『仮面ライダーゼロワン』 第19話「カノジョは家売るヒューマギア」:感想

2020年1月19日
■そういえば石田監督だった
・やたらに自己主張の強いテロップなどおかしいノリだなと思いましたが、見終わった後に今回の担当が石田監督だったことに気づきました。しばらく離れていても変わりませんね。

■やっぱり前提条件がおかしい
・前回、ZAIAスペックの話が早速どこかに行ってしまっているような…と思っていましたが、今回も平然と「人間vsヒューマギア」の話が前提になっていました。おまけに更に迷走して、「社長としての実力」の話にすり替えようとしていました。本当にわけがわかりません。

・特についていけないところは「そもそも或人をまともな社長として見たことがない」ことです。
そんな風に或人を見たことのある視聴者っているのでしょうか? 仮にその観点で見た場合には疑う余地もなくダメ社長で確定のような気がするのですが。「お前に社長の資格はない!」とか言われても今更感しかありません。これまでずっとゼロワンに変身するだけのお飾りとして扱われてきたと思うのですが何の話をしているのでしょう。

・まともに話を進めてきたなら問題なく成立したと思います。
門外漢が「〇〇(社長)って何だ?」 と定義を再確認していく構成は一般層向けの作品としてはお決まりの流れですからね。ゼロワンの設定から考えても「人間って何だ? ヒューマギアって何だ?」という話をしてきたはずですからそちらとも親和性がある要素でしょう。この話がここまで機能していない点は逆にすごいと思います。

・個人的には住宅販売の話が全く出てこなかったことに驚きました。
ヒューマギアは相手に合った家を売り、人間は投機目的の物件を売る。こういう構図になっているようだったのでてっきり「家は人が住むためのものではないのか? 金儲けの道具にしてどうなるんだ?」という話にでもするのかなと思っていたらいつの間にか社長の話とキチガイのパワハラ地獄の話にされて家の話がどこかに行っていました。

・人間の煽りも的外れだと思いました。
「ベッドで寝ることもキッチンで料理することもないヒューマギアに家の何がわかる!」っていろんな意味でアホなセリフだと思います。
まず人間でもそれを完全に把握している人は少ないと思います。お金持ち向けの物件を売る販売員は同等のお金持ちなのでしょうか? 風呂なし物件など格安物件を売っている人はそういう環境に住んだことがあるでしょうか? 私はそんなことないと思います。
そしてヒューマギアでも寝心地やキッチンの使い勝手を理解することは可能だと思います。使い心地は科学的なデータとして定量化することも可能ですし、料理人のヒューマギアも存在します。人間では学習不可能なレベルの膨大なデータを把握し的確に提供するのはむしろヒューマギアのほうが得意な案件だと思います。
こういう雑な展開があると制作側の人間とヒューマギアの違いに対する認識が甘いのではないかとますます不安になります。まぁ「ヒューマギアには理性が無い!」と言っておきながら人間にも一欠片の理性も感じさせない構成なので今更ですが。

■これは納得
・今回で一つ納得のいったことがありました。それはZAIA編が始まった「16話の暴走ヒューマギアはどこから現れたのか?」という疑問についてです。
あんな簡単に暴走するならそりゃどこに現れても不思議はありません。接客系の仕事のヒューマギアなら全員暴走するとみなしてもいいくらいだと思います。
納得がいってしまったことにより、ますます「ヒューマギアは危険だから禁止すべきでは?」という疑念が強まりました。まぁ、これもスタッフにとっては「悪いのはアークだから全く問題ありません」ってところなんでしょうね。

■ZAIA社長は何がしたいのか
・自分から人間を煽って暴走に追い込んでおいて公平がどうのとかアホなのかと思いましたがそれは計算のうちだったようです。今回の口ぶりだと目的はヒューマギアが暴走することを証明することのようでしたがそれが最終目的なんでしょうか? ころころ変わるし露骨に口に出すので信用できません。


次回は住宅販売編の後編のようです。
既に人間もヒューマギアもめちゃくちゃで勝負にならない気がするのですが今回も続行するようです。審査員が不破だったら全員逮捕されてると思います。

コメント

4 件のコメント :

  1. こんにちは。

    やる事為す事前回と大差無い内容でしたが、そこに胸糞悪さとしょうもない演説とぐだぐだバトルが合わさりとんでもない代物が出てきました。

    サウザーが何か偉そうに説教かましてましたけど、そもそも事の起こりはサウザーがアークに「人間の悪意」を学習させた事に帰依してる
    …と本人自ら言ってるので、あらゆる意味で「お前が言うな」にしかなってないです。
    なんなら事の起こりの元凶が悪意まみれの人間の分だけ、「人類は絶滅させる」路線のヒューマギアの方に理があるとさえ思えます。

    ・ヒューマギアは夢のマシンbotの無能雑魚主人公
    ・そもそもの元凶でマッチポンプ陰謀かましてるのにいきなり人類の未来を憂い出した二枚舌のライバル
    年明けからの5番勝負を引っ張るのが主にこの二人って時点で、もうどうにもならないかもしれません。

    返信削除
    返信
    1. マッソさん、こんにちは。

      >…と本人自ら言ってるので、あらゆる意味で「お前が言うな」にしかなってないです。

      さすがに裏があると思いたいです。あまりにも馬鹿として描かれているので「アークを進化させて利用するつもりだったけど予想を上回って制御ができなくなった!」なんて言い出しても違和感ありませんが。

      >年明けからの5番勝負を引っ張るのが主にこの二人って時点で、もうどうにもならないかもしれません。

      魅力は一欠片も感じませんね。まだ憎しみから解放されて真実に目を向け始めた不破のほうがマシです。

      削除
  2. 更新お疲れ様です。

    元が人間かヒューマギアかというそれぞれ性質の異なる怪人が一体ずつ登場する方針のようですが、意義があんまりないように見えます。
    ZAIAスペックの性質が具体的に描写されないからヒューマギアの人工知能とどういう違いがあって、どう結果に差が出るのか判然としません。今のところ慢心が強くなり攻撃的になるメガネという感じです。
    「ヒューマギアは人件費も教育のコストもかからない」とか言ってましたが、人間のように休養を必要としないとは言え、メンテナンスや初期ラーニングの手間も要ると漫画家の回でも言ってましたし、そもそも購入に費用がかかると思うんですが。家を売るのにヒューマギアでは不足とする論点も非論理的な煽りでしかなく、ますますZAIAスペック着けてもあんまり賢くなれないんじゃ…という気がします。
    ヒューマギアは人の悪意に触れただけで暴走するようになったんですね。ヤバい世界になったものです。イズの「すべてチェックしたけど異常はありませんでした!(キリッ」にも笑ってしまいました。ZAIAの社長はヒューマギアの暴走は都合がいいからほっとけみたいに言ってましたが自社のZAIAスペックを着けた人間が2人も怪人化したのは問題じゃないんでしょうか…

    くどいギャグ演出や手ぶれカメラなど石田監督らしさ溢れていましたね。ただ監督の功績かは知りませんがマギア化したスマイルを或人が生身で抑えようとするカットがあったのは、いつもの「目を覚ませ!」とか言いながらさっさと変身して倒す作業よりはマシに見えました。何かと「責任を取る!」と軽々しく口走るのは相変わらずですが。
    以前上堀内監督を石田監督二号と評されていましたが、その後ビルド・ジオウでも度々登板していますが評価は多少なりとも変化しましたか?自分は絶賛するわけではないですが、ギャグ描写が比較的さらっとしているのと、アクションも構図にわりと工夫がある点は良いと思っています。

    サウザーのアクターさんは永徳さんみたいですが、動きが強そうに見えれば何でもいいという感じで、アイテムの使い方や戦闘プロセス等、演技プランをベテランに丸投げなんでしょうか。迫力はありますが個性を感じません。ゼロワンの個々のライダーの特色の出せてなさは例年でもかなり酷いレベルですよね。
    デザインは、装甲よりアンダースーツの布感というかヌメッとした感じが目立つのが異質な感じで敵キャラっぽいなとは思いました。迅も蛍光ピンクが逆に毒々しく悪者っぽく見えましたし、今作はそういうイメージを逆手に取った造形の工夫は多少感じられます。

    ところでジオウ夏映画がソフト化されましたがご覧になる予定はありますか?評価は賛否分かれたれたようですが自分は悪ふざけの方が目についてしまって心からは楽しめませんでした。また、本編で足りなかったピースが一応埋まったかのような趣きはあるんですが、ジオウ全体の評価が大きく向上するといったものではなかったです。

    返信削除
    返信
    1. 匿名さん、こんにちは。

      >元が人間かヒューマギアかというそれぞれ性質の異なる怪人が一体ずつ登場する方針のようですが、意義があんまりないように見えます。

      ストーリー上の意義は特になく、「サウザーが1戦は勝つからゼロワンやバルカンがサウザーに負けっぱなしにならないようにもう1戦バトルを用意したい」という販促の要求からやっているだけではないかと私は勝手に想像しています。

      >メンテナンスや初期ラーニングの手間も要ると漫画家の回でも言ってましたし、そもそも購入に費用がかかると思うんですが。

      私はそういうコストは人間でやる場合よりも遥かに低いのだろうと思っています。繁忙期には増やして閑散期には減らすなど人間でやったら雇用問題になることも気にせず最適化できるでしょうし。コスト面では勝負にならないと思っています。

      >ZAIAの社長はヒューマギアの暴走は都合がいいからほっとけみたいに言ってましたが自社のZAIAスペックを着けた人間が2人も怪人化したのは問題じゃないんでしょうか…

      常識的に考えるなら「ZAIA社長は真の目的を果たせれば会社なんてどうなってもいいと思っている」くらいの理由はあって然るべきだと思います。
      しかし私の価値観だと飛電はとっくに潰れているか公権力に営業停止に追い込まれているので今更ですね。ZAIAのほうが「人間がロボットみたいになるわけないでしょ。あれは付けてた人が何かしたせいで、ZAIAスペックは関係ありません」と言い張れる余地があるだけマシかもしれません。

      >ただ監督の功績かは知りませんがマギア化したスマイルを或人が生身で抑えようとするカットがあったのは、いつもの「目を覚ませ!」とか言いながらさっさと変身して倒す作業よりはマシに見えました

      何もないよりかは良いと思います。結局、ノープランの成果無しなので或人の印象は全然良くなりませんが。

      >以前上堀内監督を石田監督二号と評されていましたが、その後ビルド・ジオウでも度々登板していますが評価は多少なりとも変化しましたか?

      そうですね。特別な印象はありませんが悪くもありません。これといったコンスタントな悪目立ちもありませんし、石田監督二号呼ばわりは取り消してもいいかもしれないと思います。

      >アイテムの使い方や戦闘プロセス等、演技プランをベテランに丸投げなんでしょうか。

      どうでしょうね。可能性はあると思います。スーツアクターさんが変わったゼロワンから劇的にアクションが改善されたことから考えるとそんな風にも思えてきます。他の要因かもしれませんが。

      >デザインは、装甲よりアンダースーツの布感というかヌメッとした感じが目立つのが異質な感じで敵キャラっぽいなとは思いました。

      個人的にはあれは苦手です。シワが寄りまくっているところが安っぽく見えてかっこよく見えません。もっとピッチリさせてシワじゃなくて筋肉が浮き上がる感じだったら良かったのにと思います。もっともライダーの予算規模でピッチリしつつも動きやすいスーツなんて実現不可能でしょう。動きやすさのために我慢します。

      >ところでジオウ夏映画がソフト化されましたがご覧になる予定はありますか?

      今のところその気はありません。

      削除

 コメントは承認後に表示されます。
*過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。