■描かれなかったもの
・前半はゆったりとしていましたが、途中途中と後半は駆け足でした。
描かれないまま済まされたものもいくつもありました。気になった点をピックアップしていきます。

・まずは一騎の代償や変化。
見た感じいつもと特に変わっていないように見えました。これなら迷う必要はなかったように思えてしまいます。輪廻を外れる点が大きいらしいので肉体の限界を越えてこの世から消滅してから苦難が待ち受けているのでしょうか。

・次に剣司たちの症状です。
前回ディアブロ型に同化されていたので剣司と咲良はリタイアかと思っていました。実際には新同化現象以外は何ともなくてびっくりしました。あれでも大丈夫なんですね… 島の加護ってすごいですね。
こうなると、なぜカノンだけ死んだのかと疑問が湧いてきます。それほど多用したということなのでしょうか?

・ベイグラント対策。
結局、彗の独壇場でした。使えるならこうするのが当然なのですが既にテンプレ化していて盛り上がりません。まぁ、その代わりの作戦のために時間をとられるのも何なので仕方ないといえば仕方ないのですが。バトルに時間をかけているわりには戦い関連の展開が微妙なのはモヤッとするところがあります。ヘスターの援護は戦場とは別の思惑として動いていて面白かったです。

・アショーカ生存&再生。
アショーカは普通に生きてました。前回思いっきり結晶されてパリーンといってたけど生き残っていました。大丈夫と言われてしまうと何も言えることがありません。感嘆するばかりです。
総士がクロウラーのコアをえぐり出したときはあれを再生に使うのかなと思ったりもしましたが特にそんなこともありませんでした。「コアを吸収できれば…」と以前エメリーたちが話していたことに特に含みはなかったようです。ミールは発電機にもなって便利という程度の話だったようです。

・最後に1話の総士のメッセージです。
普通の録音でした。ファフナーの登場人物は遺書くらい用意しておいても当然なので特に思うところがありません。新情報は総士がニヒトを残しておくつもりだとわかったことくらいでした。個人的には見知らぬ誰かへのメッセージよりも一騎や真矢たちとの会話のほうが気になります。

・いつもどおりにあっさりと「そういうものなんです」で済まされてしまい、不完全燃焼な感じがします。
アクションはいつも素晴らしいのだけどアクションのための時間の代わりに犠牲になってる部分が大きすぎるため手放しに褒められません。芹みたいに戦う中で描写できるものがあるキャラはいいのですが、零央を筆頭にかっこいいだけのバトルだと時間がもったいなく感じてしまいます。

■見たかったもの
・ここからは今回見ていて私が見たかったと思ったものに触れていきます。

・蒼穹作戦前の3日間。
まずは何といってもこれです。成人式の後に「3日後」とテロップが出た瞬間、「そこを見せて!」と前のめりになってしまいました。戦いの合間の日常、決戦の前の穏やかな時間。それこそが私がファフナーに求めるものです。覚悟は済ませていましたが、そこが飛ばされてしまったことは大変遺憾です。

・成人式に対する一騎たち世代、そして親世代の反応
一騎たちの世代は同級生の多くが死に、生き残ったものも機体の同化現象により余命は短く、親よりも早く死んで当たり前だと本人も親たちも思っていたはずです。それが成人式を迎えられるまで生きてくれたことは筆舌しがたいことのはずです。成人式などという儀礼的な言葉で表現できるものではありません。それが儀式的な範疇で終わらされてしまったことは残念でした。一騎たちの反応、親たちの反応。描くに値することはたくさんあったはずです。何も匂わせることすらなく終わってしまったことはもったいないと思います。

・芹
序盤から引っ張ってきた広登の死さえ流されてしまいました。立ち直るまでには織姫だけでなく、総士や芹の同級生で芹と同じく大切な人を失ったばかりの里奈など様々な人が関わったことでしょう。それが芹自身が前から広登の死を気づいていたのどうかすらわからないまま話が進んでしまいました。脇役とはいえあんまりです。次回にあるはずの織姫との別れも省略されるのではないかと不安になってきます。

・美三香と零央
零央が嬉し泣きしてるところを美三香に見られたり、球状態のときに話しかけた内容など美三香が攻め立てるための材料はいろいろあったと思います。今回も2人のイチャイチャは見られませんでした。物語上の優先順位が低いので仕方ありませんが。
最近任務以外で出番のない彗を日常に引っ張りだす良いチャンスでもあったため残念でした。

・里奈が立ち直るまで
夢でだいたい済んだとはいえビデオを見るまでには葛藤もあったと思います。
それから西尾博士のこともあります。自分の開発したゼロファフナーで子供夫婦に孫まで死なせてしまったとなったら相当ショックなはずです。里奈もお婆ちゃんも沈んだ状態からどちらが先に引っ張るようになったのか、もしも里奈がお婆ちゃんに手を差し伸べたとしたら、いつもお婆ちゃんに頼っていた里奈の人生にとって大きな転換になりえる瞬間だったと思います。
また恐らく作戦までの3日間の間には「人類軍と戦うのか?」という話題も会話に上がっていたことでしょう。そのとき暉の意思を受け取めた里奈がどんな反応を見せたのかも見たかったです。

・死期を悟ったエメリーの反応
今回覚悟を決めていたエメリーですが、そこまでには様々な思いがあったと思います。
この世への未練、後のことを美羽に託すことになる心苦しさ、そういった思いを抱えたまま美羽と過ごしたであろう3日間。今も過去もほとんど描かれないまま退場になってしまいそうです。このままだと「エメリーっていなくてもよかったんじゃ…?」となってしまいそうで怖いです。

・一騎と甲洋&操
一騎はロシアでの戦闘ではずっと1人でアビエイターと戦っていたので、甲洋と操に会うのは今回が初めてのはずです。この2人とは他の誰よりも因縁深い間柄でもあります。それなのに完全スルーでした… 
このままだと甲洋に対して個人的な反応を示した人物のリストに保さんすら入れてしまいます。なんでこんなに会話がないのでしょうか。甲洋もフェストゥム側の世界を見た人物のはずですから、現在のテーマに関して語れることがありそうなものですが。

・一騎が人間でなくなったことに対する真矢や咲良たちの反応
一騎本人はいいにしても周りがどう思うかは別なはずです。特に真矢は絶対気にすると思います。咲良だったら自分も人間を捨てればもっと戦えるようになるのかと考えるかもしれません。こういう側面を描くことでも一騎の心境や状態を描写することにもつなげられたと思います。

・子供たちに人を殺させないために大人たちが陰でしたこと
人類軍の相手は子供たちではなく、島の大人たちがすることにしました。その陰にもドラマがあったと思います。戦うのか話し合うのか、危険であろう第三アルヴィスに派遣するメンバーを誰にするのか、子供たちに守られるばかりだったのが守るためにすることができたと意気込む人、大規模な侵攻を前に今度は人殺しを避けられないかもしれないと覚悟を決める人。人類軍に対しては特に様々な思いが交錯しているはずです。司令部のメンバーすら何も語られなかったことが残念でした。


次回は「どうなるんだろう?」というより「どこまでやってくれるのだろう?」という印象を持ちました。
事態は明確に収束していて不安要素はありません。人類軍はビリーや真壁司令たちが片付けてくれるでしょうし、フェストゥム関連はジョナサンを倒せばあとはアルタイルと接触するのが誰かという点だけです。現状起きていることは問題なく決着がつきそうです。

今回のアルタイル争奪戦のその後をどこまで描いてくれるのかのほうが気になります。
織姫のことに芹や零央など身体の障害の問題、地球の情勢などなどエピローグだけでもたくさんやることがあります。総士のメッセージを解決するには時系列的には更にその先に進める必要もあります。エピローグだけでも取りこぼしが起こることは必定なのでどこまでやってくれるのかが気になります。