『キラキラプリキュアアラモード』2クール目終了時点での全体感想

2017年7月27日
・キラプリの24話視聴時点での全体感想です。


【良かった点】

■いちか関連の展開
・いちか周りの話は上手く展開できていると思いました。
いちかがジュリオの説得に自信を持って臨めるのはキラキラルを奪われて無気力状態だったときに立ち直った自分の経験があるからですし、ジュリオに懸命に働きかけるのは1話でケーキを諦めようとしたときにペコリンが止めてくれたおかげだったからでした。いちかが他人のジュリオたちをどうして必死に助けようとするのか、これまでの経験を踏まえての行動で説得力がありました。

■シエルとジュリオ
・「二度とまともなお菓子が作れなくなる」というジュリオの代償はヘビーな感じがして良かったです。
自分にはもう二度とできないことならお菓子をあれだけ憎むのも納得です。その分、がんばったらどうにかなったのは残念でした。

・パルフェの武器がジュリオが使っていた武器であることも良かったです。
プリプリのバイオリンもそうでしたが、追加戦士が唐突な分、武器は前々から出ていた物が変化するほうが唐突さが和らいで良いと思います。

■1クール目の敵の再登場
 ・1クール目の敵だったガミーたちの使い方も良かったです。
みんなでお菓子を食べるシーンはそれがやりたいがための1クールの使い捨て敵たちだったのかと納得がいきました。ただ、割に合うものだったかは疑問があります。

■ビブリー
・ 個人的には新幹部のビブリーが好きでした。
吊り上がった大きな口と垂れ目が開いたり閉じたり表情が豊かでアニメとの相性が抜群でした。
最近のプリキュアは総作画監督の補正が強く、キャラのビジュアルの統一感を保とうとしている印象がありますが、ビブリーは悪役だからかカットごとの顔つきの差が激しかったです。それもその回ごとの楽しみになり、各原画マンの個性が見えて良かったです。

・戦闘スタイルもユニークで面白かったです。
プリキュアの敵は基本的にプリキュアたちを倒すことを目標にすることが多いですが、ビブリーの場合は集めたキラキラルを持ち帰ることを最優先していて、ワープゲートから帰還しようとするビブリーをプリキュアが妨害する流れになっていました。普通の戦いとは違った緊張感があって新鮮な感じでした。4クールもありますから時期によってバトルのルールを変えていくのは良い試みだと思います。

・ユニークな戦闘スタイルも悪役としての働きも充分に発揮できないまま退場になってしまったのは残念でした。個人的にはビブリーをもっと見ていたかったです。


【残念だった点】

■お菓子作り
・お菓子作りが相変わらず話に組み込めていません。
取ってつけたようなものか、元々お菓子作りに熱心ないちかとシエル以外は関わらない構成のどちらかがほとんどでストーリー上での魅力や必要性を感じません。蜂蜜とパンケーキの回は比較的マシだったので、せめてあれくらいの水準を基本にしてほしいです。

■主役以外が空気
・いちか以外の4人が個人回以外では空気です…
キラパティに通っている理由すら未だに不明です。モチベーションが謎すぎて、あおいはバンド活動したほうがいいんじゃないかと心配になってきます。みんな本当に楽しんでるのでしょうか?

・どうもインタビューの内容を見る限りだと、4人がいちかやお菓子作りと関わらないのはスタッフの望みどおりのようです。キャラが薄いのも「キャラは最初は記号でしかない」のでそこから一歩でも出れれば充分だと思っているみたいです。私としては人格が感じられるまでに描いてほしいのですが…
監督たちが満足しているとなると、これからも私が思っている方向には行かなそうです。

■バトルは相変わらずいまいち
・元々クリームを巻きつける攻撃ばかりで単調だったのですが、バンクの個人必殺技が増えたことで余計にマンネリ感が増しています。
敵も幹部ごとに素体が決まっていてその回ごとに亜種が出る構成なので、全体的に代わり映えしない印象が強いです。
もう無理してバトルしないでお菓子作りで勝負してればいいんじゃないかとすら思えてきました。


【総合感想】

■部分的には光るところがあるけど基本的には低調
・1クール目の印象とあまり変化がありません。
6話ごとに幹部が倒されて交代したり、物語の進展自体は順調なんですが、プリキュア側の掘り下げがいちか以外は微妙だからキャラクター面の薄さが余計に際立ちます。プリキュアよりも敵幹部のほうがキャラ立ちしていて、交代する分だけ新鮮味があるのはよろしくないと思います。

・主軸のいちかのキャラクターや方向性がはっきりしてきたのは良いことなのですが、プリキュアが多人数制であることやみんなでやるキラパティとは噛み合っていません。
部分的には目を見張るものがあるのですが、全体に目を向けると4人が空気だったり、キラパティの役割が感じられなかったり、余計なもののように感じてしまうことがいくつもあります。
いちかに絞るなら絞るで4人やキラパティには適切なポジションを与えてほしいです。

コメント

8 件のコメント :

  1.  2クール目までの総評お疲れ様です。私の筆者氏と似たような印象を持ちました。ジュリオの扱いも、日朝定番の悪役よりも深く掘り下げられて、逆にメインがこっちなのではと思うほどでした。また途中参戦のピブリー、憎い奴なのに憎めなくて更に興味を持ってしまう、見ていて楽しいジレンマに陥りました(笑)しかも中の人が久々にニチアサに帰ってきたのも相まって、いちか達そっちのけで見ていました。

     ただ難点なのは主人公達ですね。一言で言ってしまうと『影が薄い』また、お菓子作りも取って着けた感も相まって無理やりなストーリー作りに見えてしまいます。この手の作品では放送の1年を掛けて主人公たちが成長する様子を視聴者が追っていきますが、成長できるのでしょうか?
     またバトルは変わり映えなく、プリキュア特有の肉弾戦も無くワンパターンになっているので、バトル中はチャンネルを他の局に回してしまうこともありますね。たぶんこのままで続くと思います。

     取り敢えず、現在の全部ひっくるめての印象は料理風に「薄味」ですね。この先メンバーに加わったシエルが劇薬になるのか?更に味を薄めてしまう存在になるのかは、見てのお楽しみにします。

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    1. >ジュリオの扱いも、日朝定番の悪役よりも深く掘り下げられて、逆にメインがこっちなのではと思うほどでした。

      いちかやシエルの対象になる相手なんで目立つのは問題ないんですけど、4人の空気さと並ぶと微妙な心境になります。

      >この手の作品では放送の1年を掛けて主人公たちが成長する様子を視聴者が追っていきますが、成長できるのでしょうか?

      成長、なんですかね?
      プリキュアで定番の構成は「主人公が成長していくサクセスストーリー」と「主人公から周りの人々を救世主もの」とあるので、救世主もののほうではないかと見える部分もあると思います。基本的に伝説のパティシェプリキュアには精神性のほうが重要で、いちかは無気力化を経て既にだいぶ体得しているように感じます。

      >またバトルは変わり映えなく、プリキュア特有の肉弾戦も無くワンパターンになっているので、バトル中はチャンネルを他の局に回してしまうこともありますね。

      バトルは退屈ですね。原因ははっきりしていて、対策は見えてこないので今のところ希望が見えません。

      >この先メンバーに加わったシエルが劇薬になるのか?更に味を薄めてしまう存在になるのかは、見てのお楽しみにします。

      シエルは気になりますね。プロのパティシェだからひまりの料理の知識なんて要らなくなってしまいます。追加戦士ですし、いちかとシエルがパティシェ道を邁進して4人は置いていかれる一方かなぁと私は悲観的です。

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  2. 去年のまほプリやいつかのハピネスチャージのようなあまりにもいあんまりな主人公だと本当に何も成り立たなくなるので
    最低限いちかだけでも盛りたてられている分、主軸が安定していて今年は安心して見ていられます
    4人はまぁ残念な部分もあるのですがゆかりさんだけは良い意味で別格のように思いますね
    ゆかりさんがキラパティに付き合ってるのはいちかに興味があるからですし、唯我独尊のように見えてなかなかの気配り上手で手回しはお手の物です
    いちかがシエルと共に閉じ込められた時も「今助けるから待っていなさい!」と珍しくゆかりさんがやる気を出していたのがとても好印象でした
    シリーズ史上かつてないほどお姉様な魅力に溢れていると思います
    まぁその分、ゆかりさんが八面六臂な裏方をこなすほどにあきらの立場がなくなってしまってはいるのですけど難しいところですね

    ただ、5人組の扱い方としては5やスマとそんなに差はないと思います
    5ではハッキリ言ってうららとこまちは大部分で空気でしたし、
    スマでは監督お気に入りのやよいが特別優遇され便利なつっこみ役のあかねとボケ知識要員としてれいかが活躍する一方でみゆきとなおが完全に割を食っていました
    プリアラでは基本いちかを中心として次にシエルとゆかりさんが、そしてあおいが意外に存在感を発揮していると思います
    扱えないのなら5人にするなと言えばその通りなんですけどこういうのってバンダイが企画を決定してる部分だと思うので仕方のない部分なのではないでしょうか
    プリンセスですら一時期はゆいちゃんを持て余し、秋に至るまではみなみきららの個人回になるとはるはるでも存在感を発揮できなくなっていました
    フレッシュのmktnブッキー、ハートキャッチのつぼみといつき、スイート後半の奏なども同様です

    全キャラ確実に扱っていたプリキュアは初期二人組だった少数編成の初代とSSくらいしか私は記憶にありませんし、
    他のプリキュアはやれていたと言い張る人も中にはいますがそれは全話数消化後に作られた思い出補正だと思います
    なのでここはある程度割り切ってひまりやあきらは今後数回ある個人回でちゃんと物になると期待して待つほうが精神衛生上良いと私は思いますね

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    1. >4人はまぁ残念な部分もあるのですがゆかりさんだけは良い意味で別格のように思いますね

      ゆかりは目立っていることは目立っているのですが、キャラクターとしては他の3人と同様の問題を抱えていると私は思っています。
      キラパティでの特別な出来事やいちかの動きが少ないように感じるからです。ゆかりの当初の目当てはそういう予想もしない出来事だったはずです。ゆかりの目的が変わったという話はまだ無かったと思いますし、ゆかりが満足するほどのイベントがあったとも思えません。「なぜキラパティにいるのかわからない」という点では他の3人と大差ないと私は思っています。

      >ただ、5人組の扱い方としては5やスマとそんなに差はないと思います

      はい、仰るように空気なメンバーが出ることは珍しいことではないと思っています。
      しかし「いる理由がわからない」というのはストーリー構成として問題があると思います。
      例に挙げられた範囲で言えば、5はのぞみとの個人的な交友関係や妖精との関係がありましたし、スマプリでは同じクラスの友達という離れているほうが不自然な関係がありました。これは他の作品でも同様で、「友達だから」「正義のため」など最低限の理由が用意されていたと思います。

      しかしキラプリの場合はその中核であるはずのお菓子作りもキラパティもいちかや他の仲間との関係も薄いように感じます。悪党退治のためのプリキュア活動に熱心なわけでもありません。台詞で言及しているにも関わらず、こうした物事がはっきりしないことは問題だと私は思います。その最たるものがあおいです。バンド活動という具体的な目標があるのにキラパティに通うには理由がないとおかしいです。
      空気なら空気でいいのでそれぞれの立ち位置をはっきりさせてほしいと思っています。

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  3. 初登場回の話の出来があまりよろしくなかったあおいはともかく、ひまり、ゆかり、あきらに関してはなぜいちかに一目置き
    同時にそれがキラパティにいる理由になっているかはそれぞれの初登場回や8話などできちんと掘り下げている部分ではあるのですが
    キラパティにいる理由がわからないと同様の話をする方も多く目にしますし印象に残りづらいようです
    いちかが好きだから、スイーツ店の経営が楽しいからそれだけでモチベーションは十分だと私は思うのですけどね

    各人がスイーツにそれほど関心がない点ですが、これはインタビューでもあるように狙い通りだと思います
    スイーツの提供によって人々のキラキラルを増幅するのが主目的なのですから今作はスイーツを作ることではなく、
    スイーツ店を経営してスイーツを提供することを重視しているのは明らかです
    5人はそのために役割分担をしていますし、スイーツを作る人間、作らない人間で分けられるのは自然なことだと思います

    まぁあきらのギャルソンの話とかもっとやるべきだと思うし、あおいはいっそキラパティ店内でバンド活動でもすれば大抵の問題が片付くんですが
    どうも機を逸してしまってる感じなのはもったいないところですね

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    1. >ひまり、ゆかり、あきらに関してはなぜいちかに一目置き
      同時にそれがキラパティにいる理由になっているかはそれぞれの初登場回や8話などできちんと掘り下げている部分ではあるのですが

      あきらは私にとってあおいの次になぜキラパティにいるのかわからない人物です。
      お伺いしたいのですが、
      1)あきらがキラパティに通う理由
      2)あきらがキラパティやお菓子作りから得ているメリット、あるいは楽しみ
      は何であるとお考えでしょうか?
      私この二点で充分に納得の行く仮説が立てられずにいます。参考までにお聞かせいただけると助かります。

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  4. まずあきらはいちかに恩がありますね
    妹のためのチョコが敵妖精によってほぼ全て失われ諦めかけた時にいちかは自分があきらからもらったチョコを差し出しました
    丁寧に愛情を込めて一生懸命チョコ作りをし、そして敵から守ろうと戦ったいちかを見てその想いに応える形であきらは最初の変身を果たしたわけです
    この時、あきらはいちかの人となりを観察して感心している様子も描かれましたし、好意を抱く、或いは一目置くようになったと考えるのが最も自然でしょう
    年長者と言う意味ではみなみに近いですが、大切な人が増えるという意味ではきららに近い描写のように思います
    あきらの性格を考えても大切な人に尽くしたいとも考えるはずです

    8話ではゆかりからあきらはなぜお店をやりたいのか指摘され、悲しい顔をしている子を放ってはおけないと最終的に答えました
    年長者として一歩引いた位置にいるので主導権を握ることはないですが人々を笑顔にしたいいちかやシエルと基本動機は共通していると思います
    実際、15話のミクちゃん登場回では笑顔を守りたいと語っていましたね
    いちかを放っておけず見守りたい点と、キラパティを通じていちかと共にお客さんを笑顔に出来るという点でキラパティはあきらのスタイルに合致しているのだと思います
    まぁ印象に残らないと言われればそれまでですが

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    1. ふむ、どうやら印象は私もみかんさんもほぼ同じようです。
      私もあきらがキラパティにいる主な理由は
      1)妹のチョコ探しでお世話になった恩返し
      2)妹思いなので年下の子たちを放っておけない優しさ
      だと思っています。

      異なるのはそこから先の解釈のようです。
      私はこの理由だとあきらの優しさにつけ込んでいるだけで、あきらが自分を犠牲にしているように感じます。キラパティにいることがあきらの人生にプラスになっている気がしません。一時の安らぎを得るために時間を費やす生活はキッズ向けにしてはあまりに暗すぎるように感じます。

      >8話ではゆかりからあきらはなぜお店をやりたいのか指摘され、悲しい顔をしている子を放ってはおけないと最終的に答えました

      これもそれ自体はいいんですけど、後の肉付けができていないと私は思います。
      たとえば最近は怪人とキラパティのお客さんが関わっていません。キラパティと関係ないところで関係ない人が襲われているので、むしろキラパティにいないで街をパトロールするほうがマシな状況になっていると思います。
      そういうところが構成が噛み合っていないと感じます。

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