『仮面ライダーエグゼイド』 第23話「極限のdead or alive!」:感想

2017年3月19日

【ストーリー】


・2クール目のクライマックスだけあって、エグゼイドらしい展開の省略が極まっていました。

■CRの悪役化
・冒頭からいきなり全面切り捨ての日向審議官で始まりました。
誠意がまるで感じられない態度で唐突に悪役になったみたいで戸惑いました。殉職してもおかしくない戦闘で備品を壊したら除名ってどんだけブラックなのかと思いました。これはきっと温厚な審議官でさえも永夢たちへの態度が冷たくなるほど疲弊するような重要案件だったことを意味しているのでしょう。

・CR関連ではそれ以上に民間人に殺害指令を出していたことにドン引きしました。無力化して逮捕では処分が取り下げられず、抹殺しないと許さないってどんな政府組織なんでしょう。悪の組織でも最近はもう少し待遇がマシだと思います。

・CRや衛生省の役立たずっぷりが明らかになるほど「もうドライバー持ち逃げして、みんな闇医者になればいいんじゃない?」という疑念が深まっていきます。

■社長
・社長の計画的無計画も極まっていました。
九条のドライバーを壊さなかったのはただの無計画でずっこけました。審議官が罪状に”貴重な”ドライバーの破壊を挙げていただけに余計にアホさが際立っていました。前フリまでしてあって、計画性を感じる良い脚本で感心しました。
仮面ライダークロニクルの完成の目処が立っていなかったことも予想以上でした。わざわざ目立つ本社ビルに戻ってきたからにはクロニクルを完成させる段階に達したのだろうと思っていましたが、そんなことはありませんでした。足りないバグスターは社員に感染させつつ、クロニクル完成に必要な労働力として社員をこき使い、作業の効率アップ&ストレス増加でバグスター完成の一石二鳥くらいのことは言ってほしかったです。

・社長は最後まで何を考えているのかわかりませんでした 。
「私は神だ!」と言っていた人間がいざピンチになったら「死にたくない!」と喚き出し、最後の最後にはまた「私は神だ!」に戻るのってどういう心境の変化だったのでしょう。最後に本当に気が狂ったという描写だったのでしょうか?

■大我
・大我の謎ムーブもすごかったです。
社長にトドメを刺さないことに怒るなら大我が殺せばいいと思いました。なんで変身解除したんでしょう? あまりにも不自然だからてっきり「HPゲージが戻ってもゾンビを倒せるのは永夢だけ」という設定の説明が省略されているのかと思っていましたが、その後の戦いで社長を倒そうとする大我を飛彩が止めていてそれは間違いだと気づかされました。殺せるけど殺さなくてすぐ後にはやっぱり殺そうとするって大我の行動は何がどうなっていたんでしょう?

■医者が怖い
・トリアージ全否定ものけぞりました
あの世界には救える命に優先順位をつけるトリアージがないようです。ゲームだけじゃなくて医療観もリアルと比べて未発達なんですね。
あれならいっそ社長らしく「これ以上俺を攻撃したら死んじゃうぞ!」と居直って相手を脅したほうがマシな展開に思えました。

・「将来の危険性を考えない医者」という点も私は怖いと思いました。
永夢は「最悪の事態を想定する」という感覚がないようでした。一戦目が終わった後の状況は全く無力化できておらず、社長の命も考慮する余裕はなかったと思います。
医者は病気の診断を下すときにいろいろな可能性を考慮するものだと思います。もしもの可能性を考えない医者には私はかかりたくないです。

■リプログラミング様はどこへ?
・社長は本当は良い人とか永夢が何を言っているのかもさっぱりでしたが、社長が死ぬのを黙って眺めている永夢はもっと謎でした。
パラドがデンジャラスゾンビで作り出した黒い霧はどうしてリプログラミングで消さなかったのでしょう? 使った道具は社長が使っていたものと同じだから問題なく対応できると思いました。
パラドが強いから消せないというのなら、それはそれでやっておいたほうがこれから敵になるパラドの強敵感が出て良かったと思います。


【アクション】

■マキシマムマイティX
・予告を見た段階で動けなさそうだなと思っていましたが、戦隊の巨大ロボより動けなそうでした。CMを見る限りだと変形やアーマーパージはないようです。レベル1のようにCGメインでいくつもりなのでしょうか。

・個人的には、図体がデカいことで必殺技に使う武器がしょぼく見えるのがマズいと思いました。剣を使うよりパンチのほうが強そうに見えました。


次回は毎春恒例の戦隊とのコラボ回です。
戦隊のほうはコラボを入れつつも普通に話を進めるっぽかったですが、エグゼイドのほうは完全にコラボ回で1話使うみたいですね。
グラファイトがなぜか映っていましたが、あれはコラボ回のやられ役用ではなく再レギュラー化するんでしょうか?

コメント

6 件のコメント :

  1. 社長を殺さないのはいいですが、捕まえもせず無力化もせず逃がすだけの主人公は特に鼻につきました。お前はアホかと。
    あと、今までそんなそぶりは見せなかったのに突然「ガシャットを奪えばいい」という発想が作中で出たのは衝撃でしたね。これまでのどこかでそうしときゃよかったのに。
    今回新フォームに二回変身しましたが、これせめて2話に分けるか、変身は1回にまとめるべきだったんじゃないでしょうか。前半までは多少なりとも上がったテンションが急降下しました。最初はまともに活躍できない、とかなら分かるんですけど。
    エグゼイドは真面目に考察すると心が壊れて人でなくなってしまいそうで怖いのですが、このブログではいつもきちんとまとめて感想を書いてあるので大変助かっています。

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    1. 夢上遊人さん、はじめまして。

      >社長を殺さないのはいいですが、捕まえもせず無力化もせず逃がすだけの主人公は特に鼻につきました。

      キャラの会話の焦点が変に感じるところがちょくちょくありますね。
      あの状況なら殺す殺さない以前にとりあえず捕まえるなり無力化するなりをしてから話すべきことだと思いますし、ゲーム病患者の救護なんかもそうです。
      脚本上では成立していて、撮影側の手抜きで映像がそうは見えなくなっているだけならまだマシなんですが。

      >今までそんなそぶりは見せなかったのに突然「ガシャットを奪えばいい」という発想が作中で出たのは衝撃でしたね。

      また、でしたね。
      こう何度も無視してきたことを蒸し返す展開があると、またまたあるんじゃないかと不安になります。
      今回のリプログラミングなんか特に怪しいです。社長のドライバー適性を消したときに「これがあれば大我の気にしてるドライバーの副作用も解消できるのでは?」と思いました。そういう話が出ないから不可能なのだろうと認識していたら、大我のメイン回でこの話を蒸し返してなし崩しにしてきそうです。

      >今回新フォームに二回変身しましたが、これせめて2話に分けるか、変身は1回にまとめるべきだったんじゃないでしょうか。

      前半と後半で特にバトルに違いがあるわけでもなく単調でしたね。
      エグゼイドの販促のやっつけ具合は今に始まったことではありませんが。

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  2. 大我の行動理由がさっぱりです。自分で殺そうとしないのもそうですし、前回今回と、リスクの高いガシャットを躊躇なく渡すことに違和感を覚えます。前回なんてその姿を見てニコが「自分一人でリスクを背負ってる」なんて言い出した時には吹きそうになりました。あの二人は飛彩がファンタジー使ったあと相当きつそうだったのを見ていたのになぜ……。
    今回は「どうせ使えないだろうがな」と言っていましたが、それにしたって渡す理由が見つかりません。交換に応じたふりをしてβを取り返すなら分かりますが……。

    自分の中での大我は「市民の命<仮面ライダーシステムの独占<=バグスターの撲滅」だったのですが、違うのでしょうか。

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    1. >自分の中での大我は「市民の命<仮面ライダーシステムの独占<=バグスターの撲滅」だったのですが、違うのでしょうか。

      一昔前はそうだったと思いますが、ニコが出た辺りから心境に変化があり、ただのツンデレ人助け大好きマンに変わったのだと思います。
      なんでそうなったのかとか、前からそう思っていたならどうして患者を見殺しにするようなことをしていたのかとか、経緯は理解できませんが。

      >リスクの高いガシャットを躊躇なく渡すことに違和感を覚えます。

      副作用は謎ですね。
      今回なんて必要性を感じない雑魚ゾンビ相手にバンバンシミュレーションを使い続けていましたし。「一度使ったら二度も三度も変わらない」という設定なんですかね?
      そうだとすると今度は序盤の頃に変身経験済みの二人からガシャットを取り上げようとしたことに疑問点が出てきますが。

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  3. 永夢が社長に対して言ってた「あなたは本当はゲームで人々を楽しませたいだけ」とかいうのはどんな根拠に基づいた発言だったんでしょうね。ゲーム会社の社長やってたくらいだから根底にそのような思想を秘めていたとしてもおかしくはないんですが。これまでゲンムと戦う機会は山ほどあったんですから、その中で永夢が社長の内面の片鱗にちょっとずつ触れていく様子をもう少し分かりやすく描いておいてもよかったと思います。

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    1. >永夢が社長に対して言ってた「あなたは本当はゲームで人々を楽しませたいだけ」とかいうのはどんな根拠に基づいた発言だったんでしょうね。

      あの発言を聞いたとき、永夢をサイコパスかと思いました。
      大量殺人テロ犯が昔は違う思いがあったから何だっていうのでしょう。しかも遺族の飛彩や人生を狂わされたであろう大我の前で犯人を擁護するのは無神経にも程があると思いました。

      >これまでゲンムと戦う機会は山ほどあったんですから、その中で永夢が社長の内面の片鱗にちょっとずつ触れていく様子をもう少し分かりやすく描いておいてもよかったと思います。

      私は永夢には無理じゃないかと思います。
      なにせ飛彩やポッピーなど身近な人間とも意思疎通や人間関係構築ができていない人物ですから。一方的に永夢を恨んでいる社長相手に対話で理解を深めるのは不可能ではないかと考えます。
      せいぜい、社長が永夢にウイルスを送りつけた後に開発したゲームを改めて遊んで、「こんな人を楽しませられるゲームを作った人がどうして…」と、社長の心境に思いを馳せる程度が限界だと思います。

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