『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』 第18話「ミステリGP!探偵は里にいる」:感想

2025年6月22日
■謎が解けない謎解き
殺人事件だ!
→アーイーなんて死んでてもどうでもいいだろ。案の定、その後のバトルで殺しまくってるし。

密室殺人。
→外から入ることは可能で誰がいつ入ったのか確認できてないからあまり意味がない。

角乃は心が読めるが指輪の戦士には効かない。
→ベアックマとファイヤキャンドルに使わなかったのはなんで?

犯人はベアックマでした。
→いつ入ったのかも、わざわざ目立つアジトで殺す理由も、殺した後に逃げなかった理由も謎のまま。

みんな生き返った!
→どういうこと??? ミステリーノーワンが結界を生成した後ならまだしも最初の被害者のアーイーまで生き返るって何???

・内容がガバガバ過ぎて謎解きが終わった後ですら全然すっきりしませんでした。カタルシスの無いミステリーとはさすがゴジュウジャーのスタッフです。争わないバトルロイヤルの次は謎を解いたはずなのに解けてないミステリーですか。

■何の話???
・単発のミステリー回なんてどうせお飾りでしょ。と冷めた目で受け流すにしても本題の角乃の話についていけなかったことは致命的だったように感じました。
角乃が探偵してた印象が全っ然無いので「貧乏呼ばわりは許せてもへっぽこ探偵は許せない!」とキレる機微が理解できませんでした。
個人的にはむしろセレブの方にばかりこだわっている印象で、「おい、探偵しろよ」と思ってたくらいなんですけど…

・ベアックマが野放しなこともだいぶ首を傾げました。
あの…こいつ思いっきり殺意を持ってメンバーも殺した凶悪犯なんですけど無罪放免でいいんですか…?
角乃は熊手相手に「お前は犯人の気持ちに向き合ってないから探偵失格だ!」とか御高説を述べてましたけど、殺意にも向き合った方が良いと私は思います。

■初耳、初耳、初耳、初耳
ノーワンが展開したミステリ空間。
起こった事件は基本的には「ごっこ遊び」です。

ですので誰一人危害は加えられていないのですが
そこで動くキャラクターたちの行動・動機は〝本物〟でした。

だからベアックマの熊手への思いと、彼の生誕秘話は真実。

ゴジュウポーラーの指輪能力は
一度限り、無機物に命を与える」という
まさしく神に相応しい能力でして

熊手はそれを、自分とずっと一緒に居た玩具のクマに使用して
相棒の「ベアックマ」を生み出したらしいのでした。

   (その玩具をどう入手したかは、また別のお話……誰か大切な人に貰ったりしたのかな?)


そして、相棒が罪を犯したことを知り
一度は憤怒して拒絶してしまった熊手の「未熟さ」も、また真実。

この回で描きたかったことは
熊手真白も、まだ発展途上ということ。

「神」ではなく「神を目指す人」でしかない。
あくまで熊手も人であり、だから揺れ動いていく。
東映公式ページを読んでいてピンと来ないことだらけで戸惑いました。そんな話でしたっけねぇ?

「起こった事件は基本的にごっこ遊びです」ってじゃあトレジャーハントとか昭和もごっこだったんですか? 死んだやつも生き返るのが普通何ですか?
この設定は信じて大丈夫なんでしょうか。とてもそうは思えません。

ベアックマの誕生秘話がポーラーの指輪能力扱いされていることも不思議でした。
え? そんな能力もあるんですか? まぁ一応大獣神を動かせたジュウレンジャー教授の復元能力や動物を操れるガオレンのなんてのもありましたけど。

「ベアックマは玩具のクマに命を与えたもの」という話は完全に初耳で戸惑いました。
熊手って玩具のクマをずっと持ち歩いているようなメルヘンキャラだったんですか… しかもユニバース大戦直後に石化したはずだから大戦中もずっと持ち歩いていたってことですよね。
そんな孤独感を抱えた人物だったとは知りませんでした。そんな性格なのに昔叶えようとした願いは「誰も悲しまくて済む世界」とは立派な心がけじゃないですか。自分よりも他人を大切にして願いを叶えようと戦い抜いたのに結局願いは叶えられていないんじゃテガソードを見限るのも頷けます。
そこで「1万年も経って守ろうとした人たちもみんな死んでしまった。もはや社会すら当時とは別物だ。世界も全然良くなっていない。俺のやってきたことは全部無駄だった…」と絶望せずに「だったら俺が神になって自分で叶えてやるぜ!」と再起できるだけすごいと思います。

・個人的には「あくまで熊手も人であり、だから揺れ動いていく」の部分が特にピンと来ませんでした。熊手に完全無欠で俗っぽさがない神のような人物という印象が特に有りませんし、熊手以外の凡人で俗っぽさ全開のはずのメンバーにこれまで心が揺れ動いていた印象もありません。むしろずっと「描写が無さ過ぎてこいつらが何を考えてるのか全然わからん」と首を傾げてきたくらいです。
プロデューサーとの作品の認識のズレを更に感じてしまい、ますます先行きが不安になってきました。

■解けない謎その2
・怪人の身体のデザインを活かす内容自体は良いと思いました。戦隊の怪人デザインは面白いですからね。

・でも内容は意味不明でした。
え? 怪人の身体に描かれた死体の白線やダイイングメッセージは、怪人がゴジュウユニコーンに丸型の武器で倒されることを意味していたってどういうことですか?
最初からゴジュウユニコーンに殺されるつもりで生成したってんですか???
あのノーワンはNo1になる気ないの?????

・そもそも論で言うと謎解きもおかしいんですよね。
「凶器は丸」って…凶器は丸じゃなくて灰皿なんだよ、アホが!!!
見立て殺人でもないのになんで凶器を勝手に抽象化してたんだよ、この迷探偵は!

■盛り上がらない内輪揉め
・戦う理由も怪しい巨大戦が不毛でした。
映像としてもペシペシ撃ち合い殴り合うだけで特に面白くなかったです。

・CMで見かけてからグーデバーンはベアックマ付きのモードだとどうやって戦うんだろうか?と不思議に思っていました。
乗ってるだけでした… 乗ってるグーデバーンは特に何もせず砲台から撃つだけなのでもはや乗る意味があるのかすら謎でした。ベアックマ単体では無理なんでしょうか?
合体単体の描き方も退屈で残念でした。


次回はブラック大獣神の謎と吠の初恋の人のお話のようです。
常識に考えると初恋の人が敵なわけなんですが、それ以前に「吠の初恋」というのがいつの話なのかさっぱりわかりません。
さらわれる前は子供だったし、さらわれた後は「願いなんて持っちゃダメ!」と言われる逃亡生活だったり兄や仲間が失踪したりで恋するような情緒を育んでいる余裕があった気がしません。
今のところあの「願いなんて持っちゃダメ!」なお姉さんが初恋の人なのかなという印象ですが、吠+8歳以上にしては外見年齢が合わない気がします。完全に初耳な人物なんでしょうか?








コメント

2 件のコメント :

  1. 感想お疲れ様です
    指輪争奪戦で人の道理が分からず勢い余って暴走とか敵の能力で云々とか理由付けはいくらでも出来たと思うんですが
    ネタを劇中に落とし込みながら要素やテーマを出していくのではなくやりたいネタのためにキャラを無理矢理動かして後は口でそれっぽいこと適当に説明させて終わる
    という作劇どころか思考さえ放棄した近年の特撮の手抜き要素が濃縮された回だと思います

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >指輪争奪戦で人の道理が分からず勢い余って暴走とか敵の能力で云々とか理由付けはいくらでも出来たと思うんですが

      なぜかどうでもいいアーイーから殺しているので余計に殺意と「チャンスがあればメンバーだろうがどんどん殺す」という狡猾さが際立ってる気がしました。
      後で擁護するつもりならなんでこんな流れにしたのか実に不思議でした。

      >ネタを劇中に落とし込みながら要素やテーマを出していくのではなくやりたいネタのためにキャラを無理矢理動かして後は口でそれっぽいこと適当に説明させて終わる
      という作劇どころか思考さえ放棄した近年の特撮の手抜き要素が濃縮された回だと思います

      私は単に井上亜樹子さんが下手であることが主な原因だろうと思っています。たぶん入れただけの角乃やNo1バトルはまだしも、本筋であろうミステリーやベアックマの話すら全然まとまっているように見えませんでしたから。

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