■ドラマのないドラマ
・今回はびっくりするほど葛藤も何もありませんでした。
ポッピーは状況に流されるだけで心の弱さに驚かされました。CRにいた頃は自分の考えを押し付けるタイプでしたが、本当のポッピーは人に言われたらそうだと思い込んじゃうタイプだったんですね。
永夢は「ポッピーはこういうキャラだから。俺が知っているポッピー(しかもそれはプログラムされた行動)はこうだから」と自分の考えを押し付けるだけで何も進歩なし。飛彩たちもバガモンや前回戦ったばかりのラブリカの例もあるのに「倒すしかゲームクリアーの方法はない」と思考停止。挙句に解決策はずっと抜かずにいた天下御免のリプログラミング様。
どこを切り取っても酷い展開でした。こんなゴリ押しであっさり終わらせるならポッピーが敵として現れた時点でやれば済んだ話だと思いました。

・提示された要素だけでも、
飛彩はポッピーを救えるかもしれないという可能性を喜ぶ。しかし既にゲーム病の患者が発生している以上、曖昧な可能性に患者の命をかけるわけにはいかないと医者としてポッピーを倒す決断をする。
永夢は患者の命もバグスターの命もどちらも救う医者でありたいと考え、ポッピーも患者も救える道を模索する。
二人は対立し戦うことになり、正気に戻ったポッピーはその様子を見て嬉しいと思いつつも自分が誕生するために奪った命について悩みを深める。
なんてドラマが容易に作れたと思います。
更に大我も絡めるなら「患者を死なせた医者」であることを活かして、「死なせたことを後悔するよりこれから救える命のことを考えろ」と諭すこともできるでしょう。
ドラマもなく、バトルや販促に力を入れるわけでもなく、まるで納得のいかないお話でした。

・次回への前フリも酷かったです。飛彩が話の流れに沿うことに急に興味を持ち始めることには慣れましたが、飛彩の背後にある操り糸がいつも以上に一段と丸見えでげんなりしました。
「なぜかパラドは永夢との勝負にこだわっている…」ってそんなこと1クール目の時点から見え見えだったでしょうに。パラドが何回「俺と勝負しようぜ、永夢」と言ってきたと思っているのでしょう。こんな疑問点の入口からスタートしたのに、今回のラストでは「パラドは永夢に何かしようとしていて危険だ」と展開を予期できるまでになったことが不思議でしょうがありませんでした。

■諸悪の根源
・個人的には永夢が何も変わらなかったことが辛かったです。
前回の次回予告の時点では、ポッピーは一応ヒロインだから永夢が自分の考えを相手に押し付ける悪癖が改善されるきっかけになるかと期待していました。しかしそうはなりませんでした。
「ポッピーはそういうキャラじゃない」とパラドに対して言ったときには、ポッピーから「キャラって何?! 私は私だよ、ゲームの登場人物なんかじゃない!!」と反発が来て永夢が考え始めるきっかけになるかと期待したのですが、ポッピーは納得してしまいました。「Identityを超えて」というより、アイデンティティを無視する話に見えました。

・相変わらず永夢の考え方がわかりませんでした。
対話を試みたこともないのに一方的に敵味方を切り分ける根拠はどこにあるのでしょう?  自分の考えを押し付けるにしてもリプログラミングがあるのですからバグスターから人間への敵対心を無くせば穏便に済ませられると思います。

・私の印象では無茶苦茶やってるパラド側にいくらかの正当性を感じてしまうのは永夢が主な原因だと思います。
恣意的に殺していい相手と殺しちゃいけない相手を選り分ける敵対者がいるなら、殺される側のバグスターが「じゃあ俺たちも好き勝手に人間を殺してもいいよね」と言っていても反論できません。
次回予告の感じだとパラドは永夢から生まれた存在のようでしたが、元々予想がつく内容だったという点を除いても意外性はありませんでした。大元が永夢ならパラドの言動がおかしかろうが納得がいってしまいます。


次回はパラドの強化フォームが登場するようです。
今回マキシマムでパラドを圧倒していたことはどう落とし前をつけるのでしょう? このままだと次回以降「あのときマキシマムでパラドを倒しておけばこんなことにはならなかったのに」と言われてしまいます。