『Go!プリンセスプリキュア』1~4話:感想

2015年2月23日
・2月から始まった新しいプリキュア、『Go!プリンセスプリキュア』の第一印象を書きます。
前作のハチャプリでけっこう深刻なダメージを受けたため不安でしたが、プリプリは非常に安定感のある作品でした。ちょっと保守的な感じもありますが、今はこのくらいで良いと思います。


【良かった点】

■70点狙いの安定感
・1話の第一印象は「手堅い、硬い!」でした。
いかにもプリキュアと思えるオーソドックスな内容で、台詞回しも基本に忠実な感じでやや硬い印象でした。100点や120点は狙わずに、確実に70点を狙うスタイルかと思いました。前作のハチャプリまでに新しい要素を取り入れようとして路線転換に失敗した印象があるので、それも仕方ないかなと思いました。

・しかし話が進むにつれて意外性も出てました。
作品の雰囲気に合わせた凝ったOPのテロップ、3話で敵が2体同時に出現する変則的な展開、4話での1話の前半後半で計2体の敵を倒す展開など、これまでのプリキュアにはない工夫が施されていました。基本は守りつつも改善できるところは改善していく姿勢が感じられました。そこが一番良いところかもしれません。

■フレプリ式アクション
・個人的には一番期待しているのは敵の倒し方です。
格闘戦で敵をダウンさせて必殺技を撃つタイミングを作ってから必殺技を撃ってくれます。当たり前のことに思えるのですが、プリキュアでは長らく異端の戦い方でした。

・プリキュアの基本パターンは「格闘戦(倒せないので無意味)→プリキュアやられる→敵幹部が『~なんてくだらない』とばかにする→プリキュアがキレてパワーアップ→必殺技ぶっぱ」です。
私はこのパターンが大嫌いです。格闘戦のアクションをがんばるほど、アクションの無意味さと倒し方の適当さが際立って悲しくなるからです。

・この点が違ったのがフレプリで、敵をダウンさせてからここしかないというタイミングで必殺技を使っていました。
プリプリもフレプリ同様に格闘戦に意味があるので楽しく見られます。この点が私が一番嬉しかったところです。アクションも地形を活かした立体感のある演出で好みです。労力がかかるのでいつもそう上手くはいかないでしょうが、これが基本になってくれると今後に期待が持てそうです。

■主人公に好感を持てる
・主人公のはるかは従来の主人公枠に洩れず、わりとダメな子です。でも今できることを考えて、ひたむきに努力できる子なので好感を持てます。
フィクションでは特に珍しくもない性質なのですが、とても安心しました。自分で思っていた以上に傷は深かったようです。

・はるか以外の2人も人間味があって良かったです。
みなみはお嬢様で委員長ということでテンプレ的な感じかと警戒していたのですが、できる人ではあるけれど、できる人であるがゆえにできない人の気持ちがわからず失敗して落ち込んだり、しっかりと性格の感じられるキャラクターでした。

・きららは明るいアイドルタイプとも、完璧系とも少し違う性格でした。
サバサバしているところが良いですね。物事にしっかり優先順位を付けていて、モデルとして成功する夢への情熱が感じられます。4話の始めはそっけない態度で、知り合いになってからは普通に接しているところは特に良かったです。対人関係の距離感が感じられました。考え事で忙しい以外に、興味本位で近づいてくる相手への嫌気もあったのでしょうね。
今のところ、きららが一番好きです。黄色といえば”あざとい”ものですが、きららにはあざとさもねじ伏せる骨太なところを感じます。

■バスタオルが続投
・些細なことですが、変身時のバスタオルが続投したことが嬉しかったです。
光る謎タイツよりもバスタオルのほうがずっと良いと思います。あれはハチャプリの発明だと思うので続投になったことは大変喜ばしいです。


【心配な点】

■妖精はあまり可愛くない
・好みは人それぞれですが、私は妖精のパフがあまり可愛く見えません。正直、パフの兄貴分のアロマのほうが可愛く見えます。ここがちょっと不安です。
妖精が可愛く感じられるかどうかはストーリー上、意外と大きい役割を果たしていると思います。見た目は好きになれませんが、自分にできる範囲で積極的に動いて役立っているので好感は抱いていますのでどうにかなるでしょうか。

■CGはいまいち
・プリキュアのEDといえばクオリティの高いCGが特徴になりつつありましたが、プリプリのEDは微妙でした。等身が高いのはいいのですが、手足が細いのが不気味です。スイプリもそこがネックに感じましたけど、癖なんでしょうかね。

・それとプリプリは必殺技もフルCGになりました。
こっちも微妙です。他のアニメと比べると時代遅れなクオリティに見えます。「やってみた」という感じで、CGのほうが良いと思ったからやったわけではないように感じます。

■敵の影が薄い
・敵の影が薄い点が少し気になりました。
敵が礼儀正しく見えて、あんまり恐くありません。プリキュアが何か言う度にいちいち答えてくれるのでとても親切に見えます。これまでの敵はたいてい人の話を全く聞かずに「いいから渡せ!」とか「めんどくせぇなぁ」って自分の都合を言ってくるタイプだったので、まともに受け答えしてくれるだけで良い人に見えてしまいます。クローズさんとか、実は根は良い人なんじゃないかと疑ってしまいます。
まだ序盤なので敵を判断するには早すぎますが、台詞回しなどに起因しているので少し心配です。

■「お覚悟はよろしくて?」
・3人の名乗り口上の決めセリフが「お覚悟はよろしくて?」なんですが、使われ方がもったいない気がしました。
この決めセリフは”プリンセス”を目指す主人公のはるかが自分で考えたものなのですが、あとの2人も特に理由もなくこの言葉を使っています。かなり特徴的な言葉遣いなので、なぜ3人ともそういうのかという理由付けがほしかったです。もっと膨らませられる内容があったと思うので、あっさり流されて残念に思いました。


【全体の印象】

■今後に期待が持てる内容
・シリーズ作品らしい安定感がありつつも、地道に改善していこうという意思も感じられる始まりでした。根本から大きく変えようとするよりも、こういう着実なスタイルのほうが私は好感を持てます。
ひょっとしたら始めだけかもしれません。でもこれから先に期待を持てる内容だったと思います。当面は毎週楽しみに見れそうです。



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