仮面ライダードライブ 第47話(本編最終回)「友よ、君はだれに未来を託すのか」:感想

2015年9月20日
・最終回も無難な内容でした。無難というのは挑戦的な内容があって初めて引き立つものなので喜べません。

・雑魚扱いの001には吹きました。好意的に解釈するならあのロイミュードたちは進ノ介にとっての「死神」のイメージなので強敵扱いされていて良かったのでしょうね。個人的にはメディック製死神ロイミュードで良かったと思います。

・最終回の内容に関してはは今までの帰結で特に語ることがないので最後まで腑に落ちなかった点とその理由を語っていきたいと思います。作品全体の総合感想に関しては来週の橋渡し回が終わってから改めて書きます。

■剛と家族
・最終回までわざわざ出していたので、剛のメイン要素の1つは”家族”で間違いないようです。
しかしいっしょに暮らした覚えもない父親にこだわる理由はわかりませんでした。血がつながっていることにそこまでこだわることが理解できません。

・剛にとって霧子が重要なのは姉だからではなく、子供の頃からずっといっしょに過ごしてきた相手だからだと思います。たとえば仮に霧子と血縁関係がなく、ただの子供の頃から良くしてくれた近所のお姉さんであったとしても、剛は本編と変わらずに霧子のために命を賭けて戦える人間だと私は思っています。そうではないのでしょうか? 

・霧子が父親としての蛮野博士と面識があり、思い出の父親を美化していたならまだわかります。血縁関係が愛する姉とその父親を結ぶ線になるからです。それなら父親の本性を知って姉が失望することがないようにロイミュード撲滅に躍起になり、蛮野博士の裏切りで本性を知ってしまった後はその罪を償わせるために蛮野博士を倒そうとし、親子の血のつながりの重要性を否定するのも納得がいきます。
あるいは年齢設定を上げて、剛自身が助手として蛮野博士の研究に関わっていて、ロイミュードの危険性を認識しながらも父親だからという理由で妄信的に協力し今の事態を招いてしまったという流れでも父親を信じる気持ちと最終的に否定する気持ちもわからなくありません。
もっと飛躍させて霧子の存在を消してしまい、剛が戦う理由=父親と一本化してしまうのも手かもしれません。現状だと霧子のためなのか、父親のことなのか、どちらに比重が置かれているのか曖昧です。

・本編で描写された範囲だと「血のつながりがある家族を信じるのは当たり前」という社会的規範が前提に置かれていて、剛が父親をどう思っていたのかが描かれていないように感じました。お上品な進ノ介ならそれでもいいかもしれませんが、最初から私情で動いていることが明らかな剛には不適切だと思います。

■ハートと友達
・感動のシーン、のはずなのですが心に響きませんでした。
「初めての人間の友達」という点が弱いように感じたからです。というのも今までにハートが進ノ介以外の人間と関わる描写がなかったからです。ロイミュード犯罪やグローバルフリーズの件を除けば、ハート自身は至って人格者で人間基準で見ても良い人だと思います。グローバルフリーズなどの問題がなく、ハートが友好的に接してきたなら武力衝突に至らない道もあり得たのではないかと思えるほどです。事実、コピー元とはいえ究ちゃんや進ノ介と友達になれたロイミュードもいました。

・たとえば「ハートがロイミュードであることを伏せて人間と関わり、仲良くなりかけたときに正体がばれて相手が怯えて逃げ出す」といったエピソードがあれば最終回の展開にも説得力が生まれたと思います。そういった描写なしには成立しないシーンでした。ハートが人間と関わろうとしなかったのか、人間が拒んだのか。その点をはっきりさせてほしかったです。

■エピローグがあっさり
・結局、「何事もない平穏な生活に戻りました」で、ハートの志が無意味に終わりました。せめて蛮野博士の凶行が世間に明らかになり、ロボットへの人権付与やコアドライビア禁止の動きが出てくるなど社会的影響を残せなかったものでしょうか。全てを闇に葬り去る展開がドライブらしいことなのかと疑問に感じました。平穏な生活に戻るという結末も好きなのですが、そのためには戻るべき平穏な生活が途中で描かれていることが絶対条件だと思います。

・今回のタイトルは「友よ、君はだれに未来を託すのか」、なのですが誰にも託されていないように見えました。ベルトさんは自分が生き残って判断する気満々でしたし、ハートは何も託していませんし、チェイスが剛に託したのは未来ではなく思い出でした。
むしろ誰にも何も託されていないからこそ消去法で劇場版に出てきた進ノ介の息子ということになるのかもしれません。この辺りも劇場版を見たらわかるのでしょうかね。

■チェイスのコピー元
・最後にベルトさんの疑惑がまた増えました。
今回、チェイスが人間をコピーしたのがプロトドライブ敗北後だと判明しました。
ひょっとしたらプロトドライブ時代のチェイスは素体のままで人間体を与えられていなかったのかもしれません。だとしたら完全に道具扱いです。コピーさせると進化体になる可能性が出てくるのでコピーさせないのは安全面を考えると仕方ないのですが、やっぱりベルトさんはそういう人なのかと思ってしまいます。

・最後まで自分は生き残る気だったあたりも不信感が募りました。
将来の人類に必要なのはコアドライビアの技術で、それはりんなさんやハーレー博士でも扱えていたからベルトさんが生き残る必然性は特にないですよね。次の劇場版の悪役はいつまで経っても進歩しない人類に絶望したベルトさんたちなんじゃ…と想像してしまいました。最後までキャラがぶれないのはある意味で正しい終わり方だと思います。

■ラストバトル
・前回のマッハが実質的なラストバトルだったとは…
チェイサーマッハは悪くはありませんでしたが最後にふさわしいものでもなかったと思います。
それに何よりこれではドライブの影が薄過ぎます。シフトカーもカキマゼールも武装も必殺技もほとんど活かされないまま終わってしまいました。クオリティがどうこういう以前に使いもしないとは予想の斜め下でした。


次回は次のライダーへの橋渡し回なので、次回はあくまで番外編として扱い、ドライブ本編は今回で終了とみなします。終わった気がしませんけども。この辺のもやもやは別記事の総合感想で書きたいと思います。

次回の脚本はなぜか一度も登板したことがない毛利さんだそうです。なんで香村さんじゃないんでしょうね? 毛利さんがSHTの穴埋め役として定番化しつつあるように感じます。現状だと毛利さんは代打という印象です。ピンチヒッターくらいになってくれると嬉しいです。



コメント

18 件のコメント :

  1. 香村さんはプリキュアの仕事が有るでしょうから
    後、毛利さんは仮面ライダー4号の脚本を担当しているのでドライブを書いたことは有りますよ一応

    最終回ですが色々酷すぎて逆に言うことがありません、個人的には平成ライダーシリーズワーストに入るんじゃないかなと思っちゃうぐらいです

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    1. 4号はドライブの話でいいのですか? まだ見てないのであくまで3号の世界観の延長線上だと思っていました。

      個人的には「悪い」という感じではありません。「薄い」のが難点で形式自体は悪くないと思っています。これまでにやるべきことをやっていれば良い最終回になり得たと思います。

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  2. 毛利さんは鎧武以降、コラボ回、番外編、冬映画とやたらと無茶振りに近いことを求められてますね。安定感とキャラをちゃんと掴んで書けるので起用されるのでしょうけど、今はニンニンジャーに専念してもらいたかったです。安定したクオリティなら香村さんがいるし、會川さんをもう一度起用しても良かったです。
    毛利・香村の二人は綺麗な脚本を書けるせいかサブが多いですね。次のライダーはこの二人のどちらかと予想していたのですが、ライダー未経験の一般ドラマ畑の人だそうで。いつかこの二人のコンビで戦隊かライダーを見たいです。

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    1. 毛利さんと香村さんは基本を外さず手堅い印象がありますね。
      だからといってシリーズ構成の適性があるとは限りませんが、お二人がシリーズ構成を担当するライダーは私も見てみたいです。

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  3. 夏の劇場版でベルトさんは自分は死人だからこのままでもしょうがないし残してる物は進ノ介に託そうということは言ってますね
    コアドライアだけは今回見るにベルトさん自身で封じたみたいですが

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    1. そうなんですか。本編見る限りだと死人という印象はあまりありませんね。どちらかと言うとそのうち自分のボディを作って第二の人生をエンジョイし始めそうな印象でした。

      封印自体は至ってまともな判断だと思います。剛のチェイサー用シフトカーやりんなさんとハーレー博士の握っている情報があるので、どこまで有効なのかは不明ですが。

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  4. 剛は単に霧子が父親の事で表情を曇らせるのが見たくなかったのかもしれません……後、父親を信じたかったのは単に自分の親がどういう存在か知りたかったんだと思います。

    ベルトさんに関しては、元々 自分1人で何とかするつもりだったとネットで聞いたのでチェイスを自分の体と見ていた可能性が有ります。

    ロボットに関してはまだロイミュード以外に存在している描写が有りませんし、ドライブのシステム関連は最初から公表するつもりが無いのでベルトさんらしいと思います。

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    1. そこが曖昧だったと思っています。父親としての蛮野と剛の2人の関係にするなら、今は霧子とは関係ないと線を引いておいたほうが良かったように思います。ここは解釈の幅を持たせるところではないと私は考えます。

      本編で語られた範囲での印象だと、プロトドライブとチェイスは目には目をの道具扱いに思えます。ロイミュードの本来の存在意義としては正しいのかもしれませんが。チェイスが生き残っていたら、最後の封印のときにいっしょに封印しようとしただろうかと考えてしまいます。

      結局ベルトさんの範囲で世界が完結してしまっているところが少し気になります。たとえば「別の誰かがコアドライビアと同等の技術を開発したらどうするか?」という疑問に関しては、ベルトさんたちが復活する以外に対応策が見当たりません。個人特有の資質や超能力ではなく、技術の問題なのでもうちょっと対応策は用意できるのではないかと疑問があります。
      ロイミュードもロボットが普及していない世界で開発されるにしては発想が飛躍し過ぎているように感じます。ドライブの世界観はSF要素とわりと相性が悪いように思っています。

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    2. 私としては、強いて文句を言うとすれば、ハートの覚悟を汲んだ上で一時的に治療するなりして本気で戦ってほしかったですね。

      シグマとかはどうでもいいので、そこだけはしっかりしてほしかったです。

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    3. 戦ってくれたほうが良かったですね。ラストバトルと呼べるものもありませんでしたし。
      しかし進ノ介の考えでは戦わないほうが自然だろうと思います。ストーリー展開がそうなっているので諦めます。ハートはどうにもなりませんが、それならシグマとのバトルをラストバトルにふさわしい盛り上がりにしてほしかったと思います。

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  5. 途中でゴーストが出てきた点はどのように思いますか?
    ドライブファンは「次回作の販促を2回もやるのか」とゴーストの批判[動いてもダサい等]を交えながら怒っていましたが。(贔屓の作品が出ると次回作のアンチになり易いのはいつものことです)

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    1. 不自然で不要なシーンだと思いました。次回特別編をやるのに今回も出すのかとも思いました。
      しかしノルマなので仕方ありません。別に出さなくてもいいと言われたらどんな脚本家でも出さないでしょう。自然にこなす方法は思いつかないので、本編の邪魔にならなかった分マシと考えます。誰がやってもどの作品でもこのノルマを上手く扱うのは困難だと思っています。

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  6. 個人的にドライブで何が一番印象に残ったかと言えば魔進チェイサーとそのかっこよさぐらいでした。
    それとライダーチェイサーも個人的にはかなり好みで、白バイ警官は流石に制限がありますが、バイク乗りでも良かったんじゃないか?と思いました。海外ドラマでは少数ですが見かけますし…。日本の警察では禁止されているのでしょうか?
    車マニアという設定のはずだった進之介は変身前は自前に刑事らしく乗り、車モチーフのライダーに変身後はタイプトライドロンみたく「俺が車だ!」とかあるいは自家用車が一緒にトライドロンに変身するのも有りじゃね?と思いました。というのもトライドロンが結局大衆車同様所詮移動手段の域を出ていなかったように感じたからです。トライドロンには予算とロケの限界を感じましたし。
    そしてタイヤコウカーンの投げっぷりもキバやオーズ並に久々に苛っとしました(笑)

    内容はすごく薄かったですし目新しさ皆無な上に設定他宝の持ち腐れ状態なのでひたすら地味な印象でした。巨匠はもうスルーします。

    三条さんのこういったミステリーもののライダーはWの時も思いましたが、子供向けとはいえライダー関連以外の、要はミステリーもので重要な事件の部分がお粗末すぎで、ドライブで極まりといった印象でした。
    子供向けだからとしてましたが、Wの時に三条さんが専門外だからと古今東西の推理ものやらを読み漁ったらしいですが、ぶっちゃけ無駄だったと当時ティーンエイジャーだった身のガキはそう思いました。
    ドライブが刑事ドラマだと知った時は「ああ、また甘甘になるのか…」と思いました。刑事ドラマとしてはクウガの方が遥かに秀逸でした。と、まあクウガがどう言ってもやはり他の平成ライダーと一線を画する作品なのですが…。同じ平成ライダーですから頑張ってほしいものでした。個人的に正直Wの方が事件前~事件~事件後のドラマ料理は巧かったですね。探偵というある種アウトロー故の自由さの所為ですかね?

    とにかく今年は個人的には中途半端で宝の持ち腐れ的なライダーでした。ウィザードと肩を並べる地味さな印象というか…。
    長文失礼しました。

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    1. 魔進チェイサーと仮面ライダーチェイサーのデザインは私も好きです。戦い方で言っても、魔進チェイサーのコンパクトなスタイルが一番好きでした。

      乗り物の扱いはパッとしませんでしたね。
      目玉のはずのトライドロンまで1クール目以降は空気になっていたのは問題だったと思います。あれではコンセプトが成立しません。2話の時点で見るからに予算がかさみそうな感じだったので、どうする腹づもりなのかと期待していたのですが結果は「何もしないからどうにもならない」でがっかりしました。

      Wのほうがモチーフの活かし方が上手かったという点には同意します。
      というかドライブは活かす気があるのかと疑わしく思えてくるほど警察の存在意義が怪しかったです。ライダーはドラマパートに割ける尺が短いものなので捜査パートなど時間を取るものは相性が悪いと思います。

      クウガのほうが優れていた、というご意見には同意しかねます。
      確かにモチーフの活かし方は優れていたと思いますが、私はクウガは「刑事もののフォーマットでライダーをやった」と捉えています。クウガのドラマ性の本質はライダーではなく刑事ものによるところが大きいと思っています。あくまで「刑事の設定の仮面ライダー」であるドライブとは分類が違うと私は考えます。

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  7. 最後までよく分かりませんでした。コアドライビアを一番持て余していたのはクリムじゃないのかとすら思ってしまいます。コンビうんぬんはもう笑うしかありませんでした。

    もはや恒例かもしれませんが、ドライブの残念だった点をあえて言うなら「一番欲張りだったのはだれか」といったところでしょうか。三条さんの起用、難しいモチーフの複数押しつけ、公道を走れないトライドロン、本編に登場させられないほどのアイテム、多すぎて描ききれない人間関係など、まともな作品を作れる状況ではないように思えます。そのせいか脚本だけでなくアクションまでつまらないものになってしまっていたように見えました。最初はそれなりに楽しく見ていたのですが、それだけにこの不完全燃焼具合は本当に残念です。

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    1. ベルトさんと進ノ介の関係はどうしてあんなに薄かったんでしょうね? 作劇としてはここが一番不思議でした。

      製作環境の問題は大きいと思います。しかし明確に悪化したのは鎧武からなので2作品程度では恐らく歯止めがかからないでしょうね… 次回作のゴーストもそんな流れで作られたものであろうと覚悟しておくつもりです。

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  8. ドライブの最終回は本当に感動も何もありませんでした。ただ現状残っているものを消化しているだけ、という印象しかなくメタ的に納得するというある意味新しい感覚を味わうことができました。

    ハートと戦いたくない、しかし本心はわかっておりそれをべらべら喋るシーンを見るとただ台本のセリフを喋っているだけという印象が強く残りました(元々作劇はそういうものですがこのシーンではそれが顕著だったと思います)。そうでなければあの行動は侮辱以外の何物でもないからです。特に進之介のお気に入りであるハートが相手ですから余計に違和感が目立ち、メタ的な視点からでしか納得できない流れになっています。

    話は変わりますが、個人的に全てのシフトカーのタイヤコウカン及びタイヤカキマゼールが見られなかったのはとても残念です。販促のせいで話に無理が生じてしまったりしまうのは残念ですが、それでもやはり出された以上は見たかったです。タイヤコウカンされなかった4台のシフトカーはDX版がないのでタイヤコウカンがないのは仕方がないのかも、とも思いましたが同じくDX版がないレッカーやウィンターはタイヤコウカンされているので多分予算がなかったからなのでしょうか。どちらにせよ、40種全てのスイッチモジュールを披露したフォーゼよりも劣っていることに変わりはないんですけどね。乱文失礼致しました。

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    1. プロット自体は普通でも積み重ねができてないとこうなっちゃうという見本ですね。

      ハートとの決着は私も奇妙に感じました。全体の奇妙さからすれば瑣末なことですが。
      仰るように戦わないというのはハートに対して敬意の欠けた独善的な行動だと思います。もしもハートが「友達とは戦わない」という考えであったならば「進ノ介が戦わない=友達だから」ということになり、初めてできた人間の友達という結末にもつながったでしょう。
      しかし実際にはそんなことはありません。敵に回ったチェイスを友達扱いしながらもチェイスとの戦いに楽しみを感じていました。これでは戦わないことがハートのためにはならないはずです。

      使われなかったタイヤは心残りですね。登場しないものがあることは致し方ないことですが、タイヤカキマゼールはあまりにも酷いと思います。7種類あるのに3種類しか使わないなんて過半数を割っています。
      ただ小物を刺してエフェクトとアクションをつければいいデバイスではなく、「タイヤ」という手間のかかる形にしてしまったのは失敗だったと思います。

      もう1つの問題はカキマゼールがタイプトライドロンの個性だった点です。
      最強フォームなのにカキマゼールを使わないと何も特色がありません。たとえばフォーゼではスイッチ混合がなくても専用の武器がありました。タイプトライドロンの場合はアクションにも差別化がなされておらず武器もなく能力も使われず、「スペックが高い」という設定以上の変身意義がありませんでした。これでは面白くなるはずがありません。
      玩具やデザインは制作側からすれば押し付けられたノルマなので仕方ありませんが、それならそれで失敗が目に見えてる以上、カキマゼールに頼らないアクションやバトルの展開を工夫することを考えるべきだったと思います。

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