仮面ライダードライブ 第35話「ろう城事件はなぜ起きたのか」:感想

2015年6月28日

■前提条件が不明瞭
・今回は全く話についていけませんでした。登場人物の行動の基盤になっている前提条件がわからなかったからです。

・一番わからなかったのは、「なぜ進ノ介は仁良を捕まえれば特状課の無実を証明できると信じているのか?」ということでした。
そもそも特状課が犯人扱いされたのは仁良が手を回したからでした。その前に追田さんも仁良が既に手を回しているから捜査が進まないと言っていました。この件から考えて、警察組織は仁良に取り込まれていることは明らかです。この状況で仁良を捕まえても「凶悪犯の泊進ノ介は卑劣にも暴力で私を脅しに来た!」と言いくるめられて事態は悪化するだけだと思います。

・父親を殺した拳銃が見つかれば仁良の信用は落ちるかもしれません。しかし仁良が持っているという証拠は描かれていません。どこかに隠しているかもしれませんし、処分してしまった可能性もあります。進ノ介たちが仁良の性格から推測して、他人を信用しない仁良なら拳銃を自分で保管しているはずだと確信を持っているなら偶然を味方につけてもいいのですが、そういった描写もありません。

・私にとっては、なぜ仁良と能見が警察組織に信用されているのかも不可解でした。
仁良はロイミュードだった真影の手下で、あのとおりのいけ好かない男です。能見も真影や仁良の推薦で入ったロイミュードの専門家なる怪しげなポジションです。真影は悪だったと断じたならばこの2人も疑われてしかるべきだと思います。まして実績のある特状課とどちらを信用するかは考えるまでもないと思います。

・今回は逃亡犯の刑事ふうのお話でしたが、あまりに構成が雑だったように感じました。せっかく究ちゃんとチェイスの件と、これまでの経緯を活かして的確な弱みをついているのに説得力がありません。
逃げる側も追う側も行動理由がさっぱりわかりません。タイトルになっている「籠城事件はなぜ起きたのか」を全く説明できていません。こういうお話は筋書きをしっかりつけて、どうすれば勝ちで、どうなったら負けなのかを明確に示さないと成り立たないと思います。

■ノルマの処理が雑
・ノルマだからと隠しもせずにいきなり登場するタイプトライドロンには閉口しました。しかも弱くて唖然としました。やる気が微塵も感じられません。

・冒頭の戦いでライダーがかませ扱いされるのはよくあることですが、変身者の株まで下げたのは普通ではありません。
2対1の有利な状況で相手の目的も見当がついているのに、みすみすゆかりちゃんを危険に晒したのは大きなマイナスです。進ノ介とチェイスが馬鹿に見えました。

・「ブレン=毒使い」ということは周知の事実なのに、様子のおかしいゆかりちゃんに監視を付けるだけだったこともおかしいように見えました。
人命に関わることですし本人も協力的なはずですから、病院かりんなさんのところに検査に連れて行ってしかるべきだと思います。これなら仁良と融合しているのがブレンだと、この時点では気づいていない展開のほうが自然だったのではないでしょうか。


今回は率直に言って、かなり酷い内容でした。
前回の次回予告の時点でわかる「仁良とブレンが警察を巻き込んだ策略を仕込んで、それで特状課がピンチになる」という以上の内容がありませんでした。前回の次回予告さえ見ていれば、今回を見ないで次回から見ても問題なく話についていけそうなほどです。
次回の展開もだいたい予想できそうな展開に見えますが、何かサプライズはあるのでしょうか? 悪い意味でのサプライズでないことを祈ります。



コメント

4 件のコメント :

  1. そう言えば、どうやって仁良が周りを取りこんだのか説明されていませんでしたね。

    上層部を脅迫でもしたんでしょうか?

    ろう城については全く訳が分からない状況なので、来週が気になります。

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    1. passさん、はじめまして。

      どういう経緯なのかはさっぱりですね。
      「籠城している犯人は泊進ノ介」と報道されているので、その前のブレンとの記者会見同様に警察上層部が絡んでいることは確かだと思われます。
      一番奇妙なのは免許センター内に誰もいなかったことです。特状課が逮捕されたならその捜査もあるでしょうし、センターの職員や警備員もいるはずです。なのに進ノ介も仁良も誰とも遭遇せず、仁良のロイミュードの姿も目撃されていません。仁良が警察と進ノ介をあそこに誘い込むことを事前に打ち合わせしておいたという可能性もありますが、これだと監視体制が敷かれるので仁良のロイミュードの姿も見られてしまうでしょう。いったいどういう理屈なら無理なく筋が通るのかさっぱりわかりません。

      記者会見や特状課逮捕の詳しい経緯も不明です。記者会見で言っていた内容を上層部が信じてしまったのか、それとも仁良が上層部の人間の弱みを掴んでいて脅しているのか。長谷川さんの作風からすると説明されることはないように思えますが。

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  2. 見ながら頭の中に多くの「?」がいくつも浮かんで止まらないのは個人的にジャッジロイミュードの話以来でした。
    前回仁良がロイミュードと融合したということは誰にも伝えてなかったんでしょうか?真影がロイミュードだということもほぼ知られていなかったのでしょうか?真影派の仁良や真影が連れてきた能見ことブレンがなぜここまで警察組織の中で力があるのかがよく分かりませんでした。警察組織は既にロイミュードの手にあるのか、フリーズの記憶操作でも使わないと不可能に思えます。

    そもそも今回は特状課メンバーが無能すぎましたね。マークしているゆかりちゃんの所に出てきたロイミュードを倒すどころか接触を許し、そのまま仁良を取り逃がし、記者会見を止めるどころか逮捕され、あっさりと罠に落ちる…。警察官どころか、まともな大人とは思えません。鎧武の紘汰とかならまだ「バカな子供」といった理由付けができたかもしれませんが、進ノ介はそういうキャラクターではないので一体どうしてしまったのかと本気で心配しました。

    「特状課はロイミュードと結託している!」というのを過去のエピソードと絡めて訴えるのはおもしろかったのですが、時間の関係か雑すぎて全く説得力がなかったのも残念です。りんなさんの元恋人…だから?現さんの先輩刑事…それは警察全体の問題では?チェイスはブレイクガンナーを持っているだけで人間体から魔進への変身シーンを映さなければ意味がありません。もう少し丁寧にやってほしかったです。

    アクションも残念でした。タイプトライドロンとチェイサーの2人がかりでシーフロイミュードを倒せなくてこれからの戦いで勝てる見込みがゼロになってしまったのではないでしょうか?チェイサーもシンゴウアックスをようやく使い始めたと思ったらすでに弱体化してしまっていたのでとても残念です。それこそマッハがタブレットでパワーアップでもするのなら別ですが、今回の話は早くなかったことにしてほしいです。

    それと、映画の予告が本格的に始まりましたが、会見等で「本編との繋がり」が盛んに言われているのが気になります。冬始まりの電王とかで本編と密接に絡んでいても許容できますが、9月には終わってしまうドライブで本編に絡ませられるとまた西堀関係が出ずっぱりで「?」となる感じでしょうか。ロイミュード108がカギを握っている、なんて話もあるので、今から本編がすごく心配です。

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    1. 仁良と能見が警察内でどういう存在として認識されてるのか、全くわかりませんね。私は能見がまだいたことに驚きました。仰るとおりブレンが記憶操作でもできない限り、どうやって地位を保っているのか想像もつきません。
      状況から逆算すると、警察の信用度は「仁良/能見>特状課」ということなんでしょうね。どうしてそうなるのかさっぱりわかりませんが。

      無難に考えると激昂して冷静さを失っているということなんでしょうが、ベルトさんもチェイスも止めないんですよね…
      課長の手回しが悪かったり、不自然さを感じるところが多かったです。

      りんなさんと現さんは意味不明でしたね。チェイスも映像のチョイスが適当ですし、初変身時の映像を使えばいいのに何をやっているのやら。
      だいたい知り合いにロイミュード共犯者がいたから何だというのでしょう? それを言うなら剛やベルトさんのほうが爆弾を抱えているはずです。
      「クリムスタインベルト博士こそロイミュードの生みの親だ。そして仮面ライダーはロイミュードと同じ力を使っている。第二のロイミュードになる前に封印すべきだ!」というほうが簡単に騙せると思います。

      不自然に弱いし、アクションもパッとしないし散々でしたね。
      いくら合体相手が超進化したブレンとはいえ融合進化体でタイプトライドロンを圧倒するのはおかしいと思います。001の立場がありません。

      本編とはつながるんでしょうかね? 全く情報を仕入れていないのでよくわかりませんが。
      夏の劇場版は似てるけどパラレルが多いので、ドライブもパラレルかと思っていました。
      でもパラレルだとしても、DVD特典など番外編とはつなげるかもしれませんね。

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