3DSソフト『パズドラZ』の体験版の感想です。
なおスマホのパズドラはやったことがありません。

■体験版のボリューム
・本編最初から始まって、途中で「続きは製品版でね♪」で終わるタイプです。
戦闘は、チュートリアル＋雑魚戦数回で終わってしまうため、難易度などはさっぱりわかりませんでした。冒険の流れと戦闘システムの基礎、序盤でわかる最低限の部分に絞られています。

■冒険の流れ
・ワールドマップからダンジョンを選択→クリアすると先に進めるように。これを繰り返すシンプルなアドベンチャー形式です。

・ダンジョン内では自動的に前進します。プレイヤーがするのはＰＴ構成と戦闘だけです。途中で敵と数回戦い、宝箱を見つけたりしつつ、一番奥のボスを倒すとクリアです。経験値の他に、敵が進化用のアイテムや卵を落とすので、それでＰＴを強化していく仕組みのようです。

■戦闘は面白そう
・画面下のパズルを揃えると、その色のモンスターが攻撃できます。
難しいですが、面白いですね。飽きるまではただパズルをやっているだけで楽しめそうです。やってみた感じだと目に見える連鎖を狙うよりも、できるだけ多く消して後から降ってくるドロップで連鎖を期待するほうが良いみたいですね。この辺りは運ゲーな感じもしますが、どうなんでしょう。

・戦闘中に溜まるポイントを消費するスキルもあります。
全体攻撃や全体回復、全体強化などモンスターごとに様々なようです。通常攻撃1，2回で終わる雑魚戦ばかりでボス戦がなかったので、ありがたみはわかりませんでした。

■ストーリーが酷い
・体験版で最も印象に残ったのがストーリーの酷さです。
キッズ向けにしても、ここまで酷いのは珍しいです。
カビが生えた古臭い話な上にテキストの品質も同人ＲＰＧ以下。お寒いギャグやメタネタも完備しています。更に昔のＲＰＧによくあった、どちらを選んでも変わらない選択肢や「いいえ」を選んでも「はい」を選ぶまで延々ループする選択肢もあります。

・主人公の性別や名前を決めてゲームを開始してまず表示されるのが世界観の説明です。
「この世界の名前は～で、この世界にはドラゴンを操るドラゴンテイマーがいます。主人公のあなたはドラゴンテイマーを夢見る子供です。」そして母親に起こされて目覚める主人公・・・
見ていてタイムスリップしたような気分でした。オールドスタイルにもほどがあります。

・冒険の始まりも強引で、敵の描き方も酷いです。
いきなり悪役がやってきて主人公が戦おうとしたので「イベントバトルで負けるパターンか」と思ったのもつかの間、戦闘にならずにやられてペット兼ヒロインに助けられました。負けパターンを教える良い機会なのに、なんで戦闘がないのでしょうか？
しかも後で公式ページを見てみたら、ペットにやられた雑魚は世界を封印した悪のリーダーだと判明しました。オープニングイベントで主人公と当面のラスボス、両方の格を下げるなんて斬新な脚本ですね。

【個人的感想】
■なぜ無理やりＲＰＧにしたのか
・戦闘は忙しいし、頭も使うのでゲーマーでも楽しめるバランスでした。ゆっくりしてると負けるバランスになれば、さらに面白いでしょうね。育成もリーダースキルなどモンスターごとの違いが多く、ＰＴ構成もいろいろ考えられそうです。モンスターの進化は敵が落とすアイテムで済むので育てる手間は大したことなさそうでした。公式では配信式の高難易度の追加ダンジョンなども準備しているようですし、戦闘と育成に関しては期待できそうです。

・反面、それ以外は壊滅的です。ストーリーも退屈どころか見てるだけで不快になる内容です。グラフィックも戦闘画面やモンスターの書き込みはしっかりしているのですが、町並みなど戦闘に関係ない部分はDSどころかアドバンス並です。戦闘とモンスターを除くと、かけてる予算の額が二桁は違うんじゃないかと思えてきます。

・こんな程度のクオリティで無理やりＲＰＧ形式にするくらいなら、ダンジョンに潜って戦闘→帰還して強化を繰り返す、ウィザードリィのようなシンプルなハクスラ形式のほうが合っていたと思います。
もっと言えば「スマホのパズドラでＯＫ」なのかもしれません。まさか、それが狙いなのでしょうか？

■ストーリーを我慢する覚悟が必要
・ストーリーがつまらないゲームは経験がありますが、我慢しないといけないほどのゲームは初めてです。
戦闘と育成だけに集中しようにもウザいほどに絡んできます。基地にいるはずの仲間がくだらないギャグのためにダンジョン内に現れて帰っていったときには、どこにも逃げ場がないのかと絶望しました。半端な覚悟では投げ出してしまうでしょう。まずは体験版をプレイして耐えられるか確認するのをオススメします。