ヘレンの前作 フリーゲーム『愛はさだめ、さだめは死』:感想&レビュー

2013年6月22日
フリーゲームの『愛はさだめ、さだめは死』の感想&レビューです。
『ふしぎの城のヘレン』の作者さんがヘレンの前に作った作品です。戦闘システムがヘレンの原型を感じさせる内容になっています。

【かなり人を選ぶ戦闘システム】
■基本はヘレンと同じ
・ゲーム内容は移動はWIZのような3Dダンジョンです。プレイヤーは死神となり、特定箇所にいる罪人を倒して、武器を奪いながら進んでいくのが主な内容です。

・肝心の戦闘は基本はヘレンと似ています。持っている武器を選び、攻撃してHPをゼロにすれば勝ちです。
一つ大きく違うのが装備以上にステータスが重要なことです。

■戦闘の鍵を握るステータス
・ステータスは3つだけ、HPとVIT、それにVIT増加です。
  HP:RPGの定番通り。これがゼロになったら死亡。
  VIT生命力。武器を使う度に消耗し、残りVIT=防御力であり、素早さでもある最重要ステータス。
  VIT増加:毎ターン始めに回復する量。

■複雑過ぎるVIT
このVITがくせ者です。
 1)ダメージ計算は『武器の攻撃力-VIT=ダメージ』となっています。=防御力。
 2)武器ごとに消費VITが決まっていて、VITと武器の数だけ連続攻撃も可能です。=行動力。(VIT最大値が10であれら、消費2+2+6=10等)
 3)行動順番は行動時点のVITの残量で決まります。=素早さ。

)2の連続攻撃の例で敵が最大7で消費2の攻撃をしてきた場合、自2(残りVIT8)→自2→敵の攻撃→自6攻撃。と攻撃開始時点でのVITが高い順に攻撃します。言葉だけでもややこしいですが、プレイするともっと大変です。)

あまり連続攻撃し過ぎると、防御が下がって被ダメが増えてしまいますが、武器にはヒット時にVITを減らす効果もあるので単発攻撃で防御重視にするとジリ貧になりがちです。
さらにVITが素早さも兼ねてるので、大変です。盾はダメージ計算後の一定値以下を無効にできるのですが、敵のほうがVITが高ければ当然、盾を構える前に攻撃されて無駄になったりします。

・その上、重要になるのが『気絶』です。
VITがゼロ以下にすると、そのターンの行動がキャンセル+防御ゼロ+そのターン中の被ダメが2倍+次のターン行動不能。と圧倒的な状況を作り出せます。気絶=死亡確定と考えてOKです。
この計算がまたやっかいです。防御や素早さに使うのは現時点のVITなのですが、気絶は連続行動で消費する予定分も含めて計算します。
上の連続攻撃の例を使うと、自分はVITフル活用で3回攻撃しているので、もしも敵がVITを1でも削れる武器を使った場合、当たった時点で即気絶します。たとえ敵が先に攻撃して、食らった時点でのVITが10あってもです。
防御と素早さは適宜計算なのに、気絶は予定値も込みというのが非常に計算をややこしくしています。

■序盤のハードルが高すぎる
・こんな複雑なシステムで、慣れるには中盤までかかります。
その頃になると武器も揃ってだいぶ楽になるのですが、序盤が本当に辛いです。
戦闘終了時にHPもVITも回復しないので、1戦ごとに回復しないと次で確実に負けます。負けると手持ち武器をランダムで失うので、気軽に負けることはできません。
それなのに回復できるのがダンジョンを出て、街に戻ったときのみなのです。結果、序盤は難解なシステムの中、どうにか敵を倒しては、毎回徒歩で街まで帰り、また敵を探すの繰り返しになってしまいます。

総プレイ時間の40%はチュートリアル後の一つ目のダンジョンで過ごすことになります。
たぶん、大半の人はここで投げると思います。それも無理ないです。

【感想】
・このゲームはオススメできません。やるとしたら、
 1)ヘレンをプレイした後に、興味本位でプレイしたい人。
 2)独特なシステムが大好きな人。
くらいだと思います。私は1)ですが、それでも投げそうになりました。
慣れれば面白くなってくるところもあるのですが、相当厳しいです。

・特に、システムを理解する=強くなる。楽になる。というわけではないのが辛いです。装備に、ステータス強化、対等な敵を探すと要素が多すぎです。

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