『騎士竜戦隊リュウソウジャー』 最終回「地球の意思」:感想
■流れについていけない
巨大戦ではエラスにボロ負けした!→エラスを封印する!(できるの?)
コウが死んだ→なんか生き返った! (何それ?)
騎士竜がいなくなったから変身できない!→まだ力が残ってたわ!(知らんがな)
トワが謎の力を発揮!→特にリュウソウ族の秘めた可能性とかそういう話ではなかった。なんだったのあれ?
それはそれとしてエラスは普通に死ぬぞー!→さっきまでの苦戦は何だったんだ。わけがわからん。 せめてコウの説得で動揺したことにしてくれ。
クレオンたちはクレオンの星に行くことにしました! なんかクレオンはエラス的存在かもしれないらしいです。あ、プリシャスも生きてたんで連れてきます→いったい何の話をしてるんだ…???
■リュウソウジャー
・ダイジェスト展開な上に一つ一つの展開が理解できない内容でした。
コウが死んだ後の仲間に関する話だけはいくらか積み重ねがある分だけまともでしたが、それ以外は状況すら飲み込めないうちに通り過ぎていきました。特に最終決戦がいつの間にか終わっていたことに唖然としました。レッドがいないだけでも異例のことですがそれ以前の異常さでした。プリシャスが出てきたときには最終決戦をやり直すのかと思いましたがそれもありませんでした。
・エラスの胸に剣を突き立てるシーンは名乗り向上の決め台詞「正義に仕える”6本”の剣」とわざわざメルトがコウの分の剣も持っていたことを活用すればもっと劇的なシーンにできたと思います。戦いながら一人一本ずつ刺していって、最後にコウの分を全員で突き刺したりするほうが最終回でも連呼していた「諦めない」や「仲間」といった要素を表現できたと思います。
・かなりとっ散らかった内容に見えましたが、だからこそ「リュウソウジャーの最終回」 としてはたぶん完成しているのだと思います。
これまでにクレオンの立ち位置など各要素のつながりがよくわからないところがありました。しかしそれも最初からつながる予定がなかったとすれば納得です。全くの憶測ですがこれは新米脚本家によくある「最初に出した話を部分的に没にされたのに初期稿を元にストーリー全体を進めた結果、視聴者に理解できない話になった」パターンなのだと思います。
エラスとの会話から判断すると、序盤のコウたちもバンバのように「使命のためなら人間を殺すのをやむを得ない」という主義で、それが段々変わっていき仲間意識にも目覚めていくお話だったのだと思います。だけどそれだと序盤の非情なコウたちが子供受けの悪い存在になってしまうから没になり、今の最初から明るくて人間にもフレンドリーなキャラになったのでしょう。
あるいは本当はもっと村編が長く、「村人は使命に対する思いが強いが、コウたちは意識が薄く、外の世界への関心のほうが強かった。しかし1話でマスターが殺されたことで使命感を植え付けられ、2つの意識の間で揺れ動くことになる」なんて展開にするはずだったのが村編がまるごと吹き飛んだのかもしれません。
初期稿の段階からだいぶ展開が変わったのに脚本家の頭の中では初期稿のまま話を展開した結果、「そんな話だったっけ?」と思うようなメインストーリーの展開と「これは何の関係があるのだろう?」と思うようなドルイドン側のサイドストーリーが視聴者目線では混ざって存在することになってしまったのではないでしょうか。
■ドルイドン
・ドルイドン周りは特に意味不明でした。
前回の最後にワイズルーとクレオンは合流していたはずなのにまた生き別れていたり、既知のはずのところですら怪しくなっていました。
クレオンのドルイドンじゃない宇宙人設定って生きてたんですね。小耳に挟んだことはあったけど公式ページのキャラ紹介とかにも見当たらないので「初期設定ではそうだったけど本編時点ではもう没設定になっていた」パターンかと思っていました。
コウたちも「これでもうマイナソーも生まれない」とか言っていてクレオンを完全無視していてもう何がなんだかわかりません。本当にクレオンはリュウソウジャーの作品内に存在していたのかすら怪しく思えてきます。
・結局、クレオンたちを生かしておいた意義がわかりませんでした。
結構人を殺しているので罪状には困らないと思うんですが。別に「悪人にも生きる資格はある」とかそんな話でもないと思いますし。続編の敵なら「まだドルイドンの生き残りが宇宙にいた!自家製マイナソーも持ってた!」で済むでしょうし。
・クレオンがエラス云々の話は東映公式ページの解説によると、
あと一つ、最終回の台本にあったのですがいつの間にか無くなってしまったセリフがありました。ということだそうです。個人的にはそれを聞いてもなお「だから何なの???」と思いました。クレオンがいない頃の自然発生したマイナソーの話は理解できます。でも最後の展開とのつながりがわかりません。
それは、封印されたエラスの意志でマイナソーが生み出されていた、というセリフ。
裏設定として、クレオン産以外の自然発生のマイナソーはリュウソウ族(しかも女性⇒これは偶然)から生まれていたのですが、
要は「リュウソウ族が増え過ぎないようにエラスが初期段階で仕組んだ自浄プログラムがマイナソー」という設定です。
これがないと、ラストのワイズルーのクレオンに対するセリフが浮くんですよね。
・クレオンの存在の重要性に気づいたワイズルーがクレオンの星に行こうと言い出したのってヤバくないですか?
この設定を知った後だとワイズルーが言っていたような「私たちはクレオンの星で楽しく暮せばいいじゃない!」なんて呑気な話になるとは思えません。ましてまだ野望に燃えてるプリシャスまでいるんですよ? ワイズルーに偽りはなくてもただで済むとは思えません。展開としては「悪の組織が滅んだとヒーローたちが安堵している影で、真の黒幕が『○○は失敗したか。だがまだあれが残っている…』」とニヤついてるような状況のように見えます。とてもそんな展開を入れる流れには見えなかったのですがいったい何がどうなっているのでしょう?
もっと穏やかに「ドルイドンは自然に個体数が増えることがないためエラスに認められて種として生き残るために使命に必死だった。しかしクレオンにはエラスのように生み出す力があると気づいて、この力を利用できればエラスに頼らなくても個体数を増やせる。つまり自由に平和に生きていけることに気づいた」とかそんな展開のほうが合う気がします。
■人間には理解しづらいお話
・最後までリュウソウ族たちの独特の価値観をベースに話が進みました。
「俺たちは短い命でもつないでいくんだ!(寿命は数百年は普通にある)」と言われても私には少し飲み込みづらいです。数千年、数億年以上は生きてるであろうエラスに比べれば確かに短いので論理上は何の問題もないのですが、できればここでウイやゲストの人類との関わりが欲しかったです。世界観としては一貫してきたので何も問題ないのですが、現実が基調のファンタジーは現実に近い分だけかえって馴染みづらいです。
■ジオラマのないジオラマ
・荒れ果てた荒野での巨大戦は新鮮な感じで良かったです。
巨大戦というとスケール感を出すためにビルなどジオラマを組むものですが、何もない荒野でも充分スケール感を感じました。リュウソウジャーの特色である巨大戦でも軽快な動きを見せるところも発揮できていたと思います。こういうのも良いものですね。
ストーリー面ではだいぶ奔放だと思っていましたが最後の最後でまた跳ねました。最後まで評価に困る内容でした。個人的には最終回のバトルが全然無かったことが不満です。
*全体の感想は後日別の記事を書くつもりです。
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿
コメントは承認後に表示されます。
*過度に攻撃的な言葉や表現が含まれている場合、承認されない場合がございます。節度と良識を保った発言をお願いいたします。