『蒼穹のファフナーEXODUS』 第22話「憎しみの記憶」:感想

2015年11月28日
・全体としてはとりあえず一段落して良かったです。
真矢の救出、新国連の対処、アザゼル型の親玉と一本につながりました。今までは線と線の結びつきが薄いことが問題の1つでした。これで少しは余裕ができそうです。

・人物描写も多くはないですがあって良かったです。
操や甲洋との会話など、あってほしいもので行われないものもありましたが世間話している状況ではないので仕方ないでしょう。次回で人類軍が片付いて更に状況が整理されることを期待します。

■操
・エウロス型が頼もしく見えました。対人間用に特化しているから人類軍相手には最適なんですね。

・操は島のコアと同じで記憶は引き継いでいても人格自体は別のようです。
協力した理由も同胞意識ではなく、美羽を同化することを見返りにしているそうです。単に力が欲しいだけのようなので場合によっては敵にまわりかねないからやっかいですね。たとえばアザゼル型が数体転がっていたりしたら美羽よりもそっちのほうが良いと裏切るかもしれません。本来フェストゥムにとっても望ましくない存在であるエウロス型を使役しているのは不安要素と感じます。ただ、「世界中が平和になったら」なんて実現困難な目標を受け入れたり、抜けているところもあるのであまり危機感を抱く必要はなさそうです。残り話数から考えて、状況が安定したときに裏切る暇は無いでしょう。

■まだいた
・ウォーカーが生きてました。生きてたのに喜ばれないファフナーの登場人物はウォーカーさんくらいでしょう。
前回倒したときに織姫たちが何の反応も示してないから死んだのだと思っていました。生きてたんですね。生きても何をするんだろうと思っていたのですが、予想どおり何もすることがありませんでした。他の誰かに食べられる以外に役目は残っているのでしょうか?
あとは、アショーカを第三アルヴィスに根付かせるために餌として使われるくらいしか思いつきません。一回倒されてるから倒す描写が省けて手間がかからずちょうどいいんですよね。

■一騎
・がんばりすぎで一時退場のようです。島の祝福を望めば復活できるそうですが、それはSDPのことなんですかね。

・一騎の体調より気になるのは、ザインのほうです。
アビエイターを倒せたのかが不明瞭でしたが、もし同化していたら大変なことになりそうです。
ザイン繭化、ザインはニヒトを閉じ込めていたことがある、同化された甲洋が入っていたのと同じカプセルで意識不明、ニヒトの生まれ変わりの予告、と敵になったザインvs新生ニヒトの一騎救出戦の前ふりと思えるものがごろごろあります。ただの一時退場と新生ザインで済むのか不安です。

■織姫
・能力は未来視でいいんでしょうかね?
カノンと違う点は、分岐が見えるかどうか自力で変えられるかどうかといったあたりでしょうか。

・総士との会話は良かったです。
いつの間にか情緒が発達していたようで安心しました。それと同時に悲しくもありました。交流があるのは芹くらいで周りは冷ややかな中でも感情を成長させてきて、ようやく総士にだけは甘えられたかと思うと可哀想でなりません。もうだいぶ月日が経ってしまったので寿命がどれほど残っているのかわかりません。せめて1日くらいもう一度穏やかなときを過ごせることを祈ります。

■美三香
・自発的な活動と操縦もできていたので、生きてることは確かなようです。
でも人格と呼べるほどの意識は残ってないみたいでした。あれではクロッシングしても会話は不可能でしょうね… 本当に「まだ残ってる」でしかないのですね。身体を失っても戦い続ける美三香が誇らしくもあり可哀想でもあります。

■新国連のあれこれ
・フェストゥムをコントロールできているつもりでいて当然できていませんでした。一番ダメなパターンですね。新国連は本当にクズです。

・フェストゥムのコントロールには第三アルヴィスのコアを持ってきて使っているそうです。
第三アルヴィスのコアであり、アザゼル型ベイグラントのコアでもあると言っていました。映像で判断する限りだと、一番下の小さな結晶がアザゼル型のコアで、そのコアの上から刺さっている大きなコアが第三アルヴィスのコアなのでしょう。「人間が第三アルヴィスのコアに命令→刺さっているアザゼル型のコアに命令伝達→衛星軌道のアザゼル型の身体が実行」という流れのようです。

・第三アルヴィスって初耳なのですが、初代ファフナーに出てきた甲洋がやられた島とは違う島のことでいいんですよね?
あの島はフェンリルで吹き飛んだはずですし、狩谷がわざわざ調べていたので新国連が奪っていった後とも考えにくいと思います。

■人が招いた惨劇
・グレゴリ型の外見がイドゥンが化けていたコアに似ていると思っていたのですが、今回ジョナサンがイドゥンのように憎しみの化身と化してしまいました。
憎しみの集合体だから結果的にイドゥンと同じ姿になったのか、それとも北極ミールの欠片を通してイドゥンの意思が影響しているからなのかそこが気になっていたのですが、コアは「島の人間もみんな殺された」と言っていたので、あくまで人の業と考えるほうが妥当に思えます。ゴルディアス結晶は島の住人以外も吸収できるようなので、ひょっとしたらこれまでに人類軍に殺された人々も含まれている可能性もあります。暗殺されたダッカ基地の司令や暉にお守りをあげた子供もニヒトの石棺にいたような亡霊として出てくるかもしれません。

・人が他人を人とも思わず扱い、互いに憎みあった結果がジョナサンのイドゥン化でした。
そこにはミールの賜物であるゴルディアス結晶も関わっていました。死ねば消えるはずの憎しみが死後も募るようになり、やがて生死の垣根を超えてジョナサンの身体を使って憎しみが実体化してしまいました。イドゥンは感情を部分的に学んだ結果に過ぎませんでしたが、このミールは逆です。数々の感情があったはずなのに他のものが過ぎ落とされて憎しみだけが残った存在です。憎しみの深さが違います。

・これは竜宮島でもあり得た可能性の1つなのでしょうね。
竜宮島にも人類によりもたらされた危機は何度もありました。初代で人類軍に島を占拠されたとき、劇場版で核ミサイルを撃ちこまれたとき、EXODUSでは派遣部隊との数々の交戦…
結果的には窮地を乗り越えてきたわけですが、1つボタンを掛け違えていたら第三のアルヴィスのコアのようになっていてもおかしくなかったでしょう。もしも島を占拠されたときに大量の死者が出ていたら… もしも核ミサイルで甚大な被害を受けてもミールが生き残っていたら… もしも派遣部隊が誰も帰らなかったら…
憎しみに囚われた人たちがミールを変容させてしまっていたことでしょう。だからこそ真壁司令は子供たちに人を殺させることを徹底的に避け、一騎たちパイロットにも戦い以外の平和に生きる道を模索するよう言い聞かせてきたのでしょう。

・しかしながら竜宮島にも憎む心はあります。
咲良のようにフェストゥムを憎んで戦い始めた人がたくさんいます。人類軍を許せないと思っている人は数えきれないほどです。敵だから憎い、ではなく憎しみから敵となった相手に島の面々がどう向き合うのか、そこに興味があります。


次回のタイトルは「理由なき力」でした。
乗っ取られ待ちのザルバートルモデルの名前は「マークレゾン」でした。レゾンはフランス語で「raison:理性、理由、道理」といった意味を持つ単語のようです。本来であれば新国連の大義の元に使われるはずの力が憎しみで行使されることになることを意味しているようです。
23話といえば初代ではニヒト襲来と基地内侵食による犠牲者が多数出た回でした。今回は新国連本部で同じことが起こるのでしょうか。そうなってもあんまり同情する気にはなれません。


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