『仮面ライダーエグゼイド』 第29話「We're 俺!?」:感想
【ストーリー】
・「実はパラドは孤独だった永夢がいっしょにゲームをする相手が欲しいと願って生まれた存在だった!」
「ゲーマー人格のMの正体はパラドだった!」
と、衝撃的な事実が明かされたはずなのですが、子供時代の永夢の孤独やバグスターの性質が描かれていないから衝撃の事実のはずがただの新情報で終わっていました。いつもながらこの温度差が理解しがたいです。計画的な失敗という感じで実に謎です。
・「永夢に出たり入ったりできるパラドはバグスターとしては普通なのか特別なのか?」
「永夢が消滅していないということはパラドはあれでもまだ完全体ではないのか? 手術したからOKなの? それなら永夢に寄生できるのはどういうこと?」
この辺りがさっぱりわかりませんでした。
不完全だとすると出たり入ったりするのは納得がいきます。週替り怪人のバグスターが出たり入ったり、患者の身体を操ったりしていましたからね。
ただ、不完全なのに永夢がいない様々な場所に現れ、戦ったり変身したりいろいろな活動をしてきたことと相性が悪いと思います。そこまで自由にできて不完全と言われても納得がいきません。
シンプルに考えると「パラドは手術で分離したから特別」という話のように思えます。特別な存在にはこれまでの常識が当てはまらないので何も情報がないのと同じになってしまいます。何をどう考えたら話についていけるのでしょう?
■永夢
・”衝撃の事実”という点では永夢のほうが私にはショッキングでした。
本気で患者を一人も死なせないつもりだったらしいです。てっきりただの「がんばって患者を助けるぞ!」くらいの意気込みでしかないと思っていました。「患者の運命は俺が変える」は”俺”だからM人格の発言で、医者の永夢はそんなこと考えてないだろうと思っていたのですが違いました。そんな傲慢な意思表明を患者を死なせた大我の前で言う永夢の無神経っぷりは筋金入りですね。つくづく永夢は医者にならないほうが良いと思いました。
・それと個人的には「パラドに救われなかったら消滅していた。何がノーコンテニューでクリアしてみせるだ」という点にショックを受けていたことが不思議でした。
そもそも永夢は事故で死にかけて医者だった頃の審議官に救われていたはずです。その時点で言わば”コンテニュー”させてもらっていて、そのときの経験から医者を志したはずです。それが今更他人に救われたからなんだというのでしょう? ショックを受ける理由がわかりませんでした。
「パラドに救われたことが許せない」というほどパラドへの敵対意識は強くないと思うのですが… まるで別のキャラの話のようで、とても永夢の話をしているように見えませんでした。
■永夢は天才ゲーマーなのか?
・永夢の天才ゲーマー設定はまた一つ謎が増えたと思います。
Mとしての業績がパラド主導のものだったとすると、そのことを永夢はどう思っていたのでしょう?
普通に考えたら「俺は対戦ゲームを人とプレイしたことないし、ゲーム大会にも乗り気じゃなかったはずなんだけどなぜか天才ゲーマーと呼ばれる… 変だなぁ」と自分の行動と評判に疑問を持ちそうなものです。
おまけに医者になった後も「俺がクリアしてやる!」なんてノリノリな態度を取ったのはどういうことなのでしょう? あれもパラドの影響下だったのでしょうか?
しょっちゅう二重人格気味でゲーム関連は全てパラドの影響なのかと思えてきますが、黎斗の発言を信じるならウイルス感染前からゲームセンスは天才的だったそうです。いったいどこまでが本当の永夢なのかわからなくなってきました。
■天下無能の衛生省
・黎斗のアジトとして乗り込んだはずなのに資料は床に撒き散らしたまま保管せず、衝立一つどかせば見つかる扉も見つけられないとは素晴らしい操作能力です。すっかり無能っぷりが板についてきました。
・天下無敵のリプログラミング様なんて持ち出してどうするつもりなのかと思ったら、無能の極みの衛生省でバランスを取るとはさすがです。
都合がいいことはリプログラミング、都合が悪いことは衛生省のせいにすれば話がどんどん作れそうです。 その発想には脱帽です。
・もうここまできたら「衛生省は黎斗の父親と結託して全てを仕組んでいた黒幕。黎斗がバグスターを発見したのも永夢にウイルスを送りつけたのも父親がそうなるように仕込んでおいただけ。審議官の変貌も実は手術の後にバグスターに乗っ取られていたからだった」くらいしないと辻褄が合わないと思います。
【アクション】
・エグゼイド系と比べると髪の毛の扱いが普通にかっこよかったです。
珍しいものではなく「普通に考えたらこうなるよね」という印象でした。逆に癖がなさすぎて印象が薄いくらいです。
・ハンドアクスを持っているのでアクションをがんばってほしいのですが、今回の感じとエグゼイドのアクションの傾向からすると望みは薄そうです。持ち替え式がカブトクナイガンみたいでなおさら期待したいのですが…
次回は早くも決着がつきそうな雰囲気の次回予告でした。
パラドクス99の販促を踏まえるとどうせ水入りで引き伸ばして終わるのでしょうが予想を裏切ってくれるでしょうか。
正直なところ、二重人格を作中の核となるエピソードとして扱うには、永夢が自身の中にある別人格をどう捉えていたのか、という描写がまるで足りてませんよね。マイティブラザーズへの変身を渋っていたときも結局はこれと言った理由もなく受け入れてましたし。それからバガモン回の回想で、あれは実は二人の感情が同調していたんですと説明されても、妙に納得がいかないのは何故なんでしょう…
返信削除>正直なところ、二重人格を作中の核となるエピソードとして扱うには、永夢が自身の中にある別人格をどう捉えていたのか、という描写がまるで足りてませんよね。
削除私もそう思います。
この手の話だと「だから本人に自覚症状がなかったのか…」なんて納得することもよくありますが、永夢の場合は描写がまるでなく周りのキャラも指摘しないのでまるで二重人格なんて存在しないように見えることすらありました。
>それからバガモン回の回想で、あれは実は二人の感情が同調していたんですと説明されても、妙に納得がいかないのは何故なんでしょう…
バガモンが例として不適切だったからだと思います。
「永夢とパラドの感情が一致していた」と言っても、バガモン殺しは反感を抱いて当たり前の出来事でした。実際にポッピーなど周りもドン引きでした。それを例に挙げて「ほら、一致してたでしょ?」と言われても信憑性は薄いです。
「パラドは戦いたがっているのに、永夢はまるで相手をする気がない」のように、逆に永夢とパラドの感情が一致しないことはいくらでもあったことも一因でしょう。
エムの過去って、病室でワンダースワンを受け取る、クロトにゲーム案を送る、手術を受ける、大会でニコに声をかける、程度しかないので孤独な〜とか言われても……………って感じです。本当に「展開」でなく「情報」でした
返信削除そもそもゲームをしている描写が少ない上に二重人格に悩まされるような描写もすくなかったので説得力に欠けますねな
そもそも、パラドが実体化しているのに何故エムは無事で自我を保っているのか?等設定から問いただしたいですね
永夢の過去やゲームへの思いは全然描かれていないのでピンと来ませんでしたね。
削除「永夢は一人プレイ用のゲームばかりしていて、パラドは対戦ゲームばかりしている」なんて描写があれば伏線になったろうと思います。いっしょにプレイする相手がいなかったならどうして「協力プレイ」なんて知っていたんでしょうね? 強すぎて友達から疎まれてしまったとかそういうタイプだったのでしょうか。
>パラドが実体化しているのに何故エムは無事で自我を保っているのか?等設定から問いただしたいですね
パラドはどういう状態なのでしょうね。これまで散々活動していたので完全体ではないと思ったことがありませんでした。
そもそもバグスターが独立するために宿主を消滅させる必要がないのなら、それは前提をひっくり返す大変な事だと思います。安全に切り離すことができ、バグスターが人間に危害を加えないならバグスターを殺す必要がなくなりますからね。永夢たちはポッピーを仲間と呼びつつも、平然とバグスターを殺し続けるんでしょうけど…
・本気で患者を一人も死なせないつもりだったらしいです。
返信削除・そもそも事故で死にかけて医者だった頃の審議官に救われその時点で”コンテニュー”させてもらっていて、今更他人に救われたてショックを受ける。
どうしてそう言う発想に至るのか流石に理解に苦しみます。確かに永夢は始めは誰一人も患者を死なせるつもりはないと青い考えをしてたでしょうけどライドプレイヤーが目の前で消えた後は「全て救えなくても出来るだけ多くを助ける」と言い切った筈ですが?
恩師じゃなくて平気で人の命を奪う奴から救われて更にそいつを生んだのが自分だと知ってショックを受けるのが何故不思議なのですか。
>確かに永夢は始めは誰一人も患者を死なせるつもりはないと青い考えをしてたでしょうけどライドプレイヤーが目の前で消えた後は「全て救えなくても出来るだけ多くを助ける」と言い切った筈ですが?
削除それならどうしてそう決心する契機になったライドプレイヤーの死のことをパラドに指摘されて凹むのですか?
元凶がパラドなら余計に一刻も早くパラドを倒そうと思うはずです。自分のことなんて考えている場合ではないでしょう。自分は特別で自分なら救えるという全能感に浸っていたからパラドの出自やパラドからの指摘であれほどのショックを受けたのではないでしょうか?
>恩師じゃなくて平気で人の命を奪う奴から救われて更にそいつを生んだのが自分だと知ってショックを受けるのが何故不思議なのですか。
相手を殺してでも患者を救おうとしている人間がその程度で闘志を失うとは思いませんでした。自分関連で死んだ知り合いは九条と黎斗の経験があるはずです。それを乗り越えたはずなのに今更揺らぐとは思っていませんでした。
またパラドの話に説得力を感じなかったのも理由です。
パラドは運命がどうこうと言っていましたが、永夢が患者を救えない原因はパラドの妨害や攻撃のせいです。個人が障害になっているだけなので永夢の語っている運命とは別の話だと思います。
永夢自身も覚えていないような昔の話を持ち出してきた上に抽象的な話をする敵の話を真に受けることが不思議でした。普通だったら「お前は何を言ってるんだ?」と一蹴されてもおかしくない状況に見えました。
こんばんは。エグゼイドの感想は今回が初めてですね。私個人としては面白いと思うけど引っかかるとこがなにかと出るためいざ口にして面白いと言えないってところです。
返信削除今回は新情報の提示されただけというのは私も感じました。目が変わるところとかはあからさまでしたから。
エムの子供時代の描写が少ない上に人間関係が全く書かれてないからエムが孤独だったと聞いた時は「えっそうだったの」と拍子抜けしてしまいました。孤独だという描写が有ればなるほどと思っていたんですが。
俺エムがパラドだったとすれば「患者の運命は俺が変える」という言葉はエムとパラドどっちだったのってことになりますよね。今までそんな自分に思うことがないとエムに対して自分のことには無頓着なのではと思ってしまいますね。
あとパラドは今回までのこと考えてたということにするならもう少し「こいつ実は何か考えているのでは?」と思わせるように書いて欲しかったですね。
こんばんは。
削除>孤独だという描写が有ればなるほどと思っていたんですが。
私もそう思います。でも何にも心当たりがありません。
「天才ゲーマーM」なんて言われていたくらいですから、ちやほやされていてもおかしくないとすら思っていました。「天才ゆえの孤独」とか二重人格気味なこととか孤独にまつわるエピソードは簡単に用意できると思います。
>今までそんな自分に思うことがないとエムに対して自分のことには無頓着なのではと思ってしまいますね。
永夢も周囲の人物も不思議です。
永夢自身の振る舞いもパラドの執着も考える機会は何度もあったと思います。答えまで考え至らないのはおかしくありませんが、考えること自体がないのは異常です。
>あとパラドは今回までのこと考えてたということにするならもう少し「こいつ実は何か考えているのでは?」と思わせるように書いて欲しかったですね。
パラドについてはこのタイミングで仕掛けた意味を考えあぐねています。
単に永夢と勝負したいだけならライダーになって互角の実力をつけてきた時点で良かったはずです。仮面ライダークロニクルは永夢が考えたゲームではないはずですから完成を待つ意味はないはずです。そこは明らかにパラドがバグスターであることが理由なのに、全部永夢のためにやったというのは奇妙に見えます。子供時代の永夢が「(自分が得意な)ゲームで世界を救えたら最高なのに」とでも言っていたのでしょうか?
今回の発言は永夢の動揺を誘うために誇張しただけで、パラドにとっては永夢との勝負もクロニクルでバグスターが人間狩りをすることもどちらも同じくらい重要なのではないかと疑っています。
揚げ足取りしたいだけのように思える。きちんと放送見てました???
返信削除患者を救えなかったから絶望したわけじゃなかったですよね?パラドがクロニクルを始めた動機が永夢のためだったから絶望したわけですよね?(パラドの「お前が殺したんだ」に衝撃を受けた)
ノーコンティニューの件にしても、永夢が実は死んでたかどうかなんて問題じゃなかったですよね?「お前に運命を変える力がない」ことの根拠のひとつとして挙げられただけですよね。(主人公が勝てたのはパラドの介護のおかげ)しかも、永夢が赤い目をしていたシーンは他にもあってそれらもパラドのおかげなのかもしれません。
衛生省無能については、セットの出来の悪さとシナリオにこじつける意味が分かりません。ライダーシステムやゲームエリアなんて超技術のものを作れる社長なら、誰にも見つけられない隠し部屋を作るなんて簡単でしょうに。
>パラドがクロニクルを始めた動機が永夢のためだったから絶望したわけですよね?(パラドの「お前が殺したんだ」に衝撃を受けた)
削除そこがわからないのです。
パラドの言うことに心当たりがあるならともかく永夢にとって子供時代は「そういえばそんなことしたような」という程度の思いしかなかったはずです。
「実はお前は昔そう願っていたんだ!」なんて突然言われても実感が湧かないと思います。
それよりは今実行している患者を救うことを否定されたほうが原因である可能性は高いと私は判断しました。
>ライダーシステムやゲームエリアなんて超技術のものを作れる社長なら、誰にも見つけられない隠し部屋を作るなんて簡単でしょうに。
私は簡単だと思いません。ゲームやライダー関連のものを作る技術と隠れ家を作る能力に関連性はないと思います。
もしそんな力があったなら、うっかり九条に変身するところを見られたり、想定外にも衛生省にアジトへ踏み込まれたりしなかったはずです。
「バグスターへの対抗技術でもあるのでパラドたちに知られないようにするためにリスクを犯してでもあの場所にしか使わなかった」という可能性もなくはありませんが、2クール目以降の社長に「たとえ命を失おうとも、たとえクロニクルを完成できなくてもこれだけは隠し通す」なんて気概があったとは思えません。
リプログラミングという名称のせいで誤解されがちですが、用語としては「元に戻す」「初期化する」という意味しかありません。
返信削除きちんと作中内で説明がほしかったなとは思いますが。
東映公式ページのほうで本来の用語ではそういう意味だと書かれていましたね。
削除しかし私はエグゼイドの作中では独特の意味で使われていると考えています。
たとえば前回ポッピーの記憶を取り戻したことや今回パラドを倒そうとしたときにもリプログラミングを使ったと明言されていましたがどちらの使い方も本来の言葉の意味として機能しているとは思えません。「プログラムの書き換え」程度の意味のように見えました。
リプログラミングが医学用語であること自体は本編でも示唆されていました。
削除さすがに東映公式の解説を無視するのは考察としてルール違反ではないでしょうか?
少なくともパラドに関してはリプログラミングによる遺伝子操作と捉えられる描写がありましたし。
>さすがに東映公式の解説を無視するのは考察としてルール違反ではないでしょうか?
削除これは私のコメントへの返信でよろしいでしょうか? 違ったら無視してください。
>少なくともパラドに関してはリプログラミングによる遺伝子操作と捉えられる描写がありましたし。
その辺りの台詞の意味がよくわからなかったので知っているなら教えていただけませんか?
遺伝子を初期化するはずのリプログラミングを殺すつもりで撃たれたパラドが永夢の遺伝子を獲得するという流れが理解できませんでした。別のプロセスに思えるのですが、リプログラミングはどのように働いた結果なのでしょうか?