漫F画太郎 『罪と罰』 1巻:感想
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あの漫☆画太郎が、文豪ドストエフスキーの小説を漫画化したもの。
もうこの時点であり得ないが、内容はもっとあり得ない。
原作は主人公が金貸しの強欲婆さんを殺したことから話が展開する。
ところがこっちの罪と罰は、1話にして主人公が返り討ちに会い、さらにババアに両手両足を切断されてレイプされるという超ハードな展開!
1巻の最後は別のババアが欲情して『まん なかー!!』に軟膏を塗るよう要求するという18禁にしたほうがいいんじゃないかと思うシーンで終わる。
もう罪と罰のコミカライズとかいう以前におかしい。
主人公の名前は『エビ山エビゾー』。おいラスコーリニコフはどこ行ったw
たぶん原作でのヒロインにあたると思われるキャラに至っては『マヨ』。完全にアレです。
金貸しのババアもただ者じゃない。主人公を斧でダルマにしレイプしようとする。そして見た目は湯婆婆にそっくり!
ペンネームが☆じゃなくてなぜか”F”になってたり、各キャラの名前&見た目といい、各方面から訴えられてもおかしくない。
存在したことさえ消された伝説の黒歴史『サラリーマン珍太郎』を彷彿とさせる。
そんなふざけた内容なのに読んでる間は笑えないくらいにきつい。
漫☆画太郎の本気のババアが絶望的な状況で襲いかかってくるのがこんなに恐ろしいものだったなんて。
いつもの漫☆画太郎のマンガを期待して読んだ私でも戸惑ってしまう。
でも巻末の読解コラムで大爆笑した。
笑いという点ではこっちが本編だと思う。
大真面目に原作と比較して分析しているのがおかしくてたまらない。
本編の不条理さを論理的に解説しようとしているのがシュールすぎ。
それでいて原作小説を読んでいると『なるほど。そういう新解釈だったのか!』とちょっと感心させられたのがまた笑える。
ライターの吉田大助さんが漫☆画太郎のむちゃくちゃさに振り回されているのもわかって面白い。
ネーム段階で男だったキャラが、掲載時にヒロイン化しておまけに全裸になってたらそりゃ『マオが女だったなんて…』って裏切られたと思うわw
編集部の注釈もひどいw『ネーム時はマオは男でしたがドストエフスキー様からのお告げがあり変更になりました。一部コラムとの内容が食い違う点がございますがご了承ください。』
ドストエフスキーに祟られるw
ラノベ風な表紙詐欺(描いたのは別の人w)をしたり、『エルシャダイ』のルシフェル風なキャラが出たり、現代的要素を取り込もうとしているのが見てとれる。
コピー上等の漫☆画太郎作品としてはかなり意欲的だ。
いろんな意味でこの先も目が離せない。
*ちなみにカバーの帯に『カバーイラストはイメージです。』ってちっちゃく書いてあるから厳密には表紙詐欺ではありませんw
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