GM版プロジェクトX 映画『マネーボール』:感想

2013年6月15日
ブラピ主演の映画『マネーボール』を見ました。

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(2012/10/03)
ブラッド・ピット、ジョナ・ヒル 他

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お気に入り度・7/10

【あらすじ】
弱小球団のGM、ビリー・ビーンは資金力に劣る球団でリーグで勝ち抜く方法を模索していた。あるとき統計学に基づいて選手を評価するセイバーメトリクスを考案したピーターと出会い、やがて独自の手法、マネーボール理論を作り上げ、一躍リーグの首位争いへと駆け登っていく。


【感想】
■GM版プロジェクトX
・この映画、弱小球団を舞台にしていますが、『メジャーリーグ』や『がんばれベアーズ』とは全然違います。
勝利は「アスレチックス5連勝!」「破竹の勢い、10連勝!!」と、結果でしか描かれません。主人公であるGMのビリーの行動と葛藤に焦点があてられいる作品です。見ていて、『プロジェクトX』のような作品だと思いました。

■ブラピがかっこいい
・スカウトする選手を決めたり、予算内でやりくりするのがGMの重要な仕事です。GMに馴染みが無いのでとっつきづらいところがあります。そこでブラピの出番です。そこに映っているだけで存在感のある演技。喜怒哀楽、アップダウンのある表情。ブラピの演技のおかげで起伏の少ない展開も見せ場になります。

■一つ問題が
・ただ作中全体を通して感じた問題があります。それは感情移入しづらいことです。
GMは管理する側なのでチーム全体の都合で、選手をどんどん切り捨てます。理由も活躍しないからといった実力面での理由よりも、評価が上がったからトレードすると移籍金がもらえるなど、選手からすれば納得できない理由なのです。
切り捨てられる側の身としては、見ていて感情移入しづらいです。劇中で描かれるビリーの視点から考えれば、筋は通っているいますし、論理的に納得はいくのですが感情的には割りきれませんでした。

■あくまで経営者視点
・この映画はプロジェクトXはプロジェクトXでも視点の置き方が違います。
現場への歩み寄りもありますが、それはあくまで効率化のためでしかありません。そこに期待すると冷たい経営者の考えに裏切られた気分になります。

・結末がハッピーエンドではなく『別の強豪チームがマネーボール理論を採用し、優勝する。』ビターな展開なのも、そう考えると納得がいきます。現実的に考えれば、そうなりますよね。

経営者視点で見ることに違和感を感じない人なら最後まで楽しめる映画だと思います。
あるいは、馴染みのある弱小球団がのし上がるオブラートに包んで、違った視点を理解する足掛かりとして見るのも良いかもしれませんね。

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