『仮面ライダーゴースト』 第7話「早撃!伝説のガンマン!」:感想

2015年11月22日

【ストーリー】

■未知の領域
・眼魔の世界なんてものがあるそうですが、私にとっては今回のゴーストのほうがよっぽど未知の領域でした。どこでどう話がつながっているのか全くわかりませんでした。
やりたかったのは今後の展開につながるタケルとマコトの関係、それとマコトの素性を描くことで、そこが出来上がった後に無理やりノルマを足したような印象を受けました。マコトのことと、今回の依頼と眼魔、そしてビリー・ザ・キッドが全然つながっていないように見えます。思いっきりぶつ切れになっていて、眼魔とビリー・ザ・キッドを丸ごとカットしても話が違和感なくつながりそうでした。販促番組では、つながらないものを違和感なくつなげることが脚本家の腕の見せ所だと思います。こんなにあからさまにやる気がないものを見せられるとげんなりします。

・今回は驚かされることばかりでした。
ランタンと不知火、眼魔なしでも作れるアイコン、インセクト眼魔にムサシとビリー・ザ・キッドを使った理由、特に理由もなく今回だけ巨大化する敵、どれも私の理解を超えていました。
不知火は特に謎です。ランタンと完全に機能がかぶっています。しかもランタンのほうが戦闘能力もあり上位互換に見えます。これなら不知火は出さないほうがよかったように思えます。ランタンのせいでアカリの貢献度が0に戻ってしまいました。せめてランタンもアカリが開発するべきだったと思います。どういう意図があってこんなことをしたのか私には理解できません。

■タケル
・前回の話はどうやら「初心に帰った」ということのようでした。そうなんですか。私はタケルの初心が何なのかわかっていないのでピンと来ませんでした。これまでのどこでそんな話をしていたのでしょう。

・「自分が負けたと思わない限り負けてない」の意図もよくわかりませんでした。
負けず嫌いなところを表現したかったようですが、こんな言い訳がましい印象を与える言い方を選んだのか不思議です。普通に「俺は諦めない」というほうがマイナスイメージがなくて今のストーリー展開に沿っているように思えます。また偉人に絡めて語るという手もあったはずです。何度も失敗しても諦めずに挑戦し続けたから成功できた、なんて話は偉人伝にはつきものです。なぜ負けたと思うまで負けてないがベストだと判断したのか不思議でなりません。

■マコト
・10年前の事故/実験の結果、妹といっしょに眼魔の世界に飛ばされてしまったそうです。アランや仙人は眼魔の世界の住人なのでしょうかね。
なんだかスペクターが勘違いで戦うライダーになりそうな流れで不安です。勘違いで戦っていると間違いだと気づいたときに何も残りません。存在意義を失って空気になってしまうことがよくあります。面白くないのでその方向には進まないでほしいです。

■どっちの伏線?
・エジソンアイコンを使って作った謎の人型の物体が出てきました。
あれは本編の伏線なのか、今度の映画の前ふり、どちらなのでしょう? タイミングが紛らわしくて判断に困ります。


【アクション】

■ビリー・ザ・キッド
・棒立ちで撃ってただけなので判断不能です。
かっこいいとかかっこ悪い以前に登場したとすら言っていいのかわかりません。次に出たときに…、と言いたいところなのですが同じ専用武器持ちのロビンフッドも空気化しているのでノルマもあてになりません。

■モチーフがおかしい
・ゴーストの玩具は、コンドル電話、バットクロック、ランタンと「道具+動物」がモチーフで確定のようです。Wでもありましたね。この組み合わせ自体は問題ありません。

・問題はゴーストと合っていないということです。
ゴーストの世界観のベースは「幽霊」という超自然的なものです。幽霊とサイバー系の機械では相性が最悪です。しかもすり合わせる努力の痕跡も見当たりません。せめて動物霊が宿っているということにしたり、仙人を眼魔界の科学者ということにして機械化に根拠を与えたり、映像による理由付けはできたはずです。ただ人気が出そうな要素を組み合わせただけの投げやりな考えに見えます。玩具も番組ももっとちゃんと考えて作ってほしいです。


次回は後編になりそうです。果たして一見つながっていないように見える今回の依頼とビリー・ザ・キッド、マコトの件は次回できれいにつながるのでしょうか?
東映の公式ページに『仙人曰く、今回の偉人は「…」』と書いてありますが、まさか次回も新しいアイコンを出す気なのでしょうか?
全く先が読めません。

コメント

10 件のコメント :

  1. 西園寺の過去まで今回明かされるとは予想外でした。15個のアイコンも年内に出るのはほぼ確定のようですし、残りの3クールどうやって話を引っ張るのか、期待よりも不安の方が大きいです。現時点ではマコト、アラン側の動向の方がまだ関心を持てます。タケルのキャラ描写に関してはすでに何も期待を持てていません。序盤で主人公の掘り下げを怠ったらどういうことになるか、前作でスタッフは学ばなかったんでしょうか。

    販促の酷さもすでに擁護不能なレベルになってる気がします。いくらスケジュールが過密とはいえ、もはや話に組み込む努力を放棄してるようにしか見えません。

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    1. 現状でストーリーを引っ張っていけそうな要素がどんどん説明されてますよね。ハイペースで進めるのは本来なら良いことですが、ゴーストの場合「これが終わった後は何するの?」と疑問のほうが先に浮かんできます。今はタケルに生き返るという目標があるからいいですが、それが終わったらタケルをどうやって状況と絡めるのか思い浮かびません。生き返れなかったけど延命できたとか、他の誰かを生き返らせるためにまたアイコン集めとか、そんな引き伸ばしは止めてほしいです。

      販促は見事にやる気が感じられませんね。シリーズ構成の福田さんは販促番組が初めてみたいなので仕方ないところはありますが、こんな状況を許してしまう製作陣に不信感が募ります。

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  2. お初にコメントさせていただきます。
    今回は謎をばらまくにしてもいやに順序立てが無視されてましたね。
    西園寺と名乗った謎の男はなぜマコトに声をかけたのか?
    深海兄妹が巻き込まれたのが事故だ実験だとマコトと西園寺が言い張るのはどういう意味か?
    西園寺はどんな手段でショップ店長の偉人への思いを高めたのか?
    眼魔がわざわざ昼にまで集団催眠を始めたのは何の作戦か?
    前回の話で集約されたゴーストのテンプレが一気にばらされた印象です。一話完結目指すなら集団を巻き込んで話を大きくする意味がないと思うんですけどね。
    次回で西園寺が出張れば説明がつきそうですが放任主義のアランの影がますます薄くなりますね。

    アカリが作った不知火は仙人が知恵を貸したので仙人が同じものを作れても当然ではありますが・・・
    今回の眼魂奪取と言いアカリと御成の活躍はおこぼれで用意されて自力突破が少ないのが難点です。

    ゴーストの玩具はダイヤル電話、ランタン、大文字盤時計などクラシックなデザインなので、霊の宿った骨董品がモチーフなのではと考えられます。サイバーを追究したならさすがに機能とコンパクトが重視されるので。

    個人的な予想ではビリー・ザ・キッドはもう西園寺以外から言及されないのではと思いますが、初の二話完結編なので大掛かりな事件の真相は畳んでほしいところです。

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    1. NYさん、はじめまして。

      >西園寺と名乗った謎の男はなぜマコトに声をかけたのか?
      >深海兄妹が巻き込まれたのが事故だ実験だとマコトと西園寺が言い張るのはどういう意味か?

      これは何らかの目的でマコトを焚きつけるためだと私は考えます。
      その理由が、単純に「ゴーストは邪魔、スペクターはアランに協力的だからマシ」というだけのことなのか、他の目的があるのかは現状ではわかりません。まぁ、西園寺はアランとは別に目的がありそうですから何か企んでいるのでしょうね。この辺りは私にとっては特に面白くもないけれど許容範囲です。

      >西園寺はどんな手段でショップ店長の偉人への思いを高めたのか?

      アイコン誕生の経緯は謎でしたね。
      今までの経緯と違いすぎて、これまでのことが何だったのかと思えてきます。眼魔を関わらせなければタケルたちが嗅ぎつけてくる可能性が大幅に減るので、眼魔なしで済むならそのほうが楽なはずです。あれでOKなら、信長の人やエジソンの人は思い入れがあったのに何でダメだったのでしょうね?
      せめて「こんなに思い入れがある人は珍しい」とか今回が例外であることを明示してくれればマシだったのですが。

      >眼魔がわざわざ昼にまで集団催眠を始めたのは何の作戦か?

      これは次回で明らかに…なるのでしょうかね?
      普通ならそう思うんですけど、あまり信用する気になれません。現状の範囲で考えると、モノリスとやらを作るための人手集めでしょうか。一目を避けて夜に集めるかと思えば昼に集めたり、目撃者を放置したり、意図不明な行動が多いですが。

      アカリたちのアイコン奪取はどうにかならなかったのかと私も思いました。
      あんな西園寺が情けなく見える棚ボタではなく、アカリが科学を使って隙を作るとか御成がゴーストハンター修行をしていて身体能力が高いという設定にするとか、見せ場の作りようはあったと思います。

      >クラシックなデザインなので、霊の宿った骨董品がモチーフなのではと考えられます。

      なるほど。確かに単に道具というより骨董品と定義するほうが適切ですね。
      現状だとただの道具扱いで幽霊っぽさがまるで感じられないところが不思議です。勝手に動き出すとか、ユルセンに使役されるとかあってもいいと思います。

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  3. ところでストーリーと直接関係無いことですが、ドライブのマグネットがちらっと映ったのはどういう意図でやったことなんでしょう。順当に考えると、MOVIE大戦のPRの可能性が高いですが、ただでさえOPでのネタバレ映像垂れ流しにうんざりしている視聴者が多い中であんなことをしても逆効果に思います。あるいは特に深い意味はなく、ファンサービスのつもりだったとしても、あまりにもあからさまで脈絡が無さすぎて、正直私はリアクションに困ってしまいました。これでも子供たちは喜んだりするんでしょうか…

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    1. 映画の販促でしかないと思います。私にとってはどうでもいい描写でした。
      あれで効果があるんでしょうかね? その道のプロの考えることはよくわかりません。

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  4. 早くも諦めちゃったのかな…と思わせる話でしたね。話がぶつ切りの割に明かされる情報はタケルに関することというよりもマコトと西園寺周りだったことには少し驚きました。タケルのタイムリミットはもうすぐそこまで迫っているはずなのにリミットの後の展開が見えてこないことは心配です。
    今回西園寺があまりにもあっさりと眼魂を生み出したことも驚きでした。それも人が死ぬこともなく非常に手軽そうに見えました。最初から眼魂は西園寺、眼魔はアランと役割分担しておけばよかったんじゃないの?と疑問に思えます。何か理由付けがされるといいのですが。
    しかし逆にこれだけお手軽だと、年末に残りの眼魂が全部敵側から出てきてもおかしくないですね。今からすごく心配になってきました。

    アクションも不自然なほどのムサシ推しに見えました。もともと父親の形見から生まれ、前回アカリが守ってくれた眼魂なのでもっと意味づけもできそうなものですが伝わってきませんでした。ムサシがナギナタを使ったのだからロビンフッドで剣からの弓とかもっといろいろチャレンジしていってほしいものです。最後の巨大化は販促なのでしょうが全く仕組みが分からないので意味が分かりません。マコトの過去よりももっと重要な前提が抜け落ちているような気がします。

    ゴースト初めての2話完結編みたいなので、せめて最終的に依頼がきちんと解決されて本編も進むような結果になることを期待したいですね。

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    1. >タケルのタイムリミットはもうすぐそこまで迫っているはずなのにリミットの後の展開が見えてこないことは心配です。

      タケルの掘り下げが進んでいないうちに周りの状況ばかりが進んでいく現状には不安を覚えますね。
      このままだとモノリスだのマコトの問題だのが終わって次の展開に進んでもタケルの立ち位置が確保できないように思えます。状況に積極的に関わらないならタケル自身の目標を定めてそこに向かってほしいです。

      >今回西園寺があまりにもあっさりと眼魂を生み出したことも驚きでした。

      アイコン製造はびっくりでしたね。
      本当に今までの眼魔の苦労は何だったのかと思いました。あれはアイコン入手とは別に眼魔のゲートを開くなど別の目的を同時に達成するところがポイントだったのでしょうかね… 少なくともロビンフッドは全然関係ありませんが。
      「計画にアイコンが必要」→「タケルたちのアイコンやアイコン製造候補が狙われるが撃退」→「計画を阻止できたと思っていたら西園寺がその辺でゲットしてきたから問題ない!」という展開は絶対に止めてほしいです。

      アクションはまるで展開の意味がわかりませんでしたね。
      ムサシと言えば二刀流なのにナギナタにしちゃうし、巨大化は今回だけ行った理由が不明だし、酷い有様でした。ノルマなのはわかりますが、もっと上手く扱ってほしいものです。

      個人的には上手くいくことはもはや期待していませんが、せめてわずかでも可能性を感じさせる内容であってほしいと思っています。

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  5. タケルの立ち位置やスタンスがふわふわしてるのは脚本の問題でしょうけど、戦闘に違和感を覚えるのはなぜなのかわかりません。フォームのチョイスに疑問を抱くシーンがここまで何度もありました。
    眼魔の能力をちゃんと決めて、それに対抗しうるフォームを使用する、もしくは販促的に優先されるフォームに合わせて敵の特性を決める。それだけで違和感はなくなるはずなのですが、どうもできていません。これが撮影陣の問題か脚本の問題か判然としません。まさかそれも考慮に入れられないほどスケジュールが押しているということもないでしょう。
    平成ライダーの初期から関わっている人たちは近年のハイペースな販促に気が乗らない、というのもあるのかもしれませんが。

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    1. 同感です。バトルの展開は不思議でなりません。
      普通に考えてノルマの武器やフォームは前もって決まっているはずです。決まっているならそれが映えるような敵やシチュエーションを用意するのが当たり前でしょう。ロビンフッドやベートーベンのときのムサシなど奇妙だったものも少しシチュエーションを変えたり理由をつけるだけで不自然さは軽減できたと思います。ノルマに圧迫されてストーリー展開が歪になるのはともかくバトルの展開までおかしくなる理由が理解できません。
      今に始まったことではなく2作品前の鎧武の頃からこんな感じでしたが未だに理由がわかりません。

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