『わんだふるぷりきゅあ!』最終回まで見終わって:総合感想

2025年2月8日

わんだふるぷりきゅあ!』を最終回まで見終わったので感想を書きたいと思います。

*必要に応じて随時ネタバレがあります。

一言まとめ

基本的には平凡。
スタッフの偏った思想のせいで平凡な部分まで台無し。

動物好きは見ないほうが良い。
「動物」とは愛玩動物のことだけ。基本は人間至上主義。

スタッフにとって動物というテーマはどうでもいいが、テーマ以外の内容は特に無い。


基本的には平凡で刺激がない

・わんプリは基本的には平凡で特に悪くも良くもありません。
メインストーリーはほぼ無く、実質的には29話まではストーリーが始まりません。それまではずっとキャラのエピソードと日常をやりつつノルマ的に怪物を浄化していくだけです。

■メインストーリーは終盤しかない
・具体的に全体の流れを説明すると、
7話でロッドを手に入れたらそこで初期メンバーの犬組2人の話はストップ。

次に加入する猫組2人の話をゆっくり続けて猫組が加入したのが19話。

猫組は加入が終わっても夏休みに入るので話は進めず、取り留めのないエピソードを垂れ流し、ストーリーに進展があったのが29話。

1話からは28話までは原因不明の怪物化した動物が暴れるだけの話が続きましたが、29話になってようやくしゃべれる敵幹部が姿を現して「人間に絶滅させられた狼たちの怨霊」という素性が明らかに。

遂に話が進む!、と思ったら幹部登場回が終わった途端にまたしても話がストップ。続きをまともにやったのは残り6話の45話になってからでした。

・振り返ってみると6割くらいはあってもなくてもいいような話ばかりでした。これでエンタメ要素もテーマの掘り下げも薄いのが致命的でした。メインストーリーをやらない最初の2クールか、メインストーリー中心の3,4クールか、どちらかが作品にとって不要でした。

■キャラにも熱心じゃない
・メインストーリーが無いに等しいならキャラ中心のお話なのかと言うと、そうでもありませんでした。
キャラクター面もパッとしませんでした。描き方自体も良くない上にキャラが話の都合で動かされすぎて不自然でした。

・キャラクターの扱いで代表的なものは2クール目から加入する猫組の2人、飼い主のマユと猫のユキです。
販促ノルマがあった8話から28話頃までは主役同然でした。一方の犬組は空気でバトルにおいても基本棒立ちで猫組に「今よ!」と指示されてようやく必殺技を撃つような有様でした。一応、犬組の飼い主が物語の主人公のはずなんですけどね…

・ところが敵幹部が表れ、プロローグが終わって本編に入った29話以降は一転して猫組が空気になりました。キャラの掘り下げもわずかで最終回のエピローグでも脇役みたいな扱いでした。
29話から頭角を現し出した主人公のイロハは、それまでずっと”良い子ちゃん”以上の印象がなく空気だったので突然主役ヅラし始めて違和感が強かったです。

・全体的にこんな具合に要素単位でしかお話もキャラも描かれず、場面単位で情報量や掘り下げが少なくて退屈しがちでした。
しかも数話経つとそれまで扱っていた要素を雑に放り投げてそれっきり扱わなくなりがちなので、後になるほど「あれ、どうなったの?」と思う投げ捨てられた要素が積み重なっていき、徒労感が強まって疲れました。

■動物やエンタメ要素も薄い
・”可愛い”だけでも成立する動物ネタなのでエンタメ成分があればまだ楽しみようがあったのですがそれも少なかったです。
他のテーマの作品でもエンタメ要素として出されることもある動物ネタでここまで退屈にできるものなのかと逆に感心するほど何もありませんでした。
それどころか動物への扱いが悪すぎたため、動物を出すほどかえって「こんな可愛い動物たちを雑に扱うなんて飼い主が許せない!」と余計なヘイトが溜まることも珍しくありませんでした。

・メインストーリー要素のせいで関係ない描写まで台無しになっていくところはわんプリの特徴と言えると思います。
「動物」をテーマにしてメインストーリーも日常もキャラも動物一色にしたせいでメインストーリーの不始末が他のところにまで波及してしまいます。上手く行けば各要素がお互いに引き立て合う好循環になったのでしょうが失敗したので逆効果です。

次はテーマであったはずの動物要素について説明していきます。

スタッフの偏った思想で台無し


動物とは愛玩動物のことであり、主人である飼い主人間は動物よりも格上の存在であることは自明の理

・これがわんプリの基本概念です。ここを見誤ると苦しむことになります。
動物と人間は対等ではありません。動物は人間を楽しませるために存在しています。
人間の役に立たない動物は存在する価値がありません。動物の気持ちなんて考える必要もありません。
人間は気が向いたときに可愛がってやれば充分です。「ペットは家族」? 動物ごときが人間の家族なわけがない。

・スタッフのこういう「人間の方が格上で、動物は人間の下に存在している」という認識が作中全体に染み渡っています。個人的にはこの「動物嫌い」と言ってもいいと思うスタッフの思想が一番受け入れ難いことでした。
テーマ『動物も人も、みんな友達になれる!』、『動物との絆」』なんだから動物も対等の存在として扱われてるんだろうな」
なんて考えてるとギャップに潰されます。動物が好きな人は見ないほうが良いです。

「ペットと飼い主が主題なら、飼育放棄やペット品種の是非、お世話の手間や通院など飼う上での現実問題も取り上げるんだろうな」
なんて考えも捨てましょう。ありません。取り上げない以前に作中では文字通り存在しないかのように振る舞われます。
舞台となる”アニマルタウン”は動物好きが集まってできた街なのでそんなことする人間はいないのです。アニマルタウンの外の話が出ることもありません。作中には動物関連の問題は存在しないので作中では取り扱われることもないのです。

■犬が主人公!…んなわけない
・この薄情な考えは準主人公であり、1話でピンクプリキュアに変身する犬のコムギに対しても例外ではありません。
コムギはただの犬です。1話の時点で「人間になりたい」という願いを持っていました。その理由は中学生の飼い主で主人公のイロハが学校に行っている間は家でお留守番になってしまい一緒にいられず寂しかったからです。
「自分も人間になればもっと一緒にいられる」そんな単純な願いが不思議パワーで叶えられたことで人間の姿になれるようになり、プリキュアにも変身できるようにもなりました。

・人間になれたのでコムギの願いが叶うかと思ったらそうはなりませんでした。飼い主のイロハが応じなかったからです。
「一緒に買い物に出かけたい」という簡単に叶えられる願いすら実現したのは4話になってからでした。しかも最初は犬の姿で連れて行って、ペット同伴禁止の店だと知って慌てて人型にして出直してきただけでした。こんな程度は犬のままでもできたことでしょう。

・最序盤でもこのあっさり具合だったのでそれ以降はもっと悲惨でした。
現実的には不可能そうなコムギが学校に通うことも洗脳でもしたのか不思議パワーであっさり実現し、作中でわざわざ危惧されていた学力問題もその後何のトラブルもなく片付いたことになって進んでしまいました。
「学校は楽しいだけじゃないよ。ちゃんと勉強しないと学校にいられなくなるんだよ、コムギにできるの?」なんて苦言を呈していたはずなのに期末テスト対策とか補習で夏休みが減るなんて話もなく、平然と夏休みに話が飛びました。

・2クール目以降は猫組や主人公に話を取られてしまい、自己主張の機会どころか出番自体が減る一方でした。おかげで成長する機会どころか失敗する機会すらコムギには与えられず、メインストーリーになると突然わかったような口を聞く操り人形にしかなれませんでした。
こんな扱いでもコムギはろくに文句も言わず、ただ楽しげにしている姿が不憫でした。プリキュアの原理において重要な「個人の欲求」の冷遇をよりにもよってプリキュアの名を冠する番組でやってしまうのかとうんざりしました。

・こんな精神面ではネグレクトじみた状態なのに、飼い主で主人公のイロハは全く気にも留めません。
「コムギは○○したいの? じゃあやろう!」なんて言ったことは皆無です。むしろ真逆で「またコムギが馬鹿なこと言ってる…困った子だな」みたいな冷めた反応の方が多いくらいでした。
「私の夢は世界中の動物と友達になること」だの、「あなたの声を聞かせて!」(変身バンクの口上でもある)だのとイロハは普段言ってるのに飼い犬にはこの態度なので主人公の説得力がマイナスでした。

■彼氏は特別♪
・動物と人間のお話において何より致命的だったのは後半でイロハに”彼氏ができた”ことでした。
人間の彼氏ができるだけでも「人間と動物」の話のはずが、恋愛ネタをやっている間は「人間と人間」の話になってしまい最悪でした。テーマを揺るがす大問題です。
問題はそれだけに留まらず、言うに事欠いて「コムギや友達との関係は普通の”わんだふる”で、彼氏は”特別なわんだふる”」と言ってしまったので全てが台無しになりました。
人間贔屓を公言してるのではもう「動物と人間」の物語の主人公である資格がありません。ご丁寧にシリーズ構成が久しぶりに登板してやった回がこれだったので一部スタッフの暴走として見なかったことにすることもできません。
個人的には愛情に「普通と特別」という線引をわざわざしたがることすら理解に苦しみます。もしそうなら”普通”の方は愛情や親愛ではない別の感情ではないのでしょうか?

・その後も色ボケしたイロハは目に余る言動が続きました。
ハロウィンでコムギは狼のコスプレをしてるのに、イロハは彼氏とお揃いの兎のコスプレをする。*彼氏は兎を飼っています。

コムギは町中にいるラスボスを見かけて追いかけていったが、イロハは彼氏といちゃつくのに夢中でしばらく気づかず、ようやく気づいて追いかけてコムギを発見したときの台詞が「黙っていなくなっちゃダメでしょ」。*発見時にコムギは脱水症状で苦しみ、ラスボスに水を飲ませてもらった後です。

学校の編み物教室でコムギは敵幹部のためにマフラーを編み、彼氏は敵幹部の素性に関係していそうな古文書を解読している中、イロハは彼氏へのクリスマスプレゼントにするマフラーの完成が間に合うかどうかで頭がいっぱい。

などなど、彼氏贔屓の言動は終わることを知りませんでした。

・一方のコムギへの扱いは悪化の一途でした。
実はコムギは元野良犬です。ある時、元の飼い主が偶然見つかったため返すべきかイロハは逡巡します。
…が、コムギには一切事情を説明せずに元飼い主の元に連れていったため、
(元の飼い主が見つかったら返す予定が元々あって、今その話が進んでたなんて)
「そんなの聞いてないわん?!」と飼い主同士の話にコムギが驚愕するはめになる。*コムギは犬の姿でも常時人間の言葉を話せます。

イロハが落ち込んでいるので励まそうとイロハの足にコムギが頭を擦り付けたら、「え?何? コムギ、どうしたの?」と意味わかんないことしてる扱いして、真意にしばらく気づかない。

など、なんでこれでこいつは”良い飼い主ヅラ”ができてるんだろうと神経を疑う光景が何度も繰り広げられました。

■人間が絶滅させた動物に感謝される
・29話になってから登場する、動物を怪物化させた黒幕の正体である敵幹部たちは「人間に絶滅させられた狼たちの怨霊」でした。
わんプリは絶滅というあまりにも重いネタを自分から持ち出しました。そして当然、どうにもなりませんでした。手に負えるわけがありません。だから投げました。それもあり得ない形で投げました。
「狼は別に恨んでない」
+「実はラスボスの正体はボス狼のガオウ本人ではなく狼好きの人間のスバルがボス狼に化けた姿で、他の狼の幹部たちもラスボスが本当は人間であることを知っていた。
狼たちは復讐したがってる人間のスバルに付き合って嫌々人間を襲ってるだけで本当は止めたかった
という放り投げにも程がある投げっぱなしの展開がラスト3話で明らかになりました。

・リアルタイムだと凄まじかったです。
それまで散々「私たちを絶滅させた人間と仲良くなんてなれるか!」「人間となんて友達になりたくない!」と完全拒否していた狼たちが、
「やっぱりあんたたちを憎むなんてできないや」
「実は生きてた頃に人間の友達がいて、そいつの復讐に付き合ってただけなんだよね。復讐パワーをまとって戦ってる間はすごく苦しかった。浄化されてすっきりした」
「(首領であるラスボスに対して)もうこんなこと止めよう!」
なんて言い始めました。
絶滅させられた狼の復讐だったはずが「狼大好きメンヘラ人間による狼にとっても迷惑な私怨」に成り下がってしまったので敵側の正当性も是非も何も一気に無くなりました。ゴールポストを動かすどころか、問題自体が勝手に消滅しちゃいました。自分勝手な迷惑野郎を倒せば万事解決です。
最終決戦の後でも狼に「人間に対するわだかまりが無いわけではないけど、人間の友達ができて楽しかったから総合的にはOK。ありがとう人間!」と改めて感謝させる徹底ぷりでした。

・私にはグロテクスに見えてしょうがありませんでした。
人間の都合で皆殺しにされたことが嫌じゃないわけがないでしょう!?
絶滅から150年経って無関係な子孫の人間まで皆殺しにしたいほど恨んでるかどうかは狼に聞かないとわかりませんけど、「殺されたけど気にしてないよ。人間大好き!」は無いと思います。
「あれはお互いに生き残るための戦いだったから負けた側が滅びるのは仕方がない。狼が勝っていたら滅んでいたのは人間の方だっただろう。だが今後も他の動物を滅ぼし続けるならば、その時はお前達を滅ぼすためにあの世から戻ってくる」
狼がとても温和だったとしても、これくらいが限度だと思います。無罪放免どころか人間大好き!なんて人間に都合が良すぎるイマジナリー被害者です。
まして人間側のプリキュアたちが罪悪感を一つも感じずに終わるのは異常です。動物のプリキュアが「人間が殺したの? なんでそんな酷いことを?!」みたいな反応を示すことも当然一つもありませんでした。全員口裏を合わせてるのかと思うくらいにプリキュア側は絶滅という単語を避けたまま終わってしまいました。
わんプリスタッフに絶滅なんて扱えるわけがないからどうせ投げ出すだろうとは想定済みでしたが、ここまで馬鹿げた内容が出てくるとはさすがに思ってもいませんでした。動物ネタに関する感度どころか現代人としての品性が終わってます。どこの動物ヘイト団体が作ったプロパガンダアニメですか?

■最終回にふさわしいトドメの一撃
・エピローグに至ってもスタッフの捻じ曲がった動物観は遺憾なく発揮されていました。
最終決戦後に妖精の女王がプリキュアパワーを回収していきました。そのためコムギたち動物組から人間と言葉が通じる能力や人型化する能力が失われ、1話以前のただの動物に戻ってしまいました。
問題はその後の主人公たち人間の発言です。最終回の見せ場の場面で
「(ペットたちが)しゃべれなくなって寂しい…」と言い出して耳を疑いました。
1話以前の飼い主たちは何を思ってしゃべるわけがないペットを飼ってたんですか?
こいつらは今までどの面下げて「人間と動物は気持ちを通じ合える!」とか言ってたんですか?!
今この瞬間もペットたちは飼い主の目の前で楽しそうに走り回ったりしているのに飼い主が感じることが寂しい??
イロハに至ってはこの発言の直前に、ボールを咥えて「投げて投げて!」とアピールしてたコムギに雑にボールを放り投げた後なので本当に正気を疑いました。本当に寂しいとか思ってるならまず目の前のペットと全力で遊んであげましょうよ。

・「ペットと話せないよりも話せる方が良いよね」という主張なら理解できます。はい、その方が”より良い”と思います。
動物大好きな飼い主と飼い主によく懐いているペットの関係でもペットに不可解な行動をされて「これは何がしたいんだろう?」と首を傾げながら手探りで確認していくような場面はありますからね。
病気や怪我ならもっと深刻で「動物はしゃべれないから…(どこが痛いとか言ってくれたら治療が間に合ったのに)」なんて事例はいくつもあるでしょう。
言葉が通じるかどうかで「動物への理解度を60%から80%に上げられる」みたいな話なら何も異論はありません。

・でも「話せないペットは話せるペットより価値が低い」は理解できません。
”大切なペット”はそんな関係性じゃないと思います。「あっちの動物の方が良かったな」なんて比較対象に選ぶ時点で飼い主失格ものだと思います。
最後まで「ペットは人間の従属物である。ペットをどうしようと人間の自由である」という人間至上主義の価値観が透けて見える内容に吐き気がしました。
ペットを飼うときには「ちゃんとお世話できるの?」「一度飼ったら責任持って最後まで面倒を見ないといけないんだよ?」といったフレーズはリアルでも定番ですが、わんプリでは見かけなかったことに納得が行きました。

・物語は結局、不思議パワーでコムギたちが再び話せるようになったところで幕を下ろしました。
この展開自体も個人的には正気を疑う内容でした。なんでこの展開を選んだのか不思議でなりません。
リアルの動物が人と会話することは一般常識的にはあり得ないことです。それはわんプリの世界においても変わりません。しゃべれるようになっていたことの方が奇跡で平常に戻っただけです。
わんプリのお話としても「不思議パワーでしゃべれるから動物とも友達になれる」よりも、
「不思議パワーなんて無くてもイロハとコムギは気持ちが通じ合っています。そうやって時間をかけて仲良くなっていけば他の動物とも仲良くなれるし、イロハたちと同じようにすれば他の人間も動物と仲良くなっていけるでしょう」
の方がストーリーの流れに合っていると思います。しゃべれることにこだわる意義を根本的に理解できませんでした。

・構造から考えるとラストの結末は恐らく、

 1話はコムギの「人間になりたい=しゃべれるようになりたい」という思いから始まった。
 だからラストは飼い主のイロハから「コムギとおしゃべりしたい」と言い出して終わる方が相互の関係がつながって良い。

という発想でああいう展開になったのだと思います。

1話の対になる展開で終わらせるというのは定番でそれ自体は問題ないんですけど、その過程で踏みにじることになるものを全く考慮に入れていないことが致命的でした。
さっきまで「しゃべれない犬じゃ興味が湧かない」と踏みにじっておいてに「しゃべれて嬉しい! わんだふる~」なんて言い出しても見下げたクズにしか見えません。感動のシーンにはなり得ません。
わんプリはこういう本末転倒な事例がよくありました。なんでこんなにも常識的に考えて馬鹿げたことが起きるのか、その原因と思われるものを次の項目で書いていきます。


ストーリーはテーマに忠実。
だが解釈が致命的に間違っている。

・まずはこちらの文章を見て下さい。


・これはわんプリ公式ホームページの「お家の方へ」から抜粋した文章です。これがわんプリのテーマです。
私がこれを見たのは最終回の前でしたが、メインストーリーではこの中の文言をそのまま読み上げているような場面が何度もありました。この文面を読んだおかげで「あの唐突な心にもない演説はここから来ていたのか!」と納得が行きました。

・見てない人向けにストーリーの概要を解説すると、メインストーリーは本当にこの文章のままです。

 不思議パワーでしゃべれるようになったペットと飼い主がプリキュアとなり、暴れまわる凶暴化した動物たちを”思いやって”助けて、人も動物もみんな”わんだふる”な関係になる。

よくあるお話です。内容自体には何の捻りもありません。
問題は実装したスタッフがこの文面の意味をまるで理解できていなかったことです。
肝心なところを無視してテーマを断片的にしか取り入れず、取り入れた部分ですら自分の価値観をベースに塗り替えてしまったせいで場面ごとに主要キャラの言動の多くが矛盾する意味不明な内容になってしまいました。

・代表例が主人公のイロハです。
 大事なのは相手のことを知ろうと努力すること。
 (スタッフによる翻訳)→フレンディの決め台詞「あなたの声を聞かせて!

ここまではマシな実装だったのですが、その先が壊滅的でした。スタッフは動物に興味がないし尊重する気も無いので矛盾した行動を平気で取ります。

■例その1:動物知識の無さ。
・主人公のイロハは獣医の家に生まれ、「世界中の動物と友達になることが夢」の動物好きです。
ですが動物に関する知識は全然ありません。

 (動物が凶暴化した怪物を見て) イロハ「あれは何の動物だろう?」
→イケメン「あの形、あの行動。あれは○○(動物名)が怪物化したものだ!」。

 (山に大きな怪物が出たという噂を聞いて) イロハ「クジラの怪物かな?」 

 何年も犬を飼っているはずなのに、真夏の日中に犬の散歩をして熱さで衰弱させる。
(その回でラストでようやく「日の出前に散歩をすればいい」と思いつく)

他にも「人間が絶滅させた動物が存在するという歴史上の事実すら知らない」などなど、説得力を失う言動がいくつもありました。その上、不勉強を実感した後でさえ、知ろうとする姿勢すら最後まで一つも見せませんでした。

・スタッフはいったい何を考えて、獣医の家に生まれた動物好きの主人公を無知にしてイケメンに動物知識を披露させようと思ったんでしょうね?
主人公とイケメン、どちらに説得力を持たせるべきか。迷うことはないと思うのですが、わんプリではなぜかこうなりました。
主人公とイケメン両方を動物好きにするにしても、「イケメンは本を読んでて知識は豊富だが実際に動物と触れ合った経験は少ない。主人公は本は読まないけど実際に動物と触れ合った経験と直感に優れる」みたいに得意不得意を分業する手もあったでしょうに、なぜか全面的におんぶに抱っこにしてしまいました。
散歩の件も同様に他の解決策がありました。最序盤に「最近子犬を飼い始めた少女」というゲストがいました。このゲスト回以降にも再び登場しています。無知シチュエーションをやりたいならこういう子に失敗させて主人公が教えれば済んだ話です。家が獣医だからその手のトラブル話の導入は何の支障もなくできます。
動物や主人公を軸にして考えていれば「これはおかしいから変えよう」となって当たり前の状況でもスタッフは何も気になかったようです。


■例その2:デリカシーゼロ
(敵幹部の初登場回で)
敵「私たちは人間に絶滅させられた狼です。人間が許せないので復讐します」
イロハ「そんなの知らなかった…」→(落ち込んで次の回で立ち直った直後に再び直面した敵に対して)「(知らないから)教えて!

…余りにもアホでデリカシーの無い発言に呆れ果てました。
自分で狼や人間が絶滅させた動物に関する本を読むことも、自分なりに何ができるか考えることも何もせずに、唯一やったことが「被害者に直接聞く」でした。
人間に絶滅させられたんですよ? それを教えてって言うことはつまり

「私は人間が狼を絶滅させたなんて知りませんでした。私が知りたいのであなたたちがどうやって殺されたのか教えてください。どんなふうに殺されましたか? 痛かったですか? 仲間が目の前で殺されるのはどんな気分でしたか? 私に説明するために当時の状況をよく思い出してください」

って言ってるってことですよ? スタッフはセカンドレイプって言葉を知らないんですか???
当人でないと知り得ない事を聞くなら避けて通れない道だからまだ理解できますが、イロハの場合は頭の中で想像することすらしていません。
歴史も学ばない。想像もしない。とりあえず被害者に聞く。これのどこが”思いやり”なのでしょうか? もはや馬鹿を通り越して加害行為です。動物好き失格以前に人としてダメです。迷惑になるので誰かを救おうと考えてはいけない人物です。

・この回のすぐ後に彼氏ができて彼氏最高♪になるので余計に酷いです。この後も絶滅や狼についての歴史を学んだり考えたりすることは無いまま15話以上が経過しました。
最終決戦においては「そんなに怒ってたら疲れちゃうよ」と見下したようにすら見える態度で殺そうとしてくる狼に接していました。この期に及んで、誰が怒らせてどうして自分たち人間が襲われてると思ってるんでしょうね、こいつは…
イロハのこのふざけた態度が、作品側からは正解として肯定されるんだからたまりません。

■肝心な部分が抜けている
・「思いやり」をデリカシーゼロで自分の考えを押し付けることだと曲解しただけでもヤバいのですが、それ以外はもっとヤバかったです。

 大事なのは、相手のことを知ろうとする努力すること。
 その先に、相手の幸せを願う「思いやり」が生まれるのだと思います。
 そして何より大事なのは、気持ちを押し付けず、理解し合うことです。

って書いてあるのに、「気持ちを押し付けず、理解し合うこと」がまるで真逆でした。人間の都合と思想を押し付けまくりです。「何より大事なのは」ってわざわざ書いてあるのになんで読めてないんですか!

スタッフは、文章の下の方にある

 「ペットとのおしゃべり」という交流の物語を通して、お子様に「相手を思いやる気持ちの大切さ」を感じていただければ

という部分だけを雑に読んでそこから上を読んでなかったんじゃないかと思うくらいに理解し難いストーリーでした。書いてあることすら実装できないなんてレベルが低過ぎます。
この文面がいつ完成されたのかは部外者の私にはわかりませんが、少なくとも公式ホームページに載ってからは誰でも見ることができたはずです。それなら文面に合わせて終盤を軌道修正する余地があったはずなんですけどね…


テーマ以外の内容は特に無い

■まさか恋愛すら無意味とは…
・動物関連は壊滅的でしたが、動物要素がどうにもならないことは放送開始前から悪い予想には入ってました。
シリーズ構成の成田良美さんは以前手掛けた『ハピネスチャージプリキュア』でもモチーフのアイドル要素や職業要素、「世界のプリキュア」、集めると願いが叶うプリカードといった要素をガン無視して恋愛ネタだけをやり続けた前科があります。
放送開始前にテーマが動物で犬がプリキュアになると聞いた時点で
「人間以外に興味がない成田さんが動物ネタを真面目にやれるのか?」と疑問に思いました。実際は見事に危惧していた通りになってしまいました。だから内容がクソだなとは思っても予想の範疇でショックではありませんでした。

・私にとってはそれ以上にゴリ押しした恋愛要素すら何にもならなかったことの方が衝撃的でした。
わざわざ物語の流れに逆行する人間同士の恋愛ネタまで入れたのに、メインストーリー上でも、それ以外のことにも特に影響がありませんでした。
あんなに何話もかけた恋愛ネタを丸ごと無くしてもお話のどこにも影響が出る気がしません。

動物ネタは大事故。
メインストーリーは実質10話もなくて極薄。
キャラクターはお話の都合で動く駒でしかない。
本編がこんな無気力状態でスタッフが無理やり入れたことすらこの有様とは信じがたい出来事でした。
我の強い成田さんを起用してこの有様というのは相当ヤバいと思いました。いったいどうすればプリキュアシリーズのやりたいことの無さを解消できるのでしょうか。


良かったところ

■本編関係ない動物
・1クール目の第一印象の記事で
「コムギと兎の大福が特に意味もなく駆け回って遊んでいる姿が見ていて一番楽しかった」と書きましたが、終わってみてもそういう場面がわんプリで一番楽しいシーンでした。

・飼い主が混ざると人間の独善性が強く出るので動物同士の無意味な戯れだけが気を抜いて見られる安らぎでした。
当初はお話はコケても「動物は可愛かった」と思えれば動物ものとして最低限のテーマは果たせるだろう、なんて考えてたんですがそうはなりませんでした…

・面白さの第一印象が「しゃべれない動物>しゃべれる動物>人型化した動物」になった時点で見切りをつけるのが正解だったようです。まさかここまでしゃべらない動物が積極的に貶められるとは想定していませんでした。
これならトロプリのクルルンなど可愛いだけで役割のないマスコットキャラや初代プリキュアの飼い犬などちょっとしたエピソードのある動物の方が遥かに扱いが良かったです。


捕獲バトル=バトル引くバトル

・本編と関わり合いが薄いので最後になりましたが、わんプリ独自要素である捕獲バトルについて書いてレビュー部分は終わりにします。

・わんプリでは”暴力禁止”なので殴り合いはしません。
理性なく暴れる凶暴化した動物に対して、プリキュアはシールドや回避でひたすら耐え、抱きつくか必殺技で敵を浄化して戦いを終わらせます。

・これが面白かったかというと普通にダメでした。
独自の面白みもなく、防戦一方になって退屈など始まる前から見えてる落とし穴を避けることすらできず、ただ単に「従来のバトルからプリキュア側の攻勢を抜いたもの」にしかなりませんでした。
面白みを足せずに引き算しただけなので当然退屈でした。
戦闘中は「攻撃できないからひたすら耐える。プリキュアがやられても、倒れたままじゃ話が進まないから立ち上がって状況は変化なし。→そのうちに作戦かゴリ押しから浄化必殺技を当てて終了」という、とてもつまらない上にプリキュアシリーズでも見覚えのあるダメなパターンばかりでした。
「捕獲バトルならではの面白さ」と呼べるものは本当に一つもありませんでした。攻撃できないせいで演出のバリエーションが減ってる分だけマイナスです。
たとえば従来なら、ミサイルを発射して来る敵がいたら「氷のアイテムで凍らせてミサイルを発射できなくする」「何かそこら辺にある物を発射口に詰めて塞ぐ」「ミサイルを打ち返して倒す」「撹乱してる間に他のメンバーが攻撃する」などなどプリキュアの能力や性格によって様々な解法がありましたが、わんプリではどんな相手だろうが「耐えてから必殺技をどうにか当てる」と「シールドで挟んだりネットで動きを止めてから必殺技を当てる」以外にほぼありませんでした。

■変えたのに変わってない流れ
・お話の流れも変わっていませんでした。
 前半はゲストやエピソードのメイン要素をプリキュアメンバーで進める→後半で突然怪人が現れる→変身&バトル→ラストにオチをつけて終わり。
というプリキュアでは見慣れた流れのまま何一つ変わっていません。「バトルは止めます!」と言っておきながら実際にはバトルに相当するパートが無くなっていません。これでは何も変わるはずがありません。だから新しい試みとは呼べません。ただの置き換えです。

■攻撃できないなら勝手に死んでもらえばいい!
・耐久のみの不毛なバトルの中でもラスボスは悪い意味で壮絶でした。
ラスボスらしく巨大化して街を襲い、プリキュア側のシールドはすぐに破られて防御もままならないラスボスを攻撃せずにどう止めるのか…
その答えは…「ラスボスがメンヘラって自殺しようとする」でした。プリキュアが攻撃できないなら勝手に自殺してもらえばいいんです! 画期的ですね。

…信じがたいことですが事実です。
ラスボスは狼大好き人間なので邪魔するプリキュアを倒そうと攻撃し、キュアワンダフルこと犬のコムギにクリーンヒットさせ、変身解除して地面に力なく転がっていく犬の姿を目にしたら「狼大好きなのにわんちゃん殺しちゃった! うわーん、もう嫌だ。死のう」とプリキュアそっちのけで自分で自分を攻撃し始めました。

・台詞の意訳以外は起きた出来事そのままなので、ただ呆れるしかありませんでした。
ラスボスはメンヘラだったので戦闘中に発作を起こしても不思議はないんですけど、これだと当然プリキュアの立場もありません。
最後は自殺しようとしてるラスボスを引き止めて浄化しただけでラスボスのパワー自体には手も足もでないまま終わってしまいました。もしもラスボスがメンヘラじゃなかったらわんプリ世界の人間は滅んでいたかもしれません。
「ラスボスの心を救う」という行為もプリキュアシリーズではよくあることなので本当に何にもなりませんでした。ラスボス戦はある意味では捕獲バトルの独自性が発揮された唯一の場面でしたが、こんなマイナスの形でしか発揮できないなら捕獲バトルは二度と見たくありません。

■非暴力=優しい、とは限らないと思う
・捕獲バトルに関しても私は最後まで価値観に馴染めませんでした。
「助けるときに攻撃してはいけない」という思想に疑問を感じたからです。
獣医や保護区レンジャーのドキュメンタリーだと「暴れる動物を動けないように拘束してから治療をする」ことや最初に麻酔を使うことは珍しくないと思います。
暴れれば医者にとって危険ですし、傷口も開いたり出血したりで動物にとってもマイナスですからね。わんプリの場合はそういう必要な処置も否定しているところが納得行きませんでした。
噛まれそうになったときに動物の口の中にシールドを張ったりするのは良くて、手で身体を抑え込むのは禁止だなんておかしいと思います。どっちの方が動物に負担がかかると思っているのでしょう。

・せめて捕獲ネットとか使えばいいのに…と思っていたら追加戦士の猫組が普通に持ってました。猫組の加入以降は如何にしてネットに追い込むかが必殺技までの基本過程になりました。
「…それが有りなら最初からやれよ!」と思わずにはいられませんでした。
スタッフの動物に対する浅はかな考えがバトルにまで悪影響を与えていてうんざりしました。捕獲ネットなんて出し惜しみするようなネタじゃないと思います。


全体感想

反吐が出る

■動物をテーマにしたことがマイナスに働いている
・私は動物が好きな方だと自分では思っています。好きだけど環境やお金の都合で今は飼っても幸せにできそうもないので何も飼ってはいません。

・そんな身としてはわんプリの思想はうんざりしました。
人間至上主義が鼻につき、どの口で動物を語っているのかと憤りを感じることが多かったです。フィクションで済むヒーロー要素ならともかく、リアルの動物に悪影響が出る可能性のあることは看過できません。
わんプリでは「動物を飼ってる私」みたいな飼い主の話がメインで動物は飼い主の持ち物扱いのお話ばかりでした。これじゃ架空の生き物、たとえば妖精を動物のポジションに据えても大差ないと思います。ペットにした意義がないどころか放置すればネグレクトとして非道徳行為になる分だけマイナスだと思います。

■自業自得
・絶滅ネタは論外も論外です。
動物愛護的にも道徳的に論外なのは言うまでもありませんが、わんプリのお話にとっても話にならない内容でした。
あれじゃ「でも人間は狼を絶滅させたぞ」が万能カウンターになって、大半のお話が崩壊してしまいます。
「動物も人間もみんな仲良しわんだふる!」(でも人間は狼を絶滅させたぞ)
「私とコムギは通じ合えた!」(イロハは通じあえても他の人間はコムギも殺すぞ)
「狼は人間を恨んでないよ」(一方、人間は狼を憎んで絶滅させたぞ)
「この世界には私とマユだけが生きてるわけじゃない」(人間も狼も生きていたけど、人間は狼を絶滅させたぞ)

もう何を言ってもだいたいは絶滅で返せちゃいます。まともな反論もできません。不謹慎とか軽々しく扱っていいネタじゃないとか以前に自分で自分の首を絞めていてアホ過ぎます。

・「特別なわんだふる」も同様にかなり幅が広いです。
登場が早く、最後まで取り扱う可能性のあった絶滅と違って単独で完結していたせいで普通に見てる間でもコムギや動物との絆の話になる度に「でも特別なわんだふるではないんだよな…」と思わずにはいられない場面が何度もありました。

■それでフォローしてるつもりなのか?
・人として一番スタッフの正気を疑ったのは最後にわざわざやったアニマルタウン創設の話でした。
「この街はスバルの日記を読んで動物と人の絆に胸を打たれた人たちが作ったんだ」ってツッコミどころが多すぎます。

・まず狼絶滅事件が起きたのって150年前の出来事なんですよ。
150年前より前には動物と仲良くする人間がろくにいなかったと思ってるんでしょうか? 歴史改ざんにも程があります。猫のミイラや壁画や絵画など動物と人間の関わりを示す物証は古代からいくつもあります。動物を大切にする人は歴史上何人もいても、その上で絶滅も起きてるんですよ。

・更に問題なのが荒廃した遠吠え神社です。
なんでそんな経緯で作られた街で多く見積もっても150年の間に正しい歴史が途絶し、絶滅させた狼を祀った神社も荒廃してるんですか?! 動物好きだの特別言わない普通の街でも鎮魂祭とか慰霊祭とか定期的にやってる地域ありますよね? アニマルタウンとか言っておいてそれ以下なんですけど?!

・突拍子もなくこの設定を説明した流れからするとスタッフは絶滅問題について人間側をフォローしてるつもりみたいだったんですけど、むしろ「この世界の人間はクソ!」と訴える内容になっていて筋の通りきった馬鹿さに呆れ果てました。
スタッフは自分が逆効果のことを言ってることすら理解できていません。本当に馬鹿ですね…

■殴っていい相手なんているわけないだろ!
・いなくてもいい脇役、という点を除けばメインストーリー以上に明らかに異常なのがメエメエいじめでした。
序盤の時点で問題視していましたが最後まで改善されませんでした。最序盤の無視どころか、顔面を蹴るなどイジメがエスカレートしていきドン引きでした。
糞としか言いようがありません。道徳を説きながら「こいつはイジメていいやつです」なんてよく言えたものです。
「動物を傷つけることは保護の過程でも禁止ですが、メエメエは特に理由もなく暴力を振るって構いません」なんてどんなトチ狂い方をしたら言えるのでしょう。
いつの間にか友達になっていたはずの大福までメエメエに暴力を振るっていて最後まで正気を疑う光景が続きました。
メエメエいじめが許されて悟くんにうざ絡みしてたマユが無傷で済んでるってどういう倫理観何でしょうね?


キャラの印象

■犬飼イロハ / キュアフレンディ:テーマと実際のストーリーの境目から生まれたキメラ。
・始まりと終わりで印象が変わりまくったキャラでした。
序盤は”良い子”という以上の印象がない没個性的な優等生キャラだと思っていました。
目立ち方もコムギの方が上で、最序盤は「コムギの飼い主」で、コムギも空気化した猫組主役の2クール目では「悟くんの好きな相手」と、どんどん影が薄くなっていく一方でした。

・ところが、本編が始まった29話以降の追い上げが凄まじかったです。
デリカシーゼロの自己中で彼氏ができたらペットを見捨て、メインストーリーでは薄っぺらい心にもない綺麗事を吐き続ける、嫌われるために作ったキャラかと思うようなクソっぷりに圧倒されました。

「あなたの声を聞かせて!(最初から聞く気はない)」
「特別なわんだふる」
「しゃべれなくて寂しい」
と、それ言ったら終わりじゃんと思うような逆名言を連発してすごい打率でした。
最初の印象だと1話で変身したしコムギの方が主人公なのかな?という印象でしたが、今なら胸を張ってわんプリの主人公はイロハだと断言できます。ここまで作品を体現できてるキャラはなかなかいないと思います。
できれば作品のグダグダ制作事情ではなく、テーマを正しく体現するキャラであってほしかったんですけどね…

■犬飼コムギ / キュアワンダフル:話の都合でしか知能が上がらない馬鹿犬。
・コムギは…ダメでした。
「ピンクプリキュアのうち、一番空気だったのは誰か」という問いの答えは未来永劫コムギのものでもおかしくないと思います。
最初は「ペットで、プリキュアでもあり、赤ちゃんポジションでもあり、メイン視聴者である子供の共感対象でもあるってそんなに1人にキャラに詰め込んでキャラ崩壊しないのか?」と設定の過積載を心配していましたが、実態は単体でのキャラクター性がなく、ノルマで必要な役割を詰め込まれた空っぽの器でした。
最後まで「主人公の飼い犬」であり、馬鹿犬扱いのままでした。「馬鹿でもその明るさが誰かを救うんだ!」みたいな話もなく、本当に知能が低いだけだったので何の救いもありません。

・イロハが色ボケになってからはイロハに付きまとうだけで周りからも邪魔する馬鹿犬扱いされていて不憫でした。飼い主も稀代のサイコパスですし…
イロハでさえ作中では肯定されまくっているのに、コムギは全然肯定されないままでした。

・学校の勉強についていけないネタすら奪われ、勉強ができなくても洗脳パワーで何の問題もなく日々を過ごしてしまいました。「馬鹿でいいんだよ」は何の救いにもなりません。失敗する機会すら奪われているだけです。
そしてコムギは「できないままじゃ私が嫌なんだよ!」と反抗する牙さえ奪われていました。犬が飼い主に逆らうなんてわんプリでは許されません。

・よく「作者に愛されたキャラ」なんて言い回しがありますが、コムギは愛されなかったキャラとしか言いようがないと思います。
本当にコムギには何もないので私も「可哀想だった」としか言うことがありません。
コムギはあの世界では飼い犬としてしか存在できないし、寿命もイロハの方が長いはずなので月日が経っても自由になることも無いのでしょう。未来への漠然とした希望すらコムギにはありません。主人公のパートナーのはずが「飼い殺し」という言葉がぴったりの結末になってしまいました。

■猫屋敷マユ / キュアリリアン:結末から結末に飛躍しまくり。
・マユも終わってみればそこそこ悲惨でした。2クール目前後では主役と言っていい優遇っぷりだったのに幹部登場以降は嘘のように空気でした。

・空気化した後の出番はなぜかイロハ絡みの恋愛ネタで悟くんにうざ絡みするクズになっていて引きました。
普通に人としてダメだと思います。内気な陰キャからウザ絡みするクズになるくらいなら陰キャのままの方が良かったです。
悟くんがキレて面と向かってマユを拒絶してくれないかなと思っていましたが何も起きませんでした。メエメエいじめといい、スタッフの価値観が腐ってます。

・恋愛妖怪はノイズとして排除してマユ主役の個人回に絞っても、話が飛びまくっていました。
8話で学校に初登校したときには人気者のイロハに対して「イロハちゃんも光の側の人間なんだね…」みたいな断絶感を感じていた様子だったのに、次の回からは何事もなかったように仲良くなっていきました。

・その後は過去のトラウマが中心になりましたが、引っ越して来る前のことと言うから中学校時代のことだと思っていたら変身時には小学校時代のトラウマが生えてきて混乱させられ、それが終わったら今度は中学校時代のトラウマが改めて持ち出されてまたも戸惑いました。なんで小学校を挟む必要があったんでしょう?

・過去のトラウマは決着がついた後には、原因である過集中の問題はどうするのか疑問に思っていました。
気質の問題だしプラスの面もあって悪いこととは言い切れないと思うのでまとめやすい方だと思うんだけどなぁ。と思っていたら例によって何も解決しないまま終わりました。例によって勝手に問題の方が消えました。
最後の個人回は得意な編み物をクラスメイトに教えることで、過集中があるマユには「集中しないと編み物ができない。集中すると人に教えられない」相反する課題があったはずです。それが何の問題もなく、編み物しながら人に教えられるようになっていました。いったいいつの間に克服できたんでしょうね?
挙句の果てにザクロ相手に「私の夢は人と人をつなぐこと」なんて大望を語りだして、本当にいつの間にそんなことを考えていたんでしょう? 私は話についていけませんでした。
「いや、この物語は『動物との絆』がテーマなので人と人を結ばれても困るんですが…」なんてツッコミどころが小さく見えるわけのわからなさでした。

・終わってみれば結果だけをつないだだけで過程がまるで描かれないキャラでした。「ドラマ」ってものは過程にこそ有るものなんですけどね…
たまにしか出てこない脇役ならこれくらい話が飛んでも仕方ありませんがレギュラーキャラでこれでは困ります。

・対人トラウマ持ちで手先が器用なクリエイター気質の陰キャという要素自体は問題なかったと思うのですが、いろんなことを放り投げってしまったのでどうにもなりませんでした。人間枠なら主役のイロハに次ぐメインキャラだったはずなんですけどね、悟くんの次どころか後半はメインキャラの枠に含まれていた気がしません。

■猫屋敷ユキ / キュアニャミー:牙を抜かれた獣。
・ユキも飼い主のマユ同様に2クール目だけの天下でした。
2クール目の活躍は目覚ましかったです。間違いなく真の主役でした。
主人公たちと違い、飼い主の安全確保のためなら力づくで敵を排除するバイオレンス有りのスタイルで、綺麗事を言っていても敵を止め損なって街を危険に晒している主人公たちに一理有る正論をぶつけてくれました。
さてさて主人公たちはユキにどう反論するのかなと楽しみにしていたら結末は最低でした。ユキが突然日和りました。それも突然「マユがいなくなったら耐えられない!」と今までの主張と全く関係ない個人的な理由で日和りました。
提唱者のユキが黙ったので主人公たちが考えるべき、敵への適切な対処法も考える必要がなくなり、この話題はそれっきりたち消えになりました。
これにはがっかりしました。1クール以上も引っ張っておいて問題自体を放り投げてお終いって…
しかもその後に至っては「殴られた側も痛いとか思うなんて考えたこともなかった…」とかアホなことを言い出してユキは更に株を落としました。どの面下げて今まで正論ぶっていたのやら。ユキの正当性までわからなくなってしまう最悪の結末でした。

・登場人物としてはユキはここで死んだと思います。
それ以降は空気でした。人気があるから出番は有るものの、キャラクターとして求められる機会はほとんどありませんでした。出番はあってもマユのおまけでした。
敵幹部と絡むことも少なく、エピローグですら出番は大福と同レベルでした。一度は主役を取った者がここまで落ちぶれるとは落差が激しいです。

・飼われた後もマユ以外には人間不信な点を活かして敵側に部分的にシンパシーを感じたり、「あいつらの言うこともわからなくはない」みたい他のメンバーに敵の価値観を伝えたりやれることはいくつもあったと思います。
加入時の話の続きなら「マユが精神的に成長すると共に自分から離れていくように感じ、その事に対するユキの心情や葛藤を描く」などこの方面でもやれる話はあったと思います。
コムギほどではありませんけど、露骨に放置されてるように感じる部分が少なくありませんでした。

■悟くん:theイケメン。
・基本的には「イケメンキャラ」で説明がつくポジションでした。真面目な好青年で主人公に好意を持っていて勇気があって顔も良い。
特異なところは作中で主人公の正式な彼氏になったこととプリキュアに変身したことくらいです。それ自体は珍しいことなんですけどその事実以上にはストーリーが無かったのでそこはさして重要ではないと思います。

・いや~、なんでこんなに悟くんがこんな扱いで終わったのか今でも不思議です。
優遇されていたことは間違いないんですが、終わってみても「悟くんって必要なキャラだったかな?」という疑問は変わりませんでした。
好青年で有能だったので私にとっては好感度は高い方だったんですけど、悟くんがいなくてもストーリーに支障が出る気がしません。作劇的にはイロハの動物知識の出番を奪っていてむしろ邪魔な存在だったと思います。

・そんな立ち位置なのに目立っていて明らかに優遇されていた。それなのにメインストーリーにはほとんど関わらなかったことはわんプリ最大の謎だと思います。
本編と関係ない恋愛話に何話もかけ、その後も主人公の色ボケ描写でヘイトを溜めてまでやったことが何の価値も無いってなんでわざわざそんなことをしたんでしょう?
彼氏とか言い出したときは、成田さんだから「動物なんてどうでもいい! そんなことよりイケメンとの恋愛最高!」ってやりだす流れかと身構えていたら特に何も無くて拍子抜けでした。
内容のスカスカ具合を見る限り、必要なことしかやらせてもらえない制約の多い現場だったようには見えないんですけどね。なんでこんな中途半端だったのか不思議でしょうがありません

■ニコ様:期待外れ。
・当初は期待したんですけどダメでした。
始めのうちは戦える女王キャラらしく「人間なんて信用できない。試してダメそうならプリキュアから力を回収して私が戦う!」という勇ましさや高潔さがあって好感を持っていましたが、早々にプリキュアのシンパとなり、ヨイショ要員に成り下がってしまいました。
終盤ではガオウの正体に全く気づいていなかったりスバルに力を奪われて世界の危機の引き金になったり、戦犯地味た行動が目立って更に株が下がりました。
「ニコ様の不思議な卵」とかいうジオラマ商品やコスプレ用のカチューシャがあったみたいなんですがあれで売れたんでしょうか…? 私にはアイテムのチョイスすらよくわかりません。卵の家って何です?


■ワーストプリキュア更新か?
・お話自体は平凡でスタッフの思想に反吐が出るだけなのでワーストとまではまだ言い難いです。
ただ、リアルの動物関連で実際の被害が出たらワースト確定です。現状ワーストのまほプリは「力のある者は世界を好き勝手にしていい」という有害思想が問題でしたが、魔法という実在しない性質上、実際に加害行為を誘発するまでは至っていません。
わんプリはそこの危険性が高いと思います。わんプリを見て「うちのペットとしゃべれない。しゃべれないのはペットが私のことを好きじゃないからだ! こんなペットもう要らない!」なんて癇癪を起こす子供が1人でも出たら実害が生じ、放送するべきではなかった作品になってしまいます。

■ハピネスチャージの再演
・振り返ってみればハピネスチャージと全体の流れが似たりよったりだったなと思いました。
序盤は目立っていたキャラ(ヒメ/ユキ)が後半は空気になり、
引っ張っていた要素(絶滅/主人公のお母さんの病気や叶えたい願い)は雑に放り投げられ、
最後はポッと出のメンヘラがラスボスになる。
あとはメインストーリーも恋愛中心だったならまさにハピネスチャージだったと思います。

・個人的には成田さんがそんなにハピネスチャージに思い入れがあるとは思っていませんでした。
プリキュア5の方がいかにも成田さんって感じがして、手を抜くにしても手癖で書きやすそうなのはプリキュア5みたいなのだと思っていました。
その点では意外な発見というかサンプルが入手できました。
いろんな意味で思ってもない方向に転がっていった作品でした。




コメント

18 件のコメント :

  1. マルゲリータ2025年2月8日 23:39

    お疲れ様です、総合感想、待ってました。

    予想していましたが、今回も長くなりましたね。「何もなかった」ということを、表現することには、労力が要りますね。私のコメントも、そんな感じです。

    いろはと悟くんの恋愛要素は、コムギの闇落ちみたいなきっかけだと思っていたのですが、違いましたね。ずっと、一緒に居られるわけじゃない、デートだったり、結婚だったり、寿命(犬の方が、とても短い)、様々な要因があります、そのことを改めて実感させるための、イベントだったのかなと、最初は思っていました。

    最終回も、あんなに酷い物になるとは思いませんでした。不安や悩みを受け入れて、コムギとユキが、元の動物に戻るor特殊な動物になったため、ニコガーデンで暮らし、いろは達と離れるけど、色々あって偶に会えるようになる、みたいな内容を期待していました。まさか、最後にわんだふるで、元通りになるなんて…

    コムギは、無償の愛を送っているのに、いろはの態度を見ると本当に可哀想に思います。犬には、狼にはない、人間に忠義を果たす遺伝子があるそうです。何をされても、主人に仕え続ける、正に犬の悲劇を描いたキャラではないでしょうか。

    >捕獲バトル=バトル引くバトル

    こちらも酷かったですよね。動物の能力も、基本足ばかりで、すぐネタ切れしちゃって、ペンギン・氷結能力と、属性で行くのかと思いきや、パンダ・催眠術、キツネ・変化、ハムスター・縮小化、と訳が分からなくなっていきました。

    個人的に、敵が「二ホンオオカミ」であった必然性が、特になかったと思います。「仲間思い」「絶滅した動物の中でも、メジャー」「人間に害を与える」という動物は、他にもいると思います。コムギとの遠吠えがやりたかったのかもしれませんが。絶滅した動物を、プリキュアで上手く扱えるわけがないと、最初から分かっていましたが、ここまで「何もしない」とは、思いませんでした。

    ガオウも、目的が不明だったので、終盤の二転三転する展開に、付いて行けませんでした。

    「狼を絶滅させた人間が憎い、復讐するぞ!」→「ガオウを蘇らせるぞ!」→「何度も言われてたように、ガオウを生き返らせることが出来なかった!本当に憎いのは、自分、色んな動物に迷惑かけた、自分なんか消えてしまえ!!」
    →「ガオウも、動物代表(自称)のプリキュアも許してくれたから、良かった。人間には、いい奴もいる。成仏…」
    もう、スバルが「それでいい」なら、「それでいい」というしか…

    凄く虚無な作品でした。近年の、序盤だけは面白いプリキュアシリーズでは珍しく、最初から虚無でしたね。結局序盤の懸念をそのまま、最後まで持ってきました(いつものことですが)
    丁寧に描いているように見えて、ひたすら薄く広く、引き伸ばしていただけでした。

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    1. マルゲリータさん、こんにちは。
      事実ベースで書くと前後関係まで書く必要があるのでどうしても長くなってしまいました。
      「ペットをもっと大切にしたいと思えてくる良い作品でした」で済むような内容だったら楽だったんでしょうけどね…

      >ずっと、一緒に居られるわけじゃない、デートだったり、結婚だったり、寿命(犬の方が、とても短い)、様々な要因があります、そのことを改めて実感させるための、イベントだったのかなと、最初は思っていました。

      私も最序盤のロッド入手や学校周りの口論があったときには最終的にはそういう困難を受け入れるなり克服するなりするのかなと思っていました。
      でも何にもありませんでしたね。
      イロハが色ボケ化した辺りでは「コムギが闇堕ちでもしないとこの展開の意義がないと思うけど何もないんだろうな…」と私は諦めていました。実際コムギ関係どころか本当に何も意味がなかったので正解でした。
      絶滅もそうですけど、煽るだけ煽っての”期待外れ”が多いところは普通にダメだと思います。

      >何をされても、主人に仕え続ける、正に犬の悲劇を描いたキャラではないでしょうか。

      バッドエンドならこれでいいんですけど、スタッフ的にはグッドエンド扱いらしいのが困ったものです。客観的にはコムギは1話よりも状況が悪くなった気がしてなりません。

      >個人的に、敵が「二ホンオオカミ」であった必然性が、特になかったと思います。

      私も特に感じませんでした。
      スタッフが安易に選んだか、センセーショナルさだけを追求して意義を考えてないかという印象です。
      むごさならリョコウバトやドードーなどもっと上のがいますし、実際のわんプリの内容に分相応にしたいなら「捨てられたペットの恨み」くらいが妥当だったと思います。(まぁ捨てられたペットでも「捨てられたけど人間大好き!」で終わるならグロさや雑さはあまり変わらないと思いますが)。

      >もう、スバルが「それでいい」なら、「それでいい」というしか…

      スバルは言動に論理性が見られなくて意味不明でしたね。ガオウを生き返らせることが目的なら街を襲ったり、ガオガオガーンをけしかけたりする必要が無いと思います。ニコ様を倒して力を奪えれば、鏡石の確保なんて何の支障もないでしょう。
      後付けで変えたからめちゃくちゃになってるのかと疑いたくなる意味不明さでした。

      >近年の、序盤だけは面白いプリキュアシリーズでは珍しく、最初から虚無でしたね。

      主人公たちが最初から話の中心に無いことと主張の薄っぺらさが強いせいで最初から内容の無さが透けて見えるところはあったと思います。
      よくある動物の良さを打ち出すだけで成立するテーマのはずなのに、よくここまでぐちゃぐちゃにできたものです。

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  2. 元々は話せなくても仲良くやっていた動物たちが、話せるようになって人間の姿で一緒に過ごすというのもそれはそれでかけがえのない体験で、その二度とやり直すことのない思い出に一抹の寂しさを覚える…までならそんなにおかしいとは思わないのですが、また話せるようになったから良かったねだと、なんだか話せない状態がマイナスみたいですよね。
    現実の動物を飼っている人たちは「具合悪い時には話せたら素早い治療ができるのに」くらいなら考えても、不幸だなんて考えてないのに。
    最後に一瞬だけ話して「何言ってるのいろは!話せなくても"声"は聞こえるよ!こむぎをちゃんと見て!」と喝を入れて元に戻るとかにしてほしかったです。

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    1. 不可解な価値観が多いお話でしたよね。
      動物と向き合うどころか真逆に人間の考えを押し付けてばかりでした。
      コムギなんて途中で闇堕ちしてもおかしくなかったと思います。

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  3. 感想お疲れさまでした。
    個人的にわんぷりというのは、プリキュアの歴史に染まらず、EDの歌詞よろしくオンリーワンな作品を目指していたんじゃないかと思います。

    前作のひろプリでプリキュアシリーズとして1つの区切りを付けて、わんぷりからまた新しいプリキュアシリーズを紡ぐ。

    (仮面ライダーで表すなら、ジオウ→ゼロワンみたいな系列ですね。余談も余談ですが「わん」繋がり…)

    ただやってることはブランドの革新でなく、単なるお約束の破壊だけだった。きっとキミプリでは上記の要素を引き継くことはないでしょう…残念ながら。つまらなかったしね。

    褒めるポイントを揚げるなら、ひろプリよりも上昇した販売成績(およそ72億)ぐらいかな?
    スポンサーが付いてる以上、一番大切なビジネス面を死守したのはプリキュアらしいですね(´∀`*)

    キミプリでも最悪物語が破綻・離散しても、ここは重視してほしいですね。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >前作のひろプリでプリキュアシリーズとして1つの区切りを付けて、わんぷりからまた新しいプリキュアシリーズを紡ぐ。

      私はそんな意欲的な作品だとは思いませんでした。特徴の動物も捕獲バトルも工夫の一つも感じられない内容でした。
      仮にそんなこと思っていたとしたらプロデューサーなど一部の直接製作に関わらないスタッフではないかと思います。

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  4. 感想お疲れ様です。
    個人的には起承転結の起だけは良かったけど…っていう作品に感じました。 
    犬でありながら犬である事にある種のコンプレックスを抱えたこむぎ。こむぎの事が大好きだけどペットとして見れていないいろは。
    こむぎが人間になった時の2人のコミュニケーションの差が徐々に拡大していき、種族の違いをどう尊重し合えるのかという視点やそれを踏まえる展開がやっぱり欲しかったですね。
    ガオウ関連は正直残念でした。
    人間が無意識に持っている動物に対する「優位性」それを視聴者に問いかけられるキャラクターに出来たら良かったがそれすら出来なかったのは残念でした。
    上記を踏まえると悟くんとの恋愛関係自体はある種必要だったと思います。
    こむぎ視点から見ていろはとの関係性で互いに1番だと思っていた事がそうでは無かった事を突き付けられこむぎは自身がペットとしてしか見られていないという証拠になり得る動機付けなら結構優秀だったけど、そんな事もなくただのイベントの1つになってしまった印象でした。
    出典は不明瞭なのですが「プリキュアシリーズでは親を悪役として描けない」という伝統が大きく引っ張られすぎて「親」という対象が主人公の所属するコミュニティ・組織にまで対象が広がりテーマについて来れなかったというのが大きな印象かなぁと思います。[前作のひろプリも同じ]
    結局は「人間と異種族としての動物の物語」ではなく「人間と愛玩動物の物語」のまま終わった事が残念だったのかなぁと思います。
    ただ個人的には第1話の完成度は結構高かったので変な期待をしすぎたのかなぁとは思いました。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >こむぎが人間になった時の2人のコミュニケーションの差が徐々に拡大していき、種族の違いをどう尊重し合えるのかという視点やそれを踏まえる展開がやっぱり欲しかったですね。

      学力の差や常識の差など同じになってない部分がいくつもあるはずなんですけど、何にもやりませんでしたね。「人間の言葉をしゃべれるか、しゃべれないか」の軸しかなくて私には理解できませんでした。飼い主から見たペットの話なら尚更そこは重要じゃないと思うんですけどね…

      >こむぎ視点から見ていろはとの関係性で互いに1番だと思っていた事がそうでは無かった事を突き付けられこむぎは自身がペットとしてしか見られていないという証拠になり得る動機付けなら結構優秀だったけど、そんな事もなくただのイベントの1つになってしまった印象でした。

      だから恋愛ネタはストーリーにとっては無意味だったと思います。
      ショックを受けたコムギが闇堕ちでもしないとやる意義が見当たりません。

      >出典は不明瞭なのですが「プリキュアシリーズでは親を悪役として描けない」という伝統が大きく引っ張られすぎて「親」という対象が主人公の所属するコミュニティ・組織にまで対象が広がりテーマについて来れなかったというのが大きな印象かなぁと思います。

      「親」と言っても間接的には描けるからわんプリには関係ないと私は思います。
      「創造主に逆らった元悪の幹部」ってプリキュアには薫満やイースなど何人もいます。これが通るなら飼い主だろうが反逆は可能だと思います。タブーがあるとすれば「動物が人間に逆らうなんて許されない」みたいなわんプリスタッフにとってのタブーでしかないと思います。
      仮にタブーだったとしたら絶滅ネタとか最初からやる意味ないとも思います。人間側の否定が不可能なら何もやれることがありません。

      >ただ個人的には第1話の完成度は結構高かったので変な期待をしすぎたのかなぁとは思いました。

      私はスタッフが異常だっただけだと思います。このお題目で動物のプリキュアを出して、こんな人間至上主義になる方がおかしいです。1話の時点では「人間と動物」のお話になるのだろうと考えることは極めて普通の反応だと思います。

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  5. 総評お疲れ様です!とても読み応えがありました。
    ブログ主様は先週末の感謝祭はご覧になりましたか?
    もし参加されていたら是非感想を拝見したいです!

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >先週末の感謝祭はご覧になりましたか?

      いいえ、見ていません。

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  6. こんにちは!総評お疲れ様です。
    まほプリに匹敵するレベルの出来栄えとは悲惨ですね。制作スタッフの劣化が著しい…
    ワーストプリキュアという観点なら自分はハグプリも同レベルになると思います。

    意識高い系の作風で思想が強い。過剰な演出が多く作品を取り巻く空気感が気持ち悪い。
    内容が全く形になっていない。

    他者に排他的なまほプリとは別のベクトルで突き抜けた酷さがあると思います。Owlさんはハグプリの作品としての出来栄えを位置づけるならどのくらいになりますか?

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >ハグプリの作品としての出来栄えを位置づけるならどのくらいになりますか?

      私は「完成度が低く、普通に出来が悪い。シリーズ構成回と主要キャラ以外を切り捨て気味で無駄が多い。」といったところです。

      ハグプリの思想の是非に関しては私は共感しませんが、人それぞれなのでどっちでもいいです。
      アンリの話をやりたいならやればいいと思いますが、クオリティが低くちゃんと物語に仕立てられないのではお話にならないと思います。

      削除
  7. owl0079さんに質問なのですが、
    「わんだふるぷりきゅあ」という作品に対しての評価は別として、
    番組自体は楽しめましたでしょうか?

    なんか、最近というか、
    プリキュアシリーズに対して5年間くらい
    作品に対して低評価が続いたので、
    Owl0079さんは作品に対しての評価は別として
    作品自体を楽しめたかどうかが
    少し気になります。


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    1. 基本的に本文に「反吐が出る」と書いたように私にとっては基本的に楽しめる内容では無かったのですが、何を聞きたいのでしょうか?

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  8. ニホンオオカミなんて理不尽に絶滅させられた代表なのに、それを無理やり人間擁護に持って行くのあまりに斬新過ぎました。
    「動物と人間の関係」を掘り下げるなら、そういった人為的絶滅種の話は絶対避けられないのに。……いやどうせ回収できないなら、いっそ作中では触れないほうがマシだったかも知れない。

    ガオウとの和解(?)で持って行くなら
    ・ガオウ自身も人間への復讐を望んでいたが、ガオガオーンが街で暴れ回る姿を見て「自分達がされた事を人間にやり返しているだけ」と気付く

    ・「人間を許す事は出来ない。…だがもう終わりにしよう」「二度と俺のようなものは生み出さないでくれ」とビターに手を引く
    じゃダメだったのかしら?

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    1. 「常識的に考えて無いだろう」と思う方向に一直線でしたね。こんな地雷どころか核爆弾みたい厄ネタを誰も止めなかったことが不思議です。

      >ガオウとの和解(?)で持って行くなら
      そういう路線が無難だと思います。コムギに説得させたようにペットネタで行くなら
      「人間は憎いが人間を守ろうとする動物たちを殺してまで復讐しようとは思わない。ペットたちが人間を見放すときが来たら私たちは再び現れるだろう」
      くらいが絶滅に対する動物愛護路線も入っていて順当だと思います。
      他にもガオウが人間のスバルを好きだったことにかけて、「良い人間を好きになる気持ちはわかる」とペットに共感させる手もあったでしょう。
      穏当な手段はいくつもあるのに、こんなグロテスクな路線を選んだことは異常だと思います。

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  9. 全体的に、キャラクター同士のやりとりはそこそこ楽しめたし、マユが一番好きだったけど、彼女は素晴らしいキャラクターではなかった。でもそれ以外は、どのキャラクターにも成長や動機がなく、ストーリーはわかりにくく、悪役にはまったく興味がなかった。最終回を見た30分後にはこの番組のことを完全に忘れていた。わんぷりは過去のプリキュア番組のように私を常に怒らせることはなかったけれど、とても退屈で中身がなかったので、話すのが難しかった、成田さんの前作「ハピネスチャージ」と比べても、プリキュアシリーズを複数作にわたってシリーズ構成として同じ人を雇うべきではないのはそのためだと思います。

    >空気化した後の出番はなぜかイロハ絡みの恋愛ネタで悟くんにうざ絡みするクズになっていて引きました。
    普通に人としてダメだと思います。内気な陰キャからウザ絡みするクズになるくらいなら陰キャのままの方が良かったです。

    私は個人的にそれについて複雑な気持ちです。スタッフがマユに「内気で孤独」という性格以外の別の性格特性を与えようとしたことは評価しますが、この特性は彼女のキャラクターにうまく統合されていないと思います。なぜなら、彼女が本当に悟とイロハがカップルになることに執着している理由が説明されていないからです。彼女は恋愛小説や少女漫画が好きなのでしょうか?他のカップルに対してそのような行動をとるのでしょうか?それはアイデアとしては受け入れられるかもしれませんが、首尾一貫した根拠がないと受け入れられません。また、ユキがマユの行動にイライラしていなかったのも奇妙だと思います。
    しかし、マユよりも不快なキャラクターがいると思いますが、それでもあなたが彼女をそのように感じた理由は理解できます。

    他に言いたいことがありますが、マユは「成田良美自身をモデルにしている」とかそんなようなことを読んだ覚えがあります。

    >いや~、なんでこんなに悟くんがこんな扱いで終わったのか今でも不思議です。
    優遇されていたことは間違いないんですが、終わってみても「悟くんって必要なキャラだったかな?」という疑問は変わりませんでした。
    好青年で有能だったので私にとっては好感度は高い方だったんですけど、悟くんがいなくてもストーリーに支障が出る気がしません。

    その点では同感です。実際、私は個人的にはあなたほど悟が好きではありませんでした。最初、彼は動物の研究にとても興味があり、たまたまイロハに恋をしている独立したキャラクターだと思っていましたが、それは気に入りました。しかし、後に悟が動物に興味を持ったのはイロハが彼に優しかったからだということが明らかになり、イロハがいないと悟がかなり単調に見えてしまうので、とてもがっかりしました。特に、イロハに会う前や彼女がいないときの悟の生活がどのようなものだったかが示されていなかったからです。
    私も、イロハと悟の恋愛がすぐに取るに足らないものになったことに驚きました。私はそれに興味がなかったのですが、少なくとも、以前のコメントに書かれていたように、コムギに役割が与えられることを期待していました。

    私が一番腹が立ったのは、最後から2番目の話の終わりに悟と大福が変身したことです。スタッフがなぜこの2人を番組のかなり遅い段階で変身させたのか、またなぜわんぷりは以前の番組のように早い段階でメンバーを追加しないのか理解できません。スマイルのようにメインキャラクター以外に目立ったキャラクターがいないのと同じケースであれば問題はありませんが、悟と大福は最初から登場していたので、それは正当化できないと感じました。また、前の番組には公式の男性プリキュアがいたのに、この2人がプリキュアとして分類されなかったのは哀れだと思います。

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    1. >プリキュアシリーズを複数作にわたってシリーズ構成として同じ人を雇うべきではないのはそのためだと思います。

      精査は必要だと思います。アイディア切れもあれば、単純に脚本の腕が落ちる人もいますからね。

      >スタッフがマユに「内気で孤独」という性格以外の別の性格特性を与えようとしたことは評価しますが、この特性は彼女のキャラクターにうまく統合されていないと思います。

      基礎的な設計自体は私も好きな方でした。私も陰キャですし、世の中にも珍しくないし子供にもいるでしょうからそういうキャラもいるほうが健全だと思います。
      陰キャ自体を否定されることは嬉しいことではありませんが、は社会生活を送る上で不利になる性質であることは残念ながら現代では事実なので陰キャから変化することは仕方のないことだと思います。

      ただ、方向性が全然ダメでしたね。
      匿名さんも書かれたようにマユとしての行動としても奇妙でした。それを「人を人をつなぎたい」と一般化したいなら悟くんだけに固執するのは余計におかしいです。仮に「他の人なら怒られても悟くんなら許してもらえる」みたいな思想ならそれも否定されるべきだと思います。

      >ユキがマユの行動にイライラしていなかったのも奇妙だと思います。

      論理的な理由があるとすれば、「マユに嫌われるのが怖いから」ですかね。リリアン初変身回で勝手に折れた理由でもあるでしょうし。保護者気取りでいるならダメなことはダメだと指摘するべきだと思いますが腑抜けたユキには無理なのでしょう。

      >しかし、後に悟が動物に興味を持ったのはイロハが彼に優しかったからだということが明らかになり、イロハがいないと悟がかなり単調に見えてしまうので、とてもがっかりしました。

      悟くんの来歴は意外でしたね。イロハの気を引く方が主目的だったのかと少しはがっかりしました。でも別に問題はないと思うので良しとしました。
      元々悟くんは「動物大好き」とか「動物みんなと友達になりたい」とか言ってたわけじゃありませんからね。
      きっかけはどうあれ、よく調べてよく学び動物についての知識があり、実践で活かせるだけの思考力も持っているなら大したものだと思います。大福もよくなついていますし、イロハと違って大福の奇行にすぐ反応して意味を推測できたり、動物との信頼関係もちゃんと築けていると思います。私としては充分立派な飼い主だと思うので「俺の理想とは違うけど悟くんの人生は悟くんのものだからそういうズレも起きるね」と受け入れました。

      >特に、イロハに会う前や彼女がいないときの悟の生活がどのようなものだったかが示されていなかったからです。

      この辺はあくまで脇役だから無いのは当然だろうなと私は思いました。
      それを言うならコムギを拾う前のイロハを描くことの方が優先されるべきだと思いますし。
      「これだけ時間を割いたのに悟くんは脇役なの?」という根源的な疑問はありますが、実際のところ結局はそういう扱いだったので事実は事実でしかないので考えても仕方がないでしょう。

      >なぜわんぷりは以前の番組のように早い段階でメンバーを追加しないのか理解できません。

      これは単に商業的な都合だと思います。
      「メイン商品を売る時期は分けたいけど、商品自体は統一したい。追加戦士みたいにアイテムを分けたくない」といった都合から「じゃあ猫組の登場を2クール目にしよう」となったのだと思います。

      マユやユキが早くから出てる割には登場後はすぐ空気になって2クール目まで放置気味だったこともここに起因した事象だと思います。
      「変身しないけどキャラの印象はつけたいから早めに出しておく。早めに出すけど話は進めたくないから放っておく」といった発想だと思います。「変身しない? キャラは出てるじゃないですか」というアリバイ作りの意図があったのかは外からでは判断がつけられません。

      >前の番組には公式の男性プリキュアがいたのに、この2人がプリキュアとして分類されなかったのは哀れだと思います。

      半端なところで日和りましたね。
      「プリキュアと同じアイテムで力を得て、同じような理由で変身して、同じような力を使える存在」がプリキュアでなかったら「わんプリにおけるプリキュアの定義って何?」と問いかけなくてはいけなくなってしまいます。
      これを覆そうとしたら「プリキュアになれるのは女/雌だけです」という性差に基づいた回答以外はやりようがないと思います。これじゃ何のために男プリキュアを出してきたのかわかりません。
      論理的にも矛盾していて酷い扱いだと思います。

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