扇パタパタやってたり野外で焼肉や素麺で最後の晩餐やってたところを見るに、彼らって結局1年間もエボルトに好き勝手に翻弄され続けてきたって事なんでしょうかねえ…
    製作者がエボルトに肩入れし過ぎた結果なのか、それとも戦兎達が単純に力不足でしかなかったのか…

    あと、日本全土を描いた物語だったはずなのに一般人が結局一部の愚民しか描かれていないのはどうなんでしょうね
    今回だけでもちょっと前にマスコミに騙されてライダーを敵視していた連中がタイムラグ無しでコロッと手のひら返したみたいですし

    返信削除
    返信
    1. >製作者がエボルトに肩入れし過ぎた結果なのか、それとも戦兎達が単純に力不足でしかなかったのか…

      単純に「エボルトは強い。戦兎たちは弱い」そういう話なだけだと思います。
      スタッフはそれが面白いと思ったのでしょう。

      >今回だけでもちょっと前にマスコミに騙されてライダーを敵視していた連中がタイムラグ無しでコロッと手のひら返したみたいですし

      鵜呑みにするのが当たり前のようですから今回も「首相は宇宙人で地球を破壊するんだって。じゃあ大変だね!」と素直に受け止めたのだと思います。
      それかもしくはライダーを敵視していたなんて事実はビルドの公式な歴史には存在しないのでしょう。歴史改変がしょっちゅう行われているので何を信じればいいのか私にはわかりません。


      削除
  2. 猿渡の「できてるよ」のシーン自体は格好いいと思ったのですがどうにも引っかかるところがありました。グリスが三馬鹿に負けてたのは精神的な問題であり別にグリスブリザードに変身する必要性を特に感じないところです。それにブリザードナックルはビルドドライバーで変身する物なのにスクラッシュドライバーで変身するグリスの為に作ったと言った戦兎の発言に少し違和感を感じました。あとowl0079さんは10分ごとに1エリアはスケールが小さいらしいとの考えらしいですがニチアサとしては頑張った方ではないでしょうか?ビルドは規制だらけのニチアサとしてはその辺は頑張ってる方なのかと思っていますそれが面白さにつながっているとは別ですけど。

    返信削除
    返信
    1. トウマさん、はじめまして。

      >それにブリザードナックルはビルドドライバーで変身する物なのにスクラッシュドライバーで変身するグリスの為に作ったと言った戦兎の発言に少し違和感を感じました。

      「グリスの武器として作った」と解釈すれば特に不思議はないと思います。
      どうして変身機構を取り除かなかったのかという問題点は残りますが、他人の設計図どおりにしか作れない戦兎には改造する技量がなかったと考えることは難しくないと思います。
      私だったらシンプルに「元から命がけの戦いだから危険は承知で変身機能を残した。使うはどうかは本人に委ねる」という非情な選択として取り扱うほうが良いと思いますが。

      >ビルドは規制だらけのニチアサとしてはその辺は頑張ってる方なのかと思っています

      スケールの小ささが放送基準の規制によるものだというのは、トウマさんの推測以外に具体的な根拠があってのお話でしょうか?
      鎧武でも外国の介入がありましたし、ゴーストでもデミアプロジェクトで世界中が被害にあった描写があったと思います。私は「外国を被害にあわせてはいけない」という規制は無いのではないかと推測します。

      削除
  3. L.E.D.ガイスト2018年8月7日 10:22

    武田航平(猿渡一海 役)氏の演技は素晴らしかった46話。


    A(ビルド劇中世界)とB(エボルトやパンドラボックス、スカイウォールの無い世界)を融合させて新しい世界Cを創るって、確か『平成ジェネレーションFINAL』で最上魁星がやろうとしてた事と同じでは? と思いました。そんな手段で世界が救えるのなら『平成ジェネレーションFINAL』はとんだ茶番劇だったことになると思います。

    茶番と云えば45話と46話の間である「劇場版 仮面ライダービルド Be The One」も46話冒頭からぴんぴんした状態の龍我が出てきている時点で(劇場版のCMや宣伝映像で龍我が消滅するかのような演出があります)茶番な気がしてきたのですが……

    返信削除
    返信
    1. >確か『平成ジェネレーションFINAL』で最上魁星がやろうとしてた事と同じでは? と思いました。

      そうなのですか。見ていないので私にはなんとも言えません。

      >劇場版のCMや宣伝映像で龍我が消滅するかのような演出があります

      私はもうスれているのでこの手のやつは「はいはい、死ぬ死ぬ詐欺乙」としか思わないですね。そういう点ではパラレル設定のほうが劇場版単体としては良いと思います。本編との地続きものでやるのは無理があると思います。本当にやったらテレビ版だけ見てる視聴者は話についていけない上に後で劇場版を見るつもりだったとしても事前にテレビでネタバレされることになりますからね。テレビ版を見ていて「龍我は劇場版で死んだからいないよ」なんて言われてもいろいろな意味で「はぁ?」としかならないでしょう。

      削除

 コメントは承認後に表示されます。
*過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。