『仮面ライダージオウ』 第47話 「2019:きえるウォッチ」:感想

2019年8月11日

■虚無は続くよどこまでも
・今回も予想どおり内容の薄い時間稼ぎでした。
チェイスはエターナル同様に誰でもいいモブ怪人扱いでしたし、士の死もすぐ生き返るし死んだ意味もない無駄展開でした。ラスト3話にふさわしい内容なのでしょうね。私も”ジオウには”ふさわしいかもしれないと思えてきました。

■まだまだ増えるよ謎設定
・「この世界が消えるなら他の世界を全部消せばこの世界は残る」
病人が他の人を皆殺しにしたところで病気は治らないと思うのですが何がどうなっているのでしょう? スウォルツたちの世界が消える理由がわからないから考えようがありません。普通の作品だと「存在するために必要なエネルギーを奪う」とか「消える運命を押し付ける」とかそういう理屈付けをするんですけどね。

・それにそもそも「歴史が変われば未来も変わる」はジオウ世界での常識だったと思うのですが… スウォルツたちの世界もソウゴの世界の延長線上にあるなら消えるのは当たり前だと思います。

・ソウゴが未来の世界が消えることに驚いていたことも理解不能でした。
白ウォズで経験済みのはずですし、そもそも「オーマジオウの未来」を消すために今まで動いてきたはずです。なぜかゲイツたちが消える話は出てきませんでしたが、それならソウゴが未来を変えようとゲイツたちが消えないようにスウォルツたちも消えないと思います。世界のつながりと因果関係が全く理解できません。

・「ウォッチが壊れると『ライダーがいない世界』の歴史に書き換わる」
根本的に理解できません。ジオウやアナザーライダーが成り代わったからオリジナルのライダーは消滅したのであり、ウォッチが無くなったらオリジナルが復活するのが筋だと思います。仮にライダーがおらず怪人が跋扈する歴史になったなら対抗手段がないのですから世界征服されたり文明が崩壊していないと変だと思います。「歴史が遡及して書き換わる」という基本設定を無視しているように見えてなりません。
スタッフは意味なんて考えてないでしょうがここで出てくるのが”魔進チェイサー”というのも最悪でした。チェイサーは”仮面ライダーの”プロトドライブが改造&洗脳された姿なのだから仮面ライダーがいなかったらチェイサーは存在するはずがありません。
たぶん「時空の乱れ」で解決したつもりなのでしょうが説明になっていないのでダメです。それをやるなら最低でも何が乱れて何が乱れていないのか、原因と対策も提示しないと成り立ちません。


・アクアとウールの死を忘れるソウゴ
設定どころかキャラもめちゃくちゃでした。
「子供を殺すなんてダメだ!」とか言っていましたけど、あそこでスウォルツを殺せば歴史が変わってアクアもウールも死ななくて済むはずなんですけどね。そもそもこれまでスウォルツと対話を試みた形跡もほとんどありませんし。話しをしたことも「どういうことだ? 説明しろ」ばっかりですよね。「未来では殺すつもりだけど子供の時点で殺すのはダメだ」なんて偽善だと思います。
個人的にはばりばり攻撃してきた時点であれは純粋な子供スウォルツではなく大人スウォルツの影響下にあるので実質大人スウォルツだとみなします。敵が過去にまで干渉しているのにこちらは手を出さない理由は特に無いと思います。結局、中途半端な態度のせいで士が死にましたし。殺す気ないのはともかく味方を守る気もないとは大した王様です。「まさか攻撃してくるなんて思わなかった」と言える状況ではなかったと思うのですが。

・アルピナの前でぺらぺらしゃべるスウォルツ
あの世界は時間軸としては未来であり、スウォルツやアルピナには直接影響すると思うのですが何がどうなっているのでしょうね。普通に考えたらあの後、子供スウォルツはアルピナに「私を消すってどういうこと!」と詰問されるし、下手すると「消えるのはお前だ!」とアルピナに逆襲されてタイムジャッカーの存在が消え、ジオウの話が丸々無かったことになりかねないと思います。

・ジオウは時間を戻せないがアナザージオウ2は戻せる
アナザージオウ2はジオウ2のコピーだから時間を戻せるのだと思っていましたがオリジナルの能力だったようです。人の命を弄ぶソウゴなんているはずがありませんね。ツクヨミが殺そうとしたのもアナザージオウだったに違いありません。


次回はオーマジオウとトリニティで戦うみたいです。本当に意味がわかりませんね。
スウォルツを倒せないからオーマジオウを倒すのだとしたらアホくさ過ぎです。「オーマジオウに勝てないからウォッチが集まるまで待つよ(自分から探す気はない)」から「スウォルツには勝てないからオーマジオウを倒すよ!」だなんてわけがわかりません。時間を遡って過去のスウォルツを倒したらいいんじゃないですかね。いくら設定改変しようがさすがにタイムマジーンが過去に行けない設定は不可能なはずなのですが。


コメント

2 件のコメント :

  1. 更新お疲れ様です。

    スウォルツたちの世界の消滅を回避するにはその他の世界を粘土みたいにぎゅっとまとめて消せばいいという謎理論が飛び出しましたね…ライダーを集めれば自動的に世界も一つになるというのも納得しがたいです。
    他の可能性を全て潰せば彼らの未来だけが残るっていうことなんでしょうか?
    それともタイムトラベルものでよくある「Aを救うとBを救えない」的なことをやろうとしてるのかなとも思うんですが、「2つの未来が同時に存在できない」理由付けも弱いですし、彼らの世界がそもそもソウゴにとって無価値に等しいんでどちらを選ぶか?という問題として成立してませんよね。
    ツクヨミが「干渉なんてしない!」と言い放ってましたが過去の自分自身に会って話をする時点で干渉になると思うんですがジオウ的にはセーフなんでしょうね…

    チェイスに関しては自分も同じことを思いました。ライダーとして作られた彼が洗脳によって敵対し、しかしプログラムではなく自らの意思でドライブと並び立つライダーとなったことに大きな意味があったはずです。覚悟はしてましたがいつもの表面をなぞるだけの浅い解釈で、本来の歴史の記憶が一部ある偽物でしかなかったです。
    ただ、制作側的には正史通りの出自で「潜在意識では記憶があるが、捻じ曲げられてしまってる」悲哀を描くつもりでわざとやってるんじゃないかとも思います。これだとウォッチが壊れてライダーが生まれなかったことになったのは都合よく無視していますが。
    時空の乱れどうこうは先週までのアナザーワールド関連とは違うんですよね?扱いはほぼ同じでしたが。

    ソウゴのスウォルツに対するスタンスも意味不明ですよね。ウールに兄貴面してみせたり、子供だからと中途半端な慈悲とか、表現が薄っぺらくて器が大きいとは思えません。

    ジオウスタッフは士を草むらに転がすのが本当に好きですね。時を戻されてマグロみたいにビチビチ跳ねるところも見たくなかったです。無様にやられた後で颯爽と復活してもちっとも爽快じゃありません。海東の士を蘇生→うっ副作用が…士を襲うという一連のアホムーブも酷い時間の無駄でした。

    記憶が曖昧ですがゲイツくんたちの未来には気軽に帰れないみたいなことは言ってた気がするんですが、そして今回も士頼りの移動でしたが、この差し迫った状況で試行錯誤しないのは怠慢でしかないですよね。

    あと関係ないですがプリキュアの記事も楽しく読ませていただきました。自分は5話くらいで見るのやめちゃったんですが薄い内容が続いてるんですね…見てない作品でも批評の視点として参考になります。

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    1. >ライダーを集めれば自動的に世界も一つになるというのも納得しがたいです。

      ディケイドっぽいようで特に関係ないんですよね。そもそも世界の融合はスウォルツがアナザーディケイドになる前から始まっていますし。

      >他の可能性を全て潰せば彼らの未来だけが残るっていうことなんでしょうか?

      そういうことなんだと思いますが、結局
      >彼らの世界がそもそもソウゴにとって無価値に等しいんでどちらを選ぶか?という問題として成立してませんよね。
      これなんですよね。そもそも現代人のソウゴには「どちらでもない第三の未来」も選び得るし、仮に選んだつもりでも実際思ったとおりになるかなんてわからないはずですし。
      理由をキカイの頃にあったソウゴの「思ったとおりの未来を生み出す」能力に頼ることもできるんですが、これがあるならそもそもスウォルツがどうとかオーマジオウになる未来がとかどうもこうもソウゴの意思次第になってしまうでしょうし。
      話と設定がめちゃくちゃ過ぎて、どこを切り口にしても話が成立する気がしません。

      >ただ、制作側的には正史通りの出自で「潜在意識では記憶があるが、捻じ曲げられてしまってる」悲哀を描くつもりでわざとやってるんじゃないかとも思います。

      そういう意図なのかもしれませんが、それすらもアナザージオウ2編のゲイツとかで捻じ曲げ放題の直したい放題にしちゃってますからねぇ。今更チェイスでやられても個人的には「実質別人でしょ?」で終わってしまって感慨はありません。

      >時空の乱れどうこうは先週までのアナザーワールド関連とは違うんですよね?扱いはほぼ同じでしたが。

      たぶんアナザーワールドとは関係ないと思います。スウォルツの目的は世界の融合と自分の世界以外の消滅のはずですからアナザーワールドも最終的には消すでしょうから。

      時空の乱れは真面目に考えるなら、ブレイドやカブトなどオリジナル世界と直結したやつとの関連性を示しているのだと思います。あれも時空の乱れがどうこうと言っていましたから。あれがスウォルツの望む世界を一つにして消滅させる計画が進んでいた証なのだと思います。
      自分で言っておいてなんですが「散々設定を放り投げてきたジオウで過去のことを理由に持ち出すなんて正気か?」と思うところはありますが。

      >ウールに兄貴面してみせたり、子供だからと中途半端な慈悲とか、表現が薄っぺらくて器が大きいとは思えません。

      一貫した人格が感じられませんし、人の生き死についてだけでも態度があやふやで全く人として信用できません。「こいつは魔王になるやつなんだ!」と疑惑をかけられている人物でこの有様はどうかと思います。意欲のレベルですら信じる気になれません。

      >無様にやられた後で颯爽と復活してもちっとも爽快じゃありません。海東の士を蘇生→うっ副作用が…士を襲うという一連のアホムーブも酷い時間の無駄でした。

      いつもながらレジェンドの扱いは凄まじいですね。士が復活した後でさえジオウにフォームライドしたかと思えばその後はソウゴに任せきりでアホみたいでした。

      >今回も士頼りの移動でしたが、この差し迫った状況で試行錯誤しないのは怠慢でしかないですよね。

      しかもゲイツとツクヨミが基本的にアホなんですよね… あの二人だと「そんなことできない。未来では常識だ!」と言われても信じる気になれません。設定自体も未来を変えたら元の未来は消えるのか消えないのかあやふやですし…

      >自分は5話くらいで見るのやめちゃったんですが薄い内容が続いてるんですね…

      5話までとそれほど内容は変わってないと思います。特にキャラの掘り下げもストーリーの進展もなく単独で面白いエンタメ回が続くわけでもなく、第一印象などの新鮮味が失われた分だけ序盤よりマイナスになっているだけです。

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