『宇宙戦隊キュウレンジャー』 第6話 「はばたけ!ダンシングスター」:感想

2017年3月19日

【ストーリー】

■そういうものなのか
・今回も本筋部分は特に問題ないものの、ところどころで戸惑う内容でした。
支配的な統制とチームワークというダンスの両面性を盛り込んだことや販促対象のペガサスを目立たせる内容は良かったと思います。

・一方、キュウレンジャーのパートには引っかかる部分が多かったです。
展開自体が唐突で無理があるところが多いことと、方向性自体に私の価値観と衝突する部分がけっこうあるように感じました。

・時間を経て理解が深まれば埋まる溝かと思っていましたが、一向に埋まる気配も感じませんし特に溝が深まっているようにも感じません。これはもうそういうものなんですかね…


■違和感
・「リーダー」の話がハミィの生い立ちを説明するためだけに消費されたことにびっくりしました。戦隊のリーダーの話ってけっこう重要な回だと思うのですが、こんなあっさり使うんですね。

・個人的にはリーダーの話自体が唐突なことに感じました。今までそんな話はしていないと思いますし、ラッキーがリーダーシップを発揮した印象も特にありません。全体的にハミィが勝手に言い出して一人で納得して終わったという印象です。

・今回の話の内容といえば、ペガさん自体が今回の内容に合っていないように思いました。
ペガさんという意思を持ったチーム外の人物に状況を引っ掻き回されたことに理不尽な印象を受けたからです。ペガさんが暴れた結果なのにラッキーが一番活躍したからリーダーと決められたり、ラッキーが踊り続けた主要因がペガさんに対抗意識を燃やしたからだったり、ペガさんがラッキーにくっついていなかったらこの結果にならなかったのでは、と疑問に思うところがいくつかありました。 チームの今後を左右する重要な事項を偶然に左右されるのは納得しがたいです。最後にみんなが「ようやく終わった。ハミィとラッキーのわがままに付き合わされると大変だよね。お疲れさま~」と緩いノリで終わるならわかりますが、真面目な展開としてやられると戸惑います。

・ラッキーの言っていた「キュウレンジャーは一人ひとりがスーパースターだからリーダーは必要ない」という話も積み重ねが薄いように感じました。
たとえば、最初のバトルでスパーダが指示を出したら上手く戦えたからリーダーを決めたほうがいいという話になるが、今度はリーダーの指示待ちが発生して苦戦する。そこから勝手に動くペガさんの活躍と合わせて、一人ひとりが主体性を持っているほうが良いというラッキーの主張につなげる、なんてふうにもう少し全体の流れが欲しかったです。

■実は私は…
・ハミィの生い立ちと戦う理由が明かされました。忍びの家系で人々を救うために必死に戦ってきたなんて知りませんでした。

・個人的には今までそんな印象がまるでありませんでした。
ラッキーが「運だけ」呼ばわりされていたこともそうなのですが、スタッフ側の主張と私の見解で食い違うところがあって温度差を感じてしまいます。ハミィのことで納得できたのは、だから名乗りがシノビスターなんだという部分だけでした。

・ハミィが真剣に取り組んできたという話は、反証に思える描写がいくつもあるように感じました。
たとえば1話のバイク事故で遭難しかけたラッキー相手に「超ウケるw」とか言っていたことです。そんなに志の高い人物ならラッキーを心から心配するか、逆に命を粗末にするなと怒るかといった反応になるように思います。
また今回の冒頭のリーダー決めの話も真逆の描写に見えました。リーダー騒動は元はといえばハミィが言い出して始まったことです。
どちらもハミィの精神構造が全くわかりません。出来事をありのままに受け止めていいのでしょうか?

・ハミィに限らず、全体的に流れに違和感を感じる部分がいくつもありました。
ひょっとして、リーダーにまつわる話として1話分書き上げた後にダンスやペガサスのノルマが増やされ、リーダー関連の内容を大きく削ぎ落としつつ2つの話を強引に継ぎ接ぎした結果なのではないかと邪推してしまう内容でした。

■スティンガー
・単独戦闘も敵幹部?の紹介もノルマなんでしょうが、もうちょっと上手くできなかったものかと思いました。自分から誘い出しておいて開始直後に劣勢になって逃げるのはかっこ悪かったです。

・単独行動を始めてから1話で株が暴落していて心配になりました。
当分は「いざとなったらスティンガーが助けに来てくれる!」くらいの頼れる存在でいくのかなと思っていたので想定外でした。 このままだとスティンガーのほうが「みんな助けて!」と言う側になってしまいそうな展開でした。


【アクション】

■ダンスバトル
・リズムには合ってたので、まずまずという印象でした。
かなりゆっくりでアクションとしてはいまいちでしたが、早く動かすと振り付けがわかりづらくなるのでまぁ仕方ないですね。

・敵の統制を破る方法としては説得力に欠けていました。
ダンスのところどころに各キャラの特徴を表す動きをアドリブとして盛り込めていたら、ラッキーの言っていた「やらされてるやつより楽しんでるやつのほうが強い」という主張に説得力が出たかもしれないと思いました。

■ペガサスキューレンオー
・巨大戦のペガサスのCGは良かったです。
ただ必殺技のときにだけ出て来て終わりよりも、ちゃんとした形で見えるほうがかっこよくて印象に残ります。


次回はライダーとのコラボ回のようです。
でも予告の言い回しからすると全部コラボに使うわけではなくキャラを登場させるだけで、話にはあまり関わらないタイプみたいですね。ストーリーの邪魔になりにくい反面、それゆえに「これ要らなくない?」という異物感が増すのが痛し痒しです。

コメント

2 件のコメント :

  1. お気に入りらしいダンス推しは結構ですけど、キューレットの際にわざわざ尺を取ってワンフレーズ流してますしあまりしつこいと「そんな所より本筋の面白さに力を入れてくれ」と思ってしまいます。今回みたいに話のテーマが散らかったような物を見ると尚更です。
    そして相変わらずキャラに対しての不安感が拭えません…特にハミィなんですが、せっかくのヒロインなのに普段から語尾に「www」と付けるようなアッパッパーなキャラとしか印象が無かったところを、急に真面目な志を持つ人物と言われても受け入れ難いです。正直意味もなく笑うってキャラは真剣に観てる側がバカにされてるようであまり見ていて楽しい物じゃないです。実は過去にやたら笑う切欠になった出来事があった、とかなら納得できますが。次回は似た印象のバランスがメインのようですがどうなるのか期待します。
    あと、次回はエグゼイドが登場するそうですが去年と違って世界観が離れ過ぎていてリアクションに困ります。わざわざ地球征服済みというある種一線を越えた設定にした以上、安易に世界観を壊す真似はしてほしくないものなんですが…。

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    1. >キューレットの際にわざわざ尺を取ってワンフレーズ流してますしあまりしつこいと「そんな所より本筋の面白さに力を入れてくれ」と思ってしまいます。

      ストーリー上では邪魔ものでしかありませんね。あれでいちいち1分くらい使うのがもったいないです。
      しかし販促ノルマだから仕方ないと思っています。もしやと思って調べてみたら「劇中のメロディが鳴る」と玩具のところに記載されていました。なので一連のシークエンスの短縮は不可能です。逆に考えれば販促シーズンを過ぎれば使われなくなる可能性は高いので、それまでの我慢だと思います。

      >実は過去にやたら笑う切欠になった出来事があった、とかなら納得できますが。

      私もそういう印象でした。
      どちらかといえば、「正義の味方として忍びの家系で育てられてきたけど一族はジャアクマターとの戦いで滅亡。全てを失った虚無感からあのハイテンションキャラになった」なんて設定のほうがしっくりきそうに見えました。未だに正義感を抱えてると言われても首を傾げてしまいます。

      >あと、次回はエグゼイドが登場するそうですが去年と違って世界観が離れ過ぎていてリアクションに困ります。

      まぁ、めちゃくちゃですね。初めからすり合わせを考えていないので当然ですが。
      私はコラボ部分はそれぞれの作中で存在しなかったものとして扱っています。

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