烈車戦隊トッキュウジャー 最終回 『輝いているもの』:感想

2015年2月15日

【ストーリー】

■とても順当な最終回
・ライトたちは子供に戻れない覚悟を決めながらも、最後は子供に戻れる。
とても順当な最終回、だったのだと思います。私にはわかりませんでしたが。
理由は私にとっては、終始とても居心地が悪かったからです。「ああ、そうなんですか」「そうですよねー」と他人ごとに思えることばかりでした。私はトッキュウジャーに合わないようなので、裏を返せば合っている人にとっては望ましい最終回だったのだと思います。


■全部ゼットが殺ってくれました
・最終回まで生き残った幹部のネロ男爵とモルク侯爵もゼットが始末したことで、トッキュウジャーはどの幹部の死にも関わらず、殺したのは全てゼットとなりました。すごいですね。ボスが失敗や裏切りなどに怒って幹部を殺すことは珍しくありませんが、ゼットは全てに正当性がありました。
それは一貫性があって良いことなのですが、その努力をトッキュウジャー側との接点に結びつけてほしかったです。

■報われないゼット
・しばしばルサンチマンに駆られる身としては、ゼットのほうに感情移入してしまいました。
ゼットは全てを否定されるほど悪い存在だったのでしょうか。仮にゼットがまだ生きているとしたら酷すぎると思います。
求めたキラキラには徹底的に否定され、近くにあったキラキラも自分のせいで失われ、唯一側にいるグリッタがゼットに向けているのもキラキラではなく憐れみに過ぎません。邪悪な存在とはいえ、生まれのせいでここまで苦しめられなければいけないのでしょうか。

・特にテレ朝公式の文面には唖然としました。
 シャドーかいじんうんちく/こうていゼットのほんしつは、やはりキラキラではなく「やみ」だったんだ。 
これは酷すぎませんか? なんで公式に死体蹴りされてるのかとびっくりしました。
「屑は何をやっても屑なんだよ!」と言われているように見えました。変わろうとする意思があっても元がダメならダメだと言うのでしょうか。

・私は、キラキラというのはもっと自由なものだと思っていました。明日を夢見る心があれば誰にでも持ちえる存在だと思っていたのです。しかし違ったようです。そんなキラキラのためにゼットが身を滅ぼしたのかと思うといたたまれません。


【アクション】

■小林病、ここに極まる
・巨大ロボットなんてどこ吹く風、巨獣なんて列車の体当たりで充分。
乗り換えなんてなかった、設定は放り投げるもの。
急なパワーアップ上等、主人公が勝てばよかろうなのだ。

・すごすぎて圧倒されました。
小林さんの癖は知っているので充分に覚悟していたはずなのに顎が外れそうになりました。4人が来た意味ってなんだったのでしょう… 「トッキュウジャーの戦闘員はライト1人で4人はサポートメンバーだよ」って嘘を言われても信じてしまいそうです。

・アクション面でも大ポカがあったように感じました。
最後に1号の剣と6号のユウドウブレイカーの二刀流で締めるなら、その前に1号に二刀流をさせたら台無しだと思います。実際、「あ、今度はユウドウブレイカーか」と感じてしまってインパクトがありませんでした。
ゼットとの一回戦で二刀流にするならライトが「一本でダメなら二本だ!」と前向きさを示して、その後に4人も武器を重ねてゼットの剣を打ち砕くとかそういう展開がほしかったです。

・小林さんのアクション軽視は元からなんですが、今回は変に変えた結果、悪化していたように見えました。
いろいろな玩具を使うとか、玩具のギミックを活かした展開とか、仲間の力を集めて戦うとか、いかにも戦隊っぽい感じのするバトルでした。小林さんがすり寄った努力の跡が見られるのでここまでは良いと思います。しかし実際にできあがったものは、いかにも戦隊という感じで「こういうことするのが戦隊なんでしょ?」という印象を受けました。面白くするために結果としてそうなるのであって、そうするためにそうしてはいけないと思います。これなら今まで通り「アクションには興味ないので好きにやってください」というほうがマシだったと思います。

■それでいいのか? イマジネーション
・前回に引き続きイマジネーションが取りざたされていたのですが、この単語が使われれば使われるほど認識のズレを感じました。
最後にレインボーラッシュでユウドウブレイカーを使ったことが決め手でした。あれのどこがイマジネーションなのでしょうか?

・玩具のギミックを活かすのは面白いと思います。賛成です。実際「お、ユウドウブレイカーも使えるのか。いいね」と思いました。しかし飛んで行くユウドウブレイカーを見ていて疑問が湧いてきました。これがイマジネーションなのかと。
レインボーラッシュといえば、突拍子もない変なものが発射される必殺技でした。これには創造性を感じます。この流れを汲めば、イマジネーションと言うならば原点に戻って変なものを飛ばすレインボーラッシュでゼットを倒すのが自然だと思います。

・最後までイマジネーションの定義が理解できないまま終わってしまいました。
私には理解できない価値観が多かったように思います。
全体を振り返った上での感想はまた別途書きたいと思います。

コメント

8 件のコメント :

  1. ゼットに対する死体蹴りはやめてほしかったな

    個人的にはキョウリュウも最後レッドのワンマンショーになったのが気に入らなかったのでどうにかしてほしかった
    露骨なレッド贔屓以外は好きな作品でした

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    1. ゼットの扱いは納得がいきませんね。
      自分の欲望ばかり考える悪党だから当然、ということなのかもしれませんが私はゼットに同情します。

      私もライトが好きになれませんでした。
      構成はしっかりしているので、その辺りが気にならなければ良い作品だと思います。

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  2. 去年のキョウリュウではアイガロンもドゴルドもその他敵幹部が公式の扱い含め良い扱いだったので残念でしたね。
    たしかにキョウリュウジャーもレッドマンセーと言われますが黒青桃金はそれぞれ敵幹部を倒す、もしくは改心に関わったり緑だって色々ドラマを持たされていたのに今作はライト以外のメンバーは全員ライトの引き立て役という感じでどうにも好きになれませんでした。
    それなのにキョウリュウはレッドマンセーだからダメとか言われるのが気にくわないのですがまぁこれはいいです。
    明はともかくほんとに残り四人はあまり個性らしい個性がありませんでした。そういえばそれぞれの名言等もありませんでしたね。
    結局最期まではまれないま終わってしまいました。

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    1. 4人の影の薄さはなんだかなぁと思います。幹部側がみんなキャラ立ちしているのに因縁が生まれるわけでもなく全部ゼットが回収してしまいました。私もこの4人の必要性のなさが一番馴染めませんでした。

      キョウリュウレッドに関しては、私はあれであれで筋が通っていると思いますが、最後にレッド1人が良いところを持っていくのはどうなのかという意見もわかります。
      ライトは単純に人格が好きになれなかったです。それと実質ライトと明だけなのに、無理やり4人も出して、出すだけ出して何もさせない構成が嫌でした。

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  3. こんにちは。ライトに始まりライトに終わったという感じがしました。年間通して身締めて見ていなかったので、分からなかったのですが、同じシャドーのゼットと明で何が違ったんでしょうか。明はキラキラをつかみましたが、ゼットは無理でした。ゼットは人間に対して悪いことをしてきたから?明とて過去の描写はほとんど無いですが、シュバルツと組んでブイブイ言ってた過去があると思われ、そう大差はなさそうですが。個人的には初登場時から裏切りそうと思ってた、ネロとモルクが最後まで忠節をつくしていたのは予想外でした。さて、次週からはニンニンジャーです。こちらも楽しみです。

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    1. こんにちは。トッキュウジャーはライトの物語でしたね。
      ご質問の件については残念ながら物証が少なく、確かなことは言えません。
      ネロやモルクの自己犠牲行為もキラキラらしいという点から考えると、キラキラというのは利他行為によって生じるものと推測されます。言い換えるならば、「優しさ・思いやり・愛」といったものなのでしょう。
      ゼットは最後まで自分のためにキラキラを求めてきたので、他人の虹を守りたいと思った明と違い、キラキラを得ることができなかったのだと思われます。
      作中描写から考えるとこういう推測が生まれるのですが、この理論には大きな穴があります。それはライトの存在です。ライトが一番キラキラに溢れているらしいのですが、ライトの愛や思いやりと言われてもちょっと私には心当たりが…
      キラキラ=イマジネーションとは言われてないので、ゼットの見たキラキラとは、4人を励まし、庇ってゼットと接触したときのライトで、そのときのライトには確かに思いやりがあったと言えるのかもしれません。

      いずれにしてもグリッタを庇ったゼットにもキラキラが芽生えていても良いと、私は思うんですけどね。
      死ぬ直前にグリッタが現れて「陛下にもキラキラはありますよ」って言ってあげても良かったのに。

      ネロは最初は裏切ると思ってましたが普通に忠義に厚い人物でしたね。モルクも粛清とかするのかと思ったら大したことしませんでした。

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  4. マルゲリータ2022年3月6日 21:03

    >全部ゼットが殺ってくれました

    自分がリアタイ時に、飽きて視聴を辞めてしまった理由はこれなのかもしれないです。
    幹部を戦隊が倒すことがなかったので、盛り上がらなかったかな?と。

    >巨獣なんて列車の体当たりで充分。

    最終回の巨大な敵を、合体前のビークルで撃破するのは、ボウケンジャーとトッキュウジャーだけなんじゃと思うのですが、他にもいましたっけ?

    >最後にレインボーラッシュでユウドウブレイカーを使ったことが決め手でした。

    発射されたユウドウブレイカーが、巨大化したり、一人でに舞い連続攻撃したりしていたら、面白かったですね。

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    1. >幹部を戦隊が倒すことがなかったので、盛り上がらなかったかな?と。

      それも理由になるでしょうね。個人的には仮に倒したとしても関わり合いが薄く、ライトたちのリアクションも特になくて、結局物足りなさを感じるんじゃないかと思いますが。

      >最終回の巨大な敵を、合体前のビークルで撃破するのは、ボウケンジャーとトッキュウジャーだけなんじゃと思うのですが、他にもいましたっけ?

      いそうな気もしますが、特に思いつきません。

      >発射されたユウドウブレイカーが、巨大化したり、一人でに舞い連続攻撃したりしていたら、面白かったですね。

      それも有りだと思います。私は既存の物を使うという発想が”イマジネーション”らしくないと思うので否定的ですが。ただの強力な武器や道具ではなく、アイディア感のある使い方でないとしっくり来ないと思います。

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