『宇宙戦隊キュウレンジャー』 第9話 「燃えよドラゴンマスター!」:感想

2017年4月9日

【ストーリー】

■時間感覚が合わない
・駆け足を通り越してスタッフと時間感覚が違うのではないかと思えてきました。5分の前の出来事がまるで数話前の出来事のように扱われているようでした。5分前に見たばかりの内容を「前に説明したからいいよね?」と言われても私は頷けません。ラッキーなど登場人物の理解と対応の早さに戸惑うばかりです。

・特についていけなかったのが、ラッキーの「伝説では9人の救世主だったのが10人になったんだから俺たちはもっとすごい!」という台詞です。
物語が始まった時点から「9人揃うとどうなるの? 7人、8人とはどう違うの?」という疑問がずっと頭にあったのに、いきなり9人の話が終わったことになっていて愕然としました。9人での活躍というとエリードロンを倒したときくらいしか私は思い浮かばないのですが、どこでどう9人の意味があったのでしょう?

・それから個人的にはスパーダの話が棚上げになっているように感じました。
スパーダにとって、あの困窮していた人々はダイカーンさえ倒せばもう放置してもいいことなのでしょうか?
「人々が再び日常生活を送れるようになっている姿を見て安心するスパーダ」とか、そんなシーンがないと締まらないと私は思いました。今回のラッキーの出番をスパーダに置き換えるくらいでないと今回の前後編が成立しないように感じました。「この話をするには○○が足らない」というパターンはよくあるのですが、キュウレンジャーの場合「なんでこれも入れたの?」と多すぎて処理できていないパターンのほうが多いです。これはこれで構成の意図がよくわかりません。

■イカーゲンの不審な行動
・マーダッコをわざと見殺しにしていたように見えたことが気になりました。
さっきまでいっしょに戦っていたはずが、やられたわけもないのに急に姿を消していました。これがマーダッコを殺させるために離脱していたのか、撮影側の不備なのか、どちらとも判断がつきませんでした。


【アクション】

■リュウコマンダー
・追加戦士で10人目のリュウコマンダーが登場しました。
持ち替えやノールック背面射撃などギミックの面から抑えるべきところは抑えてあったと思います。
想像以上と思えるアクションはまだ特になかったので今のところ及第点という感じです。現状だとキューウェポンのバトルのほうが興味があります。

■リュウボイジャー
・かなりかっこよくてびっくりしました!
造形さんと操演さんがすごくがんばっていて、グネグネと縦に蛇行する龍の存在感をよく表現できていました。躍動感がある分、巨大ロボよりかっこよく感じました。

・もう何回かリュウボイジャーの姿を見たいのですが、機体数から考えても分離形態での活躍は全話通して2,3回程度でしょうね。残念です。


次回は早くも11人目の戦士の登場です!
7話で追加戦士が参加しただけでもたまげたのに今度は続けて11人目です。小太郎の言っていた「俺が入って11人になってもキュウレンジャーでいいんだね!」という台詞が伏線で、しかもこんなに早く回収されるとは想像すらしていませんでした。

個人的には「もっと増えるの?!」というワクワク感より、「まだ増えるの? そんなことして大丈夫?」と不安のほうが大きいです。
「10人なのにキュウレンジャー」もさらっと流されていましたし、早くもノルマの重さにお話が潰されかけているように見えて先行きへの不安が増す一方です。加速し続けるキュウレンジャーのペースについて行けず、そろそろ振り落とされそうな予感を感じています。

コメント

2 件のコメント :

  1. リュウボイジャー、操演に気合いが入っていて見応えは充分でした!…が、所々で「五星戦隊ダイレンジャー」の龍星王を想起させるというかそのまんまな構図が見られたのが自分としては残念です。気にならない方には全く気にならない部分ではありますが、あんまりパロディに走ってほしくないんです。自前の素材だけで魅力的に描けるだけのポテンシャルは持っているのに他の作品の要素を節操なく借りるのはもったいないと思います。
    スパーダ関係の描写は、やっぱりこの程度の掘り下げか…と思いました。前々回までのシェフ用語をとりあえず連発する人という程度の印象に戻ってしまったように感じます。まだまだ要素の多さでガクガクしてるな…と思います。光る部分は着実に増えていっているので、それに伴って構成がこなれてくることを期待しています。

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    1. >所々で「五星戦隊ダイレンジャー」の龍星王を想起させるというかそのまんまな構図が見られたのが自分としては残念です。

      ギャバンのドルギランとか龍系はどうしても似てしまうところはありますね。
      意図的に真似していたとしても、この場合はそれも有りかなと私は思います。なぜかというと期間がだいぶ空いているからです。ストーリーでもデザインでも、5年10年と間が空けば良いものを使いまわしてもいいと思います。戦隊の場合、メインターゲット層が”お約束”を知らないこれが初めての相手を対象にしているわけですし、間隔を空けた再生産は有りだと思います。

      >スパーダ関係の描写は、やっぱりこの程度の掘り下げか…と思いました。

      この程度、でしたね。
      回収されたのは司令の「ウィ、シェフ」くらいで、今回やった独断専行すら誰にも触れられずに終わってしまいました。脇役の冷遇は既に何度も経験しているので覚悟していましたが、”また”でしたね。

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