『仮面ライダーガヴ』 第40話「追憶のアラモード」:感想

2025年6月22日
■今回はタイトル通り
・今回は「追憶のアラモード」のタイトル通り、死者の弔いや残された側の行動がメインでした。
打ちひしがれる幸果や気丈に振る舞うショウマ、喪失には慣れているけど他人への配慮は慣れてない絆斗、そして復讐を捨て被害者を増やさないために戦うヒーロー性を自覚したラキアといろんな人間模様が描かれていて良かったです。

・ラキアの復讐要素が薄れていたのでラキアの変遷は物足りない部分がありました。
アラモードもショウマが創った物なのでラキアの積極性が弱いです。
アラモードに装備の錬成能力があるなら「最初はグロッタを倒すための武器を作ろうとするが、最終的には人プレスを守るための盾を創り出す」みたいな自主性が欲しかったです。

・前回のタイトルの「探し求めていたのに」はピンと来ませんでしたが、ラキアの復讐とグロッタのデンテとの再会のことを指していたってことでいいんですかね?
ラキアの方は展開が弱いだけなのでどうもこうもないでしょう。
グロッタの方は今回の様子からして、寂しさを最期以外は認めなかったようにデンテとの再会もデンテの提案も本来ならグロッタにとって嬉しいことだったのに「自分は強い=そんな感情必要ない!」、「ストマック家は私一人でも何とかなる!」と追憶=過去にこだわり、虚勢を張り続けた結果誰も喜ばない末路を辿ることになった。という話だったのかなと思いました。

■ランゴ再登場
・生きてるだろうなとは思っていましたけど両目が有るのは意外でした。
見ている間はそう思いましたけど、ミミックキーで擬態した姿だから外見上無事なだけで、擬態解除すると片目ってことなんですかね?
もしそうなら思いっきり殺しても問題ない人プレスといい、設定や小道具を上手く使って実写番組の制約を乗り越えていて良いことだと思います。
実写で片目にしようとするとメイクに時間がかかったり演技や表情が難しくなったり、役者さんがビジュアルを嫌がったり結構問題が多いですからね。

■仮面ライダーヴラム・アラモードモード
・アラモードというよりアーマードプリンって感じの見た目でした。
「プリンアラモードは器が本体だろ」という着想ならば個人的にはそれなりに共感できます。
「果物を乗せただけでプリンとの味のシナジーは無くない?」とか「果物やクリームを少し乗せたちょっと豪華なプリンってアラモードを名乗ってなくても有るよね?」とか思ったことはあるので器の方に重きを置くのは納得感がありました。

・アクション面では装甲部分で受ける戦い方はアラモードのデザイン上の独自性を活かしていて良かったです。
盾は早々に捨てられちゃいましたが本格的な出番はこの先ですかね。

・キックは縦回転の振り下ろしキックでした。
なぜ振り下ろし?と疑問に思いましたが、アラモードの器の高さを表現したイメージなんでしょうかね?

■仮面ライダーガヴ
・マスターモードを使わせないためにゴチゾウ不足が理由として持ち出されていました。好意的に解釈するならグロッタの無差別犯行に対処するためのゴチゾウを使った広域捜索の都合でポッドに入れずに出していたんでしょうかね。 

・ゴチゾウがグロッタに切られる描写はいまいちでした。
あんな切りやすくグロッタの横を通らないで、「四方からバラバラにやってくるけど全部グロッタに切られる」ような描写の方が使えない理由もグロッタの強さも描写できて良かったと思います。

・ラキアがアラモードで戦い始めても見学せずにケーキングで参戦したところは個人的には良いと思いました。
この手のやつだと不自然な見学やダウンが増えがちですからね…
多対1にするとせっかくの新フォームの強さが目立たなくなるなど問題もありますが、アラモードは防御力が特徴のようですし、一人ではなく仲間と戦い、被害者を取り戻すために手段を選ばないことは話の流れにも沿っていて悪くないと思いました。

■逃がしちゃうのは締まらない
・酸賀の最期のときもそうでしたけど、仕留めきらないうちに敵を逃がしちゃうのは印象がよくありません。
もっと血まみれとか手足や胴体の欠損とか見るからに致命傷な感じがあれば取り逃がした感が薄れそうだけど表現のタブー的に無理なんでしょうね。
敵側のドラマついでに次の導入もやりたいのはわかるのですが、もう少し上手い折衝点を見つけてほしいです。


次回は、駄菓子屋さんはやはりショウマ母の関係者みたいです。
ニエルブが改造したと思われるベイクもどきに変身する謎の怪物も登場するようです。知らないやつを改造しても今更だからショウマたちの知り合いの線が濃厚ですね。現状だと候補は酸賀か駄菓子屋さんかショウマクローンくらいしか思いつきません。
駄菓子屋さんならショウマが無自覚に殺してしまったり絆斗がそれを防ごうとしたりするドラマが手軽に作れますし、酸賀なら絆斗とニエルブに因縁を作るのに使えるでしょう。ショウマクローンも家族思いとして描かれたグロッタの直後ならニエルブの冷徹さの対比になってドラマになるかもしれません。誰でもそれなりには話を作れそうです。


39話感想← →




コメント

10 件のコメント :

  1. 感想お疲れさまです。
    ラキアの復讐、というよりかはデンテの死を乗り越えるのがメインでしたね。
    ラキアよりショウマが立派過ぎてそっちに感動してしまいました。
    ラキアの弟を殺したことにグロッタがイマイチ自覚なしのままなのも、なぜラキアが初戦で気づかなかったのかわからないままなのも残念でした。
    強化アイテムがショウマの腹から出まくるのもなんか、こう何回もされると熱くはなれませんよね。なんでヴラスタムギアに対応するゴチゾウが出るのかは謎ですし。だからこそデンテの作ってくれたゴチポッドが最強なのは納得感があっていいんですけどね。
    次回、正直またビターガヴかとは思ってしまいました。まあ変身者は酢賀でしょうねーそれ以外が変身して盛り上がるのかっていう。ビターガヴなのはいいんですけどいい加減ブレイクッキーは辞めてほしかったですね。ガヴは比較的怪人のスーツ多めだと思ってたんですけど、ここまでビターガヴを使い回すってことはやっぱり予算は限られてるんですかね。予告見た感じマスターガヴが現状強すぎるからハントを洗脳して仲間割れ?なんですかね?残り約10話ですしそろそろ大統領が前線に出てくると思うので楽しみです。

    返信削除
    返信
    1. 匿名さん、こんにちは。

      >ラキアよりショウマが立派過ぎてそっちに感動してしまいました。

      ずっと母親と二人きりで社会も知らず、依存度の高さで言えばショウマの方がラキアよりずっと高かったでしょうからね。
      そこから立ち直って決意しただけのことはあるなと思いました。
      早く平和に、戦うことを考えずに暮らせるようになってほしいものです。

      >ラキアの弟を殺したことにグロッタがイマイチ自覚なしのままなのも、なぜラキアが初戦で気づかなかったのかわからないままなのも残念でした。

      弟の仇の件は個人的にはいまだに半信半疑な感じのままです。
      ショウマもわざわざ言及していたし、グロッタの仕業ってことでいいんですかね。

      >強化アイテムがショウマの腹から出まくるのもなんか、こう何回もされると熱くはなれませんよね。

      設定的には仕方ないんですけどね。
      ストーリーが許すなら「デンテが死ぬ前に完成させておいたアイテム。本来はグロッタを倒せる武器としてラキアに依頼されたものだったが、デンテの死を受けて人々を守るために使うことにした」みたいな展開の方が導入はスムーズだったと思います。これだと今回あったデンテの代わりに食べて悼む展開ができないので成立しないのでしょうが。

      >ここまでビターガヴを使い回すってことはやっぱり予算は限られてるんですかね。

      実際のところは知りようがありませんが、例年どおりなら余裕はないんじゃないかと思います。
      アラモードの盾も鎧武のリペイントですし、特に予算が潤沢なわけではなさそうです。
      無いものは無いから仕方ないと思います。


      削除
  2. 感想お疲れ様です!
    ガヴは個人的に悪くはないんだけど...って話がポツポツある印象を受けます。
    今回のラキアの復讐もグロッタを
    犯人にするならもう少し前から下地を整えられたよねと惜しいように感じます。けれどストーリー、アクション共々令和ライダーの中でもかなり良い方だと思うのでこのまま
    最終回まで丁寧に話を畳んで行って欲しいです!!

    返信削除
    返信
    1. 匿名さん、こんにちは。

      ラキアの仇の話はあまり盛り上がりませんでしたね。グロッタの扱いの都合上、早めにはやるわけにはいかなったんでしょうけど、流れとしてはビターガヴ編が終わった辺りで仇の話は一段落させておいた方がまとまりは良かった気がします。
      本編の流れに沿ってやるなら、カマキリをそのまま本物の仇にして復讐は一段落させて、「直接殺したのはカマキリだけど命じたのはグロッタ」くらいの因縁をつけたり、この前後編では純粋にデンテを殺されたことに怒る。
      くらいに分けても良かった気がします。

      削除
  3. お疲れ様です。

    ラキアの再始動より幸果さんの精神ケアやデンテの弔いの方がドラマとしての比重が重かったと私は思っていたのですが厳密には前者がただ積極性が弱いというのは納得でした。

    グロッタに関してはラキアが託された思いを胸に復讐を捨ててこれ以上の犠牲を出さずに人々を守る事を第一に前を向いたのに対し、過去に囚われ続けて差し伸べた手を切ってまで強くあろうと虚勢を張っているのが対比構造になってはいたのですがもう少し上手く調理できたのではないかと思ってしまいました。
    (1、2クールの両クールでライダー達と直接対決していた唯一の幹部だったので何かしら展開の積み重ねでもしてたように見えたので尚更です。)

    それでも複数いるキャラの心理描写を並行して違和感なく描かれていて、香村さんの手腕は流石でした。
    アクションの方はアラモードモードが盾を使うという情報を知った当初は基本両手で使う弓との相性は悪いだろうと思っていました。
    実際には攻撃を防いでから地面に刺して支えにしながら弓を引いたり投擲したりと上手く併用できていたのには感心しました(個人的にはガヴ特有の立体的な擬音がなかったのが少し寂しかったです)
    後フラッペのストローの件は戦隊のギャグっぽさを感じました。

    返信削除
    返信
    1. 匿名さん、こんにちは。

      >もう少し上手く調理できたのではないかと思ってしまいました。

      グロッタとラキアの仇はあんまり上手く行きませんでしたね。
      どちらも引っ張った分だけマイナスに働いてしまいました。

      >(個人的にはガヴ特有の立体的な擬音がなかったのが少し寂しかったです)

      金属的な質感の擬音なんてのも面白いかもしれませんね。
      シリアスな場面だとこれまでも擬音は控えめだったので次回以降で出るかもしれません。

      >フラッペのストローの件は戦隊のギャグっぽさを感じました。

      ギャグみたいでしたね。エージェントの方の反応までギャグ調でした。

      削除
  4. ラキアもグロッタもやや持て余し気味というか、役者を1年通して起用する都合って感じでしたね
    まあそれこそ復讐心を乗り越えるドラマは絆斗と酢賀でジックリやったので、仲間の影響を受けて変われたラキアと他人を拒み続けたグロッタみたいな構造に留めたのかなと。
    まぁ引っ張りすぎでしたね

    アラモードの回し蹴り、ジャンピングボレーはガタックみたいで、平成ライダーっぽいライダーキックだなと思います。

    返信削除
    返信
    1. >ラキアもグロッタもやや持て余し気味というか、役者を1年通して起用する都合って感じでしたね

      香村さんの幹部持て余し癖が出てしまった感じはしました。
      ラキアの復讐自体はショウマの放浪や絆斗との正体隠し合いくらいのテンポで終わらせた方が良かったかもしれません。
      グロッタの方は復讐はともかく、家族関連やグロッタのキャラクター性はこまめに掘り下げておく必要があったと思います。それさえあればラキアの方は目を瞑って、グロッタ中心のお話として見ることも可能だったかもしれません。

      >アラモードの回し蹴り、ジャンピングボレーはガタックみたいで、平成ライダーっぽいライダーキックだなと思います。

      なるほど。縦向きにすればポーズとしては同じになるでしょうね。

      削除
  5. 感想お疲れ様です。
    できればで良いので最後あたりに点数をつけてもらえないでしょうか?
    個人的にはそちらの方が評価がわかりやすいです

    返信削除
    返信
    1. 匿名さん、こんにちは。

      点数付けとかはやらないと思います。見るべきは内容であって点数ではないと思うので。

      削除

 コメントは承認後に表示されます。
*過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。