Gのレコンギスタ 第10話『テリトリィ脱出』:感想
【ストーリー】
・今回の絵コンテは『進撃の巨人』で名を馳せた荒木哲郎さんでした。
絵コンテで富野監督の名前が載らないのはこれがGレコでは初めてのことです。インタビューなどで富野監督が荒木さんのことを褒めているそうですが、期待のほどが伝わってきますね。
・全体的な印象としては立体的な動きが印象に残りました。
特に艦内でベルリが昇り降りしながら上へ下へと動きまわるシーンが面白かったです。こういうのは質感が統一できるアニメならではの構図で良いですね。
・動きは多いのですが、全体としてはすっきりした印象でした。
動く前に音声が先行したり、常にその場面の主役が真ん中に来る構図が多く、安定感がありました。この点はいつものGレコとは異なるところだなと感じました。いつもはもっと雑然としていて、メインのキャラがしゃべっている横や後ろで小芝居が入っています。また戦闘でも映っていたのは主役だけで、無名のパイロット同士の戦闘などは一切ありませんでした。すっきりしているように感じるのはそういうのが無いことも一因だと思います。
艦内の様子や戦闘中など、見ていて富野監督だったらきっといろいろ挟んでいただろうなと思うところがいくつかありました。今回のほうが見やすく万人向けだと思いますが、個人的にはいつもの感じのほうが好きです。やっぱりあれができるのは富野監督ならではなんだと再確認しました。
■ケルベス教官
・ケルベス教官は良い人だなぁ、とつくづく感じ入りました。
ベルリに「もう教官じゃない。戦友だよ、戦友!」とスキンシップを図ったところが感慨深かったです。自分が年上で、しかもベルリが飛び級生で学校でも上下関係を気にしていたのを知っているから、自分から距離を詰めてくれたんでしょうね。自分だってガードとアーミィの板挟みで、何を信じて動けばわからない難しい状況なのに、こんな配慮をしてくれるなんて良い人過ぎます!
ケルベス教官への好感度が上がり過ぎて困るくらいです。毎回ケルベス教官のことを書いてしまいそうです。
・バンダナを巻いているレックスノーが可愛かったですね。
色替えではなく、バンダナで済ませてしまう辺りがGレコらしいなと思いました。
レックスノーといえば、なぜケルベス教官がカットシーではなく性能の劣るレックスノーでやって来たのかは少し不思議でした。始めからメガファウナに乗り込むつもりで抜けだしたわけですから、疑われないようにとか考えないで、手に入るもので一番良い物を持ち出すのが自然なはずです。事実、役に立つと思ったから自分では使えない高トルクパックも持ちだしていました。
・思うに、レックスノーであることに意味があるのではないでしょうか?
カットシーはアーミィ側の主導で作られ、正式配備された機体です。それに対し、レックスノーは作業用ロボットのレクテンを改修した機体です。カットシーではなく、レックスノーを選んだのは「自分はキャピタルガードであって、アーミィではない!」という意思表示の意味があるように思えました。
とはいえレックスノーでは今後ますます増えるであろう新機体に対抗するのは難しいでしょうから、レックスノー・ケルベスカスタムとか出てくれると良いのですが。
【アクション】
・今回のバトルは機体やシーンごとに毛色の異なる動きで華やかでした。
柔らかな動きで背負い投げをしかけるアルケインに、大胆な動きでバックドロップで返すウーシア。脇役も、ボトムズを思わせる滑らかなホバー移動を見せるレックスノーに、航空機と評されたとおりに空を駆けるカットシーと機体の特性で存在感を示していました。
・そしてメインを飾るのがヒロイックなGセルフです。
高トルクパックのマッシブな感じがたまりませんね。パックを脱いでからは一転して軽やかな動きで敵を圧倒していました。
・ベッカー大尉のウーシアを仕留めたときの動きは何だったのでしょうね?
身動きが取れないほどの加速とGがかかるほど殴り飛ばすのも、そんな敵を追い抜いて正面から蹴るのも尋常じゃありません。単純にGセルフの性能が桁外れというだけなのでしょうか。気になる描写でした。
次回はまたも宇宙へ行くようです。しばらくは地上だと思っていたのでびっくりしました。
アーミィの新機体は、脚の感じがいかにもエルフブルックの系譜に連なる感じがして良いですね。バララの初戦闘(?)も楽しみです。これにクリムの帰還に新MSも出てくるなんてワクワクします。次回も楽しみです。
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