『蒼穹のファフナーEXODUS』 第10話「希望の地へ」:感想

2015年3月14日

■EXODUSの始まり
・これからが彼らにとっての新天地への過酷な旅の始まりなんですね。
これから先はより一層辛い戦いになるでしょう。これまでは自分の町を、帰る場所を守るための戦いでしたが、見知らぬ他人のために命をかけることはとても難しいことです。まして戦う手段がファフナーですので、約束された死とあてのない旅の板挟みになってしまいます。暉は既に戦う意欲を失っていますが、無理もありません。
戦闘による偶発的な死を除けば、真っ先に犠牲になるのは最も負担の大きい一騎と総士になるでしょう。そうなっても真矢たちは戦えるのか、戦ったとしてもその代償は何になるのか。希望が見えません…

■アザゼル型
・強いような弱いような、微妙な印象でした。
身体が大きく動きが散漫で、見栄えしなかったのが残念でした。あれで早く動けても困りますが。

・冒頭で使った爆発は、ハワイ戦で受けた人類軍の爆弾を学習したものなのだったのでしょうかね。あんなのを使えるのではアザゼル型に対しては基地も意味がないですね。ロードランナーがスペックを火力に全振りしたからできる技であるといいのですが。

・何より気になるのはロードランナーを取り込んだ謎のフェストゥムです。
アザゼル型を弱らせて同化できるように追い込むことが、一連の流れの裏にいる黒幕の目的なのでしょうか。仮にそのためにエメリーを操って竜宮島を強化したりしているとしたら、そこまでして強くなることに拘る理由がわかりません。フェストゥムは基本的に「人類が対フェストゥム用に何かする(ファフナー、爆弾、戦術など)→それに対応する能力や身体を作り出す」という後手に回った対策が基本です。フェストゥムが人類に勝つための作戦にしてはあまりに大掛かりで過剰な内容に思えます。アザゼル型は全て北極ミールの欠片なので一つになろうとすることに不思議はないのですが、それならわざわざ襲う必要はないように思えます。

・謎のフェストゥムが過剰なほどの能力を目指すのは、生存本能が肥大化しているからなのでしょうか? 総体を重視するフェストゥムには考えられない思考形態です。
北極ミールも蒼穹作戦のときに「死」という感覚を体験しているはずなので、ミールの欠片にもイドゥンのように死への恐れを抱いた個体が生まれたのかもしれません。

■弓子
・ミールの考えを代弁していたり、違和感を煽るような描写が多かったです。方向性が定まっている分、どう解釈するのが正解なのか迷います。
私が一番気になったのは「銃を拾えなかった」ことです。始めは身体が作りたてなので動かすのに慣れていないだけかとも思いましたが、迎賓館から美羽を抱えて輸送機まで行ったりしているはずなので肉体的に障害があるとは考えにくいでしょう。

・道雄のことを「美羽の父親」と呼んでいたのも奇妙でした。
フェストゥム的な言い回しでもありますし、弓子の記憶がないとも受け取れる表現です。
今回エメリーが美羽のところにやってきたときに、抱き合う二人を無表情に見つめている弓子が映ったことが気になります。エメリーに何かを感じたから注目していたのか、それともエメリー自体と関係があるのか… 将軍の言っていた読心能力持ちの筆頭がエメリーでしたし、エメリーの怪しさがどんどん増していきます。

■ジョナサン
・ザルヴァートルモデルに執拗に拘ったり、見るからに危なそうな言動が目立ちました。
以前は美羽最優先だったのが、今回と前回ですっかり一騎とザルヴァートルモデルに関心が映ってしまいました。ミツヒロにそっくりと遠見先生に言われていましたが、悪い意味でそっくりになってしまいそうな勢いです。フェストゥムと同質の存在であるファフナーの本質を再確認することになってしまうのでしょうか。

■広登
・意外と芯が強いんですね。
人の死にも動じないとは思っていませんでした。さすがは唯一の海外派遣志願者です。目的は他にあった二人とは違いますね。


コメント

2 件のコメント :

  1. タイトルにあるEXODUSとは、このことだったんですね。

    竜宮島滅亡とか根も葉もない噂が立っていたので、これで不穏なフラグが一つ消えたと考えます。

    ミールうんぬんよりもジョナサンの件とザイン、ニヒトの件が一番の不穏分子だと思えます。前者は機体へのこだわり、後者は同化現象と言う意味で最悪です。

    そんな状況で、嫉妬する余裕を見せる総士さんにあっぱれです。

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    1. 表向きはそうだと思います。
      たぶん、それ以外の意味もこれから出てくるとになると思いますが。一騎はもう自分の道を決めたのかもしれませんが、真矢や暉、島のメンバーは自分の行く道をまだ決めていません。各々がどこに向かうのか、それも今後の焦点になるのは間違いないと思います。

      どうでしょうね。滅亡はないと思いますけど、しばらく将軍たちの移動がメインになりそうなので竜宮島が次に現れたときに「久しぶりに見た竜宮島の姿は…」という展開もなくはないと思います。それやっちゃうとストーリーの幅が狭まるので、私は島自体は無事だと思いますけど。

      私はスケールとしてはミールの与える影響が一番大きいと思っています。
      ジョナサンはたとえ暴走してもアザゼル型級のフェストゥムが増える程度ですし、ザインとニヒトはどうにもなりませんし。この辺は動きがはっきりしてる分、なるようにしかならないかなと思っています。

      個人的にはあのシーンは辛かったです。
      「まだそこにいるか?」なんて言わなきゃいけない戦闘の後に、一騎たちはああも平然としていられるのかと愕然としました。

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