『仮面ライダーエグゼイド』 第22話「仕組まれたhistory!」:感想

2017年3月12日

■反比例
・今回は脚本レベルの低下が一段と深刻でした。
主人公たちの株を上げるために馬鹿なモブを出すという定番のダメ展開に始まり、サブキャラの唐突な豹変まで完備していました。今まで被害者に何の感心も示さなかったポッピーが突然正義漢になっていてびっくりしました。あんな思いを抱えていたのに遊園地の回では非モテ男に「男なら」とか焚き付けてたというのでしょうか。

・そんな強引な展開までやっているのに、「九条の荷物をチェックしていたらもっと早くゾンビに対抗できていました」と衝撃の事実を提示して味方の株を軒並み下げていることが凄まじいと思いました。自分で作った流れにすら逆行していて正気を疑うレベルです。
どんどんインフレしていくライダーのレベルとは裏腹に脚本のレベルはどんどん下がっているようです。

■公式もヤバい
・今日更新された東映公式サイトにもすごい文面が並んでいました。

≪エグゼイドの『リプログラミング』はこうして生まれた≫
(中略)
12話で貴利矢が消滅した時、実は一番焦ったのは医療監修の林先生でした。「貴利矢がいなくなったら、拡散したウイルスが根絶できなくなる……」と。22話・23話で紡がれる4人のドクターたちの誇りをかけたストーリーはこうして生まれました。 

・いろんな意味で正気と思えない内容です。
この話が誇張でなく真実だとすると、ストーリーを考えたスタッフは監修の人とまるで意思疎通できていないことになります。監修している人に文句を言われたから慌ててこの展開を用意したとすると、行き当たりばったりにも程があります。どう解釈しても「うちの製作現場は酷い状態です」と訴えているようにしか見えません。軽い内部告発なのでしょうか?
内部告発にしてもこの文章を書いた人がアホにしても、こんなものが公式サイトに載るのはヤバいと思います。
ちなみにこの文章の最後にはこう書かれていました。「(文責・大森敬仁)」と。*東映のプロデューサー。

■衝撃の事実
・実は16年前に永夢と社長には接点があったそうです。
しかも永夢が手紙に書いたゲームの案のせいで社長が嫉妬に狂ってしまったそうです。初めて知りました。

・バグスターウイルスにかかったのも16年前に社長がウイルス入りのゲームのデモを送りつけたせいだそうです。
子供にそんなものを送りつけたら友達にも遊ばせてウイルスが蔓延しそうな気もしますが、永夢は良い子だから誰にも見せずに秘密にしておいたり、社長は天才だから一人にしか感染しないウイルスを開発できたのでしょう。

・バグスターウイルスに感染したのは劇場版でやったらしい6年前じゃなかったの?と思いましたが、感染したのは16年前で6年前にやったのはウイルスの抽出でしかなかったそうです。そうなんですか。

・個人的には初めて知ったことが多くて驚きました。
確か永夢が「子供の頃、新しいゲームを考えたりしていた」とか言っていた記憶はありますが、手紙を出したとか試作ゲームをもらったとかはどこに伏線があったのでしょう? 何か見落としているようです。それとも劇場版のほうでそういう話があったのかもしれません。

■今回一番驚いたこと
・今回の内容で一番驚いたことは、アジトがバレて社長が捕まったことは計画外だったことでした。一番重要なポイントだと思うのですが、そこは計画どおりじゃなかったですね。びっくりでした。

・じゃあどうしてアジトがバレたのかという話になりますが、これはパラドが密告したせいですよね?
今回も急に萎えたから帰るとか言い出したり、遊び相手の永夢のドライバーを壊したのにニコニコして眺めていたり、行動が明らかに変でした。これでパラドの仕込みじゃなかったらまたびっくりです。

・その前後の話の内容も普通にわかりませんでした。
一旦捕まったはずなのに、社長はいったいどこにドライバーを隠し持っていたのか。CRに逃げてもどうやって脱出するつもりだったのか。作中でやったようにステージセレクトで逃げるならアジトの時点でステージに逃げ込めばいいはずです。登場人物を取り巻く状況が全然理解できませんでした。


次回はエグゼイドの強化フォームが登場するようです。話数から考えると、最強フォームではなく中間扱いですかね。
予告で映っていたどう見ても動けなさそうな形態はレベル1に相当するフォームでいいのでしょうか? あのままずっと戦うとなると、アクションが更に絶望的になりそうです。いったいどんな中身が出て来るのでしょうか。

コメント

12 件のコメント :

  1. >そんな強引な展開までやっているのに、「九条の荷物をチェックしていたらもっと早くゾンビに対抗できていました」と衝撃の事実を提示して味方の株を軒並み下げていることが凄まじいと思いました。

    正直言って「単なる引き伸ばしによる弊害」としか言いようがないです。せめて2クールの間、飛彩もしくは大我が貴利矢の荷物からあれこれ調べて、今回の話でゾンビに対する対抗策を見つける...って話にすれば良かったと思います。

    こんな内容でもあっちこっちでは評価されているみたいですね。まあ評価されているのは大体社長のキャラクターらしいんですけど、まあ自分もその一人ですがねwww

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    1. >正直言って「単なる引き伸ばしによる弊害」としか言いようがないです。

      引き伸ばし方が下手なんですよね…
      引き伸ばすならなおさらツッコミどころは早めに潰し逆転のきっかけもちゃんと用意して、「これまでは手のうちようがなかったから仕方なかったのです」と言い訳できるようにしたほうがマシだと思います。

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  2. 永夢と社長には16年前に関係性があったようですが、そういう話は序盤で明かしてこの辺りの時期に社長が悪だったと明かすのが良かったのではと思わずにはいられません
    公式の文言はもはや呆れを通り越して絶望しかありません。スタッフ感で連携が取れていないばかりか、ロクに医療描写や信念がないくせに「ドクターの誇り」などとプロデューサーが謳っているのがバカみたいです。次回予告でも「仮面ライダーである前にドクター」と言っていますが、まともに人の命を救ったことがない研修医如きが言っているのはアホらしいです。そもそも研修医はドクターではありませんしね。同じようなセリフを言った翔太郎を見習って欲しいものです。
    ゾンビ対策の話が今更になってやっと、それも最悪の形で出てきたのも酷かったです。九条が死んだすぐの時点で「あいつが残したデータがあったが、なんのデータかわからないから解析してみよう」程度の展開を挟みゾンビが暴れまわっている頃に「データはこういうことか!」とすれば九条の死も無駄ではなかったでしょうに。
    社長もまさかのアクシデントに見舞われたことをぶっちゃけたときは変な笑いが出ました。計画じゃないのかよ、と。まさに「よっしゃラッキー!」です。
    一体エグゼイドはどこまでキャラの株を下げれば気がすむのでしょう。

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    1. >そういう話は序盤で明かしてこの辺りの時期に社長が悪だったと明かすのが良かったのではと思わずにはいられません

      普通は伏線を入れておくところだと思います。
      たとえば社長の父親に社長がある時期を境に豹変したと語らせておくとか、永夢の子供の頃の夢はゲームクリエイターだったと言っておくとか、暗示する方法はあったはずです。最低限でも「16年前に何かあった」という事実は提示しておかないと成立しないと思います。

      >次回予告でも「仮面ライダーである前にドクター」と言っていますが、まともに人の命を救ったことがない研修医如きが言っているのはアホらしいです。

      エグゼイドの医療観には全然共感できませんね。
      そんなことを言うなら「CRの活動で忙しくて、全然医者の勉強ができない」なんて話題が出てないと変だと思います。

      >九条が死んだすぐの時点で「あいつが残したデータがあったが、なんのデータかわからないから解析してみよう」程度の展開を挟みゾンビが暴れまわっている頃に「データはこういうことか!」とすれば九条の死も無駄ではなかったでしょうに。

      本当にそうですよね。
      たとえば既出の要素だけでも「九条の死後数話以内にデータを見つける。しかし使いみちが思いつかず保留になる。世間話の中で作さんがコンペ用にゾンビ退治ゲームを開発しているという話になり、「作さんが開発中のゲーム+九条のデータ+誰か(大我?)の閃き」でデンジャラスゾンビ対策ガシャットが完成する。*マイティブラザーズ入手時など永夢たちも適宜自分でゾンビ対策を考え試していく」なんて展開にできたはずです。こういう展開なら、九条の遺産にバガモンを殺された作さんの思いなど永夢が最近言っている「亡くなった人の思いを背負う」という点にも符号したと思います。

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  3. ひとつだけ気になったので、書かせていただきます。16年前の時点ですでに黎斗と永夢の間に接点がったという事実は、12話の時点で貴利矢が語っています。
    ただ、貴利矢は正宗から聞いたという流れだったはずなので、何故正宗が永夢に対してはこの事実を言わなかったのか謎ですが……。「だって、聞かれなかったから」とでも言うんでしょうか。
    というか、正宗と面会した時点で、貴利矢がそこから得た情報のすべては永夢に伝わったと考えるのが自然なので、どうして永夢を殺さないのか理解に苦しみます。挙句自分からバラすなんて、それでは何のために貴利矢が殺されたのか分かりません。

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    1. >16年前の時点ですでに黎斗と永夢の間に接点がったという事実は、12話の時点で貴利矢が語っています。

      あのとき、16年前の話をしてましたっけ。忘れていました。

      >ただ、貴利矢は正宗から聞いたという流れだったはずなので、何故正宗が永夢に対してはこの事実を言わなかったのか謎ですが……。「だって、聞かれなかったから」とでも言うんでしょうか。

      素直に受け止めるなら「そんな隠し事をするなんて、やっぱり社長パパは悪いやつ」ということになると思います。もしそうだとしたら、今回社長がせっかく隠しておいたことを自分からしゃべっちゃったことに頭を抱えているでしょうが。

      >挙句自分からバラすなんて、それでは何のために貴利矢が殺されたのか分かりません。

      どういう話なんでしょうね?
      「永夢と自分が当事者だから当事者間の話は問題ない。でも他人に秘密を知られるのは気に入らない」とかそういう好みの問題なのでしょうか。
      「九条は本来ライダーになる予定はなかったイレギュラーだから始末した」という線は、だったらもっと早く殺しておけばいいって話になるので厳しそうです。ゾンビが完成した時点でライダーが必要なくなったというなら飛彩や大我も生かしておく必要性が見当たりません。
      個人的にはそれより前の段階である「どうしてみんな隠していた本心を話すようになったの?」という点からついていけていませんが。

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  4. まず今回の話は何故CRはゲンムのアイテムを回収しないのかってずっと思っていました。
    エグゼイド序盤にも有りましたけど犯罪者のゲーム病患者は「逮捕」か「治療」のどちらかで「逮捕して治療」の選択肢がないのはどうなんでしょうか。
    あと黎斗を治療させた上で倒すことにこだわってるのか謎です、特に大我。
    仮面ライダーは1人で十分と言って永夢を付け狙っていたときとは違い、ゲンムを倒す理由は単純に脅威だからであって変身アイテムを奪って無力化すればいいだけなんですけどね。

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    1. >エグゼイド序盤にも有りましたけど犯罪者のゲーム病患者は「逮捕」か「治療」のどちらかで「逮捕して治療」の選択肢がないのはどうなんでしょうか。

      私もそこが不思議でした。
      普通に警察の監視を置きつつ治療を進めて、経過を見ながら取り調べを行えばいいのにと思いました。あの世界にはそういう概念がないのでしょうかね?

      好意的に解釈するなら
      「ゲーム病の治療はCRでないと不可能。そしてCRには患者を拘禁するセキュリティはない。よって警備がガバガバなのは仕方ない」という環境の問題に加えて、
      「ゲーム病患者にストレスを与えると悪化する。今回のストレス源は警察である可能性が高いため、警察の付き添いや警護は禁止された」という対応の合せ技だったという辺りかと思います。

      >あと黎斗を治療させた上で倒すことにこだわってるのか謎です、特に大我。

      「首を洗って待ってろ」とか言っていたのはどういう意味だったのでしょうね?
      ゾンビ対策を用意するからって意味なら、そもそもベルトを取り上げてしまうほうが楽なはずですし、逮捕済みの状況なら可能だったと思います。
      どうせ社長は脱獄するだろうと見越していた、と取れる描写も特に見受けられませんでした。

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  5. 作さんの考えたガシャットがギャグ要因としてぞんざいな扱いを受けていたことが納得いきませんでした。具体的なアイディアも何も出さなかったのに人のアイディアにケチをつけるという行為はすごく悪印象でした。

    次回普通に永夢さん変身してるみたいでしたけど、貴利矢さんの残してくれたベルトで変身っていう感動展開ですかね?これ以上登場人物の馬鹿化が進行すると全人類バグスターウィルス感染済み説が現実味を帯びてきそうです。

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    1. >作さんの考えたガシャットがギャグ要因としてぞんざいな扱いを受けていたことが納得いきませんでした。

      私も共感できませんでした。
      マイティアクションXがリアルで言えば充分笑われるクオリティなのに、あれが有りな世界でボーズはダメというのは頷けません。スタッフはギャグとして用意したみたいですが、ゲームが主要モチーフの作品でゲームを笑いの種に使おうとする価値観も理解しがたいです。笑いに持ち込みたいなら、作さんも最初から笑わせるつもりで企画したバカゲーとして扱えばいいのにと思いました。

      >次回普通に永夢さん変身してるみたいでしたけど、貴利矢さんの残してくれたベルトで変身っていう感動展開ですかね?

      設定上は充分あり得る線だと思います。
      しかしそれをやってしまうと「貴重品だとわかっていて九条のベルトを壊さないなんて社長はどんだけ馬鹿なの?」と、また馬鹿の上塗りを重ねることになってしまう気がします。仮にも今はボスとして君臨しているのに更に情けない描写を重ねるのは作劇上おかしいと思います。
      といって、「永夢の不思議パワーで新しいベルトを作りました」なんてのもいい勝負です。作さんに直してもらうのもくどいですし。どうやって話を組み立てるのでしょうね?
      一番無難な線は社長パパに直してもらって好感度を上げておいて、後で悪役化したときのショックを上げるくらいかなと思います。

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  6. 東映公式の文章について私もいろいろ考えたのですが、考えているうちに、「そもそも東映って昔からこういういい加減な会社じゃなかったっけ?」と思えてきました。昔は今よりもずっと制約が少なかったから、こういういい加減さが露呈する前に辛うじて帳尻合わせをする余裕があったというだけで、連絡体制がザルなのは実は昔から一緒なのでは、という気もしています。断っておきますが、だからと言って擁護する気は微塵もありません。

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    1. 私も対外対応がいい加減な会社だとは思っています。しかし自社で管理しているであろう公式サイトでここまでやるのは想像以上でした。

      >連絡体制がザルなのは実は昔から一緒なのでは、という気もしています。

      昔から変わっていない、ということ自体が現代では問題になると私は考えます。
      現代の規範に合わせて変えていくことも対外対応業務のうちに含まれていると思います。明らかに出すべきでない文章が通ってしまうほど管理体制が悪いことは衝撃的でした。

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