Gのレコンギスタ 第19話 『ビーナス・グロゥブの一団』:感想

2015年2月9日
■どれが本題?
・アイーダが「教わったことだけで自分の頭で考えたことじゃない」とベルリや船長から責められるシーンに違和感を感じました。本当にそうなのでしょうか?

・確かにアイーダはそうかもしれません。なにぶんこの間までポンコツ馬鹿姫でしたので。
しかしだからといって、アメリアのその考え方が間違っているかどうかとは別問題です。そう言ったベルリもキャピタル以外の土地に行ったことはないようですし、船長も直接知っているのは金星とトワサンガのことくらいでしょう。アイーダとどこが違うのでしょうか。
これが世界中の情勢に詳しいクンパ大佐のような事情通が言ったのなら、そういうものなのだろうと説明描写として納得がいきますが、あの場には適した人物がいません。何が客観的事実なのか、基準がわからないんですよね。

・あの話はそもそも価値観の違いによるところなのかもしれませんし。
たとえばアメリアで貧困層の子供が電気を使えない生活を送って毎年何十人と死んでいるという事実があったら、アイーダたちアメリア人がもっと配給を増やすべきだと憤るのは理解できます。しかし金星やキャピタルタワーの管理者側の大局的見地から見れば、その程度の犠牲は許容範囲であり必要な犠牲とみなす可能性もあります。この場合、どちらも間違ってはいないと思います。どこを重視するかという価値観の違いでしかありません。

・この辺りが何もわからないので今回の話に気がのりませんでした。
話の前提にある世界観がわかりません。今回の補修作業などSF描写は面白かったのですが、あまり満足感は得られませんでした。私にとってはGレコ世界の宇宙の描写も地球の描写もどちらも謎に満ちた世界だからです。宇宙のSF要素だけ説明されて、地球のことはわからないまま話を進められても片手落ちな感じがします。1話使ってでもアメリアやゴンドワンの様子を描いていたほうが良かったのではないかと思います。

■「ユニーバーサルスタンダード」は悪しきもの?
・最近の展開を見ていると「ユニバーサルスタンダード」が悪いものとして扱われているような印象があります。今回フラミニアさんがヒステリー気味に言うのもそうですが、前回はマニィがメガファウナへ侵入するときに隔壁を開けたときも、その前もクンパ大佐が非常口からメガファウナへ忍び込んでいました。これら全てに「ユニバーサルスタンダードだから」という物言いが付属していました。

・私の感覚では、誰でも使える共通の規格があることは良いことのように思えます。
そのため、この流れには不思議な感じがします。Gレコ世界においてはユニバーサルスタンダードは悪いものなのでしょうか?
確かに考えてみれば「ヘルメスの薔薇の設計図」もユニバーサルスタンダードと言えます。月のトワサンガに金星まで薔薇の設計図に頼っていることが明らかになりました。あの世界に薔薇の設計図という共通の知識がなければ、作中で今起きている緊迫した事態もなかったかもしれません。そう考えるとユニバーサルスタンダードは問題なのかもしれません。

・ユニバーサルスタンダードと比較されるものとして今回、Gセルフが挙げられていました。
レイハントン家の両親の遺産として比較的肯定的に表現されていました。当事者のベルリが主体なのでかなり一面的ですが、作品としてはこちらの側面を肯定するつもりなのかもしれません。
この考えを肯定する材料としては、レイハントン家が潰された理由があります。レイハントン家が没落したのは「フォトンバッテリーの技術情報公開に反対したから」でした。
今のところは少なくともベルリ側の認識としてはそういう傾向があるように思えます。

■フラミニア
・良い人かと思ったら悪い人でした。
GIT団か、政権内部の同調勢力か、どこなのかわかりませんが敵対組織に属しているようです。

・個人的には意外と間が抜けていたことにびっくりしました。
Gセルフにロックがかかっていることを知らなかったとは思っていませんでした。ロルッカさんたちはフラミニアさんの前でもけっこう話していた気がするのですが。何年も秘密裏にスパイ活動をしていたとは思えない不手際でした。

■新機体
・金星の機体としてたくさん新機体が登場しました。
私は「リジット」に目が行きました。金星の量産機のやつです。全体のボリューム感がかっこいいです。いかにも装甲板という感じの脚部や肩の重厚感に痺れました。
雑魚敵なのであまり活躍はしないでしょうが、個人的には次回の出番に期待したいと思います。


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