『劇場版プリパラ みーんなあつまれ!プリズム ツアーズ』:感想

2015年11月26日
劇場版プリパラ み~んなあつまれ!プリズム☆ツアーズ *DVD
エイベックス・ピクチャーズ (2015-09-11)
売り上げランキング: 31,330


『劇場版プリパラ みーんなあつまれ!プリズム ツアーズ』を見たので感想を書きたいと思います。私はプリパラから見始めたので「プリパラは見てるけど過去のシリーズは全く見たことがない」という視点から書いていきます。過去のシリーズに関しては主人公の見分けもつかないレベルです。

■内容の内訳
・今回の劇場版は”ルートが4つ”あり、週替りで内容が一部変わることが売りでした。DVDだと1枚で任意のルートを選んで見ることができました。作品の内容は以下のとおりです;

共通パート前編:30分(『プリパラ』のライブ各種の総集編)
ルート分岐:10分(過去作のライブの総集編)
共通パート後編:15分(バニーマジシャンコーデでのライブ・SAINTS+6人のMake it!・ED&エピローグ)

■懐かしむにはちょうど良い
・全体の印象としては、昔のライブを見て懐かしむにはちょうどいい内容ではないかと思いました。
劇場版の公開時期は2015年の3月ちょうどプリパラ1stシーズンの終わり頃ファルル復活の辺りでした。私がレンタルで見たのは2015年の11月で放送開始からほぼ1年半経っています。
「ま~ぶるMake up a-ha-ha!」とか今見ると懐かしいです。あ~そういえば、このコーデ好きだったなぁと思ったり、思い出に浸ることができました。ライブもただの本編からの使い回しではなく、ライブ中にカットごとにコーデが切り替わっていく仕様になっているのでいろいろなコーデを見られるようになっています。この辺りは使い回しなりに工夫があって好感が持てました。

・ただライブ自体はオリジナル要素がない使い回しなので、劇場版公開当時にリアルタイムで見た人は微妙だったろうなと思います。初期のもの以外は数ヶ月前に見たものなので懐かしいも何もなかったでしょう。

■過去作の紹介としてはいまいち
・過去作に関しては「プリズムジャンプは心のきらめき」など、キーワードを並べられるばかりで全然伝わってくるものがありませんでした。作品ごとの違いも全然伝わってきません。未見の人向けの紹介としては不適格だと思いました。
これは逆もまたしかりでしょう。過去シリーズは見てたけどプリパラは見たことがない、という人にもライブのクオリティ以外はプリパラの良さが何も伝わっていないと思います。

■オールスターものではない
・現行の作品であるプリパラのキャラクターと過去のシリーズの主役が顔を合わせることになるのですが、オールスターものではありません。みんな、ただそこにいるだけです。組み合わせに特に意味はありません。

・クロスオーバーの話も何もありません。無いどころかむしろ酷いです。
展開はめちゃくちゃだし、らぁらたちと過去キャラとのやりとりも全然ありません。ルートで過去作を見たらぁらたちの感想も「すごーい」とか「私には無理ー」など適当極まりないものです。無理に過去作を持ち上げていてうさんくさく、誰も幸せにならない内容でした。
過去キャラも見てない私にはわからないことですが、たぶん元の作品を見たことがある人にとっては「○○はそんなこと言わない!」と言いたくなるような内容だったと思います。
異なる作品のキャラが一堂に会する!なんて大げさに考えるのは止めたほうが良いでしょう。

■オリジナル要素は満足
・共通パート後編で行われた劇場版オリジナル要素は申し分ないものでした。
個人的にはこれが目的だったので全体としては満足しています。劇場版でしか見られないライブが見られたのでOKです。

・バニーマジシャンのライブは良かったです。
CMで映っていたプリチケの時点で良いデザインだと思っていましたが、CGのモデリングになると想像以上でした。
中でも燕尾服みたいな後ろのパーツがステキですね。バニーガールというとレオタードのほうが取り上げられることが多いですが、燕尾服ふうのやつも良いものです。そこに着目して「これはバニーガールじゃなくて手品師だから!」と言い張れるポイントにつなげている点が素晴らしい。プリパラのデザイナーは本当に信用に値する人だと改めて実感しました。

・プリパラのモデリングで仕立て直した旧作キャラのMake itは最高でした。これはこの劇場版でなければ不可能なライブでした。モデリングだけでなく、歌もちゃんと新規収録になっていて非の打ち所がありません。

・とても素晴らしかった分、見ていて「らぁらたちがプリズムショーをして、過去キャラでプリパラ風のライブをする交換交流会の形式にすればよかったのに」と思ってしまいました。
どちらが上とかではなく話を進めるにはそういう形式のほうが適していたと思います。手間がかかるので予算と時間的に実現不可能だったのでしょうが。合同ライブが可能性を感じられるものだっただけに、いくらかのやるせなさが残りました。

■ED…
・ある意味で個人的に一番問題に感じたのはEDかもしれません。
なぜ最後の締めが、めが兄ぃなのか?!
女性ボーカル(めが姉ぇ)の間は「これは誰だろう?」と首を傾げていましたが、男性ボーカルが入った途端に組み合わせを理解できてしまいました。ED曲はめが兄ぃ&めが姉ぇのデュエット曲でした。諏訪部さんがちゃんとキャラ声で歌えていて普通に上手いところが余計に腹が立ちました。Make itの余韻が一瞬で消え去りましたよ。最後をめが兄ぃに持ってかれるのは個人的には無しです…
9人でもう一曲『Pretty Prism Paradise』でも歌うか、もしくは過去作の代表的な曲を歌う形が良かったです。最後までプリパラはアイドルのものであってほしかったです。

・プレイヤーのマイキャラがランウェイに登場するのは良いと思いました。
選ばれなかった人にとっては苦々しく感じられることで良し悪しは難しいところですが、普通なら自分がプレイしないと動かないはずのキャラが、自分の意志と関係なく動いている姿は感慨深いものだと思います。プレイヤーを喜ばせつつ集客効果も狙えますし、悪くない手法だと思いました。

■顔見せ?
・この手の本編と並行して公開される劇場版のお約束で、テレビ本編に先駆けてアロマゲドンの2人が登場していました。
しかしあろまの声が低くてびっくりしました。声だけ聞くと別人です。本編とはだいぶ異なる低めの声色で、より魔女っぽい演技になっていました。劇場版の顔見せで不評だったから声色を変えたのかと疑ってしまうほどでした。いったいどういう経緯があるのでしょうね。

■全体感想
・DVDの場合、4つのルート全部見れるので真面目に全部見ると疲れます。
思い出なしに単体で楽しめる内容ではないので無理はしないほうが楽しめると思います。まして映画館で見た人はルート分岐前の共通パートを飛ばせないので相当きつかったと思います。
興味のないところは適度に飛ばして自分の見たいところだけ見る、そういう良いとこ取りが一番楽しめる見方だと思います。

・クロスオーバーや過去の作品の紹介としては機能していませんでしたが、オリジナルの要素は面白かったです。過去のシリーズを見ていない人は、ライブの総集編とバニーマジシャンコーデのライブを見られれば充分と思って見たほうが楽しめると思います。


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