■ビターガヴ編・完
・絆斗とショウマの和解と友情、酸賀との決着などひと通り終わりました。
ストーリーとしては意外性のある内容は特にありませんでしたが、絆斗の役者さんの熱演や酸賀の役者さんの怪演のおかげでドラマとしてはまとまっていたと思います。

・個人的にはチョコフラッペの前のバトルに感じ入った部分がありました。
圧倒的な力を持ち、余裕のある態度で優位に立ちながら現実的な対応をする酸賀と、ボロボロになりながら必死に立ち向かうけど非力でやられてばかりなのに理想を諦めないショウマと絆斗。
この対照的な両者のどちらをかっこいいと思えるか応援したいと思うか。それこそがヒーロー性の何たるかだと思います。

・ラストのショウマにおんぶされる絆斗は大げさだけどわかりやすい表現としては悪くないと思いました。
今までの絆斗だったら文字通りに「おんぶにだっこ」な状態になるおんぶなんて嫌がったでしょう。それでも素直に自分の方がボロボロでショウマの方が肉体的余裕があると認めて運ばれていることは大きな変化だと思います。
ただ運ばれるだけじゃなくショウマのお腹が鳴ったらグミを渡し、グミに夢中になったショウマに落とされても怒らず「(お前もボロボロなんだから)いいから食え」と残りのグミも渡して、ボロボロ同士で肩を組んで歩き出す流れは絆斗の変化を象徴的に表していると思いました。

■納得感は弱く感じた
・絆斗のお気持ち問題はなんやかんやありました…でまとまりましたけど、絆斗の具体的な心境はピンと来ないままだったので納得感は低めでした。
状況としてはショウマから母親のことを聞いたときやビターガヴ出現後と大きく変わっていないように感じる部分が強いです。
酸賀の背信行為は明らかになりましたけど、別に絆斗にとって「ショウマは嫌になったけど俺には酸賀がいるからショウマは別にいいや」みたいなショウマと酸賀に排他性や互換性があったわけではないと思います。最初から胡散臭いやつ扱いでしたし、絆斗が酸賀に全幅の信頼を寄せていたことなんて一度も無いでしょう。
何がきっかけで心情がどう変化してショウマとの和解に至ったのか、微妙なさじ加減過ぎて説得力としてわかりやすい内容は感じませんでした。心情はそんなはっきり分けられるものではないでしょうけど、ドラマでは心当たりくらいは用意する必要があると思います。

・直感的にはピンと来ないので要素ごとに考えていくなら、
A)「師匠の仇がグラニュートじゃなかった(本当は人間の酸賀が主犯)」
  →「グラニュート全般への無条件な嫌悪感が薄れ、ショウマを恨むのは筋違いだと実感が湧いた」

B)「戦える力が欲しい」という部分が切実だった。
  →自分はどうでもなっていいとは思っていたが、その裏で殺された師匠や研究過程の犠牲者がいると知って「それじゃ闇菓子を作るために人間を犠牲にしてるストマック社とやってることが大差ないじゃないか」と思い、強さへの渇望が薄れ、強くて優しいショウマへの反感も薄れた。

C)身体がショウマ同様にボロボロになったことで共感できた。
  →自分では手も足も出ない強靭な肉体を持つはずのショウマをあっさり振り払えたことで、それだけショウマが本気で自分の心配をしていることや身体的な辛さを抱えていることに実感が湧き、懺悔の気持ちが湧いてきた。

といった辺りなのかな?と思いました。
結局は絆斗の心持ち次第なのであまり納得感は出てきませんでした。描写としては独りよがりな絆斗よりも絆斗のために苦心するショウマの方に同情したくなるので余計に納得感が薄くなります。

・お話の中に具体的なきっかけを見出すなら、やっぱり絆斗の心持ちの問題だったんでしょうかね。
チョコフラッペを出された時点では「俺甘いの好きじゃないし」とか「こういうときは普通温かいものを持ってくるもんだろ」とか「こうあるべきだ」と型にこだわる発言をしていたのが、最後には「やっぱり俺、お前のこと好きだ」と自分の気持ちに正直になっていました。
論理的に考えるならここに意味を見出すのが一番順当な気がします。

・これが結論で合っているなら、問題があったとすれば終わり方よりかは途中過程の方かなと私は思います。
「何となく嫌」だけで8話持たせるのは無理がありました。展開的には「チョコルドフォームでグロッタに手傷を負わせることに成功する」くらいは有った方がバランスが取れた気がします。
ストマック社側の動きが鈍くなる理由付けにもなりますし、絆斗が自分一人でやれるという自信を持ったり、自分の力に自信を持ったことで「ショウマたちもグラニュートだからストマック一族を殺すときには庇ったりするかもしれない」という疑念や「いくら敵とはいえ同族殺しはしたくないだろうから俺一人でやる方が良い」みたいな気遣いをしたり、話のバランスを取るのに役立った気がします。

・ビターガヴ(ショウマクローン)の存在は全体的にきつかったと思います。全体を俯瞰して見ると、いない方がスムーズに進みそうでした。
順当に行くなら絆斗とショウマの仲違いの原因になるんですけど、あっさり正体がバレましたし、ショウマにとっても問題は絆斗とのわだかまりのストレスの方が問題でビターガヴは話の中核から早々にフェードアウトしてしまいました。
お話もビターガヴという敵の存在も全体的に上手くいっていなかった印象なんですが、「本当はショウマが悪堕ちしてビターガヴに変身する予定だったけど、ショウマの善人さがウケたから悪堕ちは止めてクローンってことに変えた」みたいな事情はあったんでしょうかね?
そんな事情でもあるかのと思うくらい中途半端で不自然に感じました。

■フラッペの導入はいまいち
・いつもは食べてすぐにゴチゾウが出るのに都合よく出ないし、なぜか形もカップ状に合わせてあるし、ゴチゾウの登場までの流れが不自然に感じました。
バトル中にチョコダンも使っていたのは「別に形状がいつもの四角いゴチゾウでも変身できましたよ」というアリバイ作りもあったのかなと思うくらいでした。
チョコフラッペの部分を変えていいのなら話の流れとしては「ゴチゾウがなくて変身できない絆斗を助けるためにショウマが無理してアイス以外の食べ物を食べて変身用のゴチゾウを生み出す」という流れの方がバトルの流れには合っていたかなと思いました。

■酸賀
・最強の生物を作ろうとした背景には子供の存在があったようでした。
見た感じだとビターガヴとは別の普通の子供で、「その子供が死んでしまったから最強の生命体の開発に没頭するようになった」みたいな事情があるように見えました。
モニターに映っていた謎の赤ん坊っぽいシルエットは、ビターガヴや絆斗などのデータを元に最終的に創り出す予定だったニュー赤ちゃんのものだったっぽいですね。ビターガヴの件から考えて、酸賀はクローニング技術を持っているようなので死んだ子供のクローンを作ることも可能だったのでしょう。

・子供の死にグラニュートが関与しているのかしていないのかはどっちなんでしょうね?
純粋に強靭な肉体を持つ生命体として着目したのか、子供の死因が闇菓子の材料にされていて最も克服すべき仮想敵としてグラニュートを見据えていたのか。

・どっちでも酸賀の話としては通ると思います。
闇菓子にされた方が「子供を殺されてもなおグラニュートへの復讐や他の人間被害の防止は考えずに、子供の復活ともう脅かされることのない身体を最優先して人間をも実験台にする狂気」という形になって、被害防止を最優先する絆斗とは対照的な存在になるでしょう。
グラニュートと全く接点が無かったなら無かったで、純粋に最強の生命体を求める研究心からグラニュートを見つけ出し、ニエルブと接点を持てるほど近づいていった異常な行動力が強調されます。

・酸賀の事情は描きつつも、事情を理解する素養のないラキアに後始末をさせたのはバランスの良い描き方だと思いました。
ショウマや絆斗が事情を知れば躊躇するでしょうし、同情したところで放置することはできない案件ですからね。何も知らないラキアが必要性に基づいて処理するくらいでないと対応が難しくなるでしょう。
ビターな味わいで、一番ビターガヴ編らしい感じがする場面だと思いました。

■仮面ライダーヴァレン・フラッペカスタム
・チョコだと普通のヴァレンやチョコルドと被るけどどんな戦い方をするんだろうな?と思っていましたが、氷がメインで意外でした。
作中でもややツッコまれてましたが、チョコフラッペってアイスに分類するんですねぇ。
今回は基本的には素手で戦い、殴るのに合わせて氷を出して氷の拳で殴ったりしていました。
全体的にブリザードソルベとの差別化に苦心してる感じでした。そりゃアイスとフラッペの違いを出せと言われても困りますよねぇ。

・ヴァレンバスターも使ってはいました。
ショウマのゴチゾウにも対応しているようでチョコ銃も出していました。ゴチゾウにも対応しているのは強化フォームが出てくると出番に困りがちな下位武器を出すのに使えそうで良いですね。

・デザインはあまりチョコフラッペ感は感じませんでした。
トゲトゲしてて普通の強化フォームという印象です。主役ライダーの1つ目か2つ目の強化フォームとして出てきそうな印象です。強いて言えば胸の辺りがカップっぽいかな程度です。

・個人的には背中の棒は使わないことが意外でした。
あれを外して武器にするとかは無いんですね。テレ朝公式ページの説明でも「神経伝達速度などを制御する特殊器官」と書かれていて武装では無いようです。


次回はジープがストマック社に戻ってきたと思ったら婚約を発表して騒ぎになったりするようです。
姿を消して以来何をしているのかと思っていましたが、結婚で外部の者を連れてきて家乗っ取りとは古典的な行動で来ましたね。
貴族のような社会体制だと定番の展開ではありますね。「あの高慢ちきで自分とシータにしか興味がなく政略結婚を嫌がっていたジープが自分から結婚を?!」という意外性もあって、ジープの並々ならぬ意欲や行動力が感じられてわかりやすいです。
ただ、ストマック一族内の争いや潰し合いで終わってしまうと個人的には物足りなく感じそうです。現状だとストマック社の方が地理的にも戦力的にも上そうなのでお話の整合性を取るには勢力を削る必要があるのはそうなんですが、「というわけでこういう内輪揉め展開を用意しました!」とストレートに持ってこられると飲み込みづらく感じるところが出てきます。
といって、婚姻がストマック社にとってプラスに働く方向性に行くと、シータを殺してジープを追い込んだショウマに責任が行く形になるのでこれもよろしくなさそうです。上手いことバランスを取って盛り上げてくれると良いのですがどうなるでしょうか。