映画:『インセプション』感想

2011年10月6日
映画『インセプション』を見た。

『あらすじ』
ディカプリオと渡辺謙が共演して話題になった映画。
ディカプリオ演じる主人公、コブは他人の夢に入り込み、情報や新しいアイディアを盗みだす企業スパイ。
渡辺謙演じる大企業の社長からライバル会社を潰すために次期社長の息子にあるアイディアを植えつける(インセプション)仕事を持ちかけられる。自分の犯罪歴を消すために仲間を集め、不可能とされるミッションに挑む。
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レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙 他

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トレーラーの印象だと派手な銃撃戦や夢の中という設定を活かした現実にはあり得ないビジュアルが売りだと思っていた。映像表現がすごい。
夢の中なので夢のデザイナーの思考によって立ちどころに街が変化していく。
街が折りたたまれて箱型になって頭上にビルが生え、車が走っているシーンは視聴者もあの世界にいるような感覚がして引きこまれた。

しかし実際に見たらそれは世界観のための演出に過ぎず、重厚なストーリーとSF設定がメインだとすぐにわかった。
全てのシーン、台詞に意味があり、軽い気持ちで見て見過ごしてしまうとあっという間に話についていけなくなる。それほど濃密な脚本に仕上がっている。
個人的には設定の説明の仕方に感心した。夢の階層構造になっていて、上層で起きた変化は下層にも影響を与えるとか、かなり複雑な設定になっている。
だけどちゃんと見てればすんなり理解できるようになっている。というのも、まず言葉で説明し、直後に実際にどういう風になるか見せてくれる。
言葉+映像による説明ですごくわかりやすい。映像自体に驚きや迫力もあり、退屈になりがちな説明をわかりやすく、かつ面白く描写してる。
本当に映画としての基礎がよくできている映画だと感心させられた。

この映画、実に考えさせられる映画だ。
作中において『夢の世界に存在するものは潜在意識が創りだすものだ。
経験したこと、見聞きしたものを元に創りだされる。』という定義がある。
つまり夢の中にあるものは当事者が望んだものということだ。
主人公、コブは妻殺しの濡れ衣を着せられ、愛する子供たちのいる母国に帰ることができない。
だから渡辺謙の危険な提案に乗ってでも帰ろうとしている。
ラストシーンはミッションを無事に完了し、家で子どもに会えたところで終わる。
みんな幸せになって実にハッピーエンドだ。
…しかし始めから見てきた視聴者には疑わしい光景とも取れるシーンになっている。

夢と現実の区別はつかない。
そのため主人公たちはトーテムという重心が寄ったイカサマサイコロなど自分しか感触を知らないアイテムを用意して、夢の中にいるのかどうか区別がつくようにしている。
コブのトーテムは金属の独楽。夢の中では永遠に回り続けるようになっている。ラストシーンでは、この独楽がわずかに傾いたように見えるところで終わる。
だけどこれはコブが望んだ光景だ。他人の侵入なら区別はつくが、自分がそう望んでもトーテムは正しく作用するのだろうか?
”夢の中の夢”=階層構造。という設定もある。
ひょっとしたら夢の中で経験したことを元に新しい夢を創ってループしているんじゃないかとさえ思えてくる。

作中で重要な台詞に
最も強力なウイルスは”アイディア”だ。始めは小さな芽に過ぎないが、芽吹くと強固なものになり、やがて現実にまで影響を及ぼす。』
と言っている。
映画を見ていくうちに私の中に『あれはコブの夢じゃないか?』というアイディアが育っていくのを感じた。

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