■あっさりでがっかり
・「正体をバラしたらどうなるの？→ヒーローなので問題ありません」
当然の流れ過ぎてがっかりでした。最初からそう言ってるだろ！と思わされる回り道な展開は嫌です。進ノ介の葛藤も「人命を優先する」という当たり前の正義感の範疇に留まってしまって、そちらも残念でした。

・早瀬を守る流れに関しては、もっとエゴを出しても良かったように思いました。たとえば「正体がバレると動きづらくなって、多くの人が危険に晒される」ｖｓ「このままじゃ早瀬が殺される」という筋書きにして、可能性と数を重視するベルトさんと目の前の命にこだわる進ノ介の価値観の違いを掘り下げるとか。仮面ライダーは個人の思想で戦うダークヒーロー寄りだと思うので、当然の正義感で動く優等生にしなくてもいいと思います。

・流れ自体も雑でした。フォーミュラでチェイスを倒したときなど人目につくところで変身したことは以前にもありました。ロイミュード犯罪も、暗黒のクリスマスや元刑事の共謀など目立つ事件もありました。それなのに警察が未だにロイミュードもドライブも存在を認めていないのは不自然に見えます。

・一番残念だったのは正体を明かすことになった流れです。
あの状況なら、ひと目につかないところで変身する方法はあったと思います。たとえば、狙いは早瀬なのだからマッハやシフトカーで時間稼ぎをして早瀬を連れて人の少ないところまで逃げて、目撃者を早瀬や追田警部補だけに減らすなど現実的な妥協案もあったと思う。やるなら充分に追い込まれた状況を作って欲しかったです。ロイミュードをもっと暴れさせて一般人にも被害を出すなり、もう一体ロイミュードを追加してマッハを封じるなり、あの場で進ノ介が変身する必要性を作り出す方法はあったと思います。

・そして次回の仮面ライダーチェイサー登場です。
販促の関係もあるので、主役がチェイサーに移ってしまいそうで心配です。
「ライダーは警察官＝善人」となったところで「ライダーはロイミュード？！＝悪人？」という爆弾を放り込んで、人知れず戦うダークヒーロー路線を掘り下げるのだと思いますが、あと４話くらいは進ノ介の掘り下げとドライブと警察の関係性を掘り下げてほしかったです。
今回のタイトルに「新たなる戦いはなぜ始まったのか」とあるので、今回あっさり解決したのはまだ前振りに過ぎないと思いたいものです。

■ベルトの行方
・普通にチェイスでした。順当ですね。
バイラルコアを改造したと思われるNo001が現れたので、ハートの強化フラグはそちらで済ませるみたいですね。メディックみたいに復活もせずに普通にいたことに驚きました。

・次回は魔進チェイサーと仮面ライダーチェイサー、どちらに変身するかでチェイスの決意を示すことになりそうですね。販促のために予告で結末がネタバレされていることがとても残念です。ここから捻って、性能面で魔進チェイサー＞仮面ライダーチェイサーにして、「より強力な悪の力を使って悪と戦うか、それとも仮面ライダーであることにこだわるか」という選択を迫る二重構造だったりすると嬉しいのですが。

■慣れない撮影場所は大変
・アクションがいまいち以前に撮影が破綻してました。
病院のシーンが目に見えてズタボロでした。戦闘終了後のトライドロンの周りにいきなり水だまりができてて変だなと思って見返してみたら、同じ場所なのに水たまりがあったりなかったり、曇ってたり晴れてたり、建物から伸びる影がカットごとにバラバラだったり、酷い有様でした。病院前での撮影時間が限られていて、充分な撮影ができなかったみたいですね。せっかくの新必殺技（一応）がいまいちだったのもそのせいでしょうか？
それにしたって、せめて見せ場になる必殺技と、明らかに目立つ最後のトライドロンの水たまりくらいは何とかしてほしかったです。


次回は３号ライダーにあたる仮面ライダーチェイサーの登場のようです。
これまでの２５話、ずっとチェイスが中心だったように思えてなりません。なんかもう、冗談抜きでタイトルを「仮面ライダーチェイサー」に変えたほうがいいんじゃないかと思えてきます。前振りにしてはやり過ぎたように思えます。そんな考えを吹き飛ばしてくれるくらい魅力的だと良いのですが。