■何でもありの末路
・Q:敵が事態を巻き戻すリセット能力を得ました。どうやって倒したらいいでしょう?
 A:リセットを無効化できるムテキを作れば倒せます。

・以前にリプログラミングとか何でもありなら「ビームを無効化するバリアを張れる敵が出たら『ビームを無効化するバリアを無効化するビーム』を撃てばいいね」と言いましたが、本当にそうなりました。呆れるのを通り越して無表情で固まりました。スタッフとの溝が大きすぎて、スタッフがそれでいいというならもう何も言うことがありません。

・次なる敵としてゲムデウスが出てきたわけですが、次はゲムデウスに勝てるムテキを作ればOKですね。劇場版の敵も同じ要領で倒せるでしょう。緊張感の欠片もないクライマックスになりました。当然の結末だと思います。

■大我たちと永夢の対立
・個人的にセーブ機能の次に引いたのはここでした。大我たちが私情丸出しでドン引きでした。

・なぜクロニクルを攻略しなければいけないかと言えば、それは「ゲーム病の患者や消滅者を救うため」だったはずです。
それなのに大我たちは「グラファイトはバグスターだから協力なんてできるか!」と言いました。ポッピーもいますし、パラドとの和解という事例がごく最近起きているのでこの発言内容には説得力を感じません。トロフィーも仲間になってもらえれば手に入ることがわかったため、倒す必要性もありません。どうみても患者の利益に反する行為なのに、飛彩はグラファイトとの戦いの前には「患者のため」と言っていました。この矛盾は意図的なものなのでしょうか? あまりにもおかしいように感じられて私には意図的とは思えません。とことん「患者の命」という文脈にある要素が足を引っ張っているように思えます。

・対立させるのなら「命の定義の違い」を軸にしてしてほしかったです。
大我たちは「一刻も早く確実に患者を救うため」にグラファイトを殺すことを選択し、永夢は「バグスターも命には違いないから殺すことに反対する」といった何を重視するのかの違いを軸にして展開してほしかったです。

■九条
・残念といえば最近の九条の残念さが気になります。
最近は自分は何もしないで口だけ出す無能になっているように見えます。リプログラミングのデータを残すほど有能だった九条はどこへ行ったのでしょう。「死んだままだったほうが印象が良いまま終われたのではないか…」という疑念が脳裏をよぎります。

■グラファイト
・グラファイトの言動も意外に感じるものでした。
「敵キャラ」ってゲームのキャラ扱いされるの嫌じゃなかったんですね…
今回の言動からはパラドのクロニクル構想に反対していたことが不思議なように感じました。「敵キャラ」でいたいなら、人間を狩るクロニクルは行動が類似していて望ましいか、「俺が主役になったらダメだろ!」と猛反発するかのどちらかになるように私は思います。
実際には1クール頃のグラファイトはパラドたちのクロニクル構想に反発しつつ、かといって大我など好敵手を探すわけでもなく、仲間を増やすことを優先していました。グラファイトの性格がころころ変わっているように感じます。
ずっと一貫しているにしても、心境の変化があったにしてもそれはいつどこでどのように変わって、どのような考えだったのでしょう?

・あと今生の別れみたいな雰囲気でしたけど、ニコが殺しただけで絶版にされてないから完全体のグラファイトは後で復活できるはずですよね? またいつの間にか設定が変わったんでしょうか?

■正宗のアホ
・「あのときやっていれば勝てたのに」をまた上書きしました。
おまけにビジネスマンとしてもどうしようもありませんでした。会う前にお互いの望みくらい把握しておきましょうよ… 一方的にその場で「私はこうしたいんですけど」と言うのは商談ではないと思います。商談はある程度成立する目処が立ってから細かい所をすり合わせるために行うものだと思います。

・仮に目的が違っていたとしても「共同開発する気はないけど、ドライバーは渡すから海外展開を手伝ってくれませんか」と妥協案の提案すらしないなんてどれだけ無能なんでしょう。
それ以前にドライバーが必要なら永夢たちから奪っておけば商談に使えたでしょうに…
グラファイトたちの前に現れたときには「リセットがあるからお前たちに勝ち目はない!」とドヤ顔でしたが、実はリセットしたての段階では「リセットして帰ってきたら奪ったはずのドライバーがないんだけど?! え、何これどうなってるの? 明日の商談どうしよう?」とかパニクってたんでしょうか。

■独自過ぎる世界観
・リセットをするとわかった範囲だけでも下記の事項が起こるようです。
「人間に感染したゲーム病は感染する前に戻る」
「ゲーマドライバーはリアルに存在しているように見えるけどゲーム内に含まれる」
「バグスターの身体の状態は戻るけど、記憶は残る」

・私にはルールがさっぱりわかりませんでした。
リアルに物理的に存在するように見えるドライバーはゲーム内の存在として変化し、ゲームキャラクターであるバグスターは身体だけ元に戻って記憶は変化しない。どちらも理解しがたい現象でした。

・最近正宗からもらったはずのラブリカのゲームトロフィーはどこに行ったでしょう?
巻き戻ってるなら永夢たちの手元からは無くなってるはずなんですが、ゲムデウス召喚ができていたということはトロフィーはあったみたいです。
「実は絶版になったゲームのトロフィーはゲムデウス召喚に必要ない」だと正宗がトロフィーを渡した意味がわからなくなってしまいます。
「ドライバーやガシャットはリセットされるけど、トロフィーはリセットされない」ということなのでしょうか? そうだったらますます不思議な仕組みです。いったい何がゲームの中に含まれ、何が外にあるのでしょう。もはや「ゲームとして」云々という以前に世界観の理解が怪しくなってきました。
 
■作戦内容
・クロノス対策の作戦も意味がわからないところがありました。
永夢たちは当初「グラファイトのゲムデウスウイルスの効果があればクロノスに対抗できる」と言っていたのに、ムテキの再開発中には九条が「でもムテキを作ってもまたリセットされて終わりじゃない?」と疑問を呈していました。ムテキがリセットされて終わりなら、グラファイトでもリセットされてお終いに思えます。どういう作戦だったのでしょう?

・「グラファイトの姿は見せずに奇襲してゲムデウスウイルスに感染させてリセット機能を妨害する」 というやり方だとしたら、「ムテキで奇襲してリプログラミングで正宗の完全抗体を消す」でもできそうに思えます。ムテキとグラファイトに決定的な違いがあるのでしょうか?


次回はゲムデウスのせいで大惨事が起こる模様です。
今回見ていても思ったのですが、「クロノスでなければ太刀打ちできない相手」をクロノスを倒さないうちに呼び出して大我たちはどうするつもりだったのでしょう? 「クロノスには勝てそうもないけど、ゲムデウスならどうにかできるかもしれない」とでも思っていたのでしょうか。その楽観主義の結果が次回のゲムデウスによる大惨事だとしたらドン引きです。