『仮面ライダーゼロワン』 第26話「ワレら炎の消防隊」:感想

2020年3月8日

■1000%の酷さ
・いつも以上に話が薄かったです。消防士ヒューマギアがポンコツ過ぎて最初から勝負になっていませんでした。

・設定上、ヒューマギアは実戦配備済みで実績があるはずなんですが今回の内容を真に受けるとあの調子で何人も見殺しにしてきた可能性が高いんですよね。「これからがんばろう」なんて状況ではなくなると思うんですがどうなってるんでしょう。AED内蔵とか機械ならではのメカニズムもないし、臨機応変な判断力が重要な仕事なのに思考ロジックが人間以下のゴミ。人間が見て蘇生可能と判断できる程度の心停止だけで助かる見込みはゼロと判断する産廃AIなのに実戦配備されていたことが信じがたいです。
まぁ或人はキチガイなんで見知らぬ人間が何人死んでようが平気で、これからがんばればいいと言ってもおかしくないと思いますが。なにせ「人命救助なんてヒューマギアをアピールするチャンスじゃないですか」と煽られても「そんな場合じゃないだろ!」とは否定しないやつですからね。

・じゃあ人間上げの話なのかというと人間側の消防士は消防士で「救助者は3名しかいないな、ヨシ!(一人心肺停止でがれきに埋もれている)」とやった挙げ句に「いるなら早く言えよ!」とヒューマギアに逆ギレする有様だったので救いがありません。この世界で火事にあったら死を覚悟するしかなさそうです。

・ZAIAのほうもポジションがおかしいので困ります。
今回も「ZAIAスペックを付ければ人工知能と同等の機能を」とか言っていました同等だったら機械のほうがいいっていうのが一般社会の認識だと思います。特に消防士なんて助ける側も命の危険がある仕事のはずです。ヒューマギアのほうがいざとなったら消防士を犠牲にする選択肢を選べる分、救える命が増えると思います。

・仮面ライダーという特性に基づく問題まで発生してしまいました。
火災みたいなシチュエーションをやればやるほど「いや、ZAIAスペックとか言っていないでとりあえず10分の1の性能でいいから量産型ライダーを配備する気はないの?」という疑問点も湧いて出てきてしまいます。
メカニカルなライダーとはつまりパワードスーツなので民間での使いみちがいくらでもあるんですよね。ライダーの人数を増やして怪人の発生方法もベルトにしているので尚更です。こんなにライダーもどきがたくさんいる状況で「ベルトの量産は無理です」と言っても説得力を感じません。職業ものをやるには全く向かない世界観だと思うのにやって、リスクがあるのにやったのにこの有様では呆れます。

■口が軽い
・これまでも聞いてもいないのに悪役がペラペラしゃべってくれて事情を把握する場面は何度もありましたが、今回はついに正義の味方側の不破まで敵にペラペラ内情をしゃべっていました。ヒューマギアを憎悪しているはずの不破まで聞かれたらしゃべっちゃうってすごいですよ。

・洗脳疑惑も増していますし、後であれは不破の意思ではなかったとフォローされるのでしょうか。

■レイダーは放置
・「レイダー?いたっけ?」と思うくらいに空気でした。何のために出たのかまるでわかりません。次回のためだけに出したのが見え見えです。
しかも滅亡迅雷ネットの仕業と断定されていて戸惑いました。ZAIAって線は考えられないのですか…?

■テロ活動を生中継
・ついにZAIA社長がテレビの前でゼツメライザーをつけ始めて開いた口が塞がりませんでした。本当に逮捕されないのが不思議です。現行犯どころか生中継で録画済みですよ。

・ヒューマギアが暴走するのは周知の事実のはずなので今更大したマイナスにはならないと思われる点がまた凄まじいです。最近、セキュリティアップデートが評価されていた気がしますがまたアップデートをやればいいから大丈夫でしょう。っていうかプログラムって言うならメタルクラスタの修復機能をそのままヒューマギアに組み込めばいいと思います。


次回は後編です。後編という以上に特に内容を感じない回をよりにもよってこの前編のクオリティを引き継いでやるとは恐ろしいです。

コメント

2 件のコメント :

  1. こんにちは。

    全ての方向においてあまりにも狂気的な前編で、言葉を失いました。

    もはやヒーロー物の自覚すら欠片もない消防訓練ですが、メイン脚本家が書いて、実在の消防署が監修しているという念には念を入れた地獄っぷりにビビります。
    作中描写見る限りでは「要救助者のみを効率的かつ的確に処理する消防士型ヒューマギア」と「たとえ非効率でも生死不明の被害者を見捨てない人間の消防士」は別に対立しなくても共存出来そうに思います。

    今回、刃唯阿が負傷したエイムズ隊員を心配するあまり取り乱すという謎の描写が存在しましたが、いつの間にか「そういう事」になったんですかね?
    まぁ45歳に言われるがままに、速攻で見捨てた辺りからしてこのまま45歳の操り人形のまま終わりそうですが。

    脚本の問題なのか、監督の問題なのか素人には分かりかねますが、上堀内監督と「ギャグ」の相性はあまり良くない様に感じました。

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    1. マッソさん、こんにちは。

      >作中描写見る限りでは「要救助者のみを効率的かつ的確に処理する消防士型ヒューマギア」と「たとえ非効率でも生死不明の被害者を見捨てない人間の消防士」は別に対立しなくても共存出来そうに思います。

      ヒューマギアは簡単に増やせる機械なので、増員として使ったり道具として使い分ければいいだけなんですよね。「指揮を執る隊長は人間で部下はヒューマギア」でもあの隊長にとっては運用できるでしょう。
      ヒューマギアのポンコツさといい、本質を捉えていないせいでお話自体が成立しなくなっていると思います。

      >今回、刃唯阿が負傷したエイムズ隊員を心配するあまり取り乱すという謎の描写が存在しましたが、いつの間にか「そういう事」になったんですかね?

      元々不破を心配したりする様子はあったので、平隊員の心配をしても特に違和感は感じませんでした。個人的にはそれよりなんでZAIA社長に付き従っているのかのほうが疑問です。犯罪から殺人未遂にテロ行為と「仕事だから」で済む範疇を越えていると思うので理由がないとおかしいと思います。

      >脚本の問題なのか、監督の問題なのか素人には分かりかねますが、上堀内監督と「ギャグ」の相性はあまり良くない様に感じました。

      私も今回は一段とギャグがスベっているように見えました。「非救助者役の人の演技が酷くて萎える」(隊長って訓練とはいえふざけるような性格なの?)とか、今回のお話と合わないことをやっていて邪魔になっているように見えました。

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