仮面ライダードライブ 第45話「ロイミュードの最後の夢とはなにか」:感想

2015年9月6日

【ストーリー】

■もったいない
・今回も順当な流れでした。真のグローバルフリーズは人類のデータ化が肝なんですね。以前ブレンの毒を治療するときに蛮野タブレットが人間をデータ化しているような描写があったので唐突さはそれほどでもありませんでした。ただ、人類全体規模でも簡単にできるというのは驚きでした。この世界では人間のデータ化の敷居は低いようです。ゼーガペインにつながりそうな世界ですね。

・意外性のない負け戦は残念でした。ゴルドドライブとは何回も戦っているのでマッハたちで勝てないのはわかりきっています。だからこそ意外性を持たせる必要がありました。負け戦には意味を持たせることが重要です。勝利という結果を得られないのですから別の結果が必要なのです。
今回の場合なら「時間稼ぎのため」ということもできたはずです。グローバルフリーズ阻止のために重要なのは蛮野ではなくシグマサーキュラーを止めることです。勝てなくとも時間稼ぎをするだけでも価値があります。

・時間稼ぎをすることには別の価値も持たせられたと思います。時間稼ぎなんて消極的なことは剛らしくないからです。「俺がロイミュードを撲滅する」と度々言い、スタンドプレイも目立っていた剛が自ら脇役に甘んじることはそれだけでドラマが生まれます。最近、態度が変わってきた剛の変化を行動で示す良いチャンスだったと思います。
剛にかぎらず今回は全体的に膨らみを持たせられるシーンをあっさり消化してしまっていてもったいなく感じました。

■チェイス
・こちらも順当な流れだったのですが、ハートとの絡みがなかったのが残念でした。
「ハート、ダチと共に戦えて嬉しいぞ」
「友達か、変わったなチェイス」
など短いやりとりでも意味を込められる流れだったはずです。普通の追加ライダーなら出番があるだけマシですが、1クール目と2クール目の大半を費やしてきたチェイスの最後の見せ場としては物足りません。

・魔進チェイサーも出番があれだけでもったいないと思いました。
悪の力で正義を為すのが仮面ライダーなわけで、仮面ライダーが正義の力として存在するドライブの世界なら異端である魔進チェイサーの存在は大きいはずです。人と機械の中間に位置するチェイスの立ち位置と合わせてドラマを生み出せたと思います。チェイスには掘り下げる余地がまだまだあったと思うので活かし切れないうちに出番が終わってしまって残念です。

・免許証とシグナルバイクを託す理由が、「もったいない」という合理的な理由だったことはチェイスらしくて良かったです。
シグナルバイクはともかく、免許は本人が死んだら価値がなくなるのにもったいないと表現するところに情感がこもっていました。合理性と感情的なところが混ざっているところがチェイスらしいように思えました。

■まだまだ続くベルトさんの秘密主義
・要塞化したビルへの対抗策が「トライドロンをちょっと改造すればOK」だったことに唖然としました。1日で済む程度の改造なら前もってやっておけ!と思わざるを得ません。できることをやっておかないところがベルトさんは信用できません。

・最終局面に及んでもベルトさんの秘密主義は変わりませんでした。きっと次の劇場版の敵もベルトさん関連なのでしょうね… 「進ノ介や剛の次のライダー候補としてこっそり用意しておいた人格に難のある死刑囚がベルトを手にして~」とかベルトさんならやりかねません。


【アクション】

■斧アクション
・今回の信号アックスの戦いは悪くありませんでした。
間合いを取れる広い場所と少人数のほうが合ってるみたいですね。近づかせないことで圧倒している雰囲気も出せて一石二鳥でした。

■久しぶりの…
・1クール目の序盤以降めっきり音沙汰のなかった反射キックが帰ってきました。
CG使う技なので長くは続かないだろうとは思っていませんでしたが、巨大戦並の回数しか出ないとも思っていませんでした。すごく久しぶりです。このタイミングで出てしまったので、これが最後の出番になりそうな予感がします。

・技自体はかっこよかったのですが、相手がただの雑魚でしかも3人だったのが何とも微妙でした。もっと適した相手がいたと思います。OPにも映っている必殺技のわりに最後まで不遇でした。

■やる気のない巨大戦
・乗り物だけでしたが巨大戦がありました。最近のライダーの撮影にはやる気が感じられないことが多いのですが、巨大戦は特に酷いですね。走っているところを正面から映すばかりで、かっこよくしようという気概が感じられませんでした。

・トライドロンのタイヤフエールの効果をマッハたちに与えられるのは面白いギミックだと思いました。
トライドロンに武装が付いているのに対し、バイクは合体しないと何もできないので地味でした。タイヤフエールの効果はそのイメージをひっくり返すもので意外性があって面白かったです。
しかしその効果を今更やって、しかもただ走っているだけで終わらせてしまったことに呆れました。このギミックならもっと面白い使い方できたでしょう。これまでの巨大戦にも華を添えられたはずです。巨大戦に関してはノルマや玩具の問題よりも撮影側の問題のほうが大きいと痛感しました。


次回はマッハ・タイプチェイサー(仮)vsゴルドドライブ、ハートたちvsシグマロイドになるようです。
もう新設定が出てくるのはうんざりなので蛮野には消えてほしいのですが無理でしょうね。ゴルドドライブを倒されて、シグマロイドwithゴルドドライバーに乗り換えるのが関の山でしょう。

コメント

10 件のコメント :

  1. ハートたちが蛮野支配下にあるとはいえロイミュードと戦うとは思ってませんでした。彼らも覚悟を決めたという事だと認識しています。

    剛はともかくとしてチェイスに関しては、私もあっさりしすぎていた気がします。久しぶりの魔進チェイサーの出番があれだけなのは寂しいです。

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    1. ハートの掘り下げも足らないんですよね。
      「敵になるなら倒す」と思っているのか、「蛮野の操り人形にされているのは忍びない。倒すほうが彼らのためだ」と思っているのか、あるいは冷静に「コアを破壊しなければ問題ないから」と考えているのか、その辺りの描写がほしいです。ドライブたちに倒されること=コアの破壊、ハートたちが倒すこと=復活可能、この2つは大きく異なるので戦闘の流れも変わりドラマが生まれるはずです。
      そういう話はたぶんしないんでしょうけどね。

      今回の魔進チェイサーの出番はあれくらいでいいのですが、他のところではもっと使えたと思います。

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  2. 剛たちは先に行ってシグマをとめろ!と言って蛮野達を相手どりシグマ破壊のため邪魔が入らぬよう「足止め」「時間稼ぎ」をしていたように見えましたが気のせいでしょうか…

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    1. はい、していました。しかし「すること(意思)」と「したこと(結果)」はドラマとしては別物です。
      今回の描写だと、剛が残った理由が「蛮野と決着をつけたい」という個人的な理由で残ったのか、「怪我をしている自分では足手まといになるからせめて時間稼ぎをしよう」と考えて残ったのか不明瞭です。そこをはっきりさせるストーリー展開にしたほうがドラマが盛り上がると思います。

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  3. 連続投稿すみません
    ベルトさんの秘密主義は今回まったく関係ない気がします
    蛮野や未知のシグマサーキュラーがはじめて繰り出した問題を解決するためにトライドロンを改造する必要があったわけで、事前にやっておけ!というのは無理な話では?
    事前に~を言ってしまうと蛮野の武器等を奪う能力に対向するコーティング作業も「1日で済む程度のコーティングなら前もってやっておけ!」となってしまいますし
    他にもあらゆる事に当てはまりそうで…ベルトさんは未来予知が出来るわけじゃないですし、目の前の問題への対抗策をたてて信用できない扱いは酷いですよ
    前もって…を全ての実行してしまったら番組開始からトライドロンとドライブは無敵のシステムになりロイミュードも蛮野も成す術もなくやられて物語が終わってしまいます…そもそもグローバルフリーズが起こらなかったかも
    メタ的な意味だけではなく、ベルトさんが後手にまわってしまうのは仕方のない事だと思います

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    1. 私の要点はベルトさんがベストを尽くしているように見えない、つまり「説得力がない」ということです。
      ゴルドドライブの奪取能力もそうですが、「ベストを尽くしてきたが敵に上回られた」というふうに見えません。ゴルドドライブの能力にしても、今回の改造にしても無くても成立する展開だと思います。ストーリーに組み込むなら無くてはならない内容にするか、前後の流れでフォローする必要があります。トライドロンやバイクを出すために無理やり雑な流れにすることは肯定できません。
      流れに説得力をもたせられないのはベルトさんの問題であり、ストーリー構成全体の問題であると私は考えています。

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  4. ハートが蛮野と戦うのはまだ分かるんですけどナンバー付きのロイミュードと戦うのは話が別ですよねやっぱり
    理由を一言付け加えるだけで十分なのにそれをしない何故なんだろう
    実はハートってロイミュードのこと大事な友達とか言ってるけど実はそれほど大切に思っていないんじゃね?という序盤から思っている疑惑が全く取れてないどころか個人的にはさらに増してきています、心配してるとか怒る描写はちゃんと有るのに胡散臭さが全くもって抜けない
    まだそれでも悪役やっていたなら良かったんですが今じゃもうほぼ善な味方と化しているのがなあだからといって元々の主義主張とかが変わったわけでもないというのがまたもどかしい

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    1. ハートの考えはよくわかりませんね。
      友達と思うことも、敵になったら戦うことも、目的のためには犠牲もいとわないことも、どれも矛盾はしないのですが自然と噛み合う要素でもありません。優先順位がどうなっているのか、あるいは別の一貫した考えから生まれたものなのか、その辺りが判明しないと何を考えて動いているのかわからないままになりそうです。

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  5. ドライブはライダー特別企画のテレビスペシャルか映画なんだと思うことで少し楽しむことができました。まさか1年のドラマの最後がこんな謎設定だらけなわけ無いですもんね。

    ベルトさんはいつもそんなに忙しいんでしょうか?それこそバイク2台とトライドロンを合体させるような緊急措置ならともかく、普通の特殊車両作業員が1日でこなせる強化が行われていないというのはよく分かりません。

    ずっとどうでもいいことや、新設定に時間を割いてきた割に、今回の主要キャラの扱いは残念でした。唐突な反射キックもそうですが、予算や尺があるのかないのかよく分かりません。最終回は次のライダーとのコラボという情報を見たのですが、そんな余裕は果たしてあるのかないのか…。とりあえず、シグマのエネルギーでみんな復活仲良しとかはなしにして欲しいです。

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    1. 出来事が突発的で積み重ねが薄く感じますね。一番時間をかけてきたチェイスでこのくらいだったので、この先は余計に不安です。

      1日でできることって何なのでしょうね。
      ロボットものなんかでよくある「攻撃をかいくぐるために必要な速度を得るために外付けブースターをつける」ってな話ならまだわかりますが、やったことはタイヤフエールの機能だけでした。タイヤフエールが1日でできるとは思えませんし、1日でできるなら前もってやっておくことだと思います。何のための改造が1日で行われたのか謎です。

      反射キックは何でしょうね?
      予算の余裕は終わりが近づけば見当がつくでしょうし、使うなら使うで前回などもっと適したタイミングがあったと思います。

      ロイミュード全滅で終わりだと、最終回でやることがないように思えます。
      「普通に戻る」と言っても普通があまり描かれていませんし。OPのロイミュード行進の元ネタがキャシャーンなので、終わり方もキャシャーンにするのでしょうかね。

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