『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』 第12話「魔法の腕輪」:感想

2018年4月29日

【ストーリー】

■悪くないけどこれじゃない
・今回は脚本が初登板の荒川さんでゲストの子供中心のお話でした。内容は普通で悪くありませんでした。
だけど快盗や警察の話のほうがまだまだ見たい今の気分ではゲストの話では物足りません。悪くないけどこれじゃないという印象です。

・透真の話とあまりつながっていない点が微妙だと思います。
「彼女を思い出した」という以上のつながりが感じられません。透真は昔は普通だったと既に描かれているので「実は良い人」や「意外と甘い」という話は新鮮味がありません。


【アクション】

・ボスの倒し方があっさりで肩透かしでした。あんなついで程度に倒されるとは思っていませんでした。
巨大戦も換装しないで合体したのにすぐ換装したのは無駄だらけでダメだと思いました。

・先にヨーヨーで拘束してからの必殺技への流れはスムーズで良かったです。
ルパンレンジャーの雑魚相手の銃撃アクションもかっこよかったです。普通の戦いが普通に良いというのは安定感があってありがたいです。

次回は遊園地とのタイアップ回みたいでした。
次回も荒川さんですし、ここ数話の流れからすると10話が一つの節目だったようです。GWが終わった次の次から新展開が始まりそうです。



【1クール終わっての感想】

・どうやら1クールの節目は終わったみたいなので現段階での全体の感想を書いていきます。

・今のところは第一印象の範疇です。
シリーズ構成の香村さんの『ジュウオウジャー』の実績どおり丁寧な話し運びで安心して見られます。「快盗」というゴーカイジャー以来のピカレスク要素はストーリーとアクションの両面で機能していますし、快盗があるから警察というコテコテの要素も際立っています。基本的には期待どおりのクオリティを楽しめています。

・対立する2つのグループが並立するストーリー構成の弊害も想像の範疇です。
「vs」という表記を見たときに、これは戦隊のvsシリーズでよくある片方が噛ませ犬にされるパターンにならないといいのだが、と危惧しましたが半分はそうなっています。

・今のところストーリーは快盗メインで進み、警察側は快盗に振り回されて割を食うことが多いです。
「主役グループが2つ」というより「主役と扱いの良いサブキャラ」という印象のほうが的確なように思えます。モチーフに絡めて例えるならルパン3世と銭形警部みたいなものです。銭形警部はキャラクターとして一本立ちしていますし単独での活躍もあり得ますが、基本的にはルパンと絡み、そして苦情を舐めさせられるのが基本パターンです。
快盗がメインと割り切って見れば特に問題ないでしょうが、公式に掲げられたお題目を信じて両方とも対等な主役だと思って見ていると違和感を感じるでしょう。
個人的には快盗中心ならそれはそれで構わないのですが、ストーリー展開に幅を持たせるためにも警察側が動く展開も入れてほしいです。

・だからといって2つのグループに大した意味がないかというとそんなことはないと思います。スポットを当てるキャラによって雰囲気をガラッと変えられることは有意義だと思います。
戦隊と言えば、メインストーリーの合間に各キャラにスポットを当てた個人回があるのが定番です。しかしながら結局同じグループのメンバーには違いないので普段の延長にしかならず特別感が薄いですし、「前回は個人回で目立っていたキャラが、その次の別のキャラの個人回のときには嘘のように空気になっている」なんて違和感を感じる流れになってしまうこともたまにあります。所属するグループ自体を別のグループに分けることでグループごとに雰囲気を大きく変えて話のバリエーションを作れることには戦隊のフォーマットにおいて意義があると私は思います。
4クールものは中だるみや引き伸ばし感が強くなりがちです。1クール終わった13話となると、もうだいたい基本パターンは見尽くしたかなという印象になりがちです。ルパパトの場合はまだあれやこれやを見ていないという印象で、長丁場への適性は通常の構成よりもあるのではないかと可能性を感じています。

・全体としては戦隊定番の面白さと快盗などちょっと捻った要素の合わせ技で安心して見られます。
あとはこの調子を維持できるかとどこまで上げているか。それと快盗と警察など枠にはまり気味の要素を上手く殻を破れるかが焦点かなと思います。

コメント

4 件のコメント :

  1. こんにちは。

    個人的には今回の様なゲストを交えて一人のキャラに焦点当てる話が大好きなので今回はそこそこ満足出来ました。
    「アイテムの力に頼った栄光と思われたが、実は当人が実力を出し切って掴んだ栄光」ってオチはシンプルでベストだと思いましたし、何より既存の「快盗に振り回される警察」と言うスタイルが惰性的しかけてたこのタイミングでは必要性のある話だったかと。
    まぁ透真とゲストの絡みに尺割きすぎて戦闘おざなりだったのは否めませんけどね。

    第1クールの総評はシンプルに「奇をてらった設定群の割りに中身は例年並み」と言った所ですかね。
    個人的にはあまりスタッフの名前や過去の実績ありきで作品評す主義ではないので、香村脚本が丁寧とも斬新とも思えませんし「この作品だからやれる話」はまだ無いですね。

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    1. 匿名さん、こんにちは。

      >何より既存の「快盗に振り回される警察」と言うスタイルが惰性的しかけてたこのタイミングでは必要性のある話だったかと。

      私は肯定的ではありません。
      別の流れにすること自体は歓迎します。しかしそれはゲスト中心のお話ではありません。それは「別の流れにすること」ではなく、別の物を持ち込んだだけなので優れた手法だとは思いません。

      >香村脚本が丁寧とも斬新とも思えませんし「この作品だからやれる話」はまだ無いですね。

      私はよくやっていると思っています。
      少なくとも「快盗と警察」という軸や敵を倒す以外に明確な目的を持って動いているメンバーという要素は戦隊ではユニークだと思います。

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  2. L.E.D.ガイスト2018年5月1日 9:44

    今回のルパンコレクションって、『未来戦隊タイムレンジャー』のクロノチェンジャーの改造品ですよね多分。
    クロノチェンジャーに、3秒間だけ機動力を大幅に上げられる「アクセルストップ」って追加機能があるから、今回の“高速移動ができるコレクション”に選ばれたとかでしょうか?



    今回の話とは関係ないのですが、警察側のVSビーグルのトリガーマシンって、怪盗側のダイヤルファイターの解錠機能のような特性はないのでしょうか。何かトリガーマシンに特性がないと、こういった部分でも怪盗側が優遇されている様で気になります。
    今後、トリガーマシンの特性が明らかになるのかな?

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    1. >今回のルパンコレクションって、『未来戦隊タイムレンジャー』のクロノチェンジャーの改造品ですよね多分。

      これまでのコレクションに明らかに過去戦隊のアイテムがあるので、今回もそうだと思います。

      >クロノチェンジャーに、3秒間だけ機動力を大幅に上げられる「アクセルストップ」って追加機能があるから、今回の“高速移動ができるコレクション”に選ばれたとかでしょうか?

      その可能性は高いと思います。しかしそこにこだわるのはリスクが高いと思います。
      前回の映画回でのゴローダーGTなど能力との関連性が薄いコレクションも既にいくつも存在すると思うからです。「たまには原典の要素を拾ってくれる」くらいに思っていたほうが無駄に期待を裏切られずに済むと思います。

      >今後、トリガーマシンの特性が明らかになるのかな?

      その可能性もあると思います。特にない可能性もあると思います。
      出自自体が怪しいものですから可能性は無数にあると思います。
      たとえば、
      「警察側に与えられたvsチェンジャーはギャングラー対策であり、快盗を急かすために用意されたもの。だからギャングラーには勝てるけど快盗は倒せないようスペックを落としている」とか、
      「警察側のチェンジャーは量産を目指した試作品。一点物の快盗のほうがスペックが高いのは当たり前」とか
      あるいは「警察にチェンジャーを与えたのは快盗側のルパンとは違う別の人物。目的はルパンのコレクション回収を阻止することだが、手に入れられたor模倣して作れたのが快盗のチェンジャーより劣る性能のものだった」なんて可能性もあるでしょう。
      はたまた「警察にも解錠機能があるが使う気がないから使ってないだけ」というシンプルな線も考えられます。
      現段階では可能性が広すぎて絞れないと思います。

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