『蒼穹のファフナーEXODUS』 第23話「理由なき力」:感想

2015年12月5日

■雑感
・全体としては思ったよりもあっけなかったように感じました。
前回ジョナサンがあれだけ派手にやったので新国連本部はどうなっているかと思ったら何も気づいていませんでしたし、バーンズの反乱も都合が良すぎたスパイがパペットだったことで何もせずに鎮圧。新国連は本部とコアを失った以外は大して消耗せず、戦局に対する影響力を失っただけに留まりました。
第三ミールもクロウラーのコアを吸収するだけで満足していました。あれだけヘスターを恨んでいたのに目先の憂さ晴らしより大局的見地を優先して動いたことは意外でした。コアを吸収して力をつければ誰も勝てなくなるし宇宙も抑えてアルタイルに誰よりも近いところにいるのだから、確かにいちいち人類を潰してまわる必要はありません。言葉とは裏腹にスケールは大きいようです。

・個人的には新国連本部でのやり取りよりも、冒頭5分の島の様子のほうが満足感がありました。
操はいつの間にか島に馴染んでいたようでしたし、暉は現実を受け止めた上で前を向くことができた様子でした。島のほうが短いながらも密度は濃かったように感じました。

■真矢
・覚悟を決めてダスティン部隊をあっさり始末していました。あのワイヤーって怖いんですね。

・憎しみにどう向き合うか、この問いに対する真矢の答えは「相手を殺すなら自分も死ぬ」でした。憎しみの連鎖と自分の暴走を防ぐには最も確実な方法でしょう。論理的で真矢らしい回答だと思います。
フェストゥムも同化を続けるとやがて飽和し自滅するそうです。真矢の思想はある意味ではフェストゥムと同じ行為と言えるのかもしれません。

・また結果的にはヘスターとの対話に成功したと言えます。
主な理由はヘスターが真矢に思い入れを持っていたからですが、これも希望と思っていいのでしょうかね。

■ヘスター
・ヘスターの過去が語られました。
最初は敵から人類を守るために始めたことが、いつしか自分が身内の一部からも敵とみなされるようになっていたようです。全体としては自分の誤りを自覚しつつも、これまで自分がしてきたことを正当化するために後戻りができなくなっている様子でした。状況的に迷っている余裕がなかったのも確かなのでわからなくもないです。

・ただ4つ目のプランは理解できませんでした。
生き残れる人を残して他を犠牲にするという考え方はわかります。失敗は許されない状況ですから確実に安全な方法を選ぶのは妥当だと思います。
しかしどうやって助かるつもりだったのかがわかりません。人類とフェストゥムを潰し合わせてもフェストゥムがたくさん残ると思います。抗体があろうと殺されないわけではないから結局助からないように思えます。ベイグラントの誘導でどうにかできるなら始めから5万人なんて限定する必要はないでしょう。赤い靴作戦はどこに勝算を見出していたのか理解できませんでした。

■マークレゾン
・色がクリーム色であんまり強そうに見えません。コアを集め終わったら形状変化するんでしょうかね。
当面の目的はコアを奪ってパワーアップすることのようです。ゴルディアス結晶&ミール&アザゼル型の支援一極集中はかなりヤバそうでした。あれを受けたら島のミールでも危なそうです。対抗するために地上と宇宙の2正面作戦でも行うのでしょうか。

・このタイミングでアザゼル型が生き残ってどうするのかと思っていたらやっぱりこんな役でした。
ウォーカーさんも次回の冒頭あたりで吸収されてそうですね。消化試合なのでぱぱっと済ませてほしいです。

■ジョナサン
・「後で記憶を消してあげる」「愛する人を与えてあげる」など、第三ミールがやっていることは憎しみの源であるヘスターと大差ありませんでした。この点がほころびになりそうです。
自分と他者、敵と味方、利用するものとされる者、そういった境界線と立ち位置のゆらぎが物語のキーワードの1つであることは間違いないでしょう。そう考えるとジョナサンの憎しみの矛先がアイを殺し自分の存在を消した第三ミールのほうに向くときが来るのかもしれません。

・この場合、父ミツヒロへの思いはどう転ぶのか自分でも考えあぐねています。
自分をモルモット扱いしていた父への憎しみが同じように自分を器扱いする第三ミールに転嫁されるとも考えられますし、父の理想であったザルバートルモデルを悪用することに反発するとも考えられます。

■操
・今回、操がコアだと明言されました。
コアの定義は「ミールと人間の仲介役となる人型インターフェイス」でしょうから機能的にも間違いないのでしょう。

・個人的には操と織姫の絡みが気になりました。
「自分で戦うコアなんて変」と言っていたのは、織姫の参戦フラグともとれます。
それ以外にも前後の台詞を深読みすると「操は前の操が甲洋と戦ったから甲洋が苦手」→「織姫は誕生中に操たちに攻撃されたから生理的に操が苦手」とも考えられそうです。


次回のタイトルは「第三アルヴィス」。
今回の冒頭では真壁司令が、「エスペラントがアルタイルに接触する準備を進めている」ようなことを言っていました。どうやら第三アルヴィスのある場所や行き方は把握済みみたいです。
残る敵アザゼル型はベイグラントを除くとウォーカーと生死不明のアビエイターだけです。レゾンが来なければ大した苦労はなさそうですがどうなるのでしょうか。次回予告が全部赤文字な点が気がかりです。


コメント

2 件のコメント :

  1. 今はコメントが消されていますが、マークレゾンのカラーはフェストゥムを連想させると言った人がいましたね。で、赤は血の色だと……。

    後、総士にやられたぽっと出のおじさんはなぜ人類軍に捕まっていたのでしょうか? 情報があまりに少ないです。

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    1. >マークレゾンのカラーはフェストゥムを連想させる

      そういう解釈もあり得るかもしれません。個人的には無しですが。
      フェストゥムの因子を持っている人間すら抹消しようとしているヘスターたちがフェストゥムと人間の両方を連想させるデザインの機体を作るとは思えません。

      >総士にやられたぽっと出のおじさん

      私の理解ではあの人は前回出た科学者だと認識しています。
      前回ヘスターが真矢を第三ミールへ案内したときに、ジョナサンの記憶を消す命令をプロメテウスに打ち込んだ科学者と同一人物だと思います。
      なぜ捕まっているかというと、前回のジョナサン覚醒時に側にいたからでしょう。ジョナサンの肉体を搬送していた部下は結晶化されて即死しましたが、あの科学者は同化されずに側にへたり込んでいました。前回のラストの後にジョナサンたちに拉致され、利用されたと考えるのが妥当だと思います。

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