『蒼穹のファフナーEXODUS』 第4話「継承者たち」:感想

2015年1月31日
■守る者と守られる者
・前回に引き続き今回も基本事項のおさらいが主目的でした。思っていたよりも初見の人を意識しているんですね。
今回の説明事項はファフナーの根底にある「守るための戦い」という点だったと思います。パイロットの子どもたちは何のために戦い、守られる側の大人たちは何をしてやれるのか。咲良やカノンたちが大人側に立っていたので、シリーズを見てきた身には感慨深いものがありました。

・カノンも剣司もみんな明確に大人側に属しているのに、一騎だけがどちらともつかない感じだったのはそういうことなんでしょうね。
戦いから離れて穏やかに隠居しているようで、全然穏やかじゃありませんでした。思えばOPで座り込んでいるのもそういう意味があるのかもしれませんね。OPではみんな立ってどこかを見ているか、走っているかのどちらかがほとんどです。そんな中、一騎は座りっぱなしです。悩んでいるようには感じていましたけど、思っていたよりもかなり深刻なようです。
OPには一騎以外にもう一人座っている人物がいて、それは里奈でした。里奈もけっこう煮え切らない状態ですし、考え方の方向性としては合っている気がします。

・後輩三人組の中だと彗が一番可哀想でした。
母親は死んだ姉のことばかり大事にしているし父親も母親を優先していて、彗は孤独でした。あの様子だと彗の優れた演算能力も後天的な要因によるものなんでしょうね。あんな家族関係だから彗は内向きに発達するしかなかったのでしょう。咲良たちが見ていた記録映像でずっとぬいぐるみを抱いていましたが、あれが姉の形見なのか彗自身のものなのか気になります。

■恋の一方通行
・零央は美三香が好きで、美三香は彗が好きで、彗は里奈が好き。
1話の列車内での会話もそういう意味があったんですね。美三香は子供っぽいから漫画が好きなだけなのかと単純に考えていましたが、どうやら彗がもってきてくれたから嬉しい面のほうが大きかったようです。
剣司が言っていた「わりといつもいっしょにいる」という感想もこの関係のせいなんですね。好きな相手を追いかけると結果的に3人いっしょになるだけで、3人で関係が完成しているわけではないのでしょう。恋愛関係はともかく、戦闘でいざというときに何か起きないといいのですが…
変性意識によって隠していた感情が表に出て、これまでの関係に変化が生じる程度で済んでほしいです。

・機体のコードネームも気になるところです。
彗が天照で美三香が月詠なんですよね。スサノオも兄妹ではあるものの、両者は太陽と月で1セット扱いで結びつきが強い関係にあります。これが3人の将来を暗示しているわけではないといいのですが。

■結婚したシャオさんって…
・彗の母親の美容室で「ウオサダさんのところも落ち着いたみたいね。シャオさんみたいな美人のお嬢さんをもらっちゃって」という会話がありました。
このシャオさんって元人類軍の陳晶晶のことでいいんでしょうか? アルヴィスで知り合ったと言っていましたし、全くの新キャラだとも思えないので該当する人物が他にいません。ひょっとしてアルヴィスのオペレーターは全員結婚する定めにあるのでしょうか… 個人的には劇場版から登場のお団子頭のジェレミーさんのお相手が気になります。

コメント

2 件のコメント :

  1. いろいろ調べていたのですが、彗の母親はL計画のショックでカウンセリングが必要なほどダメージを受けていたようです。それでも、彼に対する仕打ちが許容できるわけではありませんが。

    彗が里奈のパイロットスーツに釘付けになっている辺りからあの3人に何かありそうで怖いです。

    一騎は、良く分からないですね。少なくとも、やり残しはしたくないけど、ただおとなしくしたくないってことが分かるくらいです。

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    1. 精神的に不安定になるのはわかるのですが、それでも私は同情できないです。彗のほうに同情してしまいます。
      死んだ姉のことが傷になっているのは彗も同じだと思うからです。それなのに両親が彗をないがしろにしているので、彗は更にもう一つの苦しみを負うことになります。姉のことも、家族のことも彗本人にはどうにもしようがないことです。そんなことで苦しまないといけないのは理不尽です。
      自分たちで戦おうとするのも彗を守るためではなく、ただの自殺願望と代償行為でした。両親は勝手過ぎると思います。

      健全な三角関係だといいんですけどね…
      そんな範囲で留まってくれるのか不安ですね。

      一騎はこれまでも自分をあまり持ってなく、自分から動く場合も総士に関することが多かったですから未だに自我が弱いんでしょうね。そういう精神構造だから最強のファフナーパイロット足り得るという側面もあると思います。
      それが今は必要性がないのでファフナーに乗れず、周りからも戦うことを期待されていません。結果として自分と向き合うしかなくなり、何をしたいのかわからなくなっているのだと思います。他のパイロットが前期の間に経験した「なぜ戦うのか=戦う先にある希望は何なのか」という通過儀礼を今になって突きつけられているのでしょうね。

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