『仮面ライダーゼッツ』 第31話「苛む」:感想

2026年4月19日

高橋悠也さんの”平常運転”

・すっかり往年の腐れ具合を取り戻したようです。絶好調で設定をぶん投げて理解不能な新設定を生やしまくっていました。
詳しくは後述しますが、次々と初耳な新設定が生え、従来の設定やお話が無かったことになっていく流れは見慣れ過ぎた光景で心底うんざりしました。

・それでいて冒頭でわざわざ”スリーが”抹殺命令を受けているところを映して
「違うんです。ゼロは莫たちを助けようとしてるんです! ゼロを悪者だと思わないでください!」と腰の引けた言い訳を並べているところが実に情けないです。
「どうせ視聴者は1話前のことすら覚えてないよw」って態度で作っているのになんでそんなこと気にしてるんですか。
ぶん投げるんだったらゼロが敵という部分の方が良いと思います。
スパイものなんだし「敵を欺くには味方から」で済ませられるし、後付け改変を厭わないなら
「莫もわかっててゼロの芝居に乗ってました。
(どう見ても莫が動揺してた? ゼロは本気で殺そうとしてた?
そんなシーンどこにありました? 前回?そんな昔のこと普通覚えてませんよw)」にすれば済んだでしょう。
投げ方すら下手くそなところが本当にうんざりします。


ゼロは莫の父親だった!

・莫の本当の父親は不明だったのでそうだとしても不思議はないんですけど、どこから莫がそう判断したのかは理解に苦しみました。
ましていつも知性がマイナスで常識的に考えればわかることすら思いつかなかった莫がなぜ超速理解できたんでしょう? そっちの方はもっと謎です。
ノクス抹殺指令を受けても「まぁ殺さなければいいでしょ」とか呑気なこと言っていながらしばらく後で「コードは信用できない!」とか喚き出したアホのはずなんですけどね?


最低の仮説しか思いつかないんだが

・根拠にしていた黒ゼッツとブラックケースは謎過ぎて意味がわかりませんでした。
え? マジでどういうことですか???

「なぜナイトメアが莫だけ襲うのか」「なぜゼロの悪夢で起きたブラックケースが莫の災難として降り掛かったのか」という超理論だけは解読できたと思うのでわからなかった人向けに解説を書いておきます。

「ゼロの夢はゼッツの完成である」
→「悪夢は夢を壊すものである。よってゼロの悪夢=ゼッツの破壊、防止になる」

「莫は子供の頃からゼロがゼッツ候補として目をかけてきた最もゼッツに近い存在である」&「ナイトメアが悪夢内で起こした行動の一部は現実にブラックケースとして反映される」
→「ゼロがナイトメアの悪夢の中でゼッツ=莫が襲われる夢を見ると現実にもブラックケースが発生し、そのブラックケースは現実の莫に降りかかる」
*夢主でない他人でもブラックケースの被害に巻き込まれるのはシェフの回の弟子たちが食中毒の被害にあっていたことで証明済み。

「ナイトメアなのに延々と莫ばかり攻撃してきてまるでゼロが操っているようだったのは、ゼロの夢=ゼッツで、今の莫はゼッツそのものなのでゼロの夢を壊すために破壊すべき対象としてみなされているから」

作中の理屈としてはこういうことだったと思われます。
大前提を飲み込めば一応話の筋は通っていました。問題はその大前提が今回生えてきた初耳のものばかりってことなんですが…
なんでゼロは莫が危険に晒されているのを知りながら、自分の中のナイトメアを倒すことはしてこなかったのかは全くわかりません。

・個人的に一番理解できなかったのは”ブラックケースが起きるタイミング”でした。
災難がブラックケースで莫に降りかかるまではいいとしても「莫が人助けをすると決まって災難に襲われる」こととは関係ないはずですよね?
まさか善行とは因果関係がなく全部偶然だったって言うんですか?!
たまた莫が善行したタイミングで、たまたまゼロが莫が襲われる悪夢を同時に見ていてシンクロしない限りはこんなことは起きないはずです。

・私が考える一番有力な可能性は、スタッフは「莫が災難に会った」という事だけ覚えていて「人助けをすると災難が起きた」ということは忘れた。
という線です。全ての辻褄が合います。


そこってそんなに重要かな?

・なぜか父親であることにこだわる莫も理解に苦しみました。
お前冒頭で養父を父親と呼んだばかりだろ。
常識的に考えたら「血の繋がりがなんだ! お前なんて父親じゃない!」と言うべきところでしょう。

・個人的にはそもそも
「実の父親なのに息子の自分をゼッツにするために危険な目に会わせてきたことよりも、コードの司令官としてたくさん人を利用したり殺してることの方が問題じゃない?」
と思うので莫の倫理観すらおかしいように見えただけでした。

・わざわざ自分から話を持ち出したのに莫の印象が下がる一方で展開としては一番理解に苦しみました。
やっぱり私にはスタッフの価値観が全然わかりません。


ネム

・ネムが「ナイトメアって私のせいだったの?」みたいなことを言い始めて戸惑いました。
あの…その話は予知夢の中でしましたよね? ネム自身がデスゲームナイトメアのときに「全部私のせいだったんだ… こうなったら刺し違えてでもナイトメアを殺す!」って刃物を持ち出したりしてましたよね?

・更になんかネムが周りを妬んだり不幸になればいいと思っていることが原因ってことにされ始めて、更に困惑しました。
全然知らない話な上に、ジークに言われただけで信じ始めていてそのことにもついていけませんでした。
せいぜい「(いつも『そういう世界観みたい』と言っていて主体性が薄く)自尊心が低い」くらいの印象しかないので妬みとか言われてもピンと来ません。


何の話part2

・ノクスがネムに対して言った
「コードに殺されたくなければその力を使うしかない」は初耳過ぎてマジで意味がわかりませんでした。
何の話です?!
今までネムがナイトメアを生み出したことでコードの魔の手から逃れたことなんて一度も覚えがないんですけど…
ネムが無事だったのはレディが匿って、更にレディが一睡もしないことで夢から匿っていることを気取られないようにしていたからじゃなかったんですか?
発端であるネムの交通事故が誰が引き起こしたのか、ただの偶然だったのか、国民的アイドルになった後もネムがコードにさらわれなかったのはなぜなのかとか、元々謎だった部分が謎のままなのにまた知らない話が増えました。


これって逆効果じゃない?

・ネムと言えば、冒頭の莫の行動も謎過ぎました。
なぜか「俺といたら巻き込まれる!」みたいなノリでネムを逃がしてましたけど、
あの…ネムは元々コードに狙われている存在だって予知夢の中でスリーが明言してましたよね?
これがゼロの夢なんだとしたら離れたら余計に危険だし、そもそもそんな狙って莫やネムを自分の夢に引き込めるなら最初からその方法でネムを確保したら良かったじゃないですか。
何もかも意味不明でした。


英語力が低すぎる

・辞書を引かないと「Counter the assassination」が読めないナスカにも、
大卒のはずなのに普通に「You’ve really grown」を聞き取れない莫にも呆れました。
聞き落としがあったり現在完了形の意味がわからなくても最低でもgrownを聞き取れれば「え、『大きくなったね』ってなんの話?」って意味を取れるのになんでわからないんでしょう。
発話上でも一番強調する部分を聞き取れない圧倒的にダメなリスニング力でした。

・子供向けに説明を挟む必要があるにしても莫やナスカにやらせる意義は無かったと思います。
莫の方は最後に種明かしするし、その前に「子どもの頃にゼロと会ったことがあった」という話を挟むのだから、お墓で聞いた時点で「え?」って反応をさせておき、バイクに乗ったエピソードを見せた時点で「あぁ、このときに会ったことがあるから『大きくなったね』って言ってたのか」とミスリードしておいて、最後に「夢の内容からゼロが実の父親だと理解したんです」と明示しても良かったはずです。
ナスカの方なんて富士見が「なんて読むんだ、これ?!」と騒いでるところにナスカが蹴りを入れて「暗殺に対抗しろって意味ですよ! ボケっとしてないで準備してください!」とスタッフが大好きないつものコントを挟めば済んだでしょう。
そうでもしないと「暗殺はみんなの命に関わることなのに莫が格好をつけて英語で書いたせいで理解されず、みんなが殺されるところだった」なんてクソ極まりない状況になるリスクがあったってことになっちゃいます。
そんなアホで迷惑な主人公はどう考えても嫌でしょう。
違った方向で「フィクションの登場人物は作者以上の頭の良さにはなれない」という言葉を思い出した。別の言い方をするなら「蛙の子は蛙」ですね。


アクション

・上堀内監督なのでエフェクトは派手でした。
鏡を使った絵面など構図も凝っているところがありました。

・ただバトル自体は盛り上がりませんでした。
結局、ただのナイトメアであり見た目は通常フォームでしかないので特に強そうに見えませんでした。
どうせなら敵はカタストロムの姿にすれば、ゼッツが苦戦してもカタストロムの販促になってどっちが勝っても販促になっていいのにと思いました。
変身アイテムがオルデウムと共通なんだから活かすべきだったと思います。



次回は…何をするんでしょう?
引き続き黒いゼッツと戦うみたいですが、倒すことはどう見ても重要じゃないので消化試合にしか見えません。
東映の公式ページだとゼロがジークに捕まってますし、次回は莫がゼロが父親だったことにグダグダ言いながらも最後は「ゼロは人々を助けるために戦ってたじゃないか!」とか言い出して美浪のときみたいに無駄に遠回りするだけで終わって、最後にゼロがジークにさらわれた!で次々回の前フリをして終了。
みたいな虚無回になるかもしれません。









コメント

3 件のコメント :

  1. 感想お疲れ様です。
    この脚本家は過去の作品で見られた癖
    (話や関係性の積み重ねの放棄)
    は相変わらずな様ですね。
    そういうのが所謂◯◯節というのかもしれませんが。
    今後も感想を楽しみにしています。

    返信削除
    返信
    1. 匿名さん、こんにちは。

      相変わらず、ですね。本当に変わりません。

      削除
  2. いつも更新お疲れ様です。

    >高橋悠也さんの”平常運転”

    恐らくPがこだわった前半の2話構成から解放されて、ウキウキで好きな展開を投げまくってるのが目に見えます。

    >それでいて冒頭でわざわざ”スリーが”抹殺命令を受けているところを映して
    「違うんです。ゼロは莫たちを助けようとしてるんです! ゼロを悪者だと思わないでください!」と腰の引けた言い訳を並べているところが実に情けないです。

    これ見て改めて思ったんですが、スリーや怪事課といった説明・擁護しか役割のないキャラが存在するんですよね。
    富士見はノクスを、ナスカはシックスや妹を庇うのが仕事で、スリーもエージェント係。
    正しいと決めた側に謝罪や説明なんてダサい真似させたくないから、下請けさせてるんでしょうけど、カッコつけてるだけで情けないですね。

    >・莫の本当の父親は不明だったのでそうだとしても不思議はないんですけど、どこから莫がそう判断したのかは理解に苦しみました。

    これは本当に証拠がなくて、どうせ夢だからゼロにGOODBY MY SONとか言わせとけばよかったんですが。
    これまでの莫なら「あいつ昔からこんなこと言ってたのかよ」とさらに怒りそうです。

    >大前提を飲み込めば一応話の筋は通っていました。問題はその大前提が今回生えてきた初耳のものばかりってことなんですが…

    未来に誕生する天敵ゼッツを、ナイトメアが狙い続けて来た。莫の宿命だ、って展開自体は調理次第では、いくらでも熱くできたんですが、ねえ…。
    莫がヒーローとして善行を積むけどナイトメアに邪魔される、という予知夢をずっとゼロが見てないと辻褄あいません。

    >・私が考える一番有力な可能性は、スタッフは「莫が災難に会った」という事だけ覚えていて「人助けをすると災難が起きた」ということは忘れた。
    という線です。全ての辻褄が合います。

    妹が言ってたセリフが「莫が災難に会った」だけで、記事を読んだり回想した周りも人助けに触れなかったので、そうでしょうねえ…。

    >・更になんかネムが周りを妬んだり不幸になればいいと思っていることが原因ってことにされ始めて、更に困惑しました。
    全然知らない話な上に、ジークに言われただけで信じ始めていてそのことにもついていけませんでした。

    これっていつもの性悪説ですね。周りが不幸になれって悪い夢を見るから、悪夢になる?
    まずその伝わりにくい言葉遊びが、悪夢では?

    >どうせなら敵はカタストロムの姿にすれば、ゼッツが苦戦してもカタストロムの販促になってどっちが勝っても販促になっていいのにと思いました。

    暴走フォームだけど全然克服イベントなしで脱皮して終わったカタストロム…。
    オルデウムは対人戦、人質作戦に有利ですよってアピールポイントしかないので、ここでカタストロムとぶつけるチャンスだったんですけどね。
    ゼロが見る悪夢に、いかにもぴったりで、排除を決めた理由にもなりますし。

    返信削除

 コメントは承認後に表示されます。
*過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。