『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』 第5話「取り戻せ魂!スミにおけないお節介」:感想

2025年3月23日

■少しはマシかと思ったが…
・今回のNo1バトルの導入だけは比較的まともでした。
「相手が喜んではお節介ではない。それはただの親切である。ありがた迷惑なことをしてこそお節介である」
と、お節介の定義や勝利条件を具体的に描写したことは今までの曖昧な基準と違って明確であり、浅はかな考えは通用しないNo1らしい格上感がありました。
導入がいつもより良かったので今回はマシでようやくまともなNo1バトルが見られるのかな?と期待したのですが…無駄でした。
結局はルールも基準も無視でいつもどおりになってしまいました。審判やお節介を受ける相手が不明瞭どころか、後半はもうどこがお節介なのかわからない脅しや暴力ばかりで、どこがお節介バトルなのか意味不明ないつもどおりのグダグダ具合でした。
本当にダメ、ですね… 半端に改善した分、調子が悪いとか掴めてないとかじゃなく「調子が良くてこれなんだ」という感じがしてしまい余計に絶望感が強まりました。

・終わってから東映公式ページを見たら更にろくでもないことがわかりました。
勝手に来て、勝手に守って救っていく
ヒーローというのはある種、究極のおせっかいの形。

その初心を思い出した角乃に
おせっかいノーワンは自分の敗北を認め散っていきます。

「ノーワンたちとの戦い(ナンバーワンバトル)」と
「指輪バトル」が関係ないという番組自体の仕組みも
実はここに要因があります。

ゴジュウジャーたちにとって
「指輪バトル」は「やらなくてはいけないこと」
つまり、我欲でエゴイスティックな戦いになるのですが

「ナンバーワンバトル」(=人間に害する怪人の排除)は
ある意味、ゴジュウジャーにとって「やらなくていいこと」なのです。

本来的に、他人を守るために戦うなんて
おせっかい以外の何物でもありません。

だけど、たとえそれがおせっかいだとしても
それが自分の利に1ミリもならなかったとしても
(指輪が手に入らなくても)

ナンバーワンと言われれば、譲れないプライド。
困っている人がいれば、助けずにはいられない優しさ。

それが彼らがゴジュウジャーたる所以なのかもしれません。
なるほど…意味がわかりません!
プロデューサー直々の説明なのに、本編で言っていたことと食い違うように見えてなりません。これ、お節介の定義が普通におかしくありませんか? 「相手が喜ぶ行為はお節介ではなく親切である」と明言されていたと思います。
プロデューサーが言ってることはお節介ではなく、「親切」や「利他行為」のことだと思います。
普通に意味がわからないことが堂々と書かれていてびっくりしつつ、ある意味では納得してしまいました。ゴジュウジャー全体の意味のわからなさもこういう発想で作られているなら納得が行ってしまいます。

■一河角乃
・ブラックの言動も最初から最後まで意味がわかりませんでした。
「私の願いは妹を誘拐した犯人に復讐すること!」と言っている時点で私としては、
「え? 明らかに超常的な存在であるテガソードなら妹を助けるとか生き返らせるとか過去を改変するとかできそうだからそっちを願った方が良くない? いいの、復讐で? こんなに妹のことを話してるのに復讐を優先したいの??」
と首を傾げっぱなしでした。

・初っ端から理解不能でしたが、作中でも「お前が本当にやりたいことは違うだろ?」とか吠に言われていて呆れました。
それじゃいったいどうして指輪を持っているんでしょう? あの指輪自体が選ばれた証拠であり、選ばれた際にはテガソードのカウンセリングが付き物なんじゃないんですか?
願いが無かった吠でさえも願いが見つかるまでカウンセリングしてくれたのに、なんで角乃は変身すらできないまま指輪を与えられたのか意味がわかりません。

・しかも最終的な願いが「私は妹を取り戻したい!」とかじゃなく、
「この力で人々を守る!」で全く意味がわかりませんでした。え、そっち?!
「みんなを守る」って、それって指輪争奪戦やNo1バトルと関係なくありませんか? テガソードがなんで参加を認めたのかわかりません。事と次第によっては「ブライダンも指輪の戦士もテガソードもくだらねぇ! 人間を巻き込む迷惑なやつは全員死ね!」と無差別に襲ってルールも糞もない破壊者になりかねない存在だと思います。本当に何が何なんだか。

・戦闘が終わったら「でも最後には私が指輪も頂くけどね」みたいに言っていてまた耳を疑いました。
「みんなを守る」なら、その”みんな”から指輪を奪うなよ! メンバーを守れよ! スタッフの倫理観が相変わらず狂ってました。
普通だったら「自分は指輪に興味がないので争奪戦には参加しませんが、ブライダンから人々を守るために一緒に戦います!」みたいなポジションに収まるべきでしょう。
紹介回が終わった後でも「こいつが警察官をクビになってて安心したよ」と思えるキャラであることが不思議ですよ。普通だったら「全部終わったらまた警察官に戻れると良いね!」みたいに思うのが当たり前だと思うんですけどね… こんなのが警察官になったら世も末です。それこそまさしく”お節介”で迷惑なやつになるでしょうからね。
普通だったら「良心の呵責」とかを描いて「本当は指輪泥棒とか美人局みたいなことはやりたくなかったんだ…」みたいな雰囲気を醸し出したりもするものですが、そういうのもありませんでした。
当然のように騙し、当然のように盗み、それに対する謝罪も当然ありませんでした。私の価値観で言うと根っからの悪人寄りの思考なんですが、スタッフにとっては正義漢に含まれるらしいです。不思議ですね。

■これ、本気で受け止めるべきなの?
・角乃の妹をさらった誘拐犯の特徴が「目の色が灰色」で、百夜は初期のアイドル時代には目の色が灰色だったことが直後に語られました。
ミスリードにしては雑にも程があるんですけど、これって真面目に受け止めるのが前提なんでしょうか?
個人的にはビジュアル系路線のアイドルなら宣材でカラーコンタクトや加工なんて珍しくないと思うんですけど… いいんですか、真に受けて?
この流れだと角乃を妖怪ボタンむしりならぬ「妖怪コンタクト剥ぎ」にするつもりなんですか? コンタクトか無理やり確認しようとすると「眼球ほじり」にクラスチェンジすることになり、確認作業だけで即殺人未遂になりそうで恐いんですが。「目から血が出た? お前が犯人か!(喜々として更に深く指を突っ込む)」なんてやるヒーローは自称でも見たくないんですが…
いろんな意味で正気を疑う内容に戸惑っています。本当に”大丈夫”なのでしょうか? 倫理観もお話も論理性もめちゃくちゃになる気しかしません。

■ゴジュウユニコーン
・ブラックと言いながらも胸の輪は紫色なんですね。地のスーツが黒いからなんでしょうけど、これだとブラックというよりパープルという印象です。

・武器はユニコーンだけにドリルでした。デザインも使い方もいつものドリルですね。メインは回転して貫くことで、あとは棒と大差ないアクションになりがちであまり面白みを感じません。

・今回のフォームチェンジはリュウソウジャーでした。
でも特にリュウソウジャー感はありませんでした。なぜかスピード系な感じになってるところがかえってエアプ感が強かったです。確かにハヤソウルを多用してましたがそれは別にリュウソウジャーの特色ではないと思います。
武器はリュウソウジャーの剣になっていましたけど、前回のリュウソウジャーに変身する指輪の戦士も同じ剣を使っていたので特に思うところはありませんでした。もっと使用者による差別化を図る方が良いと思うのですが…

・ゴジュウユニコーン以外の出番はもっと酷かったです。
他の4人とか変身はしたはずなんだけど何したっけ?って感じでした。巨大戦担当だったイーグル以外の3人は何をしたか本気で思い出せなかったのでもう1回見て確認しました。確認したところ「何もしていない」ことが確認できました。変身したら巨大敵て現れて、イーグルがロボに乗って倒し、場面転換したらユニコーンが怪人を倒して終わりで、他の3人は雑魚の1体とも戦っていませんでした。そりゃ記憶にないわけです。存在しなかったんですからね。

■テガソードグリーン
・パッと見ではデザインのレッドとの違いがよくわからなかったです。
ブルーとイエローは腕の変化が大きいので違いがはっきりしていますが、グリーンは”色違い”という印象の方が強いです。
翼が特徴なんでしょうけど、レッドが1話で飛んだり翼を変形させて攻撃したりをやってるんで特徴としては弱い気がします。そこをグリーンの特徴にしたいならレッドには翼を使わせない方が差別化には良かったと思います。

・特徴のはずの弓が見当たらず、テガソード剣と蹴り技主体で戦うところが実に不思議でした。
と思っていたら必殺技は弓でした。しかも足につながる形でついていて、そこにあったのかと驚きました。
終わってから実際の玩具を調べてようやく事態を把握できました。


本当はこういう風に弓が思いっきり足の外側にくっついてるデザインなんですけど、これだとアクションできないから普段は弓が消えているんですね。道理で弓がどこにあるのかわからなかったわけです。最大の特徴が無くなってるんじゃ特徴を感じないのも納得です。
…なんでこんなデザインになったのかは全く意味がわかりません。きぐるみで再現できないデザインは良くないと思うのですが誰も止めなかったのでしょうか。


次回はドンモモタロウ総理と決着をつけるみたいです。
…決着をつけるんですか?! わざわざ不自然な終わり方で撤退したから1クールの終わりくらいまでは引っ張るのかと思っていました。今のところこの流れにする面白さが全然わかりません。





コメント

8 件のコメント :

  1. うーむ、この番組品質低い(呆れ)

    もうそろそろ時間帯は無理でも順番(戦隊ライダープリキュアの順番で放送する)だけでも元に戻してもらったらとも感じます
    この低品質は仮面ライダーの後だからもっと刺激的にしなければならないという意識でもあるのかとも考えます
    それでも戻さない意味は?
    テレビ局の嫌がらせか東映内部の軋轢かはたまた別の理由か・・・
    まぁ、この低品質の一番の原因は脚本と根本の企画なのだというのが個人的な感想なのですが、
    例を挙げると戦隊とバトルロイヤルの相性の悪さだったり(個人的には戦隊メンバーが悪役かもというのも好きではない)
    まるで悪い意味で子供向け商品ではなく芸術作品のようなテガソード等・・・

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    1. >この低品質は仮面ライダーの後だからもっと刺激的にしなければならないという意識でもあるのかとも考えます

      私はそういう意図は無いと思います。
      「マンネリな内容は避けて、戦隊に大きな変化をつけた。具体案は特にないけどとにかく今までにないものを作る」という無い物ねだりのような思想でゼンカイジャー、ドンブラザーズ、キングオージャーと作ってきた、その流れの一部でしかないだろうと私は思っています。

      放送順に関しては私は特に意義を感じたことがないので言えることがありません。
      商業的な面から考えるならば、そもそも基本的にプリキュアまで立て続けに見ることは前提に入れてないと思います。女児向けと男児向けを全て見て当たり前なんて自社に都合が良すぎるイマジナリー視聴者で、それを前提にしては販売計画が成立しないでしょう。

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  2. 5話まで視聴した感想として、来週も楽しみ!とは思えないのが、本当につらいです。

    何度か感想でも触れられていますが、話全体の質が悪い、というかキャラや設定、ノルマ等、扱いきれずに持て余してる感が強くて、
    今回も面白い!次回も楽しみ!とは、とても思えないんですよね・・・
    戦隊のメンバーに誘拐犯、真相を知る者がいる!という要素は、他の戦隊ならワクワクしたり、どうなるんだ!?って次回が楽しみになるんですけど、ふーん、そうなんだ。という感想が出ませんでした。

    今回の話も、一河角乃を構成する要素自体は、問題がないと思います。
    でも、テガソードみたいな存在に、妹そっちのけで復讐を願うのはどうなの?という感想には、その通りだと思います。
    素人の浅知恵で、再構築するなら
    妹が誘拐から帰ってきたが、死亡or廃人化。
    テガソードに妹を元に戻してもらうように願う。
    特殊能力で、心を読み、テガソードとリングを持つ者(達?)が犯人と知る。
    当初の願いを忘れ、犯人への復讐に走ったので、変身不可にする、とかではダメだったのでしょうか?
    メンバーや怪人枠と交流することで、自分の本質、今回の結論を導き出し、
    妹を元に戻したい、でもそれと同じ位、理不尽に傷付けられる人を守れる力が欲しい!と願って変身とか
    なんかこう、もうちょっと調理しようがあったのではないか? そう思います。

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    1. >他の戦隊ならワクワクしたり、どうなるんだ!?って次回が楽しみになるんですけど、ふーん、そうなんだ。という感想が出ませんでした。

      現状だと基本的な流れや方向性がわからないので変化を足されても戸惑いの方が強く感じてしまいますね。
      元々指輪を奪い合うライバルの関係なので「百夜と角乃が敵対するのか?!」と煽られても「いや、元々敵ではあるだろ」で終わっちゃいますし。
      軸を見せるのが先じゃないかなぁという思いが募っていきます。

      >もうちょっと調理しようがあったのではないか? そう思います。

      「妹の捜索と犯人への復讐とみんなを守りたい」はまとめた方が良かったと私も思います。
      どれも単独でも機能するし、両立も可能ではある事項なので願いに絡めて「叶えられるのは一つだけ!」とか「角乃が心の底で一番望んでいるのはどれなんだ?」みたいなまとめ方をしないと、今回の本編みたいにどれが本命かわからなくて話についていけなくなっちゃうと思います。

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  3. メイン回なのに角乃が頭良さそうなシーンが1つも無いのやばいなこれ
    角乃は優しいという根拠となるのは子供に絆創膏の一点張りで変身できないのに指輪とって逃げた所で怪人に見つかるとかわざわざ重要参考人とダブルデート(写真見せて心読んで終わりなのになぜ?)とか悪い印象のシーンが多すぎるがなぜこれで良いと思ったのか

    未熟で腹黒いけど良い所もあるよじゃなくて皆を守るとかそれっぽい事は言うので中途半端

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    1. カワヤさん、はじめまして。

      角乃の描き方はどう思わせたいのか伝わってきませんでしたね。
      ダブルデートのところなんて「2人まとめて済ませられる」以上のメリットが見当たりません。これでは自分の都合で他人を傷つけていいと思っているエゴイストに見え、印象が悪くなって当たり前です。
      最終的にそこから改心する展開もなかったので角乃のことどころか、作品全体の正気も疑わざるを得なくなってしまいました。
      スタッフはいったい何がしたいのか不思議でしょうがありません。

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  4. いつ面白くなるんだろう、と思いながら見てるけど、たぶんこれ、最後まで面白くならないという確信がある。

    ブルーがとくに顕著なんだけど、誰にも共感できないし、誰も応援したいとも思えないんだよな。

    全員キャラ薄いか不快感あるかで、まともなやつが全然いない。
    ブルーはファンを騙して詐欺してるし、ブラックは自分に好意があるのを利用して美人局みたいなことしてるし…。
    動けない隙に指輪を奪ったり、あとですんなり返すのも理解できない。返すなら最初から奪うな。何のために奪ったんだよ。
    こういう造形のキャラが好かれるはずがないだろうとなぜわからないんだろう
    作り手の倫理観があてにならなかったら、どこに期待すればいいんだよ

    それから、本作のウリであるナンバーワン対決も意味がわからない。結局、ナンバーワン対決なんてしなくても、ノーワンを倒せば解決するんじゃん。ならナンバーワン対決しなくていいじゃんと。

    指輪の争奪戦もあってないようなものだし。結局、根本的な設定が何一つわからないんだよな…

    そもそも指輪ってなんだよ、テガソードってなんだよ、ユニバース大戦ってなんだよ。何も説明しないし、何をする話なのかもわからないよ。

    最後のヒキでブルーが誘拐犯なんじゃないかってあったけど、ここまでのブルーを見てると「あいつならやりかねない」と思えてしまうし、そうじゃなかったら「なんでそんなミスリード入れたんだよ」となる。
    どのみち誰も得しない展開だろうと

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    1. >いつ面白くなるんだろう、と思いながら見てるけど、たぶんこれ、最後まで面白くならないという確信がある。

      現状だとその可能性が一番高いと思います。
      キャラものであるみたいなのに主要キャラ全員の好感度まで普通に低いだけでも致命的なんですが、キャラや設定の説明にかなり時間を割いたはずなのに基礎的な部分すら伝わってこないのはかなりヤバいと思います。

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