『宇宙戦隊キュウレンジャー』 第10話 「小さな巨人、ビッグスター!」:感想

2017年4月16日

【ストーリー】

■お手上げ
・今回のお話はつまらなかったです。今までよりも一段下がったクオリティで、シリーズ構成からローテーション陣に変わったのかと思いたくなるような微妙さでした。猟犬座の扱いなんて何なんでしょう…

・まず、小太郎の印象が悪いまま変身に至ったことが大きなマイナスでした。
前回の時点でわがまま放題という印象だったのに、今回も前半で正当性のない自分勝手な行動が多くてますます印象が悪くなりました。なぜそんなに焦っているのか理由をクローズアップして「変身願望=早く大人になりたいという子供の成長願望」という図式にして共感できるお話にするとかできなかったのでしょうか。活躍も脈絡がなく、あんな攻撃でアイテムを落とした怪人が間抜けなだけに見えました。小太郎のデビューとしては最悪のスタートになってしまったと思います。

・小太郎の言動がラッキーと重なるのが個人的にはまた微妙でした。
小太郎のわがままっぷりは普通なら「こんなやつがヒーローになれるわけないだろ!」と言いたくなるところなのですが、キュウレンジャーの中枢たるラッキーが小太郎以上のエゴイストなので小太郎でも全然メンバーになれちゃうなと納得してしまいました。エゴイストの集団として描くならそれはそれでいいんですが、それが「9人の救世主、キュウレンジャー」とまとめて語られることにギャップを感じます。あとでこれがカタルシスに昇華されるのでしょうか?

・オリオン号側のお話はどうしようもない酷さでした。
船のコントロール不能の原因究明もせずになぜか犯人探しを始め、他に犯人がいるほうが当たり前の状況でなぜか身内を疑い始めるのは不自然極まりなかったです。茶番が終わったら急に原因究明を始めたのでますます意味がわかりません。その上、絶体絶命の状況に追い込まれても脱出しようとしないのは馬鹿どころか頭がおかしいと思いました。船を放棄できない理由も見当たらないのにどうして心中しなきゃいけないのでしょう。全てが雑な見下げた展開でした。

■禍根が残るような
・前回死んだと聞かされたビッグベア元総司令がさっそく出てきてしまいました。蟹座みたいに生前の勇敢さから星座になったものもいるからモチーフ的にはおかしくないとは思いますが、ドラマとしてはマイナス要因だと思います。
この先で誰かが死んでも「まぁ星座になれば復活できるし」と死が軽くなってしまう恐れがあります。放送終了後のVシネや劇場版用の設定なのかもしれませんが、こんな早いタイミングで出さないほうが良かったと思います。


【アクション】

■コグマスカイブルー
・11人目の戦士、コグマスカイブルーが登場しました。
個人的には武器が面白かったです。先に玉の付いたマフラーを振り回し、フレイルや鞭のように使っていました。マフラーを何かに見立てることで様々なアクションができるから可能性を感じました。玩具化されそうもないので販促上の優先順位は低そうですが、活躍の機会がたくさんあることを期待します。


次回は「ラッキーの幸運がなくなった?!」というお話みたいです。
しかしそもそも私はラッキーの本質が幸運にあると思っていないのであまり深刻に感じません。次回で幸運の重要性を描くことで作品との認識のズレを埋める手助けになるといいのですが。


コメント

6 件のコメント :

  1. 小太郎のキャラの特色が「子供である」以外特に見当たらないのが本気で驚きました。
    歴代の子供戦士は子供ながら戦いに参加する相応の重大な事情を抱えている子ばかりだったので、前回の時点でかなり軽いスタンスだった小太郎もそれ相応の特別な覚悟と経験を経るのだろうと予想していたのですが、「小太郎をどうにかする」より「霊のビッグベアをどうにかする」という点が重視されていたように見えたのが腑に落ちない部分でした。スティンガーとの絡みは一体なんだったんでしょうか?彼も同じく兄弟が居る上、戦地に赴いたために生き別れた経験があり小太郎の参加に物申す立ち位置としては最適だったと思うのですが…彼と絡んで納得させる過程で小太郎独自のスタンスやキャラ立ちも自ずと完成されたのではないかと思います。これらも大人数だから仕方ない部分だと理解するべきなのでしょうか?正直今回のような話が続くと単なる制作側の力不足の言い訳だろうと思ってきてしまいますよ。

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    1. >小太郎のキャラの特色が「子供である」以外特に見当たらないのが本気で驚きました。

      元々ショウ司令の時点で戦力的な必要性が感じられない中での更なる追加メンバーだったので、小太郎がキャラクターとしても必要性を感じない流れだったのは驚きでしたね。今のところ「いて欲しい」っていう感じが全然しません。

      >「小太郎をどうにかする」より「霊のビッグベアをどうにかする」という点が重視されていたように見えたのが腑に落ちない部分でした。

      作劇としてはここが謎でしたね。
      総司令に認められて変身できるようになる流れも小太郎が自分の力で認められた感じがせず、総司令が未熟者とみなしていたショウ司令の活躍をラッキーが伝えて説得できたおかげに見えました。しかもそのショウ司令は今回ではギャグキャラ化していて余計に変身の流れが理解しがたいものになっていました。
      作品全体においても今回単独で考えても、普通にダメなお話だったと思います。

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  2. こーひーかっぷ2017年4月17日 13:06

    今回はちょっと酷かったですね。ぐだぐだと見せかけて…あ、ごめんなさい、ぐだぐだなだけです!と言わんばかりの、何のひねりもないシナリオでした。地球側も、オリオン号側も、ただただ無駄な時間が過ぎるだけ。部下から成長の機会を奪わないために、総司令が「もうダメだ!」と見せかけ、最後の最後で自力でオリオン号の制御を取り戻すのかと思っていましたが、ラッキーが倒せていなかったら本当に全員死んでいたというオチ。総司令は馬鹿のフリをしていて実は全部お見通し、というキャラだと思っていましたが、もう何を考えて良いのかわからなくなりました。

    モライマーズという存在のおかげで、ロボの販促ノルマが達成しやすくなったのは凄く良いことなのですが、空いた時間を有効活用できないなら本来のフォーマットで良いよと突っ込みたくなります。

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    1. >総司令は馬鹿のフリをしていて実は全部お見通し、というキャラだと思っていましたが、もう何を考えて良いのかわからなくなりました。

      何がしたいのかわからない回でしたね。
      昼行灯と見せかけて有能というのは既にやっているのに、また蒸し返して何になるのでしょう。しかもビックベア総司令がショウ司令を認める回で醜態を晒すのは理解しがたいです。

      >モライマーズという存在のおかげで、ロボの販促ノルマが達成しやすくなったのは凄く良いことなのですが、空いた時間を有効活用できないなら本来のフォーマットで良いよと突っ込みたくなります。

      節約してるのに有効活用できてないのは残念ですよね。
      怪人の巨大化がないことはどうでもいいといえばどうでもいいのですが、毎回同じロボが戦うよりは週替りの怪人のほうがまだ楽しみがあります。モライマーズの起用で少しとはいえマイナスが発生する以上、何かしらのプラスを用意してくれないと困ります。「モライマーズのおかげで再生怪人を使わなくて済む」なんてほどの余裕が生まれるとは思えませんが、何か意義があるんでしょうかね?

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  3. 「コントロールが利かなくなった原因を調べて」と司令が言ったときは、なんで先にそれやんなかったの?と思いましたね。どう見てもこれは、古畑任三郎(ですよね?)のパロディをやりたいがために無理矢理後からねじ込んだとしか思えないのですが、だとしたら誰の趣向が反映された結果なのか…今作はプロデューサーもチーフ初経験の人みたいですが、この先の舵取りを上手くやっていけるか心配です。

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    1. >どう見てもこれは、古畑任三郎(ですよね?)のパロディをやりたいがために無理矢理後からねじ込んだとしか思えないのですが

      最初の推理ごっこは古畑のパロディだと思います。
      しかしその後の推理や役立たずっぷりは古畑とは関係ないように見えました。全然オチてない気がしたのですが何だったのでしょうね?

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