『スター☆トゥインクルプリキュア』2クール目終了時点での感想
・スタプリの2クール目終了時点での感想です。厳密には27話視聴後の感想です。
■全体の印象=特に変化なし
・全体の印象は6話時点での印象から特に変わっていません。
キャラもストーリーも薄いです。癖のない作品を作ろうとした結果、味のない作品になってしまったという印象です。わざとやっているのだろうかと思うくらい無味乾燥とした場面が続いています。あまりにも何も起こらないので面白いもつまらないも言いようがありません。「これは何のアニメなんだ? 何がしたいんだ??」と困惑する割合のほうが現状では多いです。
・唯一良いところと言えそうな部分は、奇妙な星の冒険です。
毛むくじゃらの知的生命体が住む星やニンジンやバナナのような見た目の魚が泳ぐ星など見た目から変わった光景が見られます。
これ自体は悪くないのですが、わかりやすい見た目の奇抜さが一番目立っていることがスタプリの深刻な問題点です。こういう要素ははっきり言って出オチです。
見た目から変わったものを出せば「変わってて面白い」と思われるのは当然です。しかし作品世界に基づいた存在ではないためいくら出したところで作品の本筋にはなれません。もっと積極的にエンタメ路線に振って毎回変わった星の冒険をするくらいやれば本筋になり得ますが、本作はあくまで”プリキュア”であり、手間のかかるデザインや作画を維持するだけの体力もありません。こういう回をできるのは5話に一度程度が関の山です。この程度のものが作中では一番魅力的に見えてしまうのがスタプリの実情です。
お話の方向性としては明らかにキャラ中心に動いているはずなのにキャラに魅力がない。メインストーリーが薄いのにキャラ描写も少ない。それがスタプリの問題の核心だと思います。
■ヒカル
・ここからは各キャラの印象を語っていきます。
最序盤ではオカルト好きキャラで一番個性の強かった主人公のヒカルですが、予想したとおりに伸び悩んでいます。
キャラの根幹がオカルト好きなのですが最初からエキセントリックなキャラはそれ以上に伸ばすことが困難です。ヒカルも例に漏れず、オカルトを見かけては毎回同じような言動を繰り返すテンプレ的な反応になっていて飽きました。
・特に深刻な問題は周りとの関わりの薄さです。
オカルト好きなのはヒカルだけであり、他のメンバーにとっては「何それ?」という態度しか取りようがありません。ヒカル独りではしゃぐだけで話が広がりません。主役がこれではお話全体も膨らみません。その回の内容説明が「キラヤバー」という定型文で済む内容が続いています。
・そこの対策をしようとすると、今度はオカルトでも何でもないことに興味を持って首をつっこんでくる普通の女の子のようになってしまい、ヒカルのアイデンティティが崩れていきます。現状では回によって態度が変わる風見鶏と化していて、とても主人公とは思えないアイデンティティの薄さです。
■ララ
・主人公であるヒカルのパートナーのような存在であることに変わりはありません。いわば”メインヒロイン”と呼べる立ち位置でしょう。しかしそこがララの問題点です。
・「ヒカルは私にこう言ってくれた」みたいにヒカルを間接的に持ち上げるためにララの個人回が使われることが多く、ララ自身はどう思って何をしたいのかがあまり伝わってきません。プリキュア内唯一(だった)宇宙人という立ち位置があるのに活かせていません。追加戦士のユニも宇宙人で、しかもヒカルがユニへの接触を深めている現状では存在意義すら危うくなってきています。
■ユニ
・追加戦士で宇宙人で元怪盗で獣人で、敵にスパイとして潜入していた裏切り者であり故郷を復活させるために戦っているてんこ盛りキャラです。設定は盛ってあるのですがこちらも大半が死に気味なことが問題だと思います。
・元怪盗要素は既にストーリー上で着手しているのですが荷が重そうな雰囲気が漂っています。
味方側でできることは基本的には贖罪か報いを受けるか開き直るかの3択だと思います。贖罪は「悪党からしか盗まない怪盗」なので難しいですし、報いを受けることもまず無いでしょう。しかし開き直りでは盛り上がりに欠けると思います。完全に開き直らないと「私は罪人だから…」といつまでもウジウジすることになってこれも楽しくありません。
現状だと因縁の敵であるアイワーンと「まぁ、お互い悪かったってことでいいんじゃない」みたいになぁなぁな関係にして、全ての問題が解決したかのように振る舞うくらいしか道がないように思います。
・ユニが仲間になった理由が普段の言動と一致していないことも問題だと思います。
ユニが仲間になったのは「自分の星を蘇らせるのに必要なアイテムを集めるにはいっしょにいたほうが都合が良いから」だと本人が語っています。願いを叶えることが今の最優先事項であることは本当だと思います。
しかし実際のユニの行動には積極性が見受けられません。アイテムを集めるのが目的なら他のメンバーにアイテム探しを呼びかけては「あなたたち本当にやる気あるの?」くらいの態度を取ったり、普段は一緒にいないでアイテムが見つかったときやアイテムの絡むバトルのときだけ参加するくらいのほうが自然なのに、実際のユニは談笑している他のメンバーから少し離れて聞き耳を立てているか、いきなり話に混ざってくるかのどちらかでめんどくさいコミュ障をやっているばかりです。そんなありさまなのに言うことは「アイテム探す。願い叶える」なのでツンデレにすらなりきれていません。
・個人的に致命的な問題ではないかと思うことは、獣人の素顔と変身能力です。
ユニの本当の姿はケモノ顔の獣人です。普段登場している地球人に猫耳と尻尾をつけたような姿は怪盗ブルーキャット時代から使っている偽りの姿です。ストーリー上では見た目を偽り続ける理由が特に見当たらないので恐らく「見た目が急に変わると子供は同一人物だと理解できなくなるから」といったメタ的な理由でしかないのだと思います。
・個人的には不自然でおかしな絵面になっていると思います。
仲間になったはずなのに変装したままなんてまるで裏があるみたいですし、素顔でないことを気にしない他のメンバーも本当にユニを信頼しているのか怪しく思えてきます。
・今後、素顔になる展開があると良いのですが可能性は少ないでしょうね…
持て余すくらいなら素顔設定を無かったことにするか、「ユニたちの種族が他の種族から変身能力を恐れられていた」という設定を活かして素顔でいるとなにかと問題が起こるから変装したままにしていることにすれば良かったのにと思います。
■エレナ&マドカ
・二人セットで語っていいくらいに空気です。二人とも初期設定以上の話がない上に初期設定も一向に話が膨らまず停滞しています。
・エレナは家族の話しかありません。その上、家族の話がどれも結局「いろいろ大変なこともあるけどやっぱりこの家族が好き」みたいな現状の再確認で終わってしまう内容ばかりで既にマンネリ感が漂っています。
自分の家族が普通と違うことを悩む弟の話がありましたが、エレナをそういうポジションにしたほうが話を膨らませやすかったと思います。「学校でも人気者の優等生」という第一印象とギャップがありますしね。実際にはその問題すら家族の同調圧力で終わらされてしまいましたが…
・マドカはキャラ設定が破綻しているのではないかと思えるほど薄いです。「敬愛する父親に縛られているお嬢様」以上のお話がありません。
父親への思い入れが強いマドカを描く上では父親が重要な存在です。必然的に父親の描写が増えます。しかしマドカは主役ではないため与えられる個人回は限られています。その結果、「父親のキャラはやたらに濃くなるが、マドカは行動も少なく印象が薄いまま」というおかしなことになっています。既に27話なので「ここまで溜めた描写がマドカにつながるから大丈夫だよ」とは言えません。
■全体の印象=特に変化なし
・全体の印象は6話時点での印象から特に変わっていません。
キャラもストーリーも薄いです。癖のない作品を作ろうとした結果、味のない作品になってしまったという印象です。わざとやっているのだろうかと思うくらい無味乾燥とした場面が続いています。あまりにも何も起こらないので面白いもつまらないも言いようがありません。「これは何のアニメなんだ? 何がしたいんだ??」と困惑する割合のほうが現状では多いです。
・唯一良いところと言えそうな部分は、奇妙な星の冒険です。
毛むくじゃらの知的生命体が住む星やニンジンやバナナのような見た目の魚が泳ぐ星など見た目から変わった光景が見られます。
これ自体は悪くないのですが、わかりやすい見た目の奇抜さが一番目立っていることがスタプリの深刻な問題点です。こういう要素ははっきり言って出オチです。
見た目から変わったものを出せば「変わってて面白い」と思われるのは当然です。しかし作品世界に基づいた存在ではないためいくら出したところで作品の本筋にはなれません。もっと積極的にエンタメ路線に振って毎回変わった星の冒険をするくらいやれば本筋になり得ますが、本作はあくまで”プリキュア”であり、手間のかかるデザインや作画を維持するだけの体力もありません。こういう回をできるのは5話に一度程度が関の山です。この程度のものが作中では一番魅力的に見えてしまうのがスタプリの実情です。
お話の方向性としては明らかにキャラ中心に動いているはずなのにキャラに魅力がない。メインストーリーが薄いのにキャラ描写も少ない。それがスタプリの問題の核心だと思います。
■ヒカル
・ここからは各キャラの印象を語っていきます。
最序盤ではオカルト好きキャラで一番個性の強かった主人公のヒカルですが、予想したとおりに伸び悩んでいます。
キャラの根幹がオカルト好きなのですが最初からエキセントリックなキャラはそれ以上に伸ばすことが困難です。ヒカルも例に漏れず、オカルトを見かけては毎回同じような言動を繰り返すテンプレ的な反応になっていて飽きました。
・特に深刻な問題は周りとの関わりの薄さです。
オカルト好きなのはヒカルだけであり、他のメンバーにとっては「何それ?」という態度しか取りようがありません。ヒカル独りではしゃぐだけで話が広がりません。主役がこれではお話全体も膨らみません。その回の内容説明が「キラヤバー」という定型文で済む内容が続いています。
・そこの対策をしようとすると、今度はオカルトでも何でもないことに興味を持って首をつっこんでくる普通の女の子のようになってしまい、ヒカルのアイデンティティが崩れていきます。現状では回によって態度が変わる風見鶏と化していて、とても主人公とは思えないアイデンティティの薄さです。
■ララ
・主人公であるヒカルのパートナーのような存在であることに変わりはありません。いわば”メインヒロイン”と呼べる立ち位置でしょう。しかしそこがララの問題点です。
・「ヒカルは私にこう言ってくれた」みたいにヒカルを間接的に持ち上げるためにララの個人回が使われることが多く、ララ自身はどう思って何をしたいのかがあまり伝わってきません。プリキュア内唯一(だった)宇宙人という立ち位置があるのに活かせていません。追加戦士のユニも宇宙人で、しかもヒカルがユニへの接触を深めている現状では存在意義すら危うくなってきています。
■ユニ
・追加戦士で宇宙人で元怪盗で獣人で、敵にスパイとして潜入していた裏切り者であり故郷を復活させるために戦っているてんこ盛りキャラです。設定は盛ってあるのですがこちらも大半が死に気味なことが問題だと思います。
・元怪盗要素は既にストーリー上で着手しているのですが荷が重そうな雰囲気が漂っています。
味方側でできることは基本的には贖罪か報いを受けるか開き直るかの3択だと思います。贖罪は「悪党からしか盗まない怪盗」なので難しいですし、報いを受けることもまず無いでしょう。しかし開き直りでは盛り上がりに欠けると思います。完全に開き直らないと「私は罪人だから…」といつまでもウジウジすることになってこれも楽しくありません。
現状だと因縁の敵であるアイワーンと「まぁ、お互い悪かったってことでいいんじゃない」みたいになぁなぁな関係にして、全ての問題が解決したかのように振る舞うくらいしか道がないように思います。
・ユニが仲間になった理由が普段の言動と一致していないことも問題だと思います。
ユニが仲間になったのは「自分の星を蘇らせるのに必要なアイテムを集めるにはいっしょにいたほうが都合が良いから」だと本人が語っています。願いを叶えることが今の最優先事項であることは本当だと思います。
しかし実際のユニの行動には積極性が見受けられません。アイテムを集めるのが目的なら他のメンバーにアイテム探しを呼びかけては「あなたたち本当にやる気あるの?」くらいの態度を取ったり、普段は一緒にいないでアイテムが見つかったときやアイテムの絡むバトルのときだけ参加するくらいのほうが自然なのに、実際のユニは談笑している他のメンバーから少し離れて聞き耳を立てているか、いきなり話に混ざってくるかのどちらかでめんどくさいコミュ障をやっているばかりです。そんなありさまなのに言うことは「アイテム探す。願い叶える」なのでツンデレにすらなりきれていません。
・個人的に致命的な問題ではないかと思うことは、獣人の素顔と変身能力です。
ユニの本当の姿はケモノ顔の獣人です。普段登場している地球人に猫耳と尻尾をつけたような姿は怪盗ブルーキャット時代から使っている偽りの姿です。ストーリー上では見た目を偽り続ける理由が特に見当たらないので恐らく「見た目が急に変わると子供は同一人物だと理解できなくなるから」といったメタ的な理由でしかないのだと思います。
・個人的には不自然でおかしな絵面になっていると思います。
仲間になったはずなのに変装したままなんてまるで裏があるみたいですし、素顔でないことを気にしない他のメンバーも本当にユニを信頼しているのか怪しく思えてきます。
・今後、素顔になる展開があると良いのですが可能性は少ないでしょうね…
持て余すくらいなら素顔設定を無かったことにするか、「ユニたちの種族が他の種族から変身能力を恐れられていた」という設定を活かして素顔でいるとなにかと問題が起こるから変装したままにしていることにすれば良かったのにと思います。
■エレナ&マドカ
・二人セットで語っていいくらいに空気です。二人とも初期設定以上の話がない上に初期設定も一向に話が膨らまず停滞しています。
・エレナは家族の話しかありません。その上、家族の話がどれも結局「いろいろ大変なこともあるけどやっぱりこの家族が好き」みたいな現状の再確認で終わってしまう内容ばかりで既にマンネリ感が漂っています。
自分の家族が普通と違うことを悩む弟の話がありましたが、エレナをそういうポジションにしたほうが話を膨らませやすかったと思います。「学校でも人気者の優等生」という第一印象とギャップがありますしね。実際にはその問題すら家族の同調圧力で終わらされてしまいましたが…
・マドカはキャラ設定が破綻しているのではないかと思えるほど薄いです。「敬愛する父親に縛られているお嬢様」以上のお話がありません。
父親への思い入れが強いマドカを描く上では父親が重要な存在です。必然的に父親の描写が増えます。しかしマドカは主役ではないため与えられる個人回は限られています。その結果、「父親のキャラはやたらに濃くなるが、マドカは行動も少なく印象が薄いまま」というおかしなことになっています。既に27話なので「ここまで溜めた描写がマドカにつながるから大丈夫だよ」とは言えません。
感想を楽しみに待っていました! スタプリは全体的に薄くて話題に欠けると言いますか、良くも悪くも普通のプリキュアって印象ですね。他の作品だともっと自由度が高いとは思いますが本作はプリキュアですから、戦闘や変身は毎回挟まないといけないだけに制限が多いですよね。個人的にユニを宇宙人にしたのは失敗だったのかなと思います。宇宙人設定はララと被っていますし、宇宙人というだけで目立つ個性なのでえれなとまどかの影が余計に薄くなるというデメリットがあるからです。正直、ここ最近はえれなとまどかがいなくても話として成立するのでは?とさえ思うようになりました。私が思うにスタッフも当初はアイテムや戦闘シーンの時だけの活躍にしたかったのだと思います。初変身から次の回が戦闘シーンに颯爽と現れる展開でしたから。ですが販促の都合上、そういう展開にはできず無理やり絡ませた結果、現在のような形になってしまったのではないかと推測しています。まどかは大好きなキャラなのですが、とにかく彼女の個人回は父親が絡んできますよね。
返信削除そのせいでまどかの個性が霞んでいるというのはその通りだと思います。個人回も残りの話数から考えると2話程度でしょうし、留学問題というのもスマイルプリキュアのれいかと被っていますよね。美人だけど空気なキャラで終わるのか、これから一花咲かせるのか、今後の彼女の活躍に注目したいです。
>私が思うにスタッフも当初はアイテムや戦闘シーンの時だけの活躍にしたかったのだと思います。
削除そうかもしれませんが、私は特にそうは思いません。
常識的に考えればプリキュアであるレギュラーキャラは毎回出て日常回に絡むのが当たり前だと思います。当てはまらないのはキュアミューズなど正体を隠していて、本当の姿のほうで交流があるキャラくらいでしょう。
スタプリの現状から考えてもそういう考えで作っているわけではないと私は考えます。
スタッフの本当にやりたいこと云々の話であれば、私はシリーズ構成の村山さんが興味を持っているのは奇妙な星々や生き物など”設定”だろうと思っています。マドカとか関係なくキャラ自体に興味がないと私は思います。
>美人だけど空気なキャラで終わるのか、これから一花咲かせるのか、今後の彼女の活躍に注目したいです。
留学の話で終わってしまったら伸びないまま終わるだろうと私は思います。
なぜかというと「留学について話す=父親と話し合う」ことになると思うからです。結局父親から離れられないのではキャラを一本立ちさせるのは厳しいと思います。