燃やせ蒸気魂!3DSソフト『スチームワールド ディグ』:クリア後感想&レビュー

2013年11月27日
3DSダウンロード専用ソフト『スチームワールド ディグ』のクリア後レビュー&感想です。
ネタバレ要素を多少含みますのでネタバレは見たくない方は、こちらのプレイ初日感想を御覧ください。

お気に入り度6/10


【良かった点】

■壁があるなら掘る!
・最初から最後までひたすら壁を掘るゲームです。
宝を取るのも己を強化して更に掘り進むため。ときに敵と戦うのも掘る邪魔をさせないため。奥に進むのは掘る物が無くなった結果に過ぎない。なぜ掘るかなんて考えもせずひ、たすら掘って掘りまくる。そんなプレイ自体をン楽しむゲームでした。
バトルやストーリー、コレクション要素などを期待するなら他をあたったほうが良いでしょう。

■閉塞感からの解放
・ずっと地下で掘っていると、だんだん疲れてきて「俺はなんで掘っているんだろう」と虚無感に囚われることがあります。しかし、その気持ちは製作者の目論見通りです。そう思ってきたころにドンピシャのタイミングで、プレイ間隔が刷新される新しいアイテムやアクションが手に入ります。
私はこれを3回くらい繰り返しました。完全に製作者の手の内で踊らせられました。ストレスまで計算に入れた絶妙なバランス、それがこのゲームのクオリティを物語っています。

・特にドリルが素晴らしい。
手に入った瞬間、世界が変わり、強化すると更に次元の違う世界へ連れて行ってくれます。ツルハシで手掘りするのが馬鹿らしくなってきます。おかげでラスボスの言い分にほいほいのってしまいそうでした。産業革命バンザイ!!

■惜しいほど軽快なアクション
・ダッシュや二段ジャンプ、果ては飛び道具のスチームパンチなど様々アクションが手に入ります。これが無駄にすごい! ダッシュジャンプしてるだけでアドレナリンが出てきます。思わず「これでロックマンX作ってくれ!」と思ってしまいました。一応、最後に形ばかりのアクションパートがありますが、明らかに作りこみ過ぎです。ですが、この軽快さが無くてはこんなに面白くならなかったでしょう。

■その他ボリュームなど
・ボリュームはクリア時の表示時間では、約7時間半でした。何回か死んでリセットしたりしてるので8時間くらいでしょうか。私は端から端までコンプするように遠回りしてたので、普通に進めば6時間前後だと思います。このゲームのボリュームにはちょうどいいと思います。

・クリア後要素は特にありません。プレイ時間や死亡数などで金銀銅と3段階評価がありましたが、全部金にしても何もありませんでした。タイムアタックや全ブロック破壊など自主的な2周目だけでリプレイ性は高くありません。

【残念だった点】
■基本的には無し
・概ね期待するものには応え、ストーリーなど、元から無いだろうと思っていたものは無い妥当な内容です。
最後の展開がいまいちだったくらいですね。B級映画のハッピーエンドのように、締まらないからとりあえず付けてみた感じです。せっかくなのでトドメは叔父さんの蒸気魂のこもったツルハシにしておきました。

■翻訳が怪しい
・登場人物の口調が気になりました。
主人公はトレーラーだと頼れるハードボイルドな感じなのに、作中では常に敬語で話す気弱な青年という印象でした。また都会から来た紳士風の商人が、普段は紳士然とした話し方なのにアイテム説明になると「強化できるぜ」や「こいつをつけてやろう」と口調ががらっと変わります。
オリジナルと比べたわけではないので何とも言えませんが、翻訳はあまり良い仕事では無さそうです。予算的に仕方ないですけどね。

■世界観がもったいなかった
・スチームパンクな世界観が、ストーリー展開や主人公の装備の背景語りを省くためだけだったのがもったいなく思えました。敵の呼称「バグ」が虫とコンピューターのバグのダブルミーニングだったり、興味をひかれる部分もあったので、町の人の会話だけでももう少し掘り下げてほしかったです。人間らしきものも出てくるのに最後までやっても正体が掴めなかったのは特に残念でした。

■改善点
・個人的に気になった点は、
1)帰還の度に鉱石売るために話しかけるのが面倒。オートにしてほしかった。
2)見えてる鉱石以外に、隠しアイテムや横穴があると嬉しかった。
3)もう少し女の子が可愛くならないでしょうか。クランキー爺さんか、虫バグのほうが可愛いです。

【個人的感想】
■コツコツやりたいときには良いゲーム
・適度なストレスと開放感。RPGに近い爽快感が味わえました。派手さはありませんし、シンプルな分ミスったときには落ち込みます。楽しいゲームですが「手っ取り早くスカっとしたい!」という気分のときには向かないでしょう。「日常があまり上手くいっていない。」そんなときに毎日1、2時間息抜きがてらコツコツ進めて達成感を味わう。そういう楽しみ方のほうが向いていると思います。

■レトロゲーマー向け

・操作感覚含めて、レトロなゲームが好きな人、特にスーファミ世代向けです。
操作感覚とゲームバランスを楽しむゲームです。インディーズらしい目新しい要素はありません。「たまには古いゲームもやりたいな。でも今更やるのもな」と思うことがある人には、うってつけだと思います。

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