■疑問には適宜答える
・「コレクションを盗めないまま怪人を倒したらどうなるの？」という疑問に思ったよりも早く踏み込んでくれて安心しました。これで快盗が盗むまでは怪人が倒されることはないという暗黙の了解がなくなって、バトルがよりスリリングになりえます。
視聴者が当然疑問に思うところに早めに答えてくれると「ちゃんと作ってあるし、答える気もあるんだな」と思えてスタッフへの信頼感が生まれます。

・コレクションは特別な物だから壊れずに残るのだろうかと考えていましたが怪人もろとも無くなったみたいですね。
コレクションの収拾という第一目標を捨てて予告で言っていたように別の道を探すのか、それとも小暮さんに「あれは回収しなくても大丈夫なコレクションだからそのまま回収作業を続けてほしい」と言われてコレクションへの疑問を深めていくのか。1クールの終わりも間近なこのタイミングにちょうどいい転換点になりそうです。

■補完関係
・ゲストと魁利の補完関係が鮮やかでした。
ゲストを通して魁利の心境を語って魁利の掘り下げを行い、魁利の過去は既に知っているからゲストがなぜ姉に会おうと決心した背景は語らなくても文脈で補える。定番のやり方ですがスマートなお手並でした。香村さんはこういう構成が上手いですね。

■自己と他者
・今回個人的には気に入った描写は、グッティに力を貸してくれるようにちゃんと頼む圭一郎の姿でした。
圭一郎からすればグットストライカーは警察の備品のはずですし、快盗にも協力する厄介者のはずですからもっと横柄に力づくで従わせる態度でもおかしくないと思います。それでもちゃんと礼儀を通して「街を守るために力を貸してほしい」と頼むのは立派だと思います。
自分のことには頑なだけど、つかさやグッティなど他人の意思が介在することには相手の意思を尊重して無理強いしない。圭一郎のそういう姿勢が個人的には好きです。

■シチュエーションだけでも面白くできる
・巨大戦の片方の噛ませ犬化は相変わらず残念でしたが、エレベーターでの戦闘は面白かったです。
街中で戦うのならこういう身近なシチュエーションでの戦闘があると視聴者にとってのリアリティが増して良いと思います。特別に予算がかかるものでもないし、どうせビルを借りてロケをするなら一石二鳥でしょう。こういう予算のかかりにくい工夫は継続して可能なので通年ものにぴったりだと思います。


次回はコレクションの回収という当初の目標は絶望的になり、代わりに仇であるザミーゴを殺しに行くようです。
ザミーゴで12話の節目まで引っ張るのか、それともまた回収作業に戻るのか。どうなるのか楽しみです。