3DSソフト『ハコボーイ!』:クリア後感想&レビュー

2015年1月24日
・3DSダウンロード専用ソフトの『ハコボーイ!』のクリア後感想&レビューです。
とりあえずEDとクリア後のおまけステージをいくつかプレイ済み。まだ途中でコンプはしていません。

・ニンテンドーダイレクトで見て、HAL研製な上に安くて面白そうなので買ってみました。結論からいうと、値段以上の面白さがある良ソフトでした。


【一言感想】

・簡単過ぎず難し過ぎない絶妙なバランス
・アクションパズル初心者~中級者向け。上級者には恐らく簡単。「パズルとは1問に30分も1時間も悩むものだ!」という方にはオススメしない。
・ボリュームは充分。任意でのやり込み要素もあり
・ストーリーやグラフィックに期待するゲームではない

■ゲームシステム




・どんなゲームなのかはこちらのトレーラーを見ていただいたほうがわかりやすいと思います。
プレイヤーができることは;
1)箱を出す&運ぶ
2)前後の移動&ジャンプ
この2つだけです。あとは地形やスイッチなどステージの仕掛けに合わせて活用するだけでとてもシンプルです。

・マップ構成の他にステージごとに「一度に出せる箱の最大数」が決まっています。
最大数といってもつなげられる数のことで、同時に存在できる箱の数はひと塊のみです。一度箱を出した後に次の箱を出すと、前に出した箱は消えてしまいます。たとえば最大数が”3”であっても、縦に2つ重ねたブロックを置いて、次に1つだけのブロックを並べることはできません。1つ*3も不可能です。後から1つを出した時点で最初に出したほうは消滅します。

・最初は単純なことしかできないのかと思っていましたが、意外と奥深い要素もあります。
箱を出すといってもただ隙間を埋めたり、階段上にして登ったりするだけではありません。
狭いところであれば箱を伝って移動したり、予め箱を前に突き出した状態で飛び降りて落ちた先の壁にひっかけて落下を防いだり、様々な活用法があります。


【良かった点】

■絶妙な難易度設定
・ハコボーイ最大の魅力、それは絶妙な難易度設定だと思います。
1つのステージはだいたい3~5分程度で終わります。とてもサクサク進んで爽快です。しかし5ステージに一回くらい10分くらい悩むような壁ステージがあり、歯ごたえもあります。難しいステージが終わった後はまたしばらくサクサク進め、適度な爽快感と適度な歯ごたえがバランス良く設定されています。このゲームバランスがこのゲームの最大の魅力だと思います。

・シンプルである点も重要です。
一度に出せる箱の数にも制限があり、できることは限られています。出せる箱の数は通常3~5個でステージの地形で使えるものは更に制限されるので、使える箱の形は10パターンもありません。
だからこそこのバランスが成り立っています。アクションパズルが得意な人はステージ配置を見ればすぐに見抜けるし、あまり得意でない人でも試行錯誤しているうちに箱の出し方を総当りで試すことになりクリアすることができます。仕掛けごとにリトライポイントが用意されているので、失敗する度にまず一度解いた仕掛けをもう一度解かなくて済むのも親切です。
得意な人は少ない回数で素早くクリアすることを目指し、得意でない人はいろいろ試してがんばっているうちに自然と解ける。どちらにしてもパズルの醍醐味を楽しめて、初心者でも上級者でも楽しめる理想的なバランスだと思います。

■ユーモアのある技名
・ブロックの出し方に様々なネーミングされていて、これがまたユニークで面白いです。
頭のブロックを乗せて頭上からの攻撃を防ぐ「ハコガード」
更に前にも伸ばして上と正面、両方の攻撃を防げる「アップフロントガード」
更に後ろにも伸ばしてアフロヘアー上にして3方向から攻撃を防ぐ「ハコアフロ」
箱伝いに移動する「ハコスネーク」
などなど各テクニックに変なネーミングがされています。
プレイしていて「そうだ!ここはハコアフロを使えばいいんだ!」など思いつくと自分で考えておきながらつい笑ってしまいます。

・このネーミング、ただ面白いだけではありません。ちゃんと実用性も考慮されています。
このゲーム、Miiverseへの投稿機能が用意されていて、人から攻略法を教えてもらうこともできるようになっています。ここで問題になるのが教え方です。箱の形状を口で説明するのはとてもむずかしいのです。「箱を前2上1前1上1にジグザグに伸ばして、右上の隙間に入って~」なんて説明では長いしわかりづらくて困ります。
このネーミングのおかげで「そこはハコスネークで右上の隙間に入って、ハコプッシュで飛び出せば通れる」などシンプルでわかりやすい説明ができるようになっています。ちゃんと実用性を考えてのネーミングであることに気づいたとき、このゲームのデキの良さを改めて実感しました。

■充分なボリューム
・まだ全クリ前で正確に数えられませんが、ステージ数はおよそ180ステージ前後あるようです。
そのうち40ステージくらいがクリア後の高難易度ステージ+タイムアタック用のスペシャルステージなので、簡単なステージに慣れてちょっと難しめなのに挑戦してみたい人も安心です。
680円にしてはボリュームたっぷりだと思います。

■やり込み要素
・クリア後の高難易度ステージやタイムアタック用のステージの他に、特殊な能力を持つ衣装に変えての2周目も用意されています。
箱を1つ多く出せる、ジャンプ力がアップするなど根本的に仕様を変えられる能力を持った衣装があります。これらを使うことでゲーム性が大きく変わり、通常ルートより短いルートを見つけ出したりする楽しみがあります。


【残念な点】

■ストーリーやビジュアル面は弱い
・見ての通りのシンプルなアイディア重視の低価格ソフトなので、ストーリーやビジュアル面は弱いです。アバターの着せ替えも種類が少なく、ネタ系も多いため要素と言えるほどではありません。
そういった要素を期待してこのゲームをやる人は少ないと思いますがそれが一番重要という方にはオススメしません。
個人的にはEDの演出は定番ながらなかなか良かったと思います。


【総合感想】

■期待以上のクオリティ
・低価格ソフトなのでゆるめのビジュアルか、パズルどちらか1つでも良ければそれで良いと思って買ったのですが期待以上に面白かったです。
パズル自体も簡単過ぎず難し過ぎずちょうどいいバランスでしたし、ネーミングなど細部まで行き届いた配慮にも感じ入りました。プレイヤーのことを考えて作られていることが伝わってくるゲームが私は大好きです。これで価格が680円なのは破格です。個人的には2000円くらい払っても惜しくないソフトだと思いました。

■ちゃんとアクションでパズルしてる
・この手のアクションパズルというとジャンプしたりできるだけでアクションにはあまりプレイ上の意味はない印象があったのですが、ハコボーイはわりとアクションも重要です。
トゲブロックが3マスあって、本来なら3つ箱を置いて渡らなければいけない場所でも、2つにケチって片足が浮くぎりぎりの半歩に箱を配置してギリギリでジャンプすれば2つでも渡れたりするところがけっこうありました。半歩浮かせてギリジャンとか懐かしくて興奮しました。
通常のタイムアタックにあたる箱の節約にアクションが大きく関わってくるところがあって、アクションがしっかりパズルに絡んでいるところが良いと感じました。

■上級者には早解き推奨
・「簡単過ぎるな~」と思ったら早く正確に解こうとしてみることをオススメします。
使えるパターンが少ないので手こずった問題でも解いてみれば「なんだ、こういう配置なんだから当たり前じゃないか」と思えることも珍しくありません。
いろいろ試すために頭の中でしっかりシミュレートして、少ない試行回数で解こうとするとまた違った味わいがあります。


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