『蒼穹のファフナーEXODUS』 第13話「闇の中の未来」:感想

2015年4月5日
■衝撃のCパート
・先は不安だけど、とりあえず状況が落ち着いたまま前半が終わって良かった…
なんて思ってたらCパートが待っていました。冲方さんがそんなに甘いわけありませんでした。

・感情抜きで語ると、無駄のない素晴らしい幕引きですね。
先の展開を示唆することで興味をひいて後編まで一旦間が空く問題をフォローしつつも、前編、後編という垣根を除いても意味のある展開になっていました。これならテレビでの分割2クールの形態でも、DVDなどでの一括視聴でも違和感なく見れそうです。

・墓地でカノンが見た未来について気になる点がありました。
倒れていた機体は里奈、新人3人、それと芹(ツヴォルフ)と思われる機体の5機ですが、墓石の名前には確認できるだけでも芹と零央の名前があります。パイロットが死んでいるのに機体が使われていることは奇妙なことに感じました。

・機体が大破(零央たち死亡)→生き残った人々がお墓を作る、という流れだと住宅を直したり機体を片付ける余裕もないのにお墓を作るのは奇妙です。
となると、あの機体には零央たち以外の誰かが乗って戦ったという可能性が高いように思えます。

・もう一つ考えられる可能性は、あの未来予知が不完全である可能性です。
前回までの零央たちの生身での能力発動では、制御できず不完全な形で発露していました。カノンの未来予知もまた不完全であったとすると、あの奇妙な光景も納得がいきます。お墓が作られる未来とスサノオたちが大破する未来、2つ以上の未来予知が混ざった光景であったのかもしれません。

■ここにいる
・EXODUSではめっきり登場しなかった「(私は)ここにいる」が出ました。
ただ存在するのではなく、生きているとはどういうことか。どういう意識を持って戦場に立っているのか。いなくなることに抗う意思。様々な意味が込められた台詞のように感じます。
最近はどうすれば正しいのかわからないことばかりだったので、確かなものが感じられるこの台詞はありがたいです。

■二人の能力
・とりあえず死ななくて良かったです。
でもベテランの咲良が弱音を上げるくらいなので、負担はやはり大きいようです。増殖と未来予知、どちらも常時発動しているようで負担が大きそうに見えます。

・反動は何でしょうね。零央たちの例から考えると能力と関連した副作用が出るはずです。
咲良は既に身体と感覚に異常をきたしていますが、あれが反動なんでしょうかね。精神的なダメージが大きいので、肉体よりも心の問題のほうが大きそうです。

・ファフナーで何かを選ぶということは、人の命や自分の命の選別に容易につながります。カノンは元々、他人に痛みを押し付けるくらいなら自分で背負うことを選ぶタイプでした。今の時点で想像するだけでもカノンにとってどれほどの苦痛になるか痛いほどわかります。
カノンは未来を見るので反動は、視力を失う(今が見えなくなる)か、記憶を失う(過去が見えなくなる)あたりが怪しいです。単に未来が見えて、何かを選ばなければいけないだけでも辛いことなのであまり重くないものだと良いのですが。せめて望まなくても日常的に辛い未来が見えてしまうくらいにならないですかねぇ… カノンの出番が増えたのに喜べません。

・トルーパーモデルは専用機なんですね。剣司のアハトやカノンのドライツェンを使うのかと思っていました。
そうなると剣司の機体はどうなるのでしょうね? 余りますよね。甲洋用でしょうか?
剣司が一発逆転の能力目当てで乗るとか止めてほしいです。

・トルーパーはオリジナル以外は消滅した点が気がかりです。
大破した2機目から生まれたコピーも消滅していました。どうもあの複製トルーパーは咲良のコピー(思念?)が動かしている感じなので不安です。咲良は生き残ったと思ったらそれはコピーだったとか止めてくださいね、冲方さん。

■トルーパーモデル
・トルーパーモデルはよく見ると可愛いですね。一回目見たときは咲良の様子が不穏で気が気でなかったため気がつきませんでした。
ちょこちょこ動いて剣を刺して離脱したり、一機の上に乗って踏み台になってもらって大ジャンプしたり、動きが面白いです。無人機だから消滅しても気にしないで済むので気楽に見れることも大きいのでしょうね。

■織姫の能力
・一見すると未来予知のように見えましたが、そうなのでしょうか?
織姫が予知できるのならカノンに頼らなくてもいいように思えます。必要があるとすれば織姫亡き後が一番可能性が高いように思います。織姫は自分が短命であることを知っていますから、戦いが自分の寿命が尽きた後にまで続くことを予知して、自分がいなくなった後のために未来予知能力者を必要としたのかもしれません。実際、カノンの未来予知で見た未来には今からだいぶ先である5ヶ月後の12月の予知もありました(廃墟になったブルク)。
織姫の未来予知を肯定する要素としては、これまでの先を見据えたような言動や早朝に叩き起こしてまで芹と虫取りに行ったことが挙げられます。素直に受け止めれば未来予知と考えていいようにも思えます。

・別の可能性としてはゴルディアス結晶関連が怪しいように思えます。
結晶を作り出し、パイロットに何かしらの能力を与えることが織姫の能力なのかもしれません。未来予知は発現し得る能力の一つであって、発現するかどうかは賭けだったのかもしれません。

■謎の内通者
・総士曰く、ミール並の能力の持ち主だそうです。そうなると該当者は限られてきますね。
アショーカにエメリー、アザゼル型、正体不明のグレゴリ型。あとは一応、一騎と総士も含まれるかもしれません。半フェストゥム化にはどんな副作用があるかわかりませんからね。

・それにジョナサンもやっぱり怪しいですね。
ナレイン将軍はミール因子を埋め込んだだけで半フェストゥム化していました。もしもジョナサンがミツヒロによって島の子供のように因子を元々埋め込まれていて、エスペラントとして迎えられたときに更にミール因子も埋め込まれたとしたら、相乗効果によってミール並の力を発揮できてもおかしくないように思えます。

・グレゴリ型がしゃべったことも驚きでした。
ナレイン将軍たちは無害だと言っていましたけど、何をもって無害だと認定したのか不思議です。どう見ても明確な意思を持っていました。
広登が無力と憎しみ、そして平和について語っていましたが、グレゴリ型に関係ありそうな気もしました。人類とフェストゥム、両方に共通する意思である憎しみによって全てを一つに同化しようとしているのがグレゴリ型や共食いアザゼル型なのかもしれません。

■人とフェストゥムの境目
・ウォーカーが明らかな感情表現をしていた点も見逃せません。
人もミールの因子を持つ存在です。感情を持ったフェストゥムと人類に差はあるのでしょうか。差がなくなれば、フェストゥムを殺すことは人殺しと大差ないことになってしまいます。そういう意味でも”人類”の生存圏が失われつつあるのかもしれませんね。


■バーンズ将軍
・生きてたんですね。北極で思いっきりやられていたような覚えがあるので、びっくりしました。
しかも軍部では穏健派みたいです。本人も味方も北極であれだけボロクソにやられてるのに、よくフェストゥム嫌いにならなくて済んだものです。意外とまともな人で驚きました。がんばってヘスターをどうにかしてくれないかと期待してしまいます。

・ただ、視聴者にとってのマイナス要素が無さ過ぎてちょっと不安に感じています。
これも期待させておいて梯子を外すための冲方さんの罠なのでは…?



後編の放送スケジュールはまだ明かされていないみたいですが、いつになるんでしょうね?
夏ではないみたいなので2クール先の秋でしょうか。間が空くと緊張感が途切れてしまうので、できるだけ早めだと嬉しいのですが。


コメント

4 件のコメント :

  1. グレゴリ型はインド滞在時はただの座敷わらしだったんじゃないでしょうか? ジョナサンの対応を見るに、はた迷惑な奴と言う認識でまかり通っていた感じがします。

    バーンズ将軍に関しては私も驚きました。1期の頃はただの過激派かと思ったのですが、この4年でずいぶんと性格が丸くなったように見えます。

    ニヒトにやられて、考え方を変えたと見るべきでしょうか?

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    1. 「何もしてないから無害だと思った」というのはあまりに呑気すぎると私は思います。
      何をもって、大したことないと判断したのか疑問です。

      そこが不思議なんですよね。北極で自分も味方もあれだけやられたら、憎しみを深めるほうが普通なはずなのですが。北極で戦力差を痛感したことで、ヘスターのような徹底抗戦路線に疑問を感じて、ナレイン将軍のような協調路線のほうに可能性を感じたのでしょうかね?

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  2. これから、バーンズがどう動いていくのかが気になります。

    少しでもフラグクラッシュに気を配ってくれるとありがたいです。

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    1. そうなってくれるとありがたいのですが、視聴者にとって都合が良すぎてうさんくさく感じます。釣餌に見えてなりません。

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