仮面ライダーW 第32話「風が呼ぶB/今、輝きの中で」:感想

2014年11月10日

【ストーリー】

■仮面ライダーの真髄
・敵と同じ力を使って敵を倒すのが仮面ライダーです。
今回のWは第2期平成ライダーとしてその点を問いなおした回だったと思います。

・障害を排除するための力だけを求めるなら悪党と変わらず、Wドーパントでしかありません。
しかし力なき正義が無力なことも翔太郎が証明しました。
力と正義、ここまではライダーで定番の流れですが、Wはここに甘さを加えました。優しさと呼ばないのもポイントなのでしょうね。
二人がビギンズナイトのことを二人の罪として背負っているのもWを清廉潔白な正義では無くすためなのでしょう。正義でも悪でもなく、人を裁けるほど立派でもない。完璧でないところが仮面ライダーが仮面ライダーたる理由なのでしょう。

・フィリップが翔太郎の甘さを必要とし、翔太郎は自力で挫折から立ち直りフィリップに追いつこうと互いに努力し、必要としあうことでエクストリームになれました。
二人とも失敗から学び、進歩しています。失敗して成長することを強化フォームへの変身につなげるのは流れが自然で良かったです。


■ライダーは助け合いでしょ
・アクセルにサイクロンを貸したシーンがけっこう好きです。
でも今回限りでこれ以降使われることはありません。それが残念です。
Wの他のメモリも使ったり、アクセルがエンジンを貸したりできて面白いし、信頼感が目に見えて良い演出だと思うんですけどね。


【アクション】

■エクストリーム
・強化フォームのエクストリームの登場!、なのですが…個人的にはあまり良い印象がありません。主にWの基本フォームが良すぎたせいですが。

・スーツ自体は悪くないと思います。
他のライダーの強化フォームに比べて比較的軽装で動きやすくアクションの邪魔になりにくいデザインですし、開いた瞬間に風を取り込み、初代ライダーを彷彿とさせるベルトも良い感じです。

・問題は武器の扱いだと思います。
剣と盾で両手が塞がっているのでアクションのバリエーションに乏しく、毎年出てくる他の剣との差別化もできていません。
ギミック面でも刺すメモリもいつも同じで効果も変わらず、武器の必殺技も盾からビームと剣が光って切るだけでありきたりです。アクション含めて見た目で退屈です。基本フォームのときは状況に応じたメモリの使い分けが見どころの一つだったので余計に残念に見えます。

・もう一つの理由はストーリー上の扱いだと思います。
最初に倒した相手がぽっと出のビーストとゾーンで、ボス格のウェザーや園咲家とはしばらく縁がありません。話の中核なのに全然翔太郎たちと絡まない園咲家含めて、この辺りは失敗だったと思います。


次回は一旦休憩で、脚本はフォーゼの中島かずきさんが担当です。
ゲストなのであまり本編に関わらない内容となっています。



コメント

10 件のコメント :

  1. 今日、この回を見たのですが翔太郎は結局フィリップに追いつけたのでしょうか。
    また追いつけたのなら気力で、ということなのでしょうか。考えをお聞かせください。

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    1. 戦闘力という点では翔太郎はフィリップに及んでいないと思います。
      私はそもそも今回の内容は強さとはそういうことじゃないと否定する内容だったと思います。
      単純な戦闘力なら照井のほうが上ですが、それではいけないと否定されていました。一方の翔太郎はゾーンに対して先回りしたのにミスを犯してメモリを奪われています。おやっさんだったならそんなミスは犯さなかったでしょう。やはり翔太郎はまだまだ未熟者です。

      重要なのはそこではなく「完璧な強さを得るために」ではなく、自分の未熟さとできることを知った上でお互いに信頼し必要とすることだったのだと思います。
      「人」の字のようにどちらかが寄りかかる関係でもなく、「1+1」のようにただ強い個人どうしを合わせるのでもなく、重なる部分と相手にはない部分、両方が並立する心がクロスする関係性がエクストリームへと至る道だったのだと私は考えます。

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    2. もう少し私の解釈をお手伝いくださいませんか。
      今回翔太郎がフィリップへの、俺が追いつくから全力で行け、とのセリフがありました。これがフィリップの何に追いつくのかがよく分かりません。力の差は私も埋まってないと思いますし、急に埋まってもどうかと思います。
      私も筆者さんと同じくお互いの欠けた部分を補い合い、また2人ともある正義としての気持ちが重なることで1人の仮面ライダーとして成る、この点がこの作品の魅力で私もそこが好きなのですが(同じく、と言いましたが、同じでしたか?)
      そうするとフィリップの何に追いつこうとしているのかがわかりません。
      強さを求めてしまったフィリップが翔太郎の大事さを再認しただけのように思えてしまい、今回翔太郎の成長が何かわからないのです。
      どうお考えでしょうか。

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    3. >今回翔太郎がフィリップへの、俺が追いつくから全力で行け、とのセリフがありました。これがフィリップの何に追いつくのかがよく分かりません。

      私はそこに関しては戦闘能力やライダーへの適性のことだと解釈しました。
      フィリップに比べて翔太郎の戦闘能力は劣るけれどもだからといって翔太郎に合わせて手加減する必要はないと翔太郎が心意気を示したのだと思います。私が返信に書いた「どちらかが寄りかかる関係でもなく」というのはそのことです。
      翔太郎は実力が、フィリップは人間らしい心が欠けていて、それぞれ自覚しつつも相手に埋めてもらうのではなく自分でも欠点を克服しようとする。その表れがゾーン相手の翔太郎の単独行動であり、翔太郎を探して助け起こしたフィリップの行動なのだろうと私は解釈しています。どちらも自分は苦手だから無理だと諦めていたらしないことですからね。

      自分にはない要素を持つ相手の重要性と自分の内面の問題を克服しようとする気持ち、両方が描かれていた回だと私は思っています。

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  2. そこは分かるけど左右のパワーバランスが崩れたというからという原因に対して、互いを必要とする心がその解決になるように感じない。結局パワーバランスが悪いままなら変身できないのでは?と思ってしまう。これは個人の感性の問題が?

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    1. えだまめさん、はじめまして。

      はい、感性の問題だと思います。

      >互いを必要とする心がその解決になるように感じない。

      と、えだまめさんは書かれていますがそれが作中での流れと食い違っていると思います。私はこの回の内容はその真逆の内容だと解釈しました。
      フィリップはパワーバランスを補うために翔太郎より強くて実力がつり合いそうな照井に声をかけて断られ、そこから何がいけないのか考え直した結果が翔太郎を探すことであり、その結果としてエクストリームになれました。パワーバランスにこだわる考え方は前半のフィリップそのものであり、それは作中で否定されています。話の流れから考えて単なる実力の差は重要ではないと考えるのが妥当だと思います。

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    2. つまりそもそもダブルに変身できなくなった原因はそもそもパワーバランスが崩れたからなのでなく、フィリップが強さに固執してしまったことが原因とお考えですか?
      そうなるとシュラウドから翔太郎は力不足と言われてから、心のどこかでその点についてそうなのかもしれないと思うところがあった。とか?

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    3. >ダブルに変身できなくなった原因はそもそもパワーバランスが崩れたからなのでなく、フィリップが強さに固執してしまったことが原因とお考えですか?

      可能性としてはあり得ると思いますが、私の解釈とは異なります。
      私の解釈としては
      1)フィリップの成長による実力差は事実として存在した。
      2)その差を克服したのは二人の精神面での向上により生じた何らかの作用であり、埋め合わせるどころか更にそれ以上の領域へと至りエクストリームになれた。
      というものです。
      精神面が重要という以上には具体的にどういう作用なのかは描かれていないので想像するしかありません。それはもはや妄想と区別がつけられないので割愛します。

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  3. このエピソードをちゃんと管理人さんが覚えているのかどうか疑問なんてますが、この話を見て一番モヤモヤしたことは何故荘吉はゾーンメモリを入手しておきながら(鈴子も共犯だと知っておきながら)、尾藤にその事を一切教えずに、彼を10年間も檻の中で過ごさせたのでしょうか。まあ彼女が共犯だと知ったら尾藤の心は深く傷つくでしょうし、ビーストに命を狙われる可能性があったのでしょうが、それでもいくら何でも10年も放置したままなのはあんまりだと思います。

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    1. >尾藤にその事を一切教えずに、彼を10年間も檻の中で過ごさせたのでしょうか。まあ彼女が共犯だと知ったら尾藤の心は深く傷つくでしょうし、ビーストに命を狙われる可能性があったのでしょうが、それでもいくら何でも10年も放置したままなのはあんまりだと思います。

      教えなかったのは尾藤が傷つくからだと思います。尾藤が投獄されるままにしておいたのも真実を告げるほうが酷だと思ったからでしょう。それ以上は想像するしかないんじゃないかと思います。

      私はあの回の内容が「Nobody's perfect」なので鈴子たちが尾藤のためにも悔い改めることを期待していたからなんじゃないかなと思います。
      メモリはどのみち必要ないので壊しておいたほうが良かったと思いますが。鈴子たちの真意(また犯罪を犯すためにメモリを欲しがるかどうか)の指標にするつもりだったのでしょうかね。

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