『蒼穹のファフナーEXODUS』 第21話「目覚めの時」:感想

2015年11月21日

■一騎
・一騎の目が赤くなった上に右腕が砕けてしまいました。
腕が再生できなかったら島に戻っても料理もできなくなりますし、まだやり遂げていない陶芸もできなくなってしまいます。せっかく一騎に生きる意思が戻ってきたのに日常との接点が失われてしまいます。治す手段があるのか気がかりです。

・腕だけ結晶化して崩れ血が噴き出る、という描写はこれまでにない症状でした。普通だったら全身に広がって砕け散るか、五体満足で留まるかのどちらかです。一騎の身体が普通でなくなっているともとれる描写でしたがどういう意味なのでしょうか… 島の加護のような本質的にはプラスの働きだと良いのですが。

■暉
・かなり立ち直って前進し始めているようでした。
ウォルターに対しては「島に来ませんか」と投げかけていました。広登は「外のことを知りたい。外の人に俺たちの平和を伝えたい」と言っていました。暉の思想は広登の思想とは似たところもありながら少し違うベクトルの考えだと思います。言われたとおりではなく、自分なりの解釈ができるようなってこそ本当に身についた証だと思います。暉はとりあえず大丈夫そうです。

■アザゼル型の全容
・今回明らかになった新国連の定義では、
共食いアザゼル=アビエイター
操たちのミール=フローター
新しく現れた氷のアザゼル=クロウラー
のようです。
これにウォーカー、ロードランナーを加えて5体ですが、新国連が認識しているアザゼル型は6体いたはずです。やはり衛星フェストゥムがアザゼル型なのでしょうか。今回初登場のクロウラーがいるのでまた突然出てくる可能性も捨てきれません。

・新国連としては「アザゼル型に情報を与えて誘導している」という認識のようです。
衛星フェストゥムの存在を知っているのかが気になるところです。
「フェストゥムは通信を読む→通信衛星経由で情報を発信して読ませている」と思っているのか
「衛星フェストゥムにわざと傍受させている」と思っているのかでは、まるで状況が変わってきます。

■ジョナサン
・やっぱりジョナサンが自覚のない内通者だったみたいです。
最初から怪しい素振りがあったので特に驚きはありません。

・ヘスターたちの言っていた「パペット」がジョナサンのことなのかのほうが気になります。
ジョナサンがグレゴリ型に乗っ取られた後にやったことは美羽とエメリーの輸送機を撃墜したことでした。新国連の目的であるザルバートルモデル用のパイロットの確保とは直接つながらない行動です。ジョナサン以外の誰かを指している可能性は充分ありそうです。

・仮にジョナサンがパペットだと仮定する場合、グレゴリ型の存在がネックになります。
グレゴリ型の言動はどうみてもフェストゥムの物言いでした。グレゴリ型を作動キーとして用いるには完全にフェストゥムをコントロールできていないと不可能でしょう。普通に考えればあり得ません。
しかしこれまでの人類軍の描写と合わせて考えてみると、新国連がフェストゥムをある程度コントロールできると考えるほうが自然なようにも思えます。アザゼル型やフェストゥムがたくさんいる中でダスティンたちの部隊が活動していたり、フェストゥムをあまり気にしていないように見える描写がありました。
今のトリプルプランは「フェストゥムをコントロールして生き残る」か、「フェストゥムの支配下で人類を存続させる」ことが趣旨になっているようにも思えます。劇場版で操たちが竜宮島に対し部下になって人類と戦うよう提案したことを考えると、フェストゥムに支配されてると考えるほうが妥当でしょうね。

■操
・空母がクラゲ型宇宙怪獣みたいになっていてびっくりしました。
形変えたのかと思ったら、中から元の空母が出てきてまたびっくりでした。あの外装ってヴェルシールドみたいなものなんでしょうかね? いったい何を学習した結果なのか微妙に気になりました。該当者が今の地球上だと広登の番組くらいしか思い当たりません…

・操はEDにも登場しました。ドライツェンのパイロットは無難に操なのでしょうか。

■最近の展開で思うこと
・今回も時間経過のダイジェスト化の弊害が表面化していました。
一騎の生きる意欲が増していたり、真矢や暉がだいぶまともな精神状態になっていたり、登場人物の心境の変化が多かったです。しかしダイジェストで済まされた時間経過も多かったため、前回の心理描写から直接現在の心境に至ったのか他の要因があったのか、判断がつかなくてすっきりしません。
前々回のエインヘリアルモデルの完成までの1ヶ月間もそうなのですが、”誰が何をしたから今があるのか”という点がファフナーで最も重要な要素ではないかと私は考えています。1人でがんばったのか、誰かがいたからできたのか、そしてその人はどうなったのか。そういったドラマの積み重ねがあるから「島の平和」という言葉が成り立っているはずです。人間ドラマを省略してまで他にするべきことがあるのでしょうか? 最近この点については非常に懐疑的です。

・もう1つ思うことは危機感の麻痺です。
主に私の個人的な感覚の問題なのですが、最近ピンチがピンチに感じられなくなってきています。
ピンチ→日常→ピンチだから窮地も楽しめるのであって、ピンチ→ピンチでは危険が当たり前になってしまい状況に入り込めません。甲洋や操の登場ありきで話を進めた結果、振り回されているように感じます。今回で逃亡劇は大詰めで、次回で幕引き&次の展開になりそうなので今の状況が終わってくれると嬉しいです。


次回は操と竜宮島の増援で状況が好転したところで、人類軍のザルバートルモデルか核ミサイルなどやっかいごとが飛び込んできそうです。しかし人類軍の意図とは違う形で暴走してヘスター体制崩壊の引き金になりそうです。
そんな次回のタイトルは『憎しみの記憶』。憎しみとはフェストゥム全体に広まってしまった憎しみのことでしょうか、それともイドゥンか、ニヒト内の亡霊でしょうか。総士がジョナサンを撃とうとしたところで狩屋先生か父ミツヒロ登場は勘弁してほしいです。



コメント

8 件のコメント :

  1. 以前、ヒロトが撃たれた戦闘の時に真矢が背後からの砲撃を避けたのは、ファフナーの視界が360度でヤギの目状態だからというコメントをニコ動で見かけたのですが、ファフナーって背後にもカメラを仕込んでモニターに投影しているのでしょうか?

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    1. 視界が360度ですか。私は聞いた覚えがありません。
      設定に詳しいわけではないのでそういう設定もあるのかもしれません。もしあれば、ファフナーの視界=パイロットの視界なのであり得るでしょうね。

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  2. トイボックス2015年11月23日 22:56

    精神変化に関しては私も不満がありました。特に人類軍を囮に使うことに対しての、一騎の
    心情は出来れば書いてほしかったと思ってます。

    「出来れば」です。当然私も管理人さんと同じでもっと人間ドラマを大事にしてほしかったと
    も思ってます。しかし、重厚でありすぎれば尺にも負担がかかります。また視聴意欲にも
    飽きが現れます。
    実際に世間の評価としては、ファフナーは人気こそ出ていますが「重すぎる」といって
    視聴を辞める人も多いです。アニメ評論が好きな私の弟も、ファフナーはちょっと重いと言っていました。
    確かにここで心情描写を描くことは必要だったのかもしれませんが、二期に入ってからの重さのハードルを
    考えると希望を重視する方が得策だったと私は思います。ファフナー新作が10年かけて決まった時、
    冲方さん始め、スタッフ一同が大事にしたことは「テンポを大事にし、メリハリをつける」だったみたいですし

    それにわざわざ製作者が語らなくても、この状況が「犠性と汗の数」を私たちに語ってくれてます。
    できれば、一期の時同様ドラマCDで補完してほしいですがね。

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    1. >特に人類軍を囮に使うことに対しての、一騎の心情は出来れば書いてほしかったと思ってます。

      その辺りもありませんでしたね。
      てっきり一騎には「ダミーで引きつけ、トンネルを封鎖して追跡を妨害する」としか伝えられていないのかとも思っていたのですが、一番知られてはいけないビリーが知っていたのでこの線は無いでしょうね。
      この作戦を聞いたときの一騎の反応は見ておきたかったです。仲間や市民を殺されているのでそれくらいは当然と思うのか、いくら敵でもフェストゥムに襲わせることには反対するのか、一騎がどのような反応を見せるのか興味があります。

      >二期に入ってからの重さのハードルを考えると希望を重視する方が得策だったと私は思います。

      私はむしろ逆に考えました。展開が暗く重たいからこそ、当事者である一騎たちの描写が必要だと思いました。
      当事者が描かれないと何のために今の展開があるのか不明瞭になり、余計に重く感じてしまうと思います。「今視聴者の自分が感じている重苦しさは一騎たちの心境と同じである」と感情移入させるほうが得策だったのではないかと私は考えます。
      それからこれは完全に個人的な尺度になりますが、避難民の描写や途中経過を書いても苦しく感じるばかりですが、一騎や暉が前向きになっていく過程を描くことは明るい展開に映ると私は思います。その点でも一騎たちの描写がほしかったと思いました。

      >ファフナー新作が10年かけて決まった時、冲方さん始め、スタッフ一同が大事にしたことは「テンポを大事にし、メリハリをつける」だったみたいですし

      そうなのですか。その考え方自体は賛成します。また13話までの前半部分はそれができていたと思います。
      しかし現状そうできているのかというと、個人的には疑問に感じる部分があります。この疑問はここ数話で更に高まってきたので文章に書くことにしました。「スケールを広げすぎたのではないか?」という疑念が頭をよぎります。こうまで省略を多用しなければいけない状況は明らかに問題を抱えています。そしてその問題を抱えてまで今の内容をやるべきだったのか…結果論に過ぎませんがそう思ってしまうところがあります。省略するならばビリーとダスティンやジョナサン関連など枝葉を切り捨てるべきだったのではないか、一騎たちの描写よりも重要なことなのか、そこが納得がいきません。

      もちろんこれは「人間ドラマ>テーマ性」という私の価値観に基づいた考えに過ぎません。テーマ性を再優先するというのであればそれも一理あると思います。

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  3. 最近の冲方さんの作品自体キャラの葛藤を中心にした内面描写をほとんど描かず、神視点からの客観的な出来事の描写だけに終始する割合が増加していてEXODUSもだいぶそれが表面化してきてしまったなあと。
    TVアニメですし尺の都合もあるんでしょうがもうちょっとなんとかして欲しいです。

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    1. そうなのですか。私はあまり冲方さんの作品に詳しくないのですが、そういう側面もあるんですね。
      時の流れによる作風の変化は冲方さんに限らずよくあることですが、自分の望む方向と別方向に行かれてしまうとやるせないですね。

      視点を遠ざけすぎると物語の作為的な部分が強まってしまうので、ストーリー展開と人物ドラマは比例したものであるべきだと私は思っています。現状のEXODUSの流れは比率が悪いように思います。

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  4. 今 見ましたが、あえてダイジェスト化しているのは、視聴者の心が同化されないための対策と言えるかもしれません。あれをじっくり描写されたら、生き残っている視聴者ですら無事でいられない可能性が有ります。

    操たちがどう動くのか気になります。

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  5. >あえてダイジェスト化しているのは、視聴者の心が同化されないための対策と言えるかもしれません。

    勘違いされているようですが、私がダイジェスト化すべきでないと書いたのは「一騎たちの心理描写」です。旅の行程などは描く価値はないのでダイジェストで充分だと思っています。一騎たちの心境を丹念に描くことは視聴者にとって明るい要素であると私は考えます。

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