『プリパラ』 第18話「レオナ、全力ダッシュなの!」:感想

2014年11月4日

■レオナとは? アイドルとは?
・「レオナは男だった!」という衝撃の事実から始まった今回でしたが、その後の展開の仕方は更に驚かされるものでした。
レオナは何を考えているのか、何がしたいのか。レオナにとってアイドルとは何なのか、プリパラとは? レオナの内面についてとても丁寧に掘り下げられていました。
普通であればこのネタを中核に据えてもおかしくないインパクトです。「実は男」というそれだけで1話作れるネタをきっかけとして使って、「レオナは男。でもそれはレオナの一面でしかない。ではレオナってどんな人物なのだろうか?」と、それまで影の薄かったレオナの内面に迫る展開へ発展させていきました。

・男か女か、可愛いか可愛くないか、そんなことは重要ではなく、彼女らが舞台に立てるのはやりたいことがそこにあるからなのだと物語っているようでした。アイドルという題材に関しても一つ踏み込んでいたように感じました。
ネタの面白さで満足せず、どうすればもっと作品が面白くなるかと真剣に追求したことが伝わってきます。プロの仕事に頭が下がるばかりです。これだからキッズアニメは止められません。

■一を聞いて十を知る
・レオナに留まらず他のキャラの掘り下げも同時に行っていたのがまたすごいと思いました。
シオンはその真っ直ぐさからレオナの煮え切らなさに苛立ちを隠そうともしない一方で、シオンの望んだ方向とは違うところで良い面を見せたレオナに対して「そこはちゃんと認めるべきだな」と自戒を込めるようにつぶやいていました。シオンは自分の考えた理想へ向かっているというよりは、客観的な基準な正しさが頭の中にあって、そこを目指しているんでしょうね。だからレオナの受け身な優しさもそれはそれで正しいと認めるのでしょう。一つシオンのことを理解できた気がします。

・ドロシーもレオナと対になる存在として間接的に描かれていました。
どんどん自分を前に出すゴリ押しも有効でそれはそれでドロシーの長所ですが、やはり出過ぎなところがあります。
今回の見ていてちょっと引くドアップの構図もそういう演出なんだと思います。ドアップのドロシーに対して今回の主役のレオナは少しカメラを引いて可愛く撮られていました。
制服のほうがいつもの衣装よりも可愛く見えたのも演出の一環かもしれません。より可愛く見せようと過剰に飾るよりも制服くらいのシンプルな衣装のほうがドロシーの良さが出ているように見えました。
レオナを描く過程でドロシーの良さと克服すべき点も浮き彫りになっていったように感じました。

■そふぃの掘り下げ
・私が一番驚かされたのはここでした。そふぃの掘り下げも行われれるとは全く思っていませんでした。
それもそふぃがらぁらたちから渡されたバトンをレオナに渡すだけでなく、自分の力でレオナの力になれたことでそふぃが確かな何かを掴んでいました。シオンが「切磋琢磨」と言っていましたが、まさにそれですね。何かしようと目指して変化するわけではなく、相手の反応から自分では気付かなかったことに気づいていました。
「ぷしゅー」など定番どころの役割ばかりでこのところ空気化しているような印象がありましたが、そふぃはそふぃで自分の道を歩んでいたんですね。

■細かいところも素晴らしい
・細かいところもどこもよくできていて感心しました。
制服レオナの身体付きが男っぽく、背中ががっしりしていて男らしさを感じます。その一方、女性陣は背筋と腰のラインがくねっていて女性らしさが感じられました。らぁらは小学生なので全然女性らしさがなかったのもさすがだと思いました。

・今回のコーデもぴったりだと思いました。
マーチングバンドは中性的な衣装なのでレオナが一番似合っているように見えました。行進というイメージもレオナの心境とメイキングドラマの内容に則しています。内容の伴った良いコーディネートでした。

・歌も今回の内容にしっかり合っていたところがまた素晴らしかったです。
レオナにはドレスコードもドリームコードも不要ですよね。やりたいことがあるから周りの反発なんて気にせずやる、まさにロックです。一番大人しい印象だったレオナがロックを体現するとは思いもしませんでした。

・本当に細かいところでは、らぁらの縄跳びに感心しました。
昼休みに背景で縄跳びしているシーンで、らぁらは隣でいっしょに縄跳びをしているなおちゃんの2倍くらいの早さで縄を回して跳んでいました。さすが体力には定評のあるらぁらです。2重跳びで続けて100回くらい跳べそうでした。
今回は細かいところにまでしっかりしていて見れば見るほど感心します。




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